魔法戦士シンフォニックナイツ「ジャミング」
-6-
シチュエーション


「シュガーちゃん、その手をどけてくれよー!」
「ここまで脱いでおいてそこだけ見せないってのも生殺しだよね」
「バッカ、シュガーちゃんは俺たちを焦らしてるだけだよ、釣られんな」

観衆の期待と欲望が自分の右手に集まっていることを意識させられる。
最も恥ずかしい場所を隠している最後の砦は、口と同じくまだ自由に動かせる状態。
しかし、逆を言えばその二ヶ所意外は全てヘルメの意のままにされてしまったということだ。
そしてそのことを証明するかのように下乳に添えられていた左手が勝手に動き始める。
ゆっくりと下降した細腕は、対になるもう片方の手へと迫っていく。

「い、いやッ……まさか、うあっ、と、止まってぇぇッ!」

主人の命令を無視し、操られた左手はシュガーの股間を隠す五本の指の内一本、小指をそっと摘んだ。

摘まれた小指は懸命に引き離されまいと抵抗するが、一対五の数の暴力の前に屈する他ない。
ひょいと剥がされた小指はまるで空間に接着されたように仰け反った状態で固まる。
それは次に狙われた薬指も同じだった。
続いて親指、中指と一分もかからないうちに少女の秘処を隠していた四本の指が肌から剥がされてしまう。
残っているのは人差し指のみ。
大事な場所を守るには頼りないその細指は、たった一本で少女の柔筋を隠している状況だ。
だが、指一本で股間全体を覆えるはずもなく、半ば食い込むように肌に接している人差し指の外からは恥丘の膨らみがはみ出てしまっている。
うっすらとその上を彩る恥毛も、ほとんど隠れることなく夜風に晒されていた。

「くぅ……!」

自分の裸を隠すのが指一本のみという状態に、シュガーは込み上げる羞恥を抑えることができない。
それどころか、指の下の割れ目からは新たな蜜が湧いてきてしまう始末だ。
見られているのに、恥ずかしいのに蜜がとめどなく柔筋の奥から溢れようと分泌されていく。
このままでは、感じてしまっていることが周囲の者たちにバレるのも時間の問題だった。
しかしそんな少女の心配を無にするように左手が残された最後の指を摘む。
グ、と力がこもり、健気に肌を隠していた人差し指が剥ぎ取られていく。

「いや……いやぁ……!!うン……くはン……うぅっ!」

全身に残された力を集めて抵抗するものの、勝敗は明らかだった。
秘密の場所を隠していた右手の最後の指がクイッと持ち上げられる。
同時に、ひやっとした空気が湿り気を帯びていたシュガーの柔筋を叩いた。

「うひょー!見えたっ!」
「シュガーちゃんのおまんこ丸見えだぜ!」
「やっぱり毛は薄いな。つるつるじゃないのは残念だけど」
「いやぁ!見ないで下さい……」

役目を終えた左手と、剥がされた右手が上魔の意図に従って膝裏を抱えた。
それによって足の付け根がよりくっきりと周囲の目に晒されてしまう。
菜々芭のそこは、莉々奈と比べれば幼い造りをしていた。
静脈が見えそうなほどの白い肌の中心にひっそりと存在する割れ目は、硬く閉じられているものの時折視線に反応するようにヒクヒクと蠢く。
入口付近では愛液が滲み出ているためか、ライトを反射するようにぬるりと光っている。
恥毛はあるかなきかの生え具合で、恥ずかしい部分を隠すにはまるで役に立っていない有様だった。
女として羽化しようとしている、少女らしいその部分に男たちは思わず生唾を飲み込む。
先程まで凛々しく戦っていた少女戦士が自分たちに向けて裸を晒している。
その事実はこの場に集った男たちを興奮させるのには十分な衝撃だったのである。
しかし、シンフォニックシュガーの舞台はまだ終わってはいない。
それを証明するように、開脚生足を抱えている少女の両手が再び動き出すのをサラリーマン風の男はニタリと見つめるのだった。

