ギャップ
西門総二郎×牧野つくし


別に、牧野つくしに興味はない。
ただ、無性に気になるのは・・
司と類、俺の幼少からのダチを二人も夢中にさせている。
いや、司はともかく、だ。
類が、なんであの女に執着するのか。
相手が静なら、納得はいく。
静の魅力は、俺も感じてるし。
もし、類が惚れこんでなかったら・・
きっと一度は俺も、本気で落としにかかってただろう。
でも、牧野つくしだろ?
「いい女」には程遠い。(って司が聞いたらキレんだろーな・・)
だからこそ、あの女のドコに・・司と類が惚れたのかが知りたい。




「よぉ、勤労処女!」

お決まりの文句を言って、俺は和菓子屋に入った。

『西門さん、その呼び方やめてください!』

牧野つくしは顔を真っ赤にして怒る。
俺は店に、牧野一人しかいない事に気がついた。

「今日、優紀ちゃんいないの?」
『優紀は、風邪で休みです。』

「ああ・・優紀ちゃん、風邪なんだ。心配だな。」
そんな俺の言葉には答えず、牧野は何やら忙しそうに動き出した。

「何してんの?」
『見て分からないんですか?売れ残った分を数えてるんです。』

俺の質問に、牧野は可愛げのない答えを返してきた。

(もっと、愛想よく出来ねぇのかよ・・)

俺は心の中で毒づいた。
そして、牧野は追い討ちをかけるように言った。

『何も買わないなら、出て行ってくれませんか?もう閉店なんで』

ムッとして、何か言い返そうとした時、ポケットの中で携帯が鳴った。
店の表に出て、通話ボタンを押す。
その瞬間、司のバカデカイ声が聞こえた。

『おい総ニ!!牧野のやつ・・・・・・』

あ〜あ、また始まったよ。



「頼むから司、もっとボリューム下げろ」

司の話によると、どうやら牧野と喧嘩をしたらしい。

(だから、牧野もあんなにトゲがあったのか・・)

さっきまでの、牧野の態度にようやく合点がいった。


俺は適当に司をなだめて、電話を切った。
そして、待つこと15分。ようやく店の外に牧野が現れた。


「おつかれさーん」

俺は、軽い感じで牧野に近づく。

牧野は一瞬、面食らった顔をしたが・・
すぐに硬い表情に戻り、
『なんですか?』と言った。

「もう遅いしさ、送ってくから乗りなよ。」

そう言って俺は車へ促す。
しかし案の定、

『結構です。そんなことしてもらう義理ないですから』と踵を返す。

そんな後姿に向かって、俺は言った。





「司と、喧嘩したんだって?」

牧野の足が止まった。
そして、振り向かずに聞く。

『なんで知ってるんですか?』

俺は、わざとそれには答えないで言った。

「乗りなよ?」

何か言いたそうにしながらも、牧野はおとなしく車に乗り込んだ。
それを確認して、俺は運転手に行き先を告げた。


六本木にあるバー。
店に入ると、すぐに支配人が個室へと案内する。
そして、カクテルを適当にいくつか持ってきてもらう。
その時、支配人にさりげなく耳打ちをする。

「大事な話をするから、呼ぶまで来ないようにね」

かしこまりました、と言って、支配人は出て行った。

「牧野、酒って飲めんの?」
『平気です、それくらい・・』

そう言って、目の前にあったものをグイッと飲んだ。
だが、強がっているが、困惑の表情だ。
店の高級な雰囲気に圧倒されてるのだろう。
飲みながらも、キョロキョロしている。


「で、なんで喧嘩したの?」

『だって、道明寺のやつ・・・・・』

そう言って、牧野は愚痴り出した。
原因は、どうやら司にあるらしい。


話を聞きながら、俺は呆れた。

(コイツら、馬鹿かよ・・・)

