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『ち』

超絶戦闘マシーン


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“よう、終わったな”

その言葉と同時に、目の前へと降りる。

「……シィア、お前」

“お前から離れるつもりなんかない。お前を止められるのは俺だけだろうが”

「…………あぁ、ありがとう。シィア」

目の前には、向かってきた盗賊らしき者たちであったものが倒れていた。

白かったはずの服は、まるであの時の夕日のように、赤く赤く染まっていた。
肩に乗っかったシィアは楽しげに笑った。


“…今まで、そんな姿、見たことなかったな”
「そりゃ、今までの戦いは…血は流れないんだから、当たり前だ。
…この世界に俺たちの敵はいない。
…でも、生きていくなら、別の戦いが必要な土地らしいな。
まぁ、そんなことはどうでもいい。まず、優歌を探すことが先だ
…俺が忠誠を誓った、あの方を」


“風は?応えてくれないのか?”
「聞いたよ。遠くもなく近くもなく。いずれ会える、だとよ」
“じゃあ、のんびり行くか”
「そうだな」



腰に、愛用の日本刀を差しなおした。
とうにさびてもおかしくなかったほど、斬ってきたはずの刀。




けれど、その剣がさびることは、未だかつて、ない


“…目、戻ったな”
「…あぁ、やっぱりなってたか」



戦闘中、こいつの目は完璧な金色になる。
いつもは茶色なのだが。


感情のない、機械へと変わるとき。それが合図。