ch10-2ボス戦 別パターン(パーティ全員揃った戦闘をやりたかったのですが、ここにきて雑魚連戦というのもなぁ…と思い変更しました)



システム制御室突入。
バブイルの塔管制室と似た感じ 違いは、クリスタルルームが併設されていること クリスタルびかびか光って稼働状態にあることを示す
※「少し待っていてくれ」
 部屋に明かりが付く 慣れた様子でコンソールに向かうセシィ
 明るくなった室内の様子 小綺麗な施設の中で、ようやくこの部屋は廃墟に相応しい雑然さを備えている それじゃ困るんだけど カインは苦虫を噛み潰す 入り口や廊下はどんなに汚くてもいいから、施設の肝である制御室だけはきれいであってほしかった
 荒廃した光景の中で最も懸念されるのは、かつて浸水に見舞われたらしいことだ。
※この水の出所は恐らく、クリスタルルームだろう カイン眉顰め クリスタルルームは浸水を起こしやすい条件にある 脳裏に内部地図思い起こし 施設が異変に見舞われた際、(1)クリスタルの回収を容易に行えるよう、外からの侵入が容易な位置にあり(2)また、隔壁を下ろして海水(冷却水・熱による暴走を阻止)を満たし、クリスタルルームそのものを施設から切り離せるようになっている クリスタルルームの天井に設置?された、いくつものスプリンクラー スプリンクラーの導菅は貯水槽底から八方向へ伸びており、ちょうどマリーゴールド系の花を伏せた形によく似ている 貯水槽へと続く水道管は煙突のように緩い逆漏斗形となっており、真っ直ぐ上方へ○メートル登り、可動外壁に突き当たる その上には、幾層も重ねられた異物侵入防止格子 迅速且つ安全に水を引き込む(可動外壁は、注水時に中心から内側へ割れ?る 排水溝のゴミ受けパッキン?みたいな形) 高い水圧を引き受ける可動外壁は、特に頑丈に作られているとはいえ、それは正常に維持が行われていればの話だ 施設が廃棄され、弊害が如実に現れてしまった
 浸水が現在進行形でないことは救いだが、水たまりは床のかなりの広範囲に及んでいる 月の民の機械が鉄等の金属で出来ているわけでないことは分かるが、海水による影響が全くないわけではないらしいことは、床に転がった、巨人制御システムのボールみたいのが如実に表している
「そんな!?」
コンソールを叩いていたセシルが慌てた声を上げた。カインぞっと冷や汗
「どうした?」
「分からない、バブイルの塔との接続が……何者かが外部からの操作を遮断してるようだ、再接続出来ない。」
あーそれは多分ふすやんだな ちょうどそんな時間だ
「そちらは恐らく問題ない。この遺跡だけに専念してくれ。」
「しかし、オーバーロード時に発生する高エネルギー流を放出しようにもここは海中 そのまま放出すると大変なことに バブイルの塔経由で地上と地底へ分散して逃がさなければ。」
「ならば、こちらの方法は使えないか?」
カインふすやんに聞いたままをメモした紙取り出し コンソールの上に広げ セシル一読
「なるほど、全エネルギーを光に変換するのか……参ったな、どうやらいろいろ知ってるんだね。」
セシィ苦笑して再びコンソールに向かい セシィコンソール叩き終え
「頼む……!」
パネル抱えるように祈り
「どうだ?」
カイン達様子見
「メインシステムの一部が反応しない。リカバを呼び出してみたんだが、巧くいくかどうか……」
祈るようにブルースクリーンを見つめるセシィ スクリーンを埋め尽くす文字のうち、生傷のような赤字箇所が、生じているエラーを示すのだろう。正に満身創痍だ。カインピンと来
「エッジ!」
手伝いを乞い、転がってる防衛システムを起こす。 パネルを外し、持ってきた充電池を設置する。低い起動音と共に外壁のLEDが光を取り戻した。穏やかな呼吸のように明滅するそれが、防衛システムの正常な作動を知らせる。 手伝いはしたものの意図を計りかねる相棒の、それで?な顔に
「自己回復機能だ。メインシステムのリカバを補助できるはず……」
果たしてカインの予想通り、セシルが腕を高く掲げ答える。 自己回復プログラム走ったっぽい
「よし!」
セシル快哉叫び メインの方のエネルギークリスタルが光り、システム起動を知らせる。セシィコンソール操作 恭しく貼り付けた掌を満足げに剥がし。
※※この時点で、オーバーロード発動まで三十分 その情報をどう周知するか?
