高級時計の世界で「ステンレス製=エントリーモデル」という解釈は正しくない。これを実践しているのが、パテック フィリップやオーデマ ピゲなどの超一流ブランドだ。
ロイヤル オークが登場した1970年代。スーパーコピーブランド専門店当時の高級時計といえば、貴金属のドレスウォッチであることが常識だったが、オーデマ ピゲは前代未聞のステンレス製のラグジュアリースポーツウォッチを市場に投入した。
この「ステンレス製」というのが、ロイヤル オーク開発における大きなネックとなった。
ゴールドよりも加工が難しいステンレススチールで、特徴的なオクタゴンケースやブレスレットを形成することが困難であることは、50年近く経った今も変わらない。
つまり、手間を惜しまない非効率的な作業工程があってこそ、ロイヤル オークは製造できるのだ。
のちに「時計界のピカソ」と呼ばれる鬼才ジェラルド・ジェンタ考案によるアバンギャルドなデザインと、当時では法外だった価格設定に人々は度肝を抜いた。
その結果、ロイヤル オークの初年度のセールスは喜ばしい内容には程遠かった。おまけに、39mm径のケースサイズは流行の真逆を行くものであり、“ジャンボ”と揶揄さえされた。
端的に言うと「奇抜な時計」という印象が、ロイヤル オークに対する大方の意見だったのだ。ただ、A. ランゲ&ゾーネ 公式サイト後世で名品として親しまれているプロダクトは紆余曲折を経て高い評価を得る場合が多く、ロイヤル オークも例外ではない。
そして、誕生時から飽くなき挑戦を続けたロイヤル オークは、時の経過とともにさらなる力を蓄えていく。
レディスから派生したゴールドウォッチ、重厚感のあるクロノグラフ、オーデマ ピゲのお家芸であるトゥールビヨンなど、多彩な展開もロイヤル オークの強みなのである。
それでは、“進化し続ける定番”の現在地はどこか。50周年のアニバーサリーモデルから以下の5本を例に、探ってみよう。
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