「あ、ぅ……ッ」
「そうだ、ゆっくりと下ろすんだぞ」

主の命令を受け、四体の下魔が手に掴んだシンフォニックリリーの身体をゆっくりと下ろしていく。
逆さ吊りのまま両手はまとめられて真下に、両脚は百八十度近い開脚というT字の体勢で捕縛されている裸体。
それが男たちの目の前でそろそろと下降していった。
まず最初に胡桃色の艶やかな髪が地面にふわっと柔らかく降り立つ。
続いてべたっと押し付けられていた両手が更に地面に密着させられていく。
そしてそのまま頭や肩までもがアスファルトの地面に下ろされ、莉々奈は剥き出しの肌にヒンヤリとした感触を覚えた。

「くっ……」
『オオッ……!』

完成したポーズに莉々奈は呻き、観衆は沸き立った。
今のリリーは後頭部と両肩を地面につけて、両手はまっすぐに伸ばされて地面に貼り付けられるように拘束されている。
肩から下は空に突き上げるようにピンと伸ばされ、両脚は大開脚のまま。
いわゆる、まんぐり返しのポーズを作ろうとして無理やり途中で止めたような体勢だった。

「フフッ、良い格好になったね、シンフォニックリリー」
「こ、こんな……恥ずかしい格好なんてイヤです……!ファ、ファルケ、一体何が目的なのですか……ッ」

ここまで辱められてなお、気丈にも仇敵の姿を睨み付ける正義の魔法戦士。
しかしその瞳は動揺と羞恥に潤み、まるで迫力というものがない。
まさに今の莉々奈はまな板の上の鯉。
囚われの裸少女をどう料理しようともファルケの勝手。
それがわかっているからこそ、莉々奈は不安になっていた。

「何、俺はただここにいる男たちの願いを叶えようとしているだけさ」
「ね、願い……?」
「そう、影ながら正義のために戦う美少女魔法戦士をこの目で見てみたい、彼女たちのことをよく知りたい……」

黒衣の男は莉々奈の目の前にしゃがみこむと、群集に語りかけるように語り始めた。
優しげな、それでいて心の奥にまで届いてきそうなその声は魔力を持っているかのように男たちの脳に染み込んでいく。
この場における唯一の女性であるリリーは不気味に静まり返った周囲に戸惑う。
否定の言葉が挙がらないということは、彼ら自身がファルケの言葉を認めたということだ。
近くの男たちの顔を見回してみても、異議を唱えている者は一人としていない。
莉々奈とて、スイートナイツに憧れ、彼女たちのことを知りたいと思っていた人間の一人である。
そういう欲求を理解することはできるし、それが長じてこうして戦場に足を踏み入れてしまうのも仕方ないことなのかもしれない。
だが、彼らの顔には違和感があった。
過去の自分とは決定的に違う何かが彼らの胸の内に潜んでいるように見えるのだ。

しかし正義の魔法戦士として純粋無垢に人々の善意を信じている莉々奈にはそれ以上の推察は無理だった。
たとえ、今まで散々に野次を飛ばされ、恥ずかしい姿を収められたとしても。
それでもなお、少女は人々の正義を信じていたのである。
莉々奈はわかってはいなかった。
熱狂する彼らが求めるものは正義のヒロインが恥辱にまみれるエッチな姿、ただそれだけなのだ。

「そんな願いを、俺は叶えてあげるのさ」

困惑する美少女戦士を置き去りに、ファルケは人波の中へと足を踏み入れていく。
悪の首領の接近に男たちの足がすくむが、先ほどまで異能の力を見せ付けられてきた彼らが逃げ出せるはずもない。
反射的にリリーはファルケを静止するべく声を上げかける。
しかし、黒衣の男は観衆たちに危害を加えることなく、何事かを語りかけ始めた。

(な、何を話しているの……?)

敵の突然の行動にシンフォニックリリーはいぶかしむ。
しかし、押さえ付けられているこの状態では何もできない。
ファルケが離れたといっても、四体の下魔は命令を継続中なのだ。
ガッチリと拘束された四肢のそれぞれが、下魔の手の怪力に逆らうべく動く。
だが、力を失い、ただの女の子になりさがった莉々奈の力では到底魔物の力に敵うはずもなかった。
ひんやりとした空気が、周囲の視線が少女の裸の肢体を叩く。
一体敵は何を企み、何を自分にしようとしているのか。
湧き上がる不安を懸命に押さえ付ける莉々奈。
と、その時。
群集の割れ目からチラリと小柄な少女の姿が目に映り、リリーはハッと目を見開いた。

「菜々芭ちゃん……!」

そこにいたのは戦いの最中、姿が見えなくなっていたもう一人の魔法戦士だった。
彼女は台の上に追いやられ、裸に剥かれた状態で様々なポーズをとらされているではないか。

(そ、そんな……!)

