喪失 ミニコンサート後編17
千秋真一×野田恵


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身体を痙攣させながら未だ快感の余韻に浸っているのだめから身体を起すと、オレはナイトテーブルからティッシュを数枚取った。
そしてティッシュを股間に当てると、自分の吐き出した、白濁した欲望の残滓を漏らさぬように、
慎重にのだめの膣内から自分のモノを抜き出す。

自分の始末をしてしまうと、はしたなく開いたままののだめの股間に目が止まった。
のだめのソコは、のだめ自身の蜜ですっかりびしょびしょで、
よく見ると蜜口から、更にまた新しい蜜がたらーーーーっと流れ出ている。
どうやらオレのペニスという“栓”が無くなった為、中から決壊したように溢れ出てしまっているらしい。
それを見てたら、初めて“生”でシた時に、
のだめの愛液に混じって自分の精が膣口から零れ落ちているのを見て、ひどく興奮した事を思い出してしまった。

―――って、何考えてんだ……オレ。……これじゃ本当に……変態だな。

一人で真っ赤になりながら自分自身に突っ込みを入れると、ナイトテーブルからまたティッシュを取った。
そしてのだめの股間に当てると、のだめの愛液を綺麗に拭ってやる。

「んふ…んん……はぁ……。」

のだめが甘い吐息を漏らした。意識がなくてもオレのしている事に感じてしまってるらしい。
余りに濡らしていた為ティッシュが足りず、追加の数枚を取り再び拭い始めた瞬間、のだめがカッと目を見開いた。

「ぎゃぼーーーーーーーー!!!!!」
「……えっ?」

パチン!!

「いてっ!」

のだめはガバっと起き上がってオレを平手打ちすると、
足元にあったベットカバーを剥ぎ取ってそれを被り、ベットのギリギリ端までいって小さくうずくまった。

「おい!いきなり何すンだ!」
「それはこっちの台詞ですヨ!!信じられないっ!!先輩の変態っ!!」
「変態…って。おまえの始末をしてあげてただけだろ?」
「か、勝手にしないで下サイ!そんなの頼んでいまセン!!の、のだめの意識がないのをいい事に…いやらしいぃ!!!」

どうやら自分の意識がない時に、オレが股間を綺麗にしてあげてた事が余程恥ずかしかったようだ。
さっきまであんな痴態を見せていたのに、途端にこんな初心な仕草をされると……不覚にもオレはまたグッときてしまった。

―――あーくそーー!一回でやめようと思ったのに…こんな可愛く反応されるとオレのコレがまた……。

オレは頭の中で、今までのだめにされた数々の仕打ちを思い返し、何とか自分の昂ぶりをクールダウンへと導くのに成功した。

「もう…ヤだ……。ヤだヤだ……!!」
「何が、いやなんだ?」

オレはのだめの方へ近づき横になって身体を寄せると、ベットカバーを被ったままののだめを後ろから抱きしめた。

「ほらそんな端っこに居ると…落ちるぞ?」
「……ヤだ。」
「のだめ…いい加減、機嫌直せよ。」

そう言いながら、オレはのだめをすっぽりと包んでいるベッドカバーを剥ぎ取る。
のだめは顔を両手に覆ったまま、エビの様に小さく縮こまっていた。

「悪かった。もう勝手にしないから。」

そして端に居るのだめが落ちない様にと、自分の方へグッと引き寄せて抱っこしなおした。

「のだめ……?」
「……もうヤだ。」
「おまえ、さっきから『ヤだ』しか言わないな……。何だよ、どうしたんだ?」
「だって…だって……。」
「……ん?」
「のだめ…は、初めてだったのに……。初めて、なのに…こんなっ…こんなっ……。」
「こんな……?」
「こんなにいっぱい…のだめ…イ、イっちゃって……千秋先輩…のだめの事……はしたないって…あ、呆れてませんカ?」
「えっ……!?」

