08 盗んで啓いて


目の前に裸の西田が現れた。どうする?
 ・たたかう・どうじゅつ・どうぐ・にげる


西田は悩んでいた。もちろん、どうすれば先輩・新城直衛が自分と恋仲になってくれるかについて、だ。
「はぁ。どう思う、漆原クン。」
「は、あ、え?」
「ブッブー。来るか、隕鉄!」
演習中に突然訳のわからないことを聞かれた漆原は守ってくれる恋人さんもいないために、悲鳴を上げる間も無く、かわいそうなめに合いましたとさ。
「なにか悩み事ですか。」
『ばか!お前って何でそんなにタイミング悪いんだよ今話しかける所じゃないだろ何考えてんだなに聞かされるかわかんねぇし返答次第じゃ漆原の二の舞だろうがもう少し考えてくれよてか俺にとばっちり来ないようにしてくれよな』と、兵藤は言いたかったが言えなかった。言わなかった。
「妹尾、聞いてくれる?あのね。僕はさ、こんなにも先輩を好きで毎日毎日この思いをぶつけてるのにさ。先輩ときたら全然心を開いてくれないし、体も股も開いてくれないんだよね。恥らってるのカナ☆って思って押し倒してみたこともあるんだけど首から上を危うく千早に持っていかれるところだったんだ。でもそれも先輩の恥じらいなのかな!かわいいなぁ〜。そういえばさ、昨日先輩が千早と鼻と鼻をくっつけ合ってるの見たんだけど最高に可愛かったよ。僕もあんなふうに先輩とこk」
「西田さんは、新城さんに押し倒すと思いをぶつける以外で何かしましたか?」
「???」
「ほら、剣牙虎と一緒ですよ。まず、自分から心を開かないと向こうもなついてくれないでしょう?相手に何かを求めるときは、まず自分からですよ。」
妹尾の素晴らしい助言を盛大に曲解するのが西田クオリティ。
「つまりまず僕が脱いでそして股を開けばそれに感動した先輩もってことかあぁぁぁ!」
「先輩。なんて顔してるんですか。」
頬を赤らめ、裸の僕から視線をそらした先輩はややうつむいて困った顔をしている。
「西田…駄目だ。そんなもの見せるな…」
「どうして?何が駄目なんですか。」
一歩近づくと先輩も一歩後ろへ下がる。永遠に縮まらないかと思われた距離は先輩の背中が壁に張り付いたことでたやすく無くなった。
「……我慢できなくなるだろう」
「我慢なんてしなくていいじゃないですか」
「にし…んっ………ふ…」
西田とつぶやきかけた唇を塞ぎ、舌で口腔内を蹂躙する。その間に両手は先輩の着衣にか

「妹尾、ありがとう。早速今日実践するよ!」

「というわけです先輩。僕の心は先輩にだけには海よりも深く山よりも高く開かれてます!さぁだから先輩も遠慮せず!!」
というわけも何も新城は回想を聞かされたわけではないので相変わらず訳がわからない。
はとに豆鉄砲といった表情を浮かべている。
「せんぱぁい!なぁんて顔してるぅんでぇすかあぁっ」
気色の悪い声を発する西田から視線をそらせないまま新城は青ざめた。
「遠慮も何も無いのだが…とにかく西田、止めておけ。」
「どうしてどうして!?何が駄目なんですか。」
西田が近寄るたびに新城も後退するのだが、室内なので当然壁にぶち当たる。
「…我慢できなくなるだろう」
「我慢なんてしなくていいじゃないですか!せんpふぐ」
接吻しようとした西田の顔面を左手で掴んで押しとどめる。その間に右手は腰の鋭剣にかかり、


目の前に裸の西田が現れた。どうする?
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