短編まとめ

幸運の坩堝P

一話完結系

節分

お下品系節分ネタ◇2008/02/03  日常 えち

新しい春、新しい始まり。カレンダーの正月ではないし、実際はまだまだ寒さが続く頃ではあるが、 JAPANでは年の節目として昔から祝われてきた日がある。その節目の前夜を節分と呼び、独特の習わしがある。
「今夜は『太くて黒くて長いモノ』を食うと縁起がいいらしいぞ、シィル?」
JAPANに温泉旅行にでも出かけようかと観光雑誌をぱらぱらめくっていたランスは、 JAPAN独自の風習である節分に目をとめた。
「恵方巻きですね、今日の夕食に作りましょうか?」
恵方巻きとは太めに作っていろいろな具を巻いた海苔巻きだ。確かに『太くて黒くて長いモノ』ではあるが、 ランスの言い方がえっちな事もあり違うものを想像しそうになるので、せめて普通に言って欲しいとシィルは思う。
「ああ、他にも年の数だけマメを食う、という風習もあるらしいな」
「新しい一年の健康を願うのと、鬼を寄せ付けない為のおまじないみたいなものらしいですね」
地獄を管理する鬼の一族、大陸では滅多に見ない種族だが、JAPANでは時折現れて人を襲ったり、 あるいは陰陽師に召喚されて使役されたりと、なかなか普遍的に存在するものらしい。 「新しい年は、鬼に襲われませんように」との願いを込めた風習が存在する事も頷ける。
「あ、でも今、お家にお豆あったかなあ」
「案ずるな、自分のマメは自分で確保する、んじゃそーゆーことで、マメ食いに出かけてくるわ」
「えっ?」
困惑しているシィルを置いて、ランスはさっさと出かけてしまった。
「……うーん?」

「シィル、ご主人様のお帰りだぞー!」
上機嫌のランスが帰ってきたのは、夕食間際の時間であった。
「お帰りなさいランス様、で、あの……」
「うむ、しっかりマメを食ってきたぞ」
「えっと、あの、私の分は……?」
恐る恐る切り出したシィルを、ランスは小馬鹿にしたように見た。
「お前がマメ食ってどうする、『太くて黒くて長いモノ』でも食ってろ」
「だから『恵方巻き』ですってば……今日のお夕飯ですよ」
シィルが指した食卓の皿の上には、『太くて黒くて長い』太巻きが、どでんと乗せられている。 ランスは恵方巻きを一つ手にとって軽く握った。
「ふむ、ちょっと柔らかいがまあこんなモンだろうな、えらいぞシィル」
言葉の意味がわからず、シィルはきょとんとした顔でランスを見る。 その柔らかい頬に、ランスは手に取った恵方巻きをうりうりと押しつけた。
「見事に俺様のハイパー兵器と同じサイズじゃないか」
「へ?」
ランスのことを考えながら恵方巻きを作っていたのは確かだが、 それはいつものことであるし、別にナニを意識していたわけではない。 しかし、無意識の内に手に馴染んだ太さと長さで作ってしまったということだろうか。
「えっ、ええーっ?わ、私そんなつもりじゃ……」
顔を真っ赤にしてあわあわと弁解しようとするシィルの口に、ランスは恵方巻きをねじ込んだ。
「むぐっ、むーっ!」
「がははははは、ホンモノは後で食わせてやるから、今はこれでもくわえとけー!」

無理矢理口に押し込まれた恵方巻きを、涙目になりながらシィルがようやく咀嚼し終わった頃には、 ランスもすっかり自分の分を平らげていた。
「さて、後は俺様がマメを食うだけだな」
「えっと……ランス様、ひょっとしてランス様が食べてきたお豆って……」
やっとシィルは気が付く。
「俺様が好きなマメと言ったらこれしかないだろーがっ!」
「えっ、きゃ……っ!」
ランスは素早くシィルの下着に手を突っ込むと、きゅっとクリトリスを摘み、愛撫を加える。 寸分の無駄もない的確な動きに、シィルは呆れ半分感心半分の表情でランスを見た。
「う……んっ、そういう、意味だっ……たんですね」
「ふふん、やっと気が付いたのか、鈍いなシィル」
こちらは100%楽しげな表情で、ランスは肉芽を弄ぶ。 逃げようとするシィルの腰を右腕でがっちりとホールドし、さらに奥のスリットに指を這わせる。
「お、濡れてるな、ハイパー兵器と同じサイズの恵方巻き食いながら、えろい想像でもしていたのか?」
「え、あ……ん、別に何も……あふっ」
遠慮無く蠢く指に蜜を滲ませながら、シィルは更にあることに思い当たる。
「あ、あの、まさか……ランス様のお年の数……って」
「ああ、食ってきたぞ、正確には年の数マイナス1だな」
悪びれた風もなく言ってのけるランスに、シィルは大きくため息をついた。 確かにランスの連射能力は高いが、半日足らずで二十人以上に手を出してきたということか。
「お前のマメでちょうど年の数だな、これで今年も元気いっぱいだ」
部分的には年中無休で元気いっぱいじゃないですか、と思ったが、シィルは口には出さなかった。