そこまで言うとのだめは肩を震わせ始めた。
“初めて”…だった筈の自分が、自分でも信じられない程あられもなく乱れ、快楽に溺れた事が、羞恥に耐えられないようだ。

―――本当に…こいつは……。

オレはのだめを自分の方に向かせると、顔を覆っている両手を、やんわりと外す。
……そこから現れたのだめの大きな瞳は、今にも溶けだしそうにうるうると揺れていた。
その表情に男の保護欲をくすぐられたオレは、のだめの髪に優しく口付けを落としてやる。
途端にふわっと、のだめの甘い髪の匂いがオレの鼻孔をくすぐった。

「呆れる訳ないだろ?おまえ、本当バカだな……。そんな事気にしてたの?」
「だって……。」
「そういうの、男はむしろ嬉しい位なんだから……。オレのした事に感じて…何回もイってくれたんだろ?」
「……ハイ。」

オレの言葉に安心したのか、ようやくのだめはくすぐったそうに笑った。

「……可愛いな。」
「え?」
「のだめ……可愛い。」
「……こ、今夜の先輩は、な、何か変デス。」
「変……?どこが?」
「普段はのだめのコト、変態って言うくせに……。さっきからその…シてる時も、何回も、か、可愛いって……。」
「ははは。」

オレは笑いながら、のだめの鼻の頭をちょこんと小突いた。

「いつもは変態でも、オレのベットの中ではおまえ……やらしく乱れてすっげー可愛い。」
「んもぅ!えっちの時だけでなく、普通の時も可愛いって言って下サイ!」
「……気が向いたらな。」

しばらく二人で抱き合ったまま情事の甘い余韻に浸っていると、のだめがぼそぼそと喋りだした。

「千秋先輩…あの……。」
「ん?」
「その…デスね……。前ののだめと比べて…今ののだめ…どでしたか?」
「は?」

のだめは気まずそうに顔を伏せ、オレの腕の中でもじもじとしている。

「前のおまえと比べてって……。何おまえ、自分自身にヤキモチやいてンの?」
「だ、だって……。」
「おまえ、本っ当にバカだな!」
「ムキーーーー!仕方ないじゃないデスかっ!!気になるモンは気になるんデス!!」

のだめはオレの胸をトントンと拳で軽く叩く。

「オレには両方おまえだし。気にしなくていいよ……。」
「でもっ!」
「まぁ、一つ言えるとしたら、おまえを本当に初めて抱いた時は、こんないいモンじゃなかったぞ?
オレは優しくしたいのに、泣くし、わめくし、痛い痛いって大騒ぎされて……最後は殴られた。」
「ええっ!?の、のだめがデスかっ!?先輩を……な、殴った?」
「そ。まぁ、おまえ処女だったから仕方ないけど……。あの時は本当に、大変だったんだからな?」
「しょ、しょ、しょ……。」
「だから今日は……結構オレも嬉しかった。おまえの身体はオレの事をちゃんと憶えてて、
オレがつけた“クセ”通りの反応だったからな。」
「ク、ク、ク、クセっ!?」

のだめは耳まで真っ赤になりながら、オレの発言にどもっていた。

「でも、まぁ、普通こういう時って、昔の女の事を聞かれるものだけど、まさか自分の事を聞くとは……。
おまえって本当に、面白いな。」
「……。」

そう言った途端、のだめが俯いて身を硬くした。

「……何?」
「……じゃあ聞きマスけど、あの時何をお話してたんデスか?」
「は?」
「ゲネプロ会場で……先輩、楽しそうにお話してましたよネ……。」

ドスの利いた低い声で、のだめがぶつぶつと呟く。

「たがや…さいこ…サン。」
「えっ!?おまえ、あの日ホールに来てたのかっ!?」
「……来ちゃいけませんでしたカ……。」
「いやっ!そうじゃなくて……。」

のだめはオレの胸に、いじけた様に“の”の字を指で書いている。

「久しぶりだったから、お互いの近況を話してただけだ。」
「ふぅーーーーーん!」
「本当、それだけだって!」
「へぇーーーーーー!」
「何だよおまえ……すっげー感じ悪いぞ?」
「千秋先輩はのだめにも見せた事もない様なスペシャルなスマイルで、さいこサンとお話してましたけど?」
「は?……スペシャルなスマイル?」
「……のだめ、先輩があんなに大口開けて笑うの、初めて…見ましタ。」

