嵐の前の朝
旅立ち前の朝の風景と初夜の回想◇2008/03/10 戦国R えち
カーテンの隙間から差し込む朝日の眩しさに、シィルは小さくくしゃみをして目を覚ました。
隣で寝ていたランスがもぞりと寝返りを打ったことに慌てるが、起き出す気配がない事に安堵し、
そっとベッドから抜け出す。朝日が部屋に入り込まないようカーテンを引き直してから、シィルは寝間着を脱ぐ。
枕元に畳んであるピンク色のエプロンを広げ、何も付けていない身体に巻き付け、腰のリボンを結ぶ。
そのスタイルを強要した男は、未だ夢の世界の住人だ。
ランスがそのスタイルを目にするのは、彼が起きてから朝食を食べ終えるまでのほんの三十分程であるが、
それでもシィルは毎朝律儀に、起きてすぐ裸エプロンに着替える。年に数回あるかないか、
シィルが起こしに行く前に目を覚ましたランスが普通の格好を見たら怒るから、というのももちろん理由の一つである。
ランスが見ていない所でも言いつけを守っている事で、彼に対する誠意を表したい、というのもある。
だが、結局は、喜んでいるランスを見るとシィルも嬉しい、と、ただそれだけの事だったりする。
「明日からJAPANに行くぞ」
ランスが唐突にそう宣言したのは、昨夜、一戦終えて入浴を済ませベッドに潜り込んでからだった。
「ゼスでは魔人をやったり俺様大活躍だったからな、JAPANの温泉巡りで骨休めだ」
この場合の「やった」は、周囲から見ればジークを「殺った」なのだが、ランスの中ではサイゼルとカミーラを「犯った」
(サイゼルはフェラチオしかさせられなかったが)という意味である事を、シィルは知っている。
「ガンジーのおっさんに金もたくさん貰ったしな……ん、まさか無駄遣いしてないだろうな、シィル?」
無駄遣いするのはいつだってランス様じゃないですか、という言葉を飲み込んで、シィルはこくこくと肯く。
ランスは横目でシィルを眺めていたが、いきなりがばりと上半身を起こし、シィルに覆い被さってきた。
もうお風呂も入ったし後は寝るだけ、と思っていたシィルは慌ててランスから逃げようと身を捩る。
しかし、その動きを利用されせっかく着た寝間着まで脱がされてしまい、あっさりと全裸で組み敷かれる。
「しばらく家を空ける事になるし、JAPANではベッドじゃなくて布団だし」
シィルをしっかり押さえつけたまま、ランスの手が脚を割り中心をもそもそと動き回る。
「今夜は家のベッドでするセックスを堪能しておかんとなあ!」
指先にぬめりを感じたランスは手をどかし、シィルをうつぶせにひっくり返す。
腰を掴んで尻を高くさせ、迷うことなく花弁の中央にハイパー兵器を突き立てる。
ベッドでも布団でもすることにそんな変わりがあるわけでもないのに、とシィルは思うが、
早くなるランスの動きがもたらす快楽に、思考は弛み溶けていく。
「がははははは、行くぞ、一発目ー」
胎内に熱い滾りを受けながら、上り詰め真っ白になる心。一息ついたランスがベッドを降り、
シィルをずるずると引っ張ってベッドの脇に立たせようとするのもされるがままだ。
「それそこ、右膝をベッドに乗せて……手はベッドについてていいぞ」
言われるままにポーズを取ると、先ほど放たれた精が、軸になってる左足の太股をつっと伝い落ちる。
熱く粘性の高い液体が敏感な部分を流れる感触に、シィルはぶるっと身震いした。
「おっ出た出た、俺様が出したのよりいっぱい出てきてるな?」
意地悪そうに言いながら、ランスは花弁に指を入れ、液体を掻き出すように大きく出し入れする。