無事を願っていた無二の親友の恥態に、莉々奈の心が悲哀に揺れる。
助けに行かなければ。
そう思うも、四肢を拘束された状態でどうすることもできない。
だが、そうこうしているうちに再び群集の波は少女の視界を遮るように閉じていく。
莉々奈には、それを呆然と見やることしかできなかった。

「おや、どうかしたのかい?何やら険しい表情になっているが」

いつの間にか戻ってきていた憎き敵が口元に笑みを浮かべている。
リリーは咄嗟に口を開いていた。

「菜々芭ちゃんに……シンフォニックシュガーに、一体何を……!」
「さあ?あっちはヘルメに一任しているのでね。俺にはわからんよ……もっとも」

盛り上がっているようだけどね。
そう言葉を繋ぐファルケを睨み付ける莉々奈。
確かにシュガーがいる方向からは断続的に歓声が上がっていた。
だが、それが親友の恥ずかしい姿が晒されている結果だと思うと悔しくてたまらない。
無駄だとはわかっていても抗議の声を上げるべく、莉々奈は息を吸い込む。
しかし次の瞬間、吸い込まれた息はピタリと止まった。

「え……?」

気がつけば、周りを取り囲んでいた観衆が随分と近くなっていた。
それなりに開いていたはずの自分と男たちの距離が半分以上埋まっている。
もう数歩前に進まれたら、身体に触れられてしまいそうだ。

「こ、これは……」
「さて、向こうばかり盛り上がらせるわけにもいかないからな。こっちもはじめようか」
「はじめ……な、何を…ッ」
「うへへ……ほ、本当にいいんですか?ファルケさん」

突然の観衆の接近に混乱するリリーの目に、一人の男の姿が映った。
男はファルケの隣に移動し、チラチラとこちらを見ながらモジモジと身体を揺すっている。
突き出たお腹にアニメプリントのシャツ、背負ったリュックは見覚えのあるもの。
男は、先程下魔に投げられた時にぶつかった男だった。

「あ……き、危険です!その男の傍からすぐに離れて―――」

パシャッ!
莉々奈の言葉を遮るようにシャッター音が鳴り響いた。
スポットライトに加え、カメラで焚かれたフラッシュが魔法戦士の裸体を一瞬闇夜に照らし出し、記憶媒体がその恥姿を焼き付ける。
一瞬何をされたのか正義のヒロインには理解できなかった。
だが、男の構えたカメラを見た瞬間、自分が撮られたという事実が脳裏に染み込んでくる。

「きゃッ……!」

胸も大事なところも丸出しという今の状態を思い出したリリーは咄嗟に身体を隠そうともがく。

だが、拘束された身体は精々腰をくねらせる程度の抵抗しかできない。
むしろ、少女の抵抗はいやらしさを演出しているようにしか見えなかった。

「うへへ、いいよいいよ〜」
「おい、フライングするんじゃない。ちゃんとルールを守らないとここからたたき出すぞ?」
「あ、す、すみません!」

ぺこぺこと頭を下げるデブ男の姿は滑稽で、周囲の男たちがどっと沸く。
だがその中で一人、シンフォニックリリーだけは狼狽した表情で目を彷徨わせていた。
そんな少女の表情を見下ろしながら確認し、ファルケはゆっくりと説明を始めていく。
今から一人ずつ男たちを連れて来て、シンフォニックリリーの鑑賞会を間近で行う権利を与える。
一人につき時間は一分、おさわりはなしでそれ以外なら何をしても自由。
勿論、その間周囲の人間は撮影しようが声を上げようが構わない。

「な……!」

その説明を聞いた莉々奈は絶句した。
この男は何を言っているのか。
だが、助けを求めるようにそらした視線の先では、男たちが期待に満ちた表情で順番待ちをしている。
目の前にいるデブ男もやる気満々といった様子。
誰一人として逃げる様子もなく、勇気を振り絞って自分を助けようとしているわけでもない。

「み、皆さん!どうかお願いです、ここから逃げて……!」

それでも正義の魔法戦士は彼らの身を案じ、声を張り上げる。
しかしその返事として帰ってきたのはカメラのシャッター音とフラッシュ。
そして『健気な正義のヒロイン萌え〜』という言葉だった。