そう言ってのだめはまた後ろを向いて、オレに背中を向けてしまった。
『大口開けて笑った』と言うのだめの言葉に、オレはその時、彩子と何を話していたかようやく思い出す。

「ああ…あれか……。」
「あれ…って?」
「いや、彩子に『そういえば、Sオケのマングースと上手くいってるの?』って訊かれてさ。」
「“Sオケのマングース”?」
「……それ、おまえの事。それで『いや、今ちょっとごたごたしてて』って言ったんだ。そうしたらあいつが―――」
「さいこサンが?」
「『どうせ真一が悪いんでしょ?あんたって最後はいつも捨てられる方なんだから、少しは学習しなさいよ!』と怒られて。」
「へ?」
「確かにそうだなーって思って、つい笑ってしまった。」
「……。」

のだめは何も言わず黙っていた。オレはのだめの脇から手を入れると、やわやわとのだめの柔らかな双乳を撫でる。
それは先程のとは違って、気持ちを穏やかにする為の、マッサージの様な優しい愛撫だ。

「何で黙ってる?」
「千秋先輩、さいこサンに捨てられたんですか……?」
「うっ、まぁ……。そうなるのか……?」
「……。」
「言っとくけど、おまえもオレを一度ふってるンだぞ?」
「えっ!?のだめが?嘘!!」
「嘘じゃない。『一緒に留学しないか?』って誘ったら、おまえに断わられた。」
「ぎゃぼっ!?」
「そう言う訳だから。……安心した?」

のだめのあたたかくてたっぷりとした胸の膨らみを触っていたら、オレの心もゆったりとした気分になってくる。

「のだめ、ずっと先輩の側に居ますから……。先輩を捨てたりなんか……しませんヨ?」
「当たり前だ。このオレ様が、二回も同じ女にふられてたまるか!」

オレはそう言いながらのだめの胸を少しぎゅっと強めに掴むと、のだめはくすぐったそうに身を捩った。

「先輩、ごめんなサイ。ヘンな事聞いて。」
「でも…嫉妬するおまえも可愛い……。妬かれるのもたまにはいいかも。」
「また言う……。むーーー!先輩、のだめ知ってるんですヨ?」
「知ってる?」
「今日のだめが、由衣子ちゃんの選んだドレス着て楽屋へ先輩に会いに行った時、先輩、のだめの事、可愛いって思ってたでショ!」
「え。」
「楽屋から出た時、由衣子ちゃんが言ってましたよ?
『真兄ちゃまの頬っぺた、ずっと紅いまんまだったよね!よっぽど今日ののだめちゃんが可愛いかったんだね!』って。」
「ああ……。アレか……。」

オレが言葉を濁すと、のだめが不満げな声色で訊ねた。

「……違かったんですカ?」
「いや……。確かに可愛かったけど……。」
「けど?」
「おまえ……もうあの服着るの禁止。」
「ぎゃぼっ!何でデスかー?ヒドイです!そんなにのだめ、似合ってなかったデスか?」
「いや…似合ってたけど……何というか目のやり場に困るというか……。」
「へ?」
「おまえのあの服…な……。その、色が…おまえの裸の色と同じで……よからぬ想像してしまうというか……。」
「えええっ!?」
「おまえ肌が透き通るように白いから…その、感じはじめると…全身淡い桃色に染まるし……。
あのサーモンピンクの花模様の服が、その時のおまえの身体の色と同じなんだよ……。」
「はぅっ!?」