弱いポイントを何度も擦られ、もこもこ髪が目に見えて解る程震えている。指の動きを止めないまま、
ランスはふるふる震えているもこもこ髪に顔を埋め、空いた右手でシィルの乳房を優しく揉みまわす。
やがて、小さな声を上げたシィルが、ランスの指をぎゅっと締め付ける。がくりと崩れそうになる上半身を、
腕に力を込めて何とかこらえる。シィルの様子に満足したランスは、ようやく指を抜いた。
「よしよし、もっと気持ちよくしてやるからな、とー!」
ランスの寝顔を見ながら、シィルは昨夜の事を思い出して、一人で顔を赤くしている。
「エロいな、シィル……ぐふ」
なぜだか嬉しそうな顔で寝言を言っているランスをちらりと見てシィルは微笑みを浮かべ、部屋を後にした。
台所に入ったシィルは食料庫の扉を開け、本日のメニューを考える。
今日からJAPANに温泉旅行に行く予定だから、食料庫の中を空っぽにしておこうか。
シィルはもう一度、昨夜のランスの言葉を思い出す。長旅になるから留守番にあてなを置いていく、と言っていた。
お金は少し置いていくけれど、完全に空っぽにしてしまうとあてなが困るだろうから、保存のきくものは残しておこうか。
保存のきかない葉物野菜を取り出して食料庫の探索を終了し、冷蔵庫の前へと移動する。
たまごが四つ残っていたので、ランスに両目の目玉焼き、シィルとあてながそれぞれ片目の目玉焼きにしよう。
うしハムと先ほどの野菜でサラダを作って、後はご飯とみそ汁を付ければ、冷蔵庫の中もほぼ空になる。
ランスとシィルの留守中は、あてなが適当に食べたいものを買い食いするだろうから、丁度いいだろう。
お米をといで魔法釜にかけるまでの間、シィルは掃除を始める事にした。
ランスが寝ている寝室とあてなが寝ている居間を除いて、床を掃き、窓を磨く。
しばらく家を空けるからと、普段は簡単に済ませる部分も念入りに磨き上げる。
留守番のあてなが掃除しやすいようにと、書斎にある棚の本もきれいに並べ直しておく。
こざっぱりと片づいた部屋を見回し達成感を味わってから、旅支度を始める。
今回は仕事ではなく温泉旅行が目的だと言っていたから、ランスの装備は調えなくてもいいだろうか。
背負い袋を広げ、おそらく後でランスが勝手に追加するであろうおもちゃの類を入れる場所を空けて、日用品を詰め込む。
背負い袋に入らなければ、怪しげなグッズを持っていかずにすむだろうかとシィルは一瞬考える。
入らなければ入らないで、「お前が手で持っていけ」とにやにやしながらランスが言うだろう場面を想像し、
それよりはましかと、背負い袋に余裕を持たせる事にした。
「ん、嬢ちゃん出かけるのか?」
書斎の机の下から、魔剣カオスの声がする。
ゼスから帰ってくる時、一度はレッドの町の神官セルに預けられたカオスだが、ランスが持ち前の気まぐれを発揮し、
アイスの自宅に持ち帰っていたのだ。カオスにJAPAN行きを伝えると、カオスも一緒に行きたいと言い出した。
「JAPANには色白で小柄の可愛い女の子が揃ってるのだろう?」
ランスが昨夜ベッドの中で言っていた事とまるで同じ事をカオスが言うので、シィルは思わずぷっと吹き出してしまう。
どちらに言っても怒るだろうが、ランスとカオス、どうもこの二人はよく似ている。
カオスを持っていくなら剣帯が必要だ。剣帯を付けるなら、簡単な胸当てでも付けていないと格好が付かない。
ゼスで使っていた胸当ては既に売り払ってしまったから、道中新しい胸当てを購入しないといけないかも知れない。
シィルは棚の奥に隠した金庫から、旅行資金とランスの装備を購入するお金を財布に入れた。