「どうして……」
「これでわかっただろう、シンフォニックリリー。彼らは皆君のことを知りたくてたまらないんだ」
「こ、こんなに近くでリリーちゃんの姿を見ることができるなんて……」

ファルケの言葉に応えるようにデブ男は息を荒げながら少女に近寄っていく。
カメラと好色な視線の接近に、莉々奈の背筋がゾワリと粟立った。

「い、いや……」

弱々しい拒絶の声。
一般市民に声を荒げることなど正義のヒロインにできようはずもない。
だが、その声音は男たちを煽るスパイスでしかなかった。

デブ男は正面に立つと、上から少女を見下ろすようにカメラを構える。
吐息が太ももと股間に当たり、莉々奈は一番恥ずかしい場所の前に男の顔があることを感じ取ってしまう。

「凄い……女の子のアソコなんて、初めて見た……!」
「あ、あぁ……見ないで。そんな、そこは女の子の一番大切な……ッ」

パシャッ、パシャッ!
懇願もむなしく、カメラが美少女魔法戦士の股間を写し取るべく作動する。
リリーはフラッシュの光に目を細めながら、その光に身体が焼かれそうな感覚を味わっていた。
異性にここまで接近されて股間を激写されるなど、想像したことすらない恥辱である。
四肢を拘束され、敵にいいようにされてしまうなど悔しくてたまらない。
だが、まだ勝機が完全になくなったわけではない。
恥ずかしさはこの上ないが、拘束さえ外れれば身体は動く。
今はチャンスを窺い、じっと耐えるほかない。
そう決意した莉々奈はグッと唇を噛み、集中するべく目を閉じる。

(ああ、アソコを撮られて……でも、耐えてみせる……そして、菜々芭ちゃんを助けて……ッ!?)

トクンッ。
腹をくくりかけていた魔法戦士の鼓動が大きく跳ねた。
相変わらず頭上からはシャッター音とフラッシュがひっきりなしに起こっている。
トクントクントクン。
音と光に連動するように鼓動がリズミカルに跳ね、心臓が全身に血を送っていく。
やがて駆け巡った血液は熱を生み出し、裸の肢体をほんのりと暖め始めた。

「あ……ッ?」

身体の変調に少女の声が揺れる。
拘束されている間もエクスタシーの魔法は効果を発揮し続けていた。
莉々奈の身体を淫蕩に染め上げるべく働いていた魔力は、既にその効果を全身に侵食させていたのだ。

(い、いや……また……ッ!)

子宮から股間に熱が集まっていくのを感じ、リリーの瞳が狼狽に揺らめいた。
その感覚はつい先程感じたものだ。
グツグツと煮え立つような熱が股間に集まり、外に出ようと暴れだす。
だが、莉々奈にはそれを止めることなどできはしない。
やがて、トロトロと零れるように少女の割れ目から愛液が滲み出していった。

(……あ…あ……ッ)

あまりのショックに目を閉じることすら忘れて呆然と莉々奈は視線を上に向ける。
胸の谷間の向こう側からチラチラと覗く股間からは、確かに汗ではない液体が湧き出ていた。

「ウハッ、濡れて来た!見られて感じちゃってるんだ!」
「ち、違……いやぁ……」

デブ男の嬉しそうな声が少女の耳朶を貫き、責めたてる。
否定の言葉を発したところでこんこんと愛液が溢れてくる事実は覆るはずもない。
むしろ視線と言葉を受けてから更に溢れてくる量が増してくるようだ。
裸だというのに身体がカッカと火照り、胸と股間が切なくてたまらない。
太ももを擦り合わせたい衝動に駆られるも、開脚状態のまま拘束されているためどうしようもなかった。
内腿の筋肉がピクピクと痙攣し、もどかしさを訴える。
一瞬、何もかも忘れて身体を弄繰り回したいという欲望に駆られる莉々奈。

(……い、今私……何を考えて……!こんな、恥ずかしい格好をさせられているのに)

