スライムベッド
GGS3補完+触手えち◇2005/01/22初出 2010/05/18改稿 触手 えち
通販会社からランス宛にやけに大きな荷物が届いた。梱包を解こうとするシィルを制し、
ランスは自分でその大荷物を寝室に運んでいった。ランスがこういう行動を取るのは、えろグッズを購入した時だ。
そして、シィルには部屋に入らないよう厳命し、閉めた扉の向こうでなにやらごそごそと荷物を広げる気配。
(あんなに大きなえっちの道具って何だろう)
不安を抱えるシィルが寝室に呼ばれたのは、夕食の片づけが終わった後だった。
寝室にはいつものベッドとは別に、もう一つ小さいベッドが置いてあった。
病院の診察室に置いてあるような何の変哲もないベッドだったが、
先ほどのランスの態度からすると、ただのベッドとは考えにくい。
シーツを掛けず、つるりとしたマットレスがそのままむき出しになっているのも不可解だ。
「ランス様、これは?」
「すぐに解る、ちょっと横になってみろ……ああ、服は脱いだ方がいいな」
説明書と思しき本を片手に、ランスは楽しそうに命令する。いやな予感がシィルの頭を掠めるが、
逆らってもどうにもなるものではないと諦め、言われるままに服を脱ぎベッドの上に横になった。
「どんな具合だ?」
「あっ、暖かいんですね……それに思った以上に柔らかくて気持ちいいです」
マットレスの上に直に寝ているのは少々気になるが、ひんやりした印象の見た目とは異なる暖かさ、
柔らかさとほどよい弾力、包み込まれるような安心感に、シィルはゆったりと体を預けた。
「うむ、説明書通りだな、ぐっすり眠れて疲労回復にもいいと書いてある」
「ええ、熟睡できそうですね」
「魔法技術で形や硬さ・温度を制御できる、医療用ベッドなんだそうだ」
その言葉に納得しようとしたシィルに、ランスはにやりと笑って見せた。
「本来は、な」
「本来は……って……?」
不安そうなシィルには何も答えず、ランスは手にした説明書をぺらぺらとめくり、そこに書かれている呪文を唱えた。
「へっ……きゃあ!」
その呪文に呼応して、ベッドがうねる。
ムクリと盛り上がった部分がするすると伸び、素早くシィルの手に足に絡み付いた。
粘液を塗りつけた太めのロープ、といった風情の触手は本数を増し、シィルを大の字に固定してしまう。
「なっ、なんかぬるぬるしてるんですけど?」
「マッサージ機能もあるからな……おっ、この呪文か、えーと」
「ま、マッサージって、まさか……ひゃうっ!」
更に数を増やした触手はシィルの陰裂をぬるりと撫で、胸へと伸びていく。
麓を一周して乳房を柔らかく絞り出し、余った先端で粘液を擦り込むように頂を擦る。
四肢を拘束する触手は、ゆるゆると動きながらシィルを締め付けていた。
「ら、ランス様っ、これ一体何なんですか!?」
「医療用スライムベッド、特殊オプション触手プレイバージョンだ!」
「ああん、そんなオプションいらないですう」
「がはははは、このオプションこそが重要なのだー」
ひとしきり大笑いしたランスは、説明書を睨みながら次々に呪文を読み上げていく。
呪文に呼応して現れる触手が、シィルの体中に巻き付き、愛撫のような刺激を与えてきた。
「ランス様、お願いですからやめてくだ、あ……っ、うぐっ」
抗議の声を挙げるシィルの口に、触手が入り込む。
口内で形を変え蹂躙する触手の感触に、シィルは声にならない悲鳴を上げた。
頭を振っても歯を立てても、触手は口から出て行こうとしない。
ランスはそれを横目で見ながら、更に呪文を読み上げた。
「んっ?んんーっ」
下腹部を撫でていた触手が花弁の中に入り込む。最初は細く、次第に太さと深さを増して、膣内を探るように蠢く。
先分かれした先端で膣壁を擽りながら蠕動を繰り返す人外の動きは、
肉体的な快感と精神的な不快感をシィルにもたらす。
触手から滲み出る粘液のため痛みこそ無いものの、嫌悪感に震えながらシィルは身を捩り、
やめて欲しいと涙目でランスに訴えた。
「きついか?シィル」
「む、んんっ」
必死で肯くシィルの頭を優しく撫でながら、ランスは説明書のページをさらにめくる。
「そうか、じゃあ……」
ランスがひときわ大きな声で呪文を唱えると、シィルの口からずるりと触手が抜けた。
「ぷはっ、ら、ランス様……」
ようやく終わったかとほっとしたのもつかの間、花弁を貫く触手がぐっと持ち上がった。
胸を這い回る触手が上半身を押さえつけているため、腰だけが宙に浮いてしまう。
「ひっ、や……いやあっ!」
