聖誕祭
捏造クリスマス◇2005/12/23初出 2010/05/18改稿 えち
聖誕祭は、AL教の聖人が生まれた日であり子孫繁栄を願う行事である。
敬虔なAL教徒にとっては大切な行事であるが、、
それ以外の者達にとっては、集まって飲めや歌えの大騒ぎをする日としか認識されていない。
さらに若い男女の間では、男がプレゼントをする見返りに女を抱ける、という習慣すら定着している。
最も、『聖誕祭』の意義的には、ただのパーティよりもそちらの方がふさわしいのかもしれないが。
「まっ、そーゆーことで」
いつもよりちょっぴり豪華な夕食を食べた後、ランスは用意してあったいくつかのプレゼントを手に、
シィルを残して出かけていった。シィルがランスに買い取られて半年あまり。
初めて二人で迎える聖誕祭に淡い夢を持っていたシィルだったが、それはもろくも崩れ去った。
「別に……いいんだけどさ」
後片付けを終え、一人シィルはため息をつく。
テーブルの上には、聖誕祭につきもののはちみつ酒が置かれている。
「飲んじゃってもいいよね、きっとランス様は帰ってこないだろうし」
シィルははちみつ酒の栓を抜き、二つ並べたグラスの一つに注いだ。
実家で過ごした聖誕祭では、子供向けにとジュースで薄めたはちみつ酒しか飲ませてもらえなかった。
グラスの中できらきらと光る金色の酒をしばし鑑賞した後、シィルは思い切ってぐっと飲み干す。
「あっ……甘くて美味しい」
はちみつの香りと甘い口当たり。はちみつ酒の小瓶が空になるのに、大して時間はかからなかった。
「うん、ごちそうさまでした……ちょっと……眠いかも」
ふわふわとした足取りで、シィルは寝室に向かう。
寝間着に着替えて独り寝には広いベッドに潜り込むが、どうにも体が火照る。
「んー、いいや、脱いじゃおうっと」
毛布の中で寝間着も下着も脱ぎ捨て、ぽいぽいとベッドの外に放り出す。
いつもなら絶対にやらない事ではあるが、立派な酔っぱらいと化しているシィルには何の抵抗もない。
今夜はランスが帰ってこないと思いこんで、気が緩んでいたせいもあるかもしれない。
「ん……?」
身体にじわりと熱を感じ、シィルは毛布にくるまってもぞもぞと身をくねらせた。
古来、はちみつ酒は精力増強剤としての一面を持つ。媚薬のように強力なものではないが、
新婚夫婦がはちみつ酒を飲んで子作りに励むという慣習からも、それが見て取れる。
友達の間でもその手の話題には疎い方だったシィルは、それを知らなかった。
知識はなくとも、ランスとの日々の情事によって性行為に慣らされた体は反応する。
「っ!」
無意識の内に自分で胸をまさぐっていた事に気付き、シィルは慌てた。
しかし、一度着いた火はそう簡単には消えない。再びシィルの手が胸に触れる。
ランスの愛撫を再現するように、先端をきゅっとつまんでみる。
「う、ふぁ……」
きゅん、と背中に痺れが走る。シィルはもう一方の手を太股の間に滑り込ませた。
指が花芯を掠めるだけで腰がびくっと震える。その奥にある湿った柔らかい花弁を、そっと擦ってみる。
熱い蜜が指の滑りを助け、強く、弱く、花弁を刺激する。
「は、んっ」
更に中心に指を進める。ランスに与えられる刺激にはほど遠いが、
ゆっくりと円を描くように指を蠢かせると、深い快感が生まれる。
その感覚に集中しようと、シィルはぎゅっと目を閉じた。
ピンク色の花弁を何度もなぞる細い指にまとわりつく蜜は、糸を引きシーツに染みを作った。
「くっ……んんっ!」
一瞬硬直した身体が、ゆっくり弛緩していく。
「ふう……」
物足りなさを感じながら大きく息を吐き出し、シィルは目を開けた。
いつの間にかはねのけてしまっていた毛布をかけ直そうと起きあがったところで、
シィルはようやく枕元に立つ人影に気付いた。
「っ、ランス様っ!?」
「ご主人様の留守中にオナニーとは、お前も結構好き者だな、シィル?」
「え、わ……っ」
「お前が寂しがってるだろうと思って、早めに切り上げて帰ってきてやったのに……」
まんまる目玉であわあわしているシィルに、ランスは大げさにため息をつく。
そして、まだ脚の間に添えられていたシィルの手を取った。
「こんなに手をべとべとにして、一人で楽しんでるとはなあ」
そう言って、シィルの濡れた指をぺろりと舐める。
「あ、あう、それは……」
酔いが覚め、途端にシィルの羞恥心が膨れあがった。
自分の手から視線を逸らし顔を赤らめるシィルの耳元で、ランスはわざと音を立てるようにして、
指を舐め、吸う。手首を握り、舐め取った蜜の代わりに、唾液をたっぶりと塗りつける。
指だけでなく、手のひらから手首までを、じっくりとねぶる。
「や、ん、んん……」
恥ずかしそうに、それでも快感には逆らえずに、シィルは身体をくねらせ太股を摺り合わせている。