残ったお金を数えて、留守番のあてなが困らない程度にはある事を確認する。
ゼスでは思っていたより長居してしまい、帰ってきてからあちこちから売掛金の請求が来て困ったからだ。
どうしても足りなくなったら、キースギルドに行けば当座の金くらいは貸してくれるしご飯も食べさせてもらえるだろうが、
ランスの所行もあってあまりいい顔をされるとは思えない。
今度のJAPAN旅行はどのくらいの長さになるのだろう。温泉で骨休めだけなら長くても一ヶ月程度だろうが、
ゼスからの帰り、ランスが「次はヘルマンのシーラ姫かJAPANの香姫だな」とつぶやいていたのが気になる。
かつてはJAPANの大半を治めていた織田家だが、数年前の大戦争とやらの影響で現在は一大名家に過ぎないと、
確か教科書で読んだ気がする。それでも一国のお姫様である織田の香姫、彼女をどうこうしようとするには、
JAPAN全国を巻き込むような騒ぎを起こしてしまうのではないだろうか。
そうなると数ヶ月、下手すれば年単位でJAPANに滞在する事になるかも知れない。
本当は、ランスとゆっくり家で過ごし、たまに短い冒険に出るくらいが理想なのだが、
ランスの性格と彼を取り巻く環境は、シィルのささやかな憧れの生活を許す事はないだろう。
シィルが懇願したくらいで考えを改めるとは思えないが、万が一願いを聞き届けてくれたとしても、
ランスを家に縫い止めておく事が果たして正しい事なのか。
シィルはゆっくり頭を振って自嘲気味に笑い、荷物を詰め終えた背負い袋のくちを閉じた。
掃除と旅支度を終え、ご飯を炊き始めながら、シィルはおかずを作り始める。
うしハムを焼くいい匂いに釣られて起きてきたあてなが、台所にやってくる。
「おはようシィルちゃん、今日の朝ご飯はうしハムれすか?」
肯くシィルに「うしハムにゃあにゃあ~」と自作の歌を歌いながら、あてなは顔を洗うため洗面所へと去っていく。
その背中とフライパンの中を交互に見ながら、旅行の事を伝え忘れた事にシィルは気づいたが、
それは後でランスがあてなに直接言うだろう。
炊きあがったご飯とできあがったおかずをあてなの分だけ皿に盛りつけ、シィルは食堂に運ぶ。
既にテーブルについて待ちかまえていたあてなが、「いただきますれすよー」といいながらさっそく食べ始めるのを見てから、
シィルはランスを起こすために寝室へと向かった。
「ん、もう朝か……おはようシィル」
朝ご飯はできていますよ、とくるりと背を向けたシィルの、エプロンの後ろのリボン。
ベッドからぬっと突き出されたランスの手が、その中心を掴み、シィルをベッドに引っ張り上げた。
「今日からお出かけだからな、家のベッドでやり納めだ」
ご飯冷めちゃいますうと言ってるシィルを膝の上に乗せ、いきなり準備万端のハイパー兵器を挿入しようとするが。
「いてて……全然濡れていないではないか」
先ほどまで朝食を作り掃除をし旅支度を調えていたシィルの準備ができていたら、
それはそれで「エロ奴隷め」と意地悪を言うくせに、ランスはぶつぶつと文句を言っている。
「俺様の奴隷たるものいつでも突っ込めるようにしておけと、あれほど言っているのに……」
挿入は一時断念し、エプロンの胸当ての横から手を差し入れ、ぐにぐにと乱暴に乳房を掴む。
さらにランスが耳の後ろをせわしなく舐め回すと、シィルの身体がぴくりと跳ねる。
「ほうほう、シィルちゃんはここが気持ちいいのかな?」
唾液でべとべとになった耳の裏から口を離し、今度は耳たぶを口に含む。舌で嬲り、甘噛みして軽く吸う。
耳に頬にかかるランスの熱い息に、シィルの息もだんだんと荒くなっていく。