今時、中学生でもこんな理由で喧嘩なんてしないだろう。
いわゆる、、ヤキモチってやつだ。
たまたま、道端で会った中学時代の男友達と牧野が仲良く立ち話。
そこに、運悪くと言うか、何というか・・司が居合わせちゃったわけだ。
手は出さないまでも、その牧野の友人に、司は暴言を吐きまくった。
それで、牧野がブチッといったわけだ。
まぁ、自分の友人をけなされたら、腹は立つだろう。――特に牧野なら。



話をしながら、牧野は涙ぐんでいた。
そして、俺は----そんな牧野を横から抱きしめた。
『西門さん・・?』牧野は驚いたような声を出した。
自分でも、なんでそんな行動に出たのかは分からない。


ただ、この女だけは泣かしちゃいけない。
そんな気がした。

牧野は、いつのまにか泣き止んでいた。
しかし、どちらも振り払うことをせず・・俺たちは抱き合ったままでいた。
そして、そうしているうちに・・
俺は牧野に、「女」を感じ始めていた。


腕に当たっている胸のふくらみ。

香水をつけてるわけじゃないのに・・
いい匂いのする体。

そして・・無防備に制服の裾から見えている太もも。



「女」を感じずにはいられなかった。
そして、俺はそっと牧野に―――キスをした。

唇を離すと、牧野は潤んだ目で俺を見上げていた。
その表情が、何とも言えなくて・・俺は、たまらずキスを繰り返した。
何度も、何度も・・・舌を絡め、牧野の息が少しずつ荒くなるのを確認しながら。


キスをしながら、制服のボタンをひとつずつ、外していく。
そして、その間から手を滑り込ませ・・ブラの上から形のいい胸を優しく揉みしだく。
牧野のキスがだんだん激しくなってきた。

鎖骨のあたりを撫で、背中に手を回し、ブラのホックを外す。
そして、弾力のある胸に直接触る。


俺の指が、そっと乳首をなぞったとき・・牧野の口から声が漏れた。

『・・・ぅあッ・・』

その声に欲望を掻き立てられ、両手の親指と人差し指を使い、優しく乳首を攻める。

『・・んんッ・・・・西門さ・・んッ』

息を荒くしながら、俺の体にしがみついてくる牧野。
なんだか、たまらなく可愛いと思った。

俺は、キスを中断させ・・唇を首筋へと移した。

『・・・ッ!!・・・んふぁッ』

首筋だけで、こんなにも感じる女に、俺の興奮も高まった。
少しずつ唇を下へ下へ―――這わせていく。
ゆっくりと、時間をかけて。
唇の動きに、牧野は声にならない喘ぎを漏らす。
そして、乳首への刺激に身をよじる。


俺の唇が、乳首に到達した時・・
牧野の喘ぎ声は、一層大きくなった。

『・・・ぅぁあッ・・んんッ』

その声を聞きながら、何度が小さな乳首にキスをした。
そして、その突起を口に含み、舌で丁寧に転がす。

『んぁ・・西門サンッ・・もぉ・・・ッッ・・・』


耐えかねたように、牧野は軽くイッた。
俺を見上げる牧野の瞳はトロンとしていて。
半開きの口で、呼吸を整える牧野の表情が、さらに俺を誘った。

俺は、牧野の額に軽く口付けをした。
そして、瞳を覗き込んで聞いた。

「もうイッちゃって・・そんなに良かった?」

俺の言葉に、牧野は頬を赤らめる。
そして意外にも、素直にコクンと頷いたのだ。

(すげぇ・・可愛い。)

やっと――いや、さっきから感じてはいたが。
俺は、何故この女が司と類の心をつかんだのかが分かった。
いつも、強がっているクセに・・時々見せる弱々しい態度。
そのギャップに魅了されるのだ。

