バック・スイッチ
女性向け表現でシィル×ランス。お尻です。ランス君ががっつりやられてます。まあギャグですよ。◇2012/04/09 えち 右ランス
「シィルちゃんのバックバージン、ゲットだぜ!」
念願のお尻エッチを決めて、ご機嫌なランス。対して、ぴくりとも動かないシィル。
そして。
「……そんなに」
「シィル?」
「そんなにお尻がいいなら、ランス様も体験してみればいいじゃないですか!」
シィル、覚醒。
いきなりのシィルの変貌に対応できず、ランスはあっという間に両手と両足をひとつにまとめて縄で縛られてしまう。
「シィル!こんなことしてただで済むと……」
狸縛りでベッドに転がされているランスの叫びに、シィルは答えない。
黙ったまま、ローションをたっぷりと垂らした指を、ランスの後ろにゆっくりと挿入する。
ひやりとした感触に、どうしてもランスは緊張してしまう。ぎゅ、と締め付けたことで、よりシィルの指を感じる。
じわり、じわりと奥に侵入される感覚。思いつく限りに浴びせていた罵声も、だんだんと弱くなる。
そして、シィルの指がある一点を探り当てた瞬間。
「っ!?」
「ああ、ここが前立腺、ですかね」
シィルが読んでいるのはランスのコレクションに紛れ込んでいた男性対象のテクニック集。
シィルに勉強させようと思いついて購入したものの、ランスはろくに目を通していなかった。
直腸への愛撫に関する項目があったことは知っていたが、お尻での行為をいやがるシィルが読むとは、
ましてや実践するとは思っていなかったのもある。
シィルは、本の説明とランスの反応を見比べながら、注意深く奥を探っている。
「ここがイイんですか、ランス様?」
「違……うっ」
ランスは首を横に振るが、男性器はどうしても反応してしまう。ランスの中に埋め込まれた中指を蠢かせながら、
シィルは親指で軽く根本をはじく。軽い痛みとそれを上回る快感に、ランスはぞくりと震えた。
「我慢しなくてもいいんですよ?」
シィルは本を置くと、ランスの顔をのぞき込んで微笑んだ。
慈愛に満ちた笑顔を向けながら、右手で中を激しく抉り、左手で優しく性器をしごく。
欲望を放とうかとランスが諦めかけた瞬間。
「後ろをいじられながらイっちゃっても……いいんですよ?」
シィルの言葉に、ランスは慌てて唇を噛んだ。
快感を散らそうと身を捩ると、シィルの指が思わぬところに当たり新たな快感を産む。
ならば動かずに別のことを考えて気を紛らわそうとするが。
「うふふ、我慢するランス様、珍しいけど可愛いですね」
シィルはランスの脚の間に顔を寄せる。自分の脚が邪魔をして見えないが、
柔らかい感触が先端を滑るのをランスは感じた。
「ん……やっぱ珍しいな……ん、ちゅ」
先端を濡らす樹液をシィルがおそらくは舐め取っている。
「あ、見えないとランス様がつまらないですね、ごめんなさい」
シィルはランスを仰向けにすると膝に手をかけて開かせた。
開脚仰臥位とでもいおうか、とにかく間抜けな格好であることは確かだ。
「ランス様、ちゃんと見えますか?」
必死に顔を背けていたランスだが、再び柔らかい感触に亀頭が包まれて、つい視線を合わせてしまう。
菱形に開かれた足の間、シィルがちろちろと舌を這わせながらしっかりとランスの顔を見ている。
ふだんフェラチオさせている時は視線を合わせると恥ずかしがって目を伏せるのに、
今は微笑みさえ浮かべてランスのモノを舐めている。
「さあランス様、遠慮無く」
いつの間にかシィルの指は二本に増えてランスを刺激している。
乱暴な指と優しい舌遣い、どうにか押さえ込んでいたどろりと熱い欲望も、そろそろ限界のようだ。
ぐっとせり上がるマグマを、ランスがぶるりと震えて解き放とうとした瞬間、シィルの顔が離れた。
「うっ、っあ……」
勢いよく出された精液が、ランスの胸から顔のあたりまで達する。青臭い白濁液が口の中に流れ込みそうになり、
ランスは慌てて口を閉じようとするが、その口の中にシィルの指が突っ込まれる。
噛みついてやろうにも歯の届かない位置で唇をこじ開け、白濁液を流し込まれる。
「おいしいですか?」
ランスの胸に流れている液を、シィルは指ですくう。
また口に入れられるのかとランスはぐっと歯を食いしばり身構えたが、シィルはその指を自分の口に運んだ。