それに反比例するかのように、荒々しかった乳房への愛撫は穏やかになる。
先端を指の腹で優しく擦りながら、中腹をマッサージするようにそっと指を食い込ませる。
「そろそろ大丈夫そうだな」
熱く滑らかに潤滑液を生み出すシィルのなかは、ランスを根本まで難なく飲み込んだ。
昨夜から今朝にかけてもう何度目になるのか解らない絶頂を迎えながら、シィルはふと昔の事を思い出していた。
奴隷商人に売られていたシィルを買い取ったランス。この家のこのベッドで、始めてランスに抱かれた夜。
凶悪な大きさと形の逸物に恐怖を覚えたが、商人のところでかけられた絶対服従の魔法がまだ効いていたため、
逃げる事も拒む事もできず、凶悪な異物を胎内にねじ込まれた感触。
あまりの痛みと恐怖に、心も体も引き裂かれ壊されてしまうのではないかと、不安に震えていたシィル。
ただ目を閉じて横たわり嵐が通り過ぎるのを待つしかないシィル。失望したランスが、
明日にでも娼館に叩き売ってしまうのではないかと、シィルは最悪の未来を頭に描き続けていた。
それは、ゼスの二級市民、今ではその制度もなくなったが、魔法を使えないというだけで魔法使いの奴隷とされた女性が、
いつかはたどる道であった。そこそこ裕福で名の通った魔法使いの家系であるシィルの実家、プライン家では、
さすがにそのような目にあった使用人はいなかったが、ほんの子供だったそしてお嬢様育ちであったシィルの耳にも
入る程、かつてのゼスではそれは極日常的に起きていた事だったのだ。ランスはゼスの人間ではないが、
「処女でお嬢様育ちの魔法使い」が売り文句だったシィルをわざわざ選んで買っていったのは、
魔法が使えないランスが魔法使いであるシィルで憂さ晴らしするためなのだろうと、その時は本当にそう思っていたし、
それもまた、ゼスで多くの魔法使いがしてきた仕打ちを思えば、仕方のない事だと諦めていた。
欲望を吐き出したランスが体を起こして離れた時、「ようやく終わった」という気持ちと
「これから本当の苦しみが始まるのか」という気持ちとで、シィルは絶望の淵に立っていた。
ランスが枕元に放り投げたティッシュの意味もわからず、ただこれからの自分の運命を思い沈んでいた。
「ん、ああ、初めてだから勝手がわからんのか」
ランスの舌打ちが聞こえ、さらにシィルの目の前は暗くなる。ランスがシィルの足首を掴んで脚を開こうとするが、
シィルは無意識のうちに脚に力を入れそれを拒む。
「おい、脚開かないと拭いてやらんぞ」
何を拭くんだろう、と意識が逸れた瞬間力が弛み、シィルの性器は再びランスの前に露わにされる。
花弁から何か液体が零れたような感触があるが、シィルは動けない。
顔の横にある箱からランスがティッシュを数枚抜く、その動作にシィルはびくりと体を固くする。
「いちいちびくびくするな」
予想よりも愉快そうなランスの声に、シィルは薄く目を開ける。ランスは手にしたティッシュをくしゃくしゃと丸め、
シィルから零れた液体をこれまた予想以上に丁寧に拭き取っていた。
「結構血が出てるな、痛かったか?」
痛かった、なんてもんじゃない、死ぬかと思ったと、不思議と素直に思った通りにシィルは答える。
「セックスくらいで死なれてたまるか、お前は高かったのだぞ、元を取るまで使い倒してやるからな」
乱暴な台詞に再びシィルに緊張が走る。それを見たランスは、しまった、というような表情で自分の頭をかいた。
「だからいちいちびくびくするなと……まあ仕方ない、早く俺様に慣れるんだな」
そう言って、ランスはシィルを起こし、膝に乗せて抱きしめた。広い胸に頭を押しつけて、シィルは目を閉じる。
