ランス様LV1
ランス冒険譚。BL(男体化含む)注意。(望+朔)◇2004/10/27 えち
『錯綜の迷宮』に迷い込んだ初級冒険者を救出するのが、今回の任務だった。
簡単な任務だと判断し、ランスはいつものようにシィルだけをお供に迷宮に潜った。
目的の人物を見つけて迷宮の外へ送り返してやった後、ちょっぴり欲を出したのがいけなかった。
お宝目当てに迷宮を歩き回り、ついうっかり一方通行の隠し扉を開けてしまったのだ。
そして、薄暗い迷宮で迷って数時間。
「シィル、ちゃんとマッピングしてるか?」
「はい……大丈夫だと思うんですけど」
ぽかっ。
延々と続く石壁にいらついていたランスは、すかさずシィルに拳骨。
「くそ、シィルを殴っても気が晴れん、出口はまだか、出口は」
「ひんひん、あ、ランス様、あっちの方が明るいですよ」
たんこぶをさすりながら、シィルが通路の右奥を指さす。見ると、石壁の角から薄明かりが漏れていた。
「おお、やっと出口か!」
「……でも、マッピングの結果を見ると、そっちに外に通じる道はないと思うんですけど」
「入ってきた場所じゃなくてもいい、とにかく一度この迷宮を出るぞ」
ランスは明るい方へ向かって走り出した。シィルが慌てて後を追う。
「あっ、待ってください、ランス様!」
喜び勇んで通路を右に曲がったものの、そこには出口はなかった。
「……またワープポイントかよ」
「じゃあ、ここも後回しですね……」
シィルはマップにワープポイントを書き込んでいる。先ほどからいくつかワープポイントを見つけてはいるのだが、
普通に行ける通路の探索が終わってからと、スルーしてきたのだ。
「えーい、面倒だ、突っ込むぞ!」
「だ、ダメですランス様あっ!」
シィルの抗議には耳を貸さず、ランスはワープポイントに飛び込んだ。
これだけ歩き回って出口が見つからないのだから、きっと出口はワープポイントの先にあるはず。
乱暴な推論だが、この手の迷宮には良くある仕掛けだ。
うじうじ何か言ってるシィルも、ランスが飛び込んでしまえば、後から付いてくるだろう。
万が一この先に出口がなかったとしてもシィルがいれば、きっと、何とでもなる──イラーピュに飛ばされた時のように。
躰が捻れるような不快感の中で、ランスは漠然とそう考えていた。
「ランス様っ!」
ワープ先にいたのはシィルだった。地に足をつけたランスに飛びついてくる。
「おろ?戻って来ちまったのか?」
「もう、何で無謀な事なさるんですか!私は……」
シィルはランスにしがみついて、ぐしぐしと泣いている。
「……大げさだな」
そう言いながらも、ランスはシィルの頭をぐりぐり撫でながらぎゅっと抱きしめる。
「……んんっ?」
抱きしめた感触に違和感を感じ、ランスはシィルの躰をまさぐった。
「あっ……そんな、こんなところで」
ぽっと頬を染めているシィルにはお構いなしに、背中から腰、尻と撫で、いつもと違う手触りに首をひねる。
手を胸に移動すると、そこには柔らかい感触はなく、固く平らな胸板があるだけだった。
「シィル……だよな?」
「はい、そうですけど?」
シィルはきょとんとしてランスの顔を見つめた。ぽわんとした声も首をかしげる仕草も、いつもと変わるところはない。
更に確認しようと、ランスは思い切ってシィルのパンツに手を突っ込んだ。
「あん、ランス様……」
「ええい、感じてるんじゃない!」
扱い慣れた道具より小振りな感触。そこにあってはならないモノの感触に、ランスは慌てて手を引っ込める。
「……どうなさったんですかランス様、お顔が真っ青ですけど……」