淫らな欲求を自制し、反省する魔法戦士の少女。
だが、意識しまいと集中すればするほど身体の熱は高まり、恥ずかしい部分が疼いていく。
先程から愛液を零している股間のワレメがヒクヒクと蠢いているのがわかる。
今はまだかろうじてその口を開いてはいないが、気を抜けば中身を晒してしまいそうだ。
しかし、触られてもいないのにそんなことになってしまえば変態の謗りは免れない。
正義の魔法戦士シンフォニックリリーとして、そんな姿だけは見せるわけにはいかないのだ。

「お願い……私の身体……感じたり、しない……で、はぁ……ッ」

けれども、その我慢とて砂上の楼閣だった。
敏感に高まった身体は男の息遣いや視線を繊細に感じ取り、快感へと変換させる。
触られていなくても、今の莉々奈の身体は勝手に外部からの刺激を快楽として増幅させていくのだ。
そしてその様子はデブ男にも伝わったのだろう。
彼は固唾を呑んでその瞬間を待ち受ける。

「ごくり……もうちょっとで……」
「一分経過。交代だな」
「え!?そ、そんなぁ」

だが、乙女の秘花が咲き綻ぶ前に無常にもタイムアップが訪れる。
渋るデブ男だったが、ファルケと周囲から早くどけと睨まれては抵抗できるはずもなかった。

(や、やっと終わっ……)

すごすごと退場していくデブ男を見送りながらリリーはホッと息を吐き出すも、すぐにその表情は強張ってしまう。
入れ替わるように二人目の男が即座に目の前に立つのが目に入ったのだ。

「うひひ……よろしくお願いします」

二人目は痩せ型の眼鏡をかけた男だった。
高めの背をした男はデブ男と同じく上から覗き込むように股間をデジカメに写していく。
背が高い分、男の視界には股間はおろかお尻やその間の菊穴までもがハッキリと収まっていた。
真上から見る形になった莉々奈の身体は女性らしいおうとつがクッキリとわかる。
特に、豊かに実った巨乳は上から見ると迫力満点で、その向こう側にある少女の顔をふくらみで覆い隠していた。
時折谷間から覗く美少女の顔は恥辱と快感に潤んでいて、男の欲望を加速させる。
やせ男は夢中で撮影を続け、一瞬たりとも美少女戦士の恥態を逃すまいと奮起した。
やがて、遂に蕾が花開くように莉々奈の秘唇がゆっくりと開き始めていく。

「おお……!」
「ああ、そんな……開いちゃう…ッ」

くぱっと大きく開いた乙女の肉ひだの中から、普段は見ることのできない中身が露出する。
ヒクヒクと恥ずかしそうに蠢く桃色の粘膜は男を誘っているようだ。
幾度となく魔物やファルケによって貫かれているはずなのに、リリーのソコは清楚そのものといった佇まいで見る者を捕らえて離さない。
未だ枯れる様子を見せない泉源は、花の開花と共に勢いを増し、洪水のように透明な液を分泌していく。
重力にしたがって零れ出た愛液が白磁の肌を滑り落ちた。
おへその横を通ってお腹を通過し、ある液は胸の下乳にせきとめられ、またある液は谷間の間を流れていく。
魔法戦士の身体が自身の恥ずかしい液体でデコレーションされていくその光景はなんとも淫靡だった。

「ぅん……ッ。と、止まって……閉じて……ぇ」

自分がどれだけ恥ずかしい姿を晒しているのか理解していたリリーは懸命に腹部に力を込める。
だが、湧き出る泉は止まる気配を見せることなく、主の意思を裏切って快感の証を吐き出し続けていた。

「おい、一分立ったぞ!」

そうしている内に三人目の男がやせ男を押しのけるようにして乱入してくる。
彼はまず正義のヒロインの顔を収めたいのか、しゃがみこんで羞恥に震える莉々奈の顔を激写した。

「や、やめて下さい……顔を、撮らないで……見ちゃ、イヤ…ぁ」

恥ずかしさのあまり顔を背けるも、カメラはそれを追うように移動して離れない。
変身中は認識阻害がかかっているため、顔を撮られたところで素性がバレるようなことはないが、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
たとえ相手が認識していなくても、百合瀬莉々奈の顔を写されていることにはかわりはないのだ。
恥ずかしさから頭に血が上り頬が更に赤く染まる。
全裸ならば逆に開き直れたかもしれないが、ヘッドセットや手足の末端部分の衣装は残ったまま。
これでは装飾具が下手に残っていることが恥辱を後押ししてしまう。
恥ずかしい部分を隠してくれない衣装だけ残っていても、今この場ではなんの慰めにもならないのだから。