大きな手がシィルのもこもこ頭をゆっくりと撫でる。不思議な安心感に包まれ気が緩んだのか、
シィルは久しぶりに大きな声を上げて泣いていた。
「むっはー、満足満足」
今にして思えば、あの時はランスも緊張していたのだろう。夜盗に攫われ奴隷として売られていたシィルの、
がちがちに強張った心と体をどうしたらよいのか、ランスなりに気を遣っていたのかも知れない。
そして、ゼスの悪しき制度を撤廃する発端になった魔軍の襲撃、それがランスによって引き起こされたこの偶然。
絶対服従の魔法が解けてなおランスの側にいる事を選択したシィルは、
ランスと過ごす日々が長くなればなるほど、自分の選択が正しかった事を思い知らされる。
「べたべたになったな、綺麗にしろ……何笑ってるんだ、シィル」
ハイパー兵器にまとわりついた体液をティッシュで拭ってやりながら、シィルは始めての夜との落差に、
笑いをこらえる事ができない。ランスは少し面白くなさそうな表情をするが、顔を上げたシィルがにこっと笑ってみせると、
満足したように表情をゆるめた。
「えー、あてなまたお留守番なの……?」
ランスのJAPAN温泉ツアー案を聞かされたあてなは、頬を膨らませて不満を露わにする。
「シィルちゃんは連れて行くのに、贔屓れす」
「当たり前だ、シィルは俺様の便利グッズなのだからな」
道具扱いはとても悲しいけれど、こうやっていつでも側にいられるためなら我慢できなくもない。
そう思い切ろうとするが、いつかは恋人のように……という夢も捨てきれないシィルである。
「シィル、準備は済んでいるな?」
シィルは肯いて立ち上がり、書斎から背負い袋とカオスを持って戻ってきた。
「……ちょっと待て、なんでカオスも持ってくるんだ」
「つれない事言いなさんな心の友よ、共にJAPAN美女と遊ぼうじゃないか」
「お前のようなエロ剣に分けてやる女の子なんていないわ」
カオスと低レベルの口げんかをしながら、ランスは背負い袋を開けて中身を点検する。
バイブが無いだのローションが無いだの文句を言いながら、寝室から該当品を持ってきて背負い袋に詰める。
さらに財布を開けて中身を数え、意外にも多い事に驚く。
「俺様の装備を買うって?」
もう一度お金を数えなおして、ランスはしばし考え込む。
「剣は馬鹿剣があるから不要だし、ちょっと余りそうだな」
指を折ってさらに考え込んでいたランスは、ぽんと手を打った。
「そうだシィル、お前に和服を買ってやろう」
喜びの声を上げようとしたシィルの脳天に、ランスの拳骨がめり込む。
「いつもの露出狂みたいな格好してたら、貞淑なJAPAN美女が警戒して寄ってこないおそれがあるからな」
お前のためじゃないぞ、をしつこい程繰り返しながら、ランスは財布にお金を戻し、シィルに放り投げる。
「さあ、着替えたら出発だ!」
あてなを残し、ランスと二人で家を出たシィルは、ふと思い立って振り返る。
玄関横の壁に僅かにひびが入っている事に気づくが、修繕している時間はなさそうだ。
「どうしたシィル……あ、こんな所にひびが入ってやがる」
シィルの視線をたどって、ランスも壁のひびに気が付く。
「あてなに直させると余計大きくしそうだな……まあまだ小さいから帰ってきてから直せばいいだろう」
「はい、帰ったらすぐに修繕しますね」
「絶対だぞ、忘れるなよシィル」
「大丈夫ですよ、ランス様」
シィルは笑いながらランスに答える。ランスはふんと鼻を鳴らすと、シィルに背を向けてすたすたと歩き出す。
振り向かないランスを追って、シィルも慌てて歩き始めた。