「設定完了だ、急いで脱出しよう!」
全てのエネルギーを光に変換するということは、この施設を海中で維持するためのエネルギーも失われるということだ。オーバーロード発動と共に、この施設は崩壊する。※脱出のために残された時間は三十分 余裕といえば余裕だが、道中何があるか分からない 急ぐに越したことはない
振り返った一行の目に映る光景。一行の晴れ顔を塗り替える。
通路にぎゅうぎゅう大量のステュクス まるで巨大な生物の胎内 
咄嗟に走って扉閉め この扉の厚さが、作戦を立てるために許された時間の長さだ。
廊下は直線で避けるのは不可能。
「どうすればいい……!」
真っ向から一々倒すのが愚策・正気沙汰でないことだけは明白だ 共倒れになるだけだ。排除するにはあまりに数が多すぎる。そして、オーバーロード発動にかけることは出来ない。それはこの施設の崩壊を意味する。
「他に道はねぇのか?」
重圧に耐えながらエッジ セシルが思い付く
「クリスタルルームに排水口がある。排水口を開ければすぐに海中 施設の外へダイレクトに出られる」※もしかしてCルームに加圧必要? ついでに、この排水口はバブ塔の落下罠とリンクさせられんもんか
「海面までの距離は」
「おおよそ二百メートル程」
「ガキどもが保たねえ」
潜水距離 大人は可能だが子供には無理
「スリプルで仮死状態にしてしっかり抱えていけば」
ポロム案
「よし、それで!」
と皆を急かすセシィ
「いや、駄目だ。」
「カイン!?」
カイン、セシルを見据え
「俺たちが脱出した後、『誰が』排水口を閉じる?」
「それなら心配ない――」
セシルしまった!の顔 カインは話にならないと首を振る。
「他の方法を考える。皆で脱出するんだ。」
「カイン、揉めている時間はない!」
「ああそうだ、言い争いをしている暇などない。誰かの犠牲無くして成功しないのなら、そんな作戦は間違いだ!」
語気を潰してカイン
「どのみち一人で凌げる局面じゃねえ。」
エッジも同調
「つまり、ステュクス御一行様にゃどうでも道を空けてもらわねぇとな。」
結論 足止めでも排除でも結局ステュを何とかしないと
「ステュの弱点、炎、毒――」
まず炎 炉のような高温が必要 しかし※ここで九章で聞いてた発動中止方法がネックに
次に毒 あれだけの量の敵に有効な毒の量も持ち合わせは無い 魔法に頼るには多過ぎる
「他に弱点、何だ」
「畜生、ギルバートがいりゃあなぁ……」
「何故ギルバート王?」
「波だか何だか 音のような音でないもの 動きを止められる」
セシルぴーん閃き 
「それはもしかして高周波? それなら……!」
「あるのか?」
 セシルは頷き、眼差しの先にクリスタルルームを指す。
「クリスタルの制御は高周波によって行われるんだ。四基空いている!」
セシルの言葉通り、制御クリスタルを置くための台座が四つ余っている。
 自分とセシルの腕力を併せれば、しばらくは扉を押さえていることができるだろう・耐えられるだろう。その間に、罠を完成させてくれれば――カインがその考えを口に上らせるより早く、合わせた目から考えを読み取ったエッジが頷く。
「パロポロ、操作盤頼むぜ!」
エッジはすかさずクリスタルルームへ走る。双子も後に続き、操作盤へ向かう。
押さえ手の減った扉を、幼馴染と共に渾身の力でもって貼り付ける。
「制御装置の底に、黒い網を張った銀の椀があるだろう? 繋がっている線を切らないように取り外して、黒い網の方を扉に向けて置いてくれ!」
走りがてら苦無を抜いたエッジは、早速空いている制御装置の一つに取り付く。
「パロム、ポロム、操作盤の左側に青い6つのボタンが見えるか? 確認できたら、ボタンの上にあるつまみを全て上へ押し上げてくれ。合図をしたら青いボタンを全て押すんだ、順番は構わない」
「はい!」
ポロムは操作盤の上に飛び上がろうとする パロムは素早く身を下げた
「ポロ、肩!」
パロム、ポロムを肩車し ポロム、操作盤を確認して力強く頷く。
作業の完了を待つ間 扉にかかる圧力が高くなってくる 不気味な圧力
「昔、こんなことがあったね。」
とセシィ 
「覚えてるかい? 二人でシドを倉庫に閉じ込めたこと。」
 こんな時にそんなどうでもいいことを 呑気に思えるがしかし セシィはいつもそうだ いつでも皆の気分が沈まないよう気配りを絶やさない親友 親友のこういう性格を、自分は昔からずっと――そうだ、昔からずっと頼もしく思っていた。
※「覚えているとも」
※また、セシルはただ暢気な思い出話をしたいだけではない 意図を読み取り、笑って応じる
エッジが装置の配置終え 
「準備完了だ!」
エッジの声で頷きあう
「チョコボの「尻尾!」」※いっせーのーせのバロン版 子どもの時タイミングを計る合い言葉に使っていた単語 バロンの子供が好んで使う、示し合わせの文句