心ゆくまでシィルの手を味わったランスは、手を離してシィルを軽く突き飛ばした。
「はうっ?」
シィルが呆然としている隙に手早く服を脱いだランスは、ぴょんとベッドに飛び乗った。
「ところでだな、シィル」
ランスはシィルを背後から抱きしめ、シィルの乳房に指を食い込ませながら耳元で囁く。
「お前はオナニーだけで満足出来たのか?」
「え、と……ん……っ!」
おっかなびっくり自分で触っていたのとは違う、ランスに与えられる強い刺激に、シィルの呼吸は荒くなる。
声にならずに首を横に振ると、ふわふわの髪がランスの胸をくすぐった。
「ふふん、やはり俺様じゃないとダメだろう?」
こくこくと肯くシィルに満足したランスは、既に濡れている花弁にハイパー兵器を突き立てる。
自慰で得られた中途半端な快感のためか、数度強く突き上げられただけで、シィルはあっさり陥落した。
「おいおい……俺様はまだ出してないというのに」
言葉ほどランスは不機嫌な表情をせず、くてっと脱力しているシィルを仰向けに寝かせた。
そして、はちみつ酒の小瓶をシィルの目の前で振ってみせる。
たぷたぷと瓶の中で揺れる金色のはちみつ酒をとろんとした目で見つめていたシィルは、やや間を置いてから首を捻った。
「あれ……飲んじゃったはずなのに?」
「土産に買ってきてやって正解だったな、まさかお前が一人で一本飲むとは思わなかったからな」
そう言いながら栓を抜き、ランスは瓶に直接口を付け、はちみつ酒を含む。
「すみませ……ん」
まだぼんやりしているシィルを抱き起こし唇を重ね、シィルの口中にはちみつ酒を流し込む。
それをこくりと飲み込んで、シィルは再び首を捻る。
「ん……さっきと味が……違う……?」
口移しで飲まされたはちみつ酒は、グラスから飲んだ時より濃厚で官能的な味がした。
「これが正しいはちみつ酒の飲み方だぞ、知らないのか?シィル」
出先で仕入れたばかりの知識を前から知っていたかのように、ランスは講釈を垂れる。
シィルは素直に肯くと、ランスの手から瓶を受け取りはちみつ酒を口に含んだ。
(ん、やっぱり味が違うんだ)
舌の上で転がして暖めたはちみつ酒を、今度はシィルからランスに飲ませる。
唇を合わせたままはちみつ酒を飲み込んだランスは、ついでとばかり差し出されたシィルの舌を強く吸った。
それだけで、達したばかりのシィルの躰が震える。
ランスの太股を挟んでぴったりと押し付けられた花弁が、新たな蜜をとろりと吐き出す。
ランスはシィルの腰を掴んで位置をずらし、ハイパー兵器の上に座らせた。
中には挿れず擦り付けるように、シィルを前後に揺らす。
「あ……ふ、ランス様……」
ぴくぴくと痙攣する花弁は、中とはまた違う心地よさでランスを刺激している。
いつもと違うシィルの反応もまた、ランスを楽しませる。ランスは上機嫌で、はちみつ酒の瓶をシィルに持たせた。
「ほれ、まだはちみつ酒は残ってるぞ」
幾度かのやりとりの後、空になった瓶を放り投げ、ランスはシィルを抱え直した。
硬く尖った乳房の先端を、アルコールで熱っぽくなった舌でゆっくりと舐める。
そしてこちらも痛々しいほど熱く膨れている花心を指で擦る。
「ああっ、や……っ!」
強い刺激に、シィルはいやいやと首を横に振るが、本気で嫌がっているわけでもない。
シィルの反応をしばし楽しんだ後、、ランスは熱く濡れた花弁の中心にハイパー兵器を挿入した。
ゆっくりと抜き差しするのは、シィルを焦らすためだけではない。
いつにもましてねっとりと絡み付く内壁に、ランスの方も早々と限界が近付いている。
「あ、ん、お、お願い……っ、ランス、様……」
甘くねだる声に、防衛ラインはあっさりと決壊した。
奥まで深く突き刺すと、シィルの中がきゅうっとひときわ強く締まる。
不規則な蠢動に搾り取られるように、ランスは気持ちよく精を吐き出した。
「うううん……んっ?」
抜く間もなく次砲が装填される。まだ余韻に浸っているシィルに構わず、再び抽送を開始した。
抜けないようにしっかりと抱きしめたまま、覆い被さるようにシィルを押し倒す。
「あ、んっ、ランス様……っ!」
下になったシィルの足を大きく広げ、ランスは強く腰を振った。
初弾を掻き出すように大きなストロークで、シィルを責め立てる。
一度出した後で余裕もあり、膝が胸に付くまで折り曲げたり、そのまま胸をいじめたりと、
存分に楽しんでから第二射。ハイパー兵器をそっと引き抜くと、花弁の中心から白濁液が溢れた。
手足を力無く放り出したまま短く激しい呼吸をしているシィルの頬に、ランスがそっとキスをしてやると、
うっとりと目を閉じたシィルは、心底幸せそうに微笑んだ。
「ランス様……帰ってきてくださって……嬉しいです」
言いたい事だけ言ってすとんと眠りに落ちてしまったシィルを抱き寄せ、
毛布をかけ直してからランスも目を閉じた。