シィル自身の重みで内壁を強く擦りながら、触手はいっそう激しく出入りする。
ランスはシィルの足下に回り、その様子を興味深そうに眺めている。
「うわ、なんか凄いな」
「ランス様っ、本当にもう私……っ」
がくがくと震えるシィルの顔が恐怖と苦痛に歪む。そこに僅かばかりの快楽も無いことを見てとったランスは、
わざとらしく溜息をついてからスライムベッドの説明書を開いた。
「仕方ない、今日はこの辺で勘弁してやるか」
触手からは解放されたものの、シィルはまだ力無く横たわっている。
自分も服を脱いでベッドに上がったランスは、シィルをそっと抱き起こすと、
涙と唾液と粘液でべたべたになっている顔を手で拭ってやった。
「全く、我慢の足りんヤツだな」
「う、だって……本当に怖くって、私……」
しょんぼりとうなだれるシィルを抱え上げて膝に乗せると、ランスはシィルの額を軽く小突いた。
「お前が壊れるまで続けるわけないだろ、もっと俺様を信じろ」
はっと顔を上げたシィルに軽くキスをして、秘裂に指を滑らせ花弁を探る。
「す、すみませ……んっ……」
外側から内側へ、ゆっくりと確かめるようになぞられ、シィルは甘い吐息を漏らした。
「よし、傷は付いていないようだな」
指先の感触とシィルの反応に気をよくしたランスは、一息でシィルを貫いた。
「……っ!」
びくりと跳ねたシィルの腰を支え、ランスはシィルの身体をゆっくりと上下に揺らす。
「中もちゃんと濡れているな、実は結構楽しんでたのか?」
「そんな、違います、それは……」
繊細な器官を保護するための生理反応だ、とランスに告げたところで意味がない。
それに、ランスを飲み込んだことで、単純な生理反応だけではない潤滑液が溢れているのも事実だ。
膣内を圧迫する感覚も、シィルの意志を無視して好き勝手に暴れる動きも、ベッドの触手とそう違いはないはずのに、
受ける快感は天と地ほども違うことに、シィルは不思議な気持ちになる。
「こら、何をぼんやりしている」
「えっ、はっ、ひあっ!」
いきなり激しく突き上げられ、シィルは思わず大声を出してしまう。
「くくく、ずいぶんとはしたない声だな、シィル」
「あ、ん、それはっ、く、は、はぁん」
スライムベッドの弾性と触手が吐き出した粘液のぬめりでより複雑になる抽送に、
いつもとは違う部分を抉られ、シィルは反論もままならず喘ぐ。
「だ、だめ……っ、ランス様っ!」
「俺様にはいつもより感じているように見えるぞ?」
楽しそうにシィルをからかうランスも、絶頂間際のシィルの蠱動に、ぶるっと身を震わせた。
並んで眠るには狭すぎるスライムベッドを抜け出して、二人していつものベッドに潜り込む。
「楽しかったが後始末がやっかいだな」
実際には何の始末もやっていないくせに、ランスはぶつぶつと文句を言っている。
スライムベッドと二人の体にべったりと付いた粘液と体液を、綺麗に拭き清めたのはシィルだ。
「あの、ランス様、やっぱり私、ああいうのはちょっと……」
「黙れ、高かったのだから、元を取るまで使い倒すぞ」
「……お幾らだったんですか?」
ランスが耳元で告げる洒落にならないスライムベッドの価格に、さすがのシィルも眉を顰める。
「お金、どうするんです?」
「イラーピュでかっぱらってきたお宝を売ればいいだろう」
「最後まで残していた氷山の剣も、先週売っちゃったじゃないですか……後はもう……あっ」
「何だ、まだ何か残ってるのか?ならばそれを売ってしまえ」
ランスから目を逸らしてシィルが呟く。
「後は……私くらいしか……」
「……はぁ?」
言葉の意味を掴みかねて、ランスはしばし黙り込む。少しの沈黙を経て。
ぽかっ。
「あう、何でいきなり殴るんですかぁ」
「お前が馬鹿なことを言うからだ!何故お前を売り飛ばさなくてはならんのだ」
「だって他にはもう、生活必需品しか残って……痛っ、痛いですぅ」
「俺様にとってお前は生活必需品だぞ」
「……ランス様」
シィルの顔がぱっと明るくなる。そのわかりやすい反応にほっとするも照れ臭く、
ランスはわざと不機嫌そうな表情と声を作った。
「……仕方ない、気は向かないがそろそろ働くか、ただし楽で報酬のいい仕事に限る」
それだけ言い捨てると、くるっとシィルに背を向けてしまう。
「はい、明日ギルドに行って、良さそうなお仕事探してきますね」
ランスの背中にそっと寄り添い、シィルは幸せそうに目を閉じた。
手足を力無く放り出したまま短く激しい呼吸をしているシィルの頬に、ランスがそっとキスをしてやると、
うっとりと目を閉じたシィルは、心底幸せそうに微笑んだ。