「濃い、ですね、我慢してたからかなあ?」
実際のところそれほど味が変わるのかは解らない。だが、シィルの艶っぽい仕草がランスを煽る。
「もっと我慢したら、もっと濃くなるんでしょうか」
ランスの先端に軽く口づけてから、シィルは立ち上がった。ついさっきランスに蹂躙された尻を向け、
ベッドの横の引き出しを探っている。そこには『シィルに使うための』アダルトグッズが多数入っている、はずだ。
「えっと、とりあえずこれですね」
何を出されるのかとびくびくしていたランスだったが、シィルが手に持っていたのはリボンだ。
「まずは、これをこう」
そのリボンを、ランスの性器の根本にきつめに結わえる。
「こうすると我慢できるんですよね?」
ランスから見えるように蝶結びにしてから、シィルは引き出し探索を続行。
「うーんと……これはあとかな……先にこっちかしら」
本を手に、シィルが引き出しの中身を吟味している。
「どちらがいいですか?」
シィルが手にしているのは小振りのピンクローターと細いアナルバイブ。
そんな、可愛らしく微笑まれてもどちらもごめんだ、とランスは首を横に振る。
「えっ、両方ですか、解りました、ランス様のために頑張ります!」
嫌だというまもなく、シィルがアナルバイブをランスの直腸に差し入れる。
「大丈夫ですか、痛くないですか?」
大丈夫ではない、が、確かに痛くはない。
シィルの指で十分にほぐされたところに、細めのアナルバイブは易々と納まった。
「えっと、ここ……あ、この辺ですね」
さんざん刺激された箇所に再び異物感を与えられる。柔らかい指の腹とは違う感触でごりごりと擦られる。
「スイッチ、入れますね」
微振動が内壁を振るわせる。指で擦られるより確かに刺激は強い。
純度の高い刺激にランスの身体は反応するが、快感とはどうも違うような気がする。
「それ……は、いや、だ……」
「え、でもちゃんとランス様の、大きくなってますよ?」
「ち、が……」
弱々しく首を振るランスの顔にシィルがそっと口づける。顔にぶちまけられた白濁液を舐め取り、
ランスの耳元でのどを鳴らして飲み下す。ごちそうさまでした、ともう一度唇にキスを落とされる。
「こっちも、気持ちよくしてさしあげますね?」
シィルの指に挟まれたローターが、鈍い音を立てて震えている。
ランスに見せつけるようにシィルはそれをじっとりと舐め、唾液を塗す。
てらてらと濡れて光るローターを、シィルは軽くランスの胸に転がした。
触れるか触れないかの僅かな接触は、ローターの振動をよりはっきりと伝える。
「わ、男の人も、ここ、固くなるんですねえ」
ローターで周囲を刺激しながら、シィルは指で軽く頂点を押しつぶす。円を描いてくるくるとマッサージする。
先に吐き出された白濁液がほどよい潤滑剤となり、むずむずとした心地よい刺激を生み出している。
「へ、っ!」
「ランス様、可愛い声出さないでくださいよ……なんか変な気持ちになっちゃいます」
シィルはもじもじと太股を摺り合わせている。ローターの振動音に紛れて、
足の付け根から湿った粘りけのある音が聞こえるように思えて、ランスは思わずその部分を凝視する。
ランスの視線に気づいたシィルは、いたずらっぽく笑った。
「ふふ、見ます?」
「ん……ああ」
「その前に、これちょっと解きますね」
骨格が違うから男の人はこの姿勢きついですよね、と、シィルはランスの縄を解く。とはいえ足首だけ。
手首はそのまま、足首を結わえていた縄も巻き付け、肘の近くまで固定してしまう。
無理な姿勢をしていたせいで関節はこわばっていたが、シィルは慎重にその脚を伸ばしベッドに投げ出させた。
相変わらずバイブに中を刺激されてはいるものの、ランスはようやく一息ついた。
「少し揉みほぐした方が良さそうですねえ」
シィルはランスの顔をまたぐように上に被さった。脚の間に濡れた花弁が見えるが、ランスの舌が届く高さではない。
「んと、この辺かな?」
シィルはランスの足の付け根から太股の内側を丹念になでさする。
強すぎず弱すぎない動きで関節と筋肉がほぐされていく。その感触の気持ちよさと、
見慣れているとはいえ十分に魅力的なシィルの秘部が与える視覚的な快感。
「ローター……」
