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◇◆ Prologue ◇◆
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■ Matsuki & Shiduki at 3 years old it
「まちゅきちゃん、知ってる? とってもすごいおまじないのこと!」 「なぁに、しじゅきちゃん? すごいおまじないって?」 「んとね、誕生日とぉ、満月が一緒の日にね……」 「うん」 「大好きな紅茶に、大好きなお花の花びらを浮かべてぇ……」 「うん」 「それをゴックンするの!」 「ふ〜ん。そうするとどうなるの?」 「そこまでは、しじゅきにはわからなぁ〜い」 「でも、その日がきたら絶対にゴックンしようね! 約束だよ、まちゅきちゃん!」 「う、うん……」 ■ Matsuki & Shiduki at 8 years old it 「さぁ、まつき、いいから飲むのよ!!」 「うん。でも……どんな効き目があるのかわからないのに……」 「何言ってるの? 誕生日が満月なんて巡り合わせは滅多にないのよ!」 「それはそうだけど、でも……」 「そんな優柔不断だから、いつまで経っても恋ができないのよ!」 「いつまでって……私まだ八歳だからべつに……」 「もういい! まつきの嘘つき! 約束したのに! 絶対に飲むって約束したのに!」 「わ、わかりました。飲めばいいんでしょ。飲めば」 ゴクン…… 優しい空の優しい月に見守られて…… これが私たちのはじまり。 いつかきっとあなたにも、こんな偶然が起こることを願って…… |
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