「ハァ……んっ、ハァ……ハァッ……」

男の入れ替わりが十を超えたころ、シンフォニックリリーの精神と身体は限界を迎えようとしていた。
いくら身体がエクスタシーで性感を高められていたとしても、男たちがしてくるのは撮影と批評だけだ。
それだけでも少女の裸体は十分反応するのだが、最後の一線を越えることはできない。
いわば、達しそうで達することができないという生殺しの状態が延々と続いている状態なのだ。
火照りきった淫蕩な身体が屈服を望み、精神に訴えかける。
しかし、莉々奈はそれでも抵抗を続けていた。
裸に剥かれた身体を触ってほしいなど、正義の魔法戦士として口が裂けても言えるはずがない。
耐えてみせる、その一念で莉々奈は今にも堕ちそうな自分を支えていた。

「―――ッ!」

ビクン!
だがその瞬間、胸の先に電流が走るような感覚を覚え、リリーはカッと目を見開いた。
見れば十一人目の男が乳首に向かって息を吹きかけている。
今までの十人はただ撮影をするのみであり、おさわりは禁止というルールのため油断していたのは否めない。
だが、それだけにその感覚は過剰な快感を少女に与えてしまう。

「あッ……はぅんッ、くふっ……ふ……!」

高みに突き上げられそうになった身体をどうにか押さえ込む莉々奈。
だが、休む暇なく男はフッ、フッと息を吹きかけてくる。

「ひあ!そんな……何を、はう!して……ンあ!」
「おさわりは禁止って言うならこれはアリかな、と思っただけさ。ん〜いいにおい」

小柄な体格の男はくんくんと鼻は少女の匂いを嗅ぎながら、口は断続的に息を吹きつけ続けた。
匂いを嗅がれているという羞恥と、敏感な部分に息を吹きかけられるという愛撫が重なり合って魔法戦士と苛んでいく。
少女の高まった身体は既にあとほんの一押しで陥落するところまで来ていた。
触れられることがなかったからこそ最後の一線を越えなかった女体は、しかし突然の刺激によって急激に加速し始める。

「やっ、やめっ……は!」

なんとか小柄男の攻撃から逃れるべくリリーは身体を動かす。
裸の肢体が捩れ、ヒクつく小陰唇が、左右に揺れる双乳が少女の身体を淫らに彩っていく。
しかしそれでも吹き付けられる息という愛撫からは逃れられない。
細められた二酸化炭素の風が直撃するたびに、莉々奈の桜色の勃起乳首がひくんひくんと反応してしまう。

(こ、このままじゃ……!)

何度か経験させられた感覚が近づいてくるのがわかる。
高められた性感が今にも爆発しそうになっていることを莉々奈は敏感に察知していた。
コスチュームを消され、裸に剥かれ、その姿を散々撮影された挙句にそのまま衆人環視の中性感の極みに達してしまう。
そんな正義の魔法戦士としてあるまじき瞬間が訪れようとしているとわかっているのに、どうすることもできない。
絶望が少女の心を侵食し、しかし身体は正直に淫熱を高めていく。
もはや股間は大洪水と化し、零れ落ちた愛液は顔にまで流れ落ち、恥辱の涙と入り混じる。
快楽によって生まれた二つの液体が混じり合って髪に滴り、少女を汚した。

「そろそろイきそうだね、シンフォニックリリー」

宿敵の嘲りの声が頭上から響くが、リリーにはその声に反応することすらできない状態だった。
頭の中が真っ白に塗りつぶされ、全ての思考が消し飛ばされていく。
トドメとばかりに一際強い息が吹きかけられた瞬間、莉々奈の視界が眩い白一色に染め上げられていった。

「あ……ああ……あ!ハッ、あッ……んんんん……ッ!!」

せめてもの抵抗にと噛み締めた唇から声にならない悲鳴が漏れ出て行く。
極まった悦楽が少女の体中を駆け巡り、拘束された裸体がビクビクと跳ね回る。
腰と胸は男たちに見せ付けるようにピンッと突き出され、ピンク色に染まった肌からは霧状の汗が浮き上がっていた。
全てを曝け出していた乙女の秘処は、噴水のように一際勢いよく愛液を吐き出しその快感の大きさを表しているようだった。
やがて、絶頂の波が過ぎ去った少女の身体はくたりと脱力する。
整った唇から、放心の証拠ともいえる一筋の涎がたらりと零れ落ちた。

