ぎりぎり微笑み返せた
今、なんていったの?
ねぇ、なんていったの?
「…だから、俺、今度、アメリカに行くんだってば」
「そっかぁ…。前から行きたいってよく言ってたもんね」
「そうそう!やっと親も許してくれてさ。何年行ってることになるかわからないんだけど楽しんでくるよ」
「おめでと」
「おう」
あたしは、ただ、心の奥底で聞こえる
“おいていかないで”を押し込めて
祝福の言葉と、精一杯の微笑を目の前の彼に向けた。