やっとランスの様子がおかしい事に気付いたシィルが、おそるおそる声をかける。
その声でランスは我に返った。シィルの顔を両手で挟み、至近距離でじっと見つめる。
ピンクのもこもこ頭に青い瞳、それは見慣れたシィルの顔だった。
「……」
確かに顔も声もシィルなのだが、よくよく観察するとさっきと服装が違う。
確かに露出多めの服ではあるが、胸や腰を強調したランス好みのモノではない。
華奢ではあるがほどよく筋肉の付いた腕、平らな胸に四角く固い尻、そして小さめながらもハイパー兵器の存在。
どう考えてもこれは男の躰だ。
「お前、いつから男になった?」
「は?私は生まれた時から男ですけど……確かに女顔だってよく言われますけど」
シィルの青い瞳に、困惑の色が浮かぶ。どうやらふざけているわけではなさそうだ。
「……俺様のシィルは女だったはずだが」
「えっ……?」
ランスはまじまじとシィルの顔を見た。顔は同じだ。たぶん性格も同じなのだろう。
「お前は一体誰なんだ?」
「そんな……ランス様、ひどいです、私は……ぐすっ」
「えーい、男が泣くな、みっともない!」
反射的にぽかりとシィルを殴る。
「ひんひん」
反応も全く同じだ。違うのは性別と、それに伴う身体的特徴だけ。
ランスは大きくため息をついて、辺りを見回した。ついさっきまでシィル(女)と一緒にいた迷宮と、同じように見える。
「ワープポイントに飛び込んだのは俺様の方だぞ、なのに何でシィルが……」
そこまで言ってから、ランスははっとなった。
「まさか……ここは別の世界なのか?」
「ランス様……?」
ぶつぶつと独り言を言うランスを心配して、シィル(男)がそっと寄り添ってくる。
「だーかーらー!男が俺様にくっつくなと言っておるのに!」
「つまりここはこっちの世界の『錯綜の迷宮』で、こっちの世界の俺様とお前も人捜しをしていたわけだな?」
ひとしきり暴れた後、ようやく落ち着いたランスは、シィルにお茶を入れさせながら状況を整理していた。
こっちの世界のシィルが書いた『錯綜の迷宮』マップを見ると、元の世界の『錯綜の迷宮』と同じ造りのようだ。
迷子の原因になった一方通行の扉も、ランスが業を煮やして飛び込んだワープポイントの場所も同じだった。
「はい、そうです……あ、ランス様どうぞ、こっちのランス様のコップですけど」
使い慣れた物と同じ物にしか見えないコップを受け取り、口を付ける。お茶の味も同じだった。
満足げなランスの表情に安心したのか、シィルはほっと一息ついた。しかし、すぐに浮かない顔になる。
「私のランス様、今頃どうなさっているんでしょうか」
「……さあな、たぶん俺様のシィルと一緒にいるんじゃないのか」
シィルの話とランスの体験を総合してみると、ワープポイントでランス同士が入れ替わってしまったのではないかと思える。
となれば、もう一人のランスも、シィルと一緒にいると考えるのが自然だ。
不安そうにしているシィルを安心させようと、ランスはもこもこ頭をわしゃわしゃとかき回した。
さすがに抱きしめてやるのは抵抗があった。
「……いつまでもこうしていても仕方ない、シィル、まだ調べてない通路はあるな」
「はい」
お茶を飲み干して、ランスは立ち上がった。シィルは慌ててそれを片づけ、大きな荷物を背負う。
「よし、出口目指してレッツゴー!」
「……アレは何だ?」
迷宮を歩き出したランスとシィルの目の前に現れたのは、うさ耳に半ズボンのちょっと頭の緩そうなモンスターだった。
ぴょんぴょんと擦り寄ってくるモンスターに、ランスはイヤな予感を感じる。
「ランス様、これは男の子モンスターのきゃんきゃんです」
「あそんであそんで♪」