声を揃えて合い言葉 同時に扉離し踵返し 制御装置の間スライディングで抜け、セシィが操作盤に手を付く 最後の一押しで罠発動 制御装置作動で高周波がステュクス捉え
見えない波に囚われたステュクスの種子たち。出来損なったプディングの固まりのよう。※セシルがスライダーを調整 プディングがぷるぷるしなくなったところでスライダー固定
動けない相手にならば勝機はあるか しかし
「数が多すぎる……!」
まるで盛りすぎて器から溢れるように、プディングがぼろぼろと崩れる 全部を止めるには出力が足りないのか 波の効果範囲から溢れ落ちたステュクス 寄り来るそれを切り払う
パロムが三人の武器に順にバイオエンチャント 
 その間にも後から後から押し寄せてくる新手 その時アラームが鳴り
「そんな!?」
セシル半ば悲鳴 入り口側の扉の上の暗闇に無数の赤い目が瞬き 攻撃システム格納庫開き 星屑のように降ってくる随分小型の攻撃システム
「この忙しい時に!」
新手出現に毒づくエッジ

「重要なシステムがある部屋用だから通常のビーム攻撃はしてこない。複数・三体で敵を囲み、電磁熱線の捕縛縄を形成するタイプだ。取り囲まれないように」
カインが注意をする
「こいつらは煮ても揚げても食えねぇな!」
 狩りの時間。四体の攻撃システムに囲まれエッジ。甲鋼虫で掴んだ一体を分銅のように振り回し。簡易分銅は仲間の体を薙ぎ払う。
「どうかな、お前の場合――」
衣付けて揚げれば分からん――とは思えど本当に食ったらそれはそれで嫌だしな カイン槍のスイング一閃 ひしゃげた装甲を縦割りが床に叩き付ける。
「凍て付け、ブリザド!」
 無数の氷礫を浮かばせた少年は素早く膝を付き射線を空ける。
「エアロ!」
 少女の三拍子に踊る巻風が氷礫を散弾雨の壁に変える。一つ一つは小指の先ほどの礫でも、高速を伴うとなれば話は別だ。出現した局地的暴風圏は、領域内に入り込んだ攻撃システムを粉砕し沈黙させる。双子の協力魔法アイスストーム

そしてステュクス バイオしていても再生べら早い
手甲状にした甲鋼虫で床にたたきつける ヒット部分に大穴が空くも、輪状に溶けて再び触手が伸びる すばやく手を退き、不気味な王冠状の種子を蹴り飛ばす
「畜生、不死身かこいつら!」
「そんな筈はない、どこかに――」
槍のスイングで打ち上げ、高周波の器に盛り付ける
餌となっているのは浸水した場所の水たまり これまで会議の書記を務めていたポロムの頭に、ペンで刻んだ筆跡が走る。ステュクスの餌となるのは水――床の至る所に口を開けた水たまり。
※凍らせて! ――ポロムの唇が叫ぶ。パロムは頷き、利き腕に魔力環を重ねる。今こそ”かっこよく活躍する天才黒魔道士”の見せ場だ。だが、最も得意とする魔法の矛先は敵ではない。四元素の力はただ正面から敵を打ち倒すのみに非ず、その最大の真価は支援にこそある――老いた大賢者の書き残した教えの意味が今こそよく分かる 一枚板で成形されたこの床は、魔力を容易に伝達する。片手に姉の手を携え、床に残る片手を押し当てる。
「凍てつけ、ブリザラ!」
※必要最小限の魔法で最大の効果を いつも温存しろといわれているのは、決して子供扱いされているからではなく、その逆 ずっと頼りにしてくれていたのだ
 床が霜を吹き瞬く間に息が凍る 床を埋め尽くす冷気の葉脈模様 水たまり程度の水量でふたりがけブリザラに抗うことはできない
 ステュクス数体も同時に凍結スネア食らい 身を震わせて足止めを解く 脆い身が凍牙で欠ける だが彼らの再生のための餌はもう無い。
子どもたちの機転によってエネルギー供給源を失ったステュクス、再生のために合体始め 床に落ちたステュ破片が互いにくっつき
「トロイアの守護樹戦時と同じだ」
これは逆に好都合かも 棚ぼた?怪我の功名?的な 
足元を滑っていく破片を目的地方向へ蹴り飛ばす。
数多の敵を相手にするより合体して一体になれば一網打尽 そして、対合体ステュ用の必勝策がある 聖水 今こそそれを使い時 カイン、懐からガラス瓶取り出し 気が逸れたのはたった一瞬
 ブリザラで最後の一滴まで完全に水たまりを凍らせた双子、立ち上がろうとするが、ズボンの膝が床に貼り付き一瞬動きが遅れる
 視界の隅から滑り込んでくる破片 カイン考えるより早く身体が動き、水平ダッシュで双子の足下を槍で薙ぎ払い双子の身体をホームラン 滑ってきた双子をセシルとエッジがそれぞれ抱き留める 体勢を立て直そうとしたカインの足がプディングを踏みつぶして・あるいは凍った床で滑る 咄嗟に突いた腕がプディングにさらわれる 失態を悔いる声ごと体を持って行かれる せめて聖水を渡さないと 腕を伸ばすが
「カイン!!」
誰かの悲鳴。伸ばした手に掴みかけた光明は、あえなく闇に断たれた。