オレはのだめの乳首の周りを人差し指で円を描くようになぞり始めた。

「それに…ココの色もピンク色で……。」
「んんっ……!」
「それからココも……。」

そう言って後ろからのだめの秘部に手を入れると、オレの指はピチャ…という音を立てた。

「え……?のだめ、また濡らして……?」
「やんっ!せ、先輩がさっきから…のだめの事、変な触り方するからですヨ!!」

オレがピチャピチャ音を立てるようになぞると、のだめはくぐもった吐息を漏らした。

「んっ…やぁ…んはぁ……。」
「のだめのココも…すっげー綺麗なベビーピンクなの……知ってた?」
「し、知りまセン……!!」
「のだめ…さっきあんなにたくさんイったのに……。また欲しくなった?」
「ぎゃぼーーーー!!」

のだめは叫ぶとオレの腕から逃れ、ベットの端にうつ伏せになった。

「うぎっ……先輩…い、いじわるしないでクダサイ……。」

顔をベッドに埋めて、小刻みに震えているのだめが…どうしようもなくいとおしい。
オレはうつ伏せになっているのだめの背後につけると、のだめの可愛いすべすべのお尻に手を当てた。

「ヤ、ヤだ!!そんな所っ!!」

オレがしようとした事を察知したのか、のだめが這いつくばる様に前方へ逃れようとした。
のだめがはからずも上げてしまったその腰をグッと掴んで固定させると、オレはそこに唇を寄せた。

ぴちゅ…ぴちゃ…ぴちゅ…

「ああっ…センパイ…またぁ…やぁん……。」

先程味わい尽くしたばかりなのに、オレはまた舌でのだめの秘部を愛撫し始めた。

「……達した後のおまえのココは…ベビーピンクというより…ローズピンクだな……?」
「そんなっ!…はぁん…言っちゃ…だめデス……!」

のだめは羽根枕に顔を埋めながらイヤイヤしている。

「もう太腿にまでこんなに濡らして……。」

この体勢だと、のだめの可愛いお尻の穴も丸見えだ。いやらしい光景にオレ自身の硬度が急速に増してくる。
オレは隠していた最後のゴムをマットレスの下から取り出すと、手早く装着した。

「のだめ…四つんばいになって……もっと腰を上げるんだ。」

何度も絶頂を繰り返したせいですぐに快楽に支配されたらしく、のだめは従順にオレの言う事を聞くと、その姿勢をとる。
オレはのだめの腰に手を添えると、のだめの秘所に自分のモノをあてる。
そして花びらの溝に沿ってつつつ…と前に滑らせて行くと、少し窪んだ湿り気のある場所に行き着いた。

「のだめ…さっき拭いてやったのに…もう、こんなにびちょびちょ……。」
「はぁ…はぁ…センパイ……!!」

のだめは早くイキたくてしょうがないのか、オレの挿入を促すかように無意識に腰を一段と高く上げた。

「のだめ…オレのがそんなに欲しい?」
「やぁっ……!そ、そんなコトっ!!」
「じゃあ、欲しくないのか?」
「……っ!!」

羞恥心からか、まだ“欲しい”とは素直に言えないらしく、顔だけ振り返ってオレを見た。
頬を紅潮させて、口元を物欲しげに緩くあけ、とろんと陶酔した瞳ののだめが……たまらなくいやらしい。
言えないけど分かって欲しい…というその表情に、オレはつい意地悪をしたくなる。
オレはペニスを、のだめの愛液でもう十分にとろとろの蜜口にあてると、軽く引っ掛けるように捏ね始めた。

にちゅにちゅ…くちゅっ……

「んんっ…あ…んっ……やぁっ!」

今度は先端だけ蜜口に挿れると、浅い部分で焦らすように出し入れし、すぐに引き抜く。

ちゅぷちゅぷ…にゅるん!ちゅぷちゅぷ…にゅるん!

「ああっ…はぅっ…センパイの…バカぁ…!!」

オレが先端だけ挿れる度に、オレの猛り全部を奥まで咥え込もうとのだめの腰はいやらしく動くが、そうはさせない。

「センパイぃ…お願い…お願いっ…も、もうっ…ああん…のだめっ……。」
「のだめ…オレが欲しいか……?」
「セン…パイ……。」
「欲しい?……聞こえない。ちゃんと言えよっ……。」
「欲しいデス!!千秋先輩が…のだめ…欲しいんデスぅーーーーー!!」








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