きゃんきゃんは無邪気にランスに擦り寄ってくる。ランスの背筋に冷たい物が流れた。
「だああっ寄るな触るなあっっ!」
ざくりと一刀両断。ひどいなあと言いながら、きゃんきゃんは倒れた。
「きゃんきゃんが男の子モンスターだと?」
「はい、他にもおかし男とかハチ少年とか」
「……こっちの世界じゃ、ヤンキーやおかゆフィーバーが女の子モンスターだったりするんじゃないだろうな?」
ランスは己の想像に鳥肌を立てる。
「ヤンキーとかは一般モンスターですね、そもそも女の子モンスターなんていませんし」
迷宮の中、人間はランスとシィルだけ、しかもこっちの世界のシィルは男の子だ。
せめて女の子モンスターでも襲って……と思っていたランスだが、早くもその野望が崩れ去ろうとしている。
「じゃ、じゃあレベル神だ!ちょっとレベル下げられるかもしれんが……」
「ウィリアム様ですか?レベル神も男性ですよ」
「なんじゃそりゃあ!」
ランスはバリバリと頭をかきむしった。
「ランス様、ちゃつみとかハニーには女の子がいますけど」
「ちゃつみやハニーとどうしろと言うのだお前は!」
ランスは怒りにまかせて、シィルのこめかみをぐりぐりと締め付ける。
「ああん、痛いですランス様あっ」
「お前が変な事言うからだ!」
それからしばらくの間、ランスとシィルは迷宮内を彷徨った。
不思議な事に、入れ替わる前にあったワープポイントは、全て消滅している。
「さ、さすがにちょっと疲れてきたな」
「はいー……どうなさいますか、ランス様」
「とりあえず、今日はここでキャンプだ」
シィルにキャンプの準備をさせている間、ランスはマップを広げて考え込んだ。
ワープポイントが消えてしまったため、通路は完全な袋小路だ。隠し扉や落とし穴も見つからなかった。
(このままこんな迷宮に男と二人っきりなんて絶対にイヤだぞ)
ふんふんと鼻歌交じりにご飯の用意をしているシィルに、ランスはちらりと目をやる。
「……いや、いくらシィルとはいえ男を押し倒すほど落ちぶれちゃいねえ」
ランスの独り言がシィルの耳に入ったらしい。
「私だって、いくら同じお顔とはいえ、私のランス様以外となんていやですう」
「お前ら男同士で何やってるんだよ」
「それはその……ほら」
「……頼むから想像させんでくれ」
イヤな想像が浮かぶのを避けようと、ランスは大きく頭を振って、意識をマップに集中する。
ふと、大きく『?』が書き込まれている通路が目に止まった。
できあがったスープを持ってきたシィルに、ランスは尋ねてみる。
「それは、壁の色が違った通路ですよ」
「ああ、なんかそんな場所があったな」
「叩いても魔法で調べても何もなかったんですけど、明日もう一度調べてみますか?」
「まあ、他に手がかりもなさそうだしな」
ランスは受け取ったスープに口を付けながら答えた。
翌朝。寝ずの番でぼんやりしているシィルの尻を蹴飛ばして、ランスは壁の色が違う通路へ向かった。
「ふむ、ここだな」
握り拳で叩いてみても、他の壁と変わったところはない。
「シィル、もっと詳しく調べてみろ」
「はい、ランス様」
シィルが丁寧に石壁を調べている間、ランスは再びマップを広げた。何度眺めても、怪しそうなポイントは他に無い。
「ランス様、やっぱり何もありません」
一通り調査を終えたシィルの報告に、ランスは不満げに返事をする。
「天井や床は調べたのか」
「床は調べましたけど天井は……ひんっ」
げしっと、ローキックをお見舞い。
「バカ者!天井も調べなければ意味がないだろうが!」
「だって届かない……あうっ?」
ひんひん泣いているシィルを、ランスはいきなり突き飛ばした。
