「なぁ。もし一週間後に世界が終わるとしたら、どないする?」
「はぁ!?何だよ、藪から棒に・・・」
「まぁ、ええやん。残された日、おどれはどないにして過ごすん?」
「う〜ん、そうだなぁ・・・。多分、いつも通りにしてるんじゃないかな」
「ほぉ」
「いつものように朝起きて、トレーニングして、食事して・・・」
「・・・・・・」
「買い物して、ちょっとだけお酒飲んだりしてさ。夜、ベッドに入るんじゃないかな」
「何や、めちゃめちゃ普っ通やん」
「むっ。別にいいだろ!何か文句あるのかよ」
「まぁええけど、な」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・?何だよ、変な顔して」
「いや、聞かへんのやなぁ、と思て」
「何をだい?」
「ワイが、どうやって過ごすんか」
「ああ・・・別にイイヨ。聞かなくても。」
「へぇ・・・・・・・さよか」
「だって、さぁ」
「・・・何や」
「俺、お前の側にいるから。見りゃ、分かるって」
「!」
「あれ?でもやっぱお前、最後だからって、何か特別な事したいのか?
お金をパーッと使う・・・ってのは、俺たち、懐寂しいから当然無理だし」
「美味しいものたらふく食って・・・って、こんなご時世だからなぁ、
いつもの食事に1・2品加えるぐらいしか、できないだろうなぁ」
「好きな酒を、目一杯飲みまくる・・・とかは、絶対ダメだぞ。
お前、それでなくても最近飲み過ぎなんだから・・・って、おい?」
「・・・・・・」
「・・・何だよ、甘えん坊」
「・・・・・・」
「しょうがないなぁ。どうしたんだよ、牧師さん?」
「・・・・・・たまらんわ、ホンマ」
「え?ちょっ・・・何なんだよ。ワケ分かんないんだけど」
「ええから。もうちょっと、こうさせとけ」
「いいけど・・・・・・高いよ?」
「・・・これでまけとけや」
「んんっ・・・。もう、何でもすぐ誤魔化すんだから。ズルイぞ、お前」
「おどれ程じゃあらへんやろ」
「なっ!俺の何処がズルイんだよ」
「・・・おんどれには、一生分からへんわ」
「何だとー!?」
あまりにも厳しすぎる現実、この時代に『IF』は存在しえないのだけれど。
今は、この優しい想いと共に、つかの間の休息を・・・。
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