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『へ』

圧し折られた人形のさらし首


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『もう、『命』を創るのはやめろ』


紙の貼られた晒し首。
その顔は、SPをしていたはずの『樹』





最初にそれを見つけたのは、玖珂だった。

「樹お兄ちゃん…?」
「…樹兄さん…?なんでここ……!」

一緒に遊んでいた、桜が言葉を途中で止めた。
そのまま、ダッシュで走って行った。


「玖珂!お母さんを止めてて。絶対に見せちゃいけない!」
「……う、うん」

玖珂には、その言葉の意味がまだ分からなかった。
でも、桜の真剣な声に、逆らうことなく一緒に奥の研究室に入り
彼女を止め、先生を連れて、桜はさっきの場所へと、戻った。

「…なんて、ことだ…」

どうして、こんなことに…。

そこで聞こえたのは、海の声。

目の前の首…『樹』の片割れでもあり、仕事仲間でもある。

「お父さん…。」
「海!」

後ろから現れた海が抱いていたのは、首から上がない肉体―『樹』の体。
肉体は傷だらけになっていた。

「いったい何が…!とりあえず、第二研究室に運んで。事情はそこで聞く」
「わかりました。」

3人でそれぞれを大事に抱き上げ、第二研究室へと運び入れた。
修復を目的とする部屋なせいか、いろいろなものが置かれている。

首から上と、肉体を手術台に置く海と桜。
先生が手術道具を出してくる。

首の傍と、接合部分を眺めて、苦悶の表情を浮かべた。

「完璧にへし折られてる…。記憶はともかく、肉体が全部つながるか心配だ…」
「SP、続けられるのか?」
「…全部、つながれば平気だろう。お前は大丈夫なのか?」
「うん。…こいつが、かばってくれたんだ」
「……そうか…。ここからは俺の領域だ。お前たちは…ママをごまかしていてくれ」
「わかった」

二人が出て行った後、先生は一言漏らして、修復にかかった

「…やめるものか、絶対に」





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いつき、初登場がコレ…(爆)
でも首っていう時点で浮かんだのがこっちだったんです(爆)
次回作で復活できるように頑張ります