「仕方ない、俺様が直々に調べてやろう、お前踏み台になれ」
「うっ」
何か言おうとしたシィルを睨む。シィルは諦めて手と膝をついた。
「ランス様、痛いですぅ」
ブーツのまま背中に乗っているランスに対して、シィルは控えめに抗議する。
「黙れ踏み台……ん?」
ランスは、石と石の隙間が不自然に空いているところを見つけた。
さすがに手は届かなそうだったので、剣を抜いて、ぐりぐりと隙間に突っ込む。
「何かありました……?」
かちりと何かが剣先に当たる。その瞬間、迷宮がぐらりと揺れた。
「きゃっ」
「うお?」
その振動に耐えきれずにシィルがバランスを崩す。
当然、上に乗っていたランスもひっくり返って、ぺしゃんと潰れたシィルに覆い被さるような格好になる。
「こら、踏み台が潰れるんじゃない!」
「……」
「シィル?」
シィルの返事がない事に慌てて、ランスは起きあがってシィルを抱き起こした。
「おいっ、大丈夫か、シィル!」
「は……はい、なんとか」
ようやく返事が返ってきたシィルに安心し、ランスは無言で服の埃を払ってやる。
「あ、すみません……」
「ふん」
シィルは不機嫌そうなランスの顔をちらちらと見ている。
「なんだ?」
「優しいんですね」
「……雑に扱って、後でこっちの俺様に文句を言われたらかなわん」
ぶっきらぼうなランスの言葉に、シィルはくすっと笑った。
それは、裏を返せば、自分のシィルが雑に扱われるのは許せない、と言ってるのだから。
「いいなあ……ランス様のシィルは幸せなんでしょうね」
「お前は幸せじゃないのか?」
シィルはふるふると頭を振った。
「いいえ、ランス様のお側にいられれば、シィルは幸せです……今はちょっと寂しいですけれど」
ほんの少し翳りのある微笑み。自分のシィルも今頃は寂しがっているのだろうか、とランスは思う。
「そうだな、早い所本来の組み合わせに戻らんといかんな」
「……はい!」
先ほどの振動で何か変化はないかと、再び迷宮内を調べる。
すると、入れ替わるきっかけとなった場所に、再びワープポイントが出現していた。
「……」
「ランス様、今度はうかつに飛び込まないで……あうー」
心配性のシィルに鉄拳制裁。
「しかし他に移動できそうな場所はない、となれば、もう一度ここに飛び込んでみるしかないだろう?」
「でも……」
「えーい、ぐずぐず言うな!行くぞ!」
ランスはシィルをしっかりと抱えて、ワープポイントに飛び込んだ。
「ランス様!」
ワープ先にいたのは、もうひと組のランスとシィルだった。
「シィル!」
ランスは抱きかかえていたシィルを放し、もう一人のシィルに飛びつく。ついさっきまで抱えていた固い感触ではない。
女性特有の丸みを帯びたラインと柔らかさを、腕の中で存分に確かめる。
「ランス様、ランス様あっ!」
シィルもしっかりとランスにしがみつき、ただただ名前を繰り返していた。
ひとしきり再会を喜んで、ランスは顔を上げた。あっちのランスとシィルも、しっかりと抱き合っている。
(……なんだよ、あっちの俺様のにやけ顔は)
自分も同じ表情をしているのかと思うとなんとなく不愉快になり、シィルを邪険に突き飛ばした。
あっちのランスも顔を上げて、不機嫌そうな顔でこっちのランスを見ている。
「おい、女好きの俺様」
「なんだ、男好きの俺様」
険悪な雰囲気があたりを覆う。二人のシィルは、間でおろおろしていた。
「……俺様の奴隷に酷い事をしなかっただろうな?」
「男だとはいえ一応シィルだからな、それよりもそっちこそ……」
「ふん、女なんぞ嫌いだが、まあシィルだしな」
予想通りの答えにランスはほっとする。