「ああ、すみません、胸に当たってないですね」
「いや……そうじゃなくてお前に……」
「え……あまり好きじゃないんですけど……私に入ってるとこ、見たいですか?」
「見たい!」
思いのほかはっきりと肯定したランスに、シィルは苦笑する。
「ん、じゃあ、ランス様のために」
まだ振動を続けているローターを拾い上げ、シィルは自分の花弁に押し当てた。
「ん、んんっ」
ぬめる花弁に上手く挿入できないのは、シィルも興奮しているせいか、あるいはランスを楽しませようという心遣いか。
「ん、うまく、入らな……」
「もうちょっと、後ろ、だ」
「ここ?……んっ!」
花弁の中心にローターがつぷりと吸い込まれると、シィルはびくんと体を反らせた。
だらりと垂れ下がったコードの先には強弱を調節するスイッチが付いている。
ランスはどうにか顎の動きでそれを口元に引き寄せ、舌先でスイッチを押す。
「あっ、ん、ランス様、おいたはダメ、ですよ?」
強く弱く、ローターの振動を変化させるたびに、シィルの身体が震えるのが解る。
「もう、いたずらっ子のランス様は、こうです!」
「ん、ぐっ?」
シィルはアナルバイブの振動を強に変え抽送を始めた。激しく内側を擦られ性感を高められるが、
根本を縛られているために射精することが出来ない。もどかしさにランスは呻る。
「あ、し、シィ、ル」
「ん、ふ、我慢してる、ランス様、も、可愛いです……よ?」
乱暴なくらいにアナルバイブを出し入れしながら、シィルは自分の乳房をランスの下腹に擦りつけている。
柔らかい肉と堅い蕾の感触、そして何より腿の内側にまで伝い落ちる蜜が、シィルもまた興奮していることを示している。
ランスは舌を伸ばしてローターのコードを絡め取ると、強く引いた。
「ん、は、ああっ」
じゅぷ、と音を立てて抜けたローターは、糸を引くほどの大量の蜜を絡ませランスの顔に落ちてくる。
いきなりの快感に耐えられなかったのか、シィルは腰を落とした。
「む、むぐ」
シィルの丸いお尻がランスの顔の上に乗る。先ほど無体を働いたせいで赤くなっている菊門、そして、
ぬるぬると蜜をあふれさせる中心を、ランスは出来るだけ舌を伸ばして舐める。
「あ、あん、ランス様っ」
じゅるりと音を立てて強く吸うと、シィルの体が大きく跳ねた。
「ん、もう……ランス様の意地悪……」
荒い息を吐きながら、シィルは絶頂をやり過ごしている。ひくひくと痙攣する花弁を、ランスは更に舌で突いてやる。
「っ、は……ら、ランス様も、そろそろ……」
震えながらシィルはアナルバイブを抜く。よろよろと体を起こし、再び引き出しを開けた。
「どれ、にします?」
手に触れたものをシィルは適当に引っ張り出してランスに見せる。
大きさも形のバラエティに富んだそれは、もちろんランスのコレクションの一部だ。
「それ、じゃない」
手は使えないものの、ランスも何とか体を起こす。
「その下……違う、右の緑色の」
「こんなの、ありましたっけ?」
男根を模した緑色の塊から、ベルトが三本延びている。シィルはそれを手に取って首をひねる。
「まあ……使う機会がなかった、からな」
それは、女性が装着するタイプのディルドだった。あてなに付けさせてシィルを二穴責め、というつもりで購入したが、
何しろシィルが後ろを頑なに拒むので使わなかったものだ。そういえば、現在ランスがこんな目に遭っているきっかけは。
「……シィルのお尻に、何か変なスイッチでも付いてたかな?」
「え?」
「いや、何でもない……使い方を教えてやるから、とりあえず縄を解いてくれ」
膝立ちのシィルの前にはいつくばるような格好で、ランスはディルドを装着してやる。
「あっ、これ、あの、当たって」
「イイ所に当たらないと、お前が面白くないだろう」
慎重にベルトを調節して、模擬ペニスの根本がシィルのクリトリスに当たるようにする。
「……よろしいんですね?」
「このまま放置されてもな、それにこうなったら何事も経験だ」
「……」
「その前に、これ、解いてくれ」
ランスは根本を締め付けるリボンを指し示す。こくりと頷いたシィルは、口でリボンの端をくわえ、するりと解いた。
途端にこみ上げる感覚。
「あ、やべ、出そう」
「仕方ないですねえ」
シィルはにっこり笑ってランスから離れる。