そして、もっとギャップを感じたくなる、、、犯したくなる。



俺は再び、牧野の首筋をキス攻めにした。
イッたばかりでも、ピクンと体は反応し・・声も漏れ始める。

『ッおか・・しくなっ・・ちゃ・・・』

一度イッたせいか、さっきよりも敏感になっている。


唇を首筋、鎖骨、胸・・と這わせながら。
俺は右手で太ももを撫で回した。
そして、パンティの中に滑り込ませ・・
クリトリスへの刺激を始めた。

『・・ぅッ・・西門・・さんッ・・』

クリトリスから指を下に滑らせてみた。
牧野自身も、とっくに自覚してるのだろう・・
そこは、準備OKと言わんばかりに蜜が溢れていた。

俺は、牧野の汁で指を濡らし、再びクリトリスへ戻る。

「こんなに濡らしちゃって・・エロイな」

『だっ・・て・・ッんん・・』

「だって何?どうしてほしいの?」

『・・・・・ッ』

「言わなぃと止めちゃうよ?」

そう言って、わざと指を離しかける。
俺自身、かなり限界なのを抑えながら。


しかし、離れかけた指を、牧野の手が抑えた。

『やめないで・・・・・』

涙目になって、俺に訴える。

(クソ・・もぉ抑えらんねぇ・・)



俺はソファに牧野を押し倒した。

長い間、ズボンの中に収まっていた俺自身は、張り詰めていた。
耐え切れず、牧野の中に挿入する。



『んぁあッッ・・・』

入れた瞬間、牧野は歓喜とも言える声をあげた。
いつもならば、入れてからも、もっと相手を焦らして悶えさせる俺も・・
今日は止まらなかった。
俺を締め付ける牧野に、すぐにでもイッてしまいそうになった。


『西門さん・・ッ・・』

「・・ぅぁ・・牧野・・・」

『・・・っ気持ちぃ・・』


いつもの余裕は、とっくに無くなっていた。
何度もイキそうになり、我慢した。

(女より先にイク訳にはいかない・・)

ギリギリのプライドだった。


俺は、牧野をイカせるべくラストスパートに入った。

牧野の汁で、動かすたびにエロイ音が聞こえる。
グチュッ・・プチュ・・


俺の激しい動きに、牧野は声をあげた。
『んぁっ・・もぉダメ・・』

「俺も・・・無理・・・ッ」

『んあぁ・・・イクッ・・・』

牧野は果てた。
そして、俺自身も長くはない事を悟り、ピストン運動を速めた。
早くイッてしまいたい気持ちと、牧野をもっと味わいたい気持ちが交錯したが。
既に、限界に達していた。


「・・・・・・うッ・・・」

(やばぃ・・・ッ)

俺は寸前でペニスを抜き、牧野の太ももに射精した。







そして、そのまま牧野を抱きしめた。
牧野の体は汗ばみ、火照っていた。
部屋の中には、二人の荒々しい息だけが響いていた。


俺たちは、どちらからともなく、キスを交わした。

「しっかし牧野もエロイよなぁ〜」

帰りの車で、俺は言った。

「司もいて、類もいて、まだ物足りないかよ」

こんな言い方をしたが、俺なりの照れ隠しだった。
興味がなかった牧野と、体の関係を結んでしまったこと。
何より、親友たちへの多少の罪悪感。

『そんな・・イジワル言わないで下さい』

牧野が心底恥ずかしそうな表情で答える。
だが、その口調はいつもの強い牧野に戻っている。
そして牧野は、こう続けた。

『でも、西門さんってエッチうまいんですね』

・・・そりゃ、司や類とは経験数が違う。
あいつらと比べられても、その差は瞭然だろう。

それにしても・・
この牧野つくしと言う、平凡な女にF4のうち、3人がやられるとは・・。
いや別に、俺は惚れたわけじゃない。
たまたま、こういう関係になっただけだ。
ただ、それでも―――抜け出せなくなりそうな予感はあった。。



『今日は、本当にありがとうございました』

そう言って車を降りようとした牧野の携帯が鳴った。

デスプレィに、表示されていた名前が目に入った。――美作あきら。



(おい・・・・・マジかよ・・・・・)

続編:ギャップ 続き(美作あきら×牧野つくし)






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