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『は』

羽ばたけるのなら、天使になれるね


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他に誰も居ない木の上
羽をもった人型が、二人。
俺は、彼女の白い羽を見ながら口を開いた。


「…俺もその羽が欲しかったな」
「………どうして?」


彼女の綺麗な声を失うと思った。
それを望んでいたわけではなかったのに。

俺は…彼女と居たかったんだ。




追放はされたし、傍には俺しか居ない。


それでも結局彼女はどこまでも『綺麗』なのだ。


「あれば…君が追放されることなんてなかったのに。」
「……でもそうだったとしたら、きっと私たちは出会えていないの。」
「……そうだな。俺が天使になることなど出来るわけがないのだから」


俺の背中は、黒い羽。
羽ばたけるからって…天使なわけないだろ?