「えっ、銜えてくれるんじゃないのか」
「私は見ていますから、ランス様がご自分でなさってください」
「う、うん……」
「どうせなら、ここにかけてくださいね」
シィルは緑色のディルドをランスに向けた。ランスの動きに合わせるように、握って、扱く。
ランスは堪らずにじり寄り、シィルを抱き寄せた。
「あっ、ランス様……」
「ちゃんと自分でやる」
シィルのディルドを自分のモノと一緒に握り、ランスは手を上下に動かす。
動かすたびに敏感な部分に擦れるようで、シィルはふるっと体を震わせる。
「んん、ランス様、激し……」
「一緒にいけるか?」
「ん、は、はい」
唇を重ね角度を変えながら舌を絡める。その間もせわしなく手は動いている。
シィルの反応を伺いながら、ランスは速度を高めていく。そして。
「ん、ふ、は」
「はあ……」
ようやく離れて下を見れば、緑色のディルドに白濁液がたっぷりかかっている。
ぽわんとした表情のままシィルはそれをひとすくいして、ゆっくりと口に含む。
「やっぱり濃いか?」
「濃くて、いっぱい、です……」
ランスはシィルの頭をわしわしと撫で、鼻先に軽くキスをする。
シィルの気がそれている今なら、まだ。
「どうする、ここでやめるか?」
「最後まで……やりませんか?」
艶然と笑みを浮かべシィルは自分の指を舐り続けている。性行為に消極的にシィルがこんな表情をするのは珍しい。
もう少しこのシィルを見ていたいという気持ちと、未知の感覚への興味。
男に掘られるのは断固拒否するが、シィルだったらまだいいか、と妙な理屈をこね始めるあたり、
ランスも何かのスイッチが入ってしまったのかも知れない。
「いいだろう、受けて立つ」
ランスは頷いてから少し考え、シィルに背中を向け手と膝をつく。
「やはり後ろからかな」
先ほどシィルのバックを犯した時に、シィルに取らせていた体勢だ。自分でしてみて解る屈辱感。
「そう、ですね……」
ランスの意図に気が付いたシィルが、尻に手をかけ白濁液まみれのディルドの先端を中心に押し当てる。
この先のことを想像し、恐怖と好奇心でランスはぞくりと震えた。
「ゆっくり、な」
ランスの言葉をきっかけに、シィルは腰をゆっくりと前に突き出す。
「ぐ……」
指やアナルバイブとは比べものにならない太さのディルドが、ゆっくりと呑み込まれていく。
十分ほぐされ、また高揚しているとはいえ、ランスはうめき声を漏らした。
「痛いですか……?」
「……ちょっと、な」
「あんまり辛かったらやめますから、言ってくださいね」
一度根本まで埋め込んでから、シィルはそろそろと腰を引く。そこに快感はほとんど無かったが、
ランスの腰にしがみつくように身体を揺すっているシィルの感覚は悪くない。
「お前が気持ちいいように動いていいぞ」
「え、うん……はい」
シィルはとまどいがちに返事をして、少し動き方を変える。ゆるく、僅かな運動。
背中に感じるシィルの甘く喘ぐ声と、指でさんざん責められた部分への刺激とが、ランスの興奮を高めていく。
「ランス様、大丈夫……?」
幸いにも痛みはほとんど感じなくなっている。だが物足りないのも事実だ。やはり、性器への直接的な刺激も欲しい。
「……シィル、前に手、届くか」
「こう、ですか?」
更にランスに密着してシィルが性器に手を伸ばす。全体を握ることは出来なかったが、先端にかろうじて指が絡まる。
ひっかくような、撫でるような刺激が加わり、ランスのそれは硬度を増す。
「ああ、いいぞシィル、その調子だ」
「ランス様……」
甘えた声でランスの名前を呼びながら、シィルの動きは徐々に早さを増していく。
二人同時に達するまでに、時間はそう掛からなかった。
「やっぱ、シィルに変なスイッチはいってたよなー」
「えっ、うう、それは……でも……ランス様も、なんかおかしかった、ですよ?」
一心地ついてようやく正気に戻ったらしいシィルは、ランスと自分の格好に慌てている。
「とりあえず、もうシィルとお尻えっちするのはやめておこう」
「そうしていただけると助かります……」
「まあ、攻シィルちゃんは新鮮でよかったがな」
「ああっ、忘れて、忘れてください、ランス様!」
半泣きのシィルをしっかりと抱きかかえ、ランスは満足そうに笑って、目を閉じた。