気が付くと、シィル達は互いのマップを広げて、ぼそぼそと相談をしていた。
「何をしている?」
「また、ワープポイントが消えてしまったので、どうしようかと……」
確かに、今通り抜けたワープポイントは消滅してしまっている。
「そういや、ここはどっちの世界なんだ?」
「それが……どちらもワープポイントを通り抜けたようで……」
「私たちそれぞれの世界とはまた違う、3つ目の世界かもしれません」
シィル達は互いに顔を見合わせて、ため息をついている。
「またさっきの通路に行ってスイッチを押してみるか」
「ああ、何か新しい道が開ける可能性は高いな、行くぞ、シィル」
「あ、はい、ランス様!」
シィル達には性別の違いがあるが、ランス達は姿も装備も全く同じだ。
それでもシィル達は、ためらうことなく、自分のランスに付いて行く。
「何ですか?」
「ん……どうやって俺様を見分けているのかと思ってな」
「だって、あっちのランス様もランス様ですけれど、やっぱりランス様はすぐ解ります」
ランスの素朴な疑問に、シィルは曖昧な笑顔で答える。
「もっとわかりやすく説明せんか」
「言葉では説明できませんけど……でも、私のご主人様はたった一人ですから」
「……訳が解らん」
それでも、ランスはなんとなく気分が良くなって、シィルの頭をくしゃくしゃと撫で回してやった。
壁の色の違う通路で天井の仕掛けをつついてから、4人はワープポイントの間に戻ってきた。
そこにはワープポイントは無く、ぷちハニーの群れがいた。
「うへ……最悪」
「同感だ、さっさと片づけるぞ」
自爆へのカウントダウンを始めたぷちハニーの群れに、ランス達は突っ込んでいった。
「後一匹……っ!」
「くそっ、間に合わねえ、シィル!」
ランスはシィルの首根っこを掴んで引き寄せると、爆発からかばうようにしっかりと抱きしめた。
もう一人のランスも、同じ行動をとったようだ。
間一髪、背後でぷちハニーが自爆する。爆風によって土埃が舞い、視界を遮る。
「俺様から離れるんじゃねえぞ!」
腕の中のシィルさえ見えない中、ランスは怒鳴った。
(シィルがいれば、きっと、何とでもなる……俺のシィルがいれば)
地に足が着いていないような奇妙な浮遊感の中、ランスはシィルを離さないよう腕に力を込めた。
土埃の晴れた部屋の中で、ランスとシィルは辺りをきょろきょろと見回した。
「……あいつらはいないな」
「みたいですね」
見たところ、ワープポイントの間のようだが、今ここにいるのは二人きり。
「俺様のシィル……だよな」
ランスはそっと腕を解き、シィルを観察する。埃まみれではあるが、ちゃんとした女だ。
「……後はここから脱出するだけだな」
ランスは立ち上がって歩き始めた。シィルも荷物を背負いなおして後に続く。
もう一度、丹念に通路を調べてみる必要がありそうだ。必ずどこかに脱出の手がかりはある。
そして、今度ワープポイントを見つけた時は──必ずシィルを引っ張っていけばいい。
そして。
「あそんであそんで♪」
「げ」
「ランス様、これは一体……?」
目の前に現れたのは、うさ耳に半ズボンのちょっと頭の緩そうなモンスター。
「きゃんきゃん(男の子モンスター)だ、何でこいつがいるんだあっ!」
半泣きで剣を振り回すランスと、呆然としているシィル。
組み合わせこそ正しかったが、どうやら戻る世界を間違えたらしい。
「ど、どうしましょう、ランス様ぁ」
不安そうな顔のシィルにパンチ一発。
「うろたえるなバカ者が!お前は黙って俺様に付いてくればいいんだ」
「……はい、ランス様!」
シィルはたんこぶをさすりながらも明るい笑顔だった。