「はぁ……はぁ……う、ううっ……」

気だるい身体を浸す快楽の余韻に犯されながらも、戻ってきた理性が莉々奈の精神を苛む。
結局、指一本触れられてもいないのに絶頂を迎えてしまった。
しかもその姿を大勢の一般人に見られてしまったのだ。
これでは、魔法戦士としてスイートナイツをはじめとした先人たちに申し訳が立たない。
しかし、後悔と屈辱が襲いくる中、少女の身体の奥からは再び快楽を求める欲望が顔を覗かせ始めていた。
完全に魔法防御を除去された状態でのエクスタシーの魔法は、一度くらいの絶頂では収まってはいなかったのだ。

「あ、ああ……!?そんな、また……!」
「つ、次は俺だ!」

魔法戦士の上気した表情に、もうたまらないとばかりに十二人目の男がカメラを構える。
莉々奈は、性を求める自分の身体に怯えながら意識をゆっくりと朦朧させていくのだった。

「すげえ……こんなエロいものが見れるなんて」

その場にいる全ての男の本音を代弁するような一人の男の声に無言の同意が行われる。
銅像が破壊された台座の周りには数十人の男たちが集まっていた。
彼らは一様に目を血走らせながらカメラやデジカメといった撮影機器を構えている。
その数十のレンズの先には台座の上に座り込んでいる一人の少女の姿があった。
シンフォニックシュガーと呼ばれ、人知れず魔物たちと戦い続けている正義の魔法戦士少女だ。
だが、彼女は今身に纏っているはずの強化服を剥ぎ取られ、その幼い裸体を惜しげもなく衆目に晒している。
勿論自分から望んでそうしているわけではない。
敵である上魔ヘルメによって操られた魔法戦士は、意識を残されたままM字開脚という恥辱のポーズをとらされてしまったのだ。

「り、莉々奈さぁ……ん……」

弱音とも心配ともつかない掠れた声が少女の唇から放たれる。
相棒であり親友である魔法戦士に助けを求める弱音、彼女も自分と同じような目にあっているのではないかという心配。
その二つの感情が普段は冷静沈着である天才少女の心を満たしていき、徐々に弱さを曝け出していく。
だが、弱さを表面化させるということは抵抗力が失われることを意味する。
上魔の操作に抗っている四肢の力が、好色な視線に耐えようとしている精神が。
そして正義の魔法戦士たらんとする誇りがシュガーの中からゆっくりと削られていってしまう。

「フフフ……」

しかしそれを空中から眺めるヘルメは、まだ足りないとばかりに笑みを漏らした。
更なる恥辱の舞台を演出するべく上魔は手元の本のページをめくる。

『女の子のもっとも大切な場所を屈辱的な格好で自ら晒してしまうシンフォニックシュガー。
だが彼女はそれだけでは飽き足らず、様々な恥ずかしいポーズを次々に披露していく』
「ッ!?ま、また……身体が勝手に…ッ」

開脚された細足を抱えていた両手が自分の意思とは無関係に動き出すのを菜々芭は焦燥した視線で追っていく。
同時に、身体全体が後ろに倒れこみ始め、足を離した両腕はそれを支えるようにぺたんと後ろ手をついた。
更に、M字に開いていた両脚が身体を持ち上げるように神経へと力を込め始める。
それに伴い、少女の腰がゆっくりと持ち上げられる形になっていき、遂には背中までもが反り返ってしまう。
完成した体勢は、ブリッジのような形になっていた。

「ン……く……!」

やや苦しくなった体勢に、菜々芭の口からうめきが漏れる。
頭も反り返っている形のため、血が上ってきはじめ軽いクラクラ感が襲う。

「うあぁ……ッ、嫌……はぅ、こんな格好まで……」

しかし少女を最も苦しめるのは男たちから向けられる視線だった。
このポーズでは足と手の裏側以外全て浮いている形になっているため、裸の肢体が隅々まで公開されてしまっている。
小刻みに震える四肢に支えられている裸体の上では菜々芭の恥ずかしい部分が全て光の下に浮かび上がっていた。
足の震えに連動してぷるぷると可愛らしく揺れるお尻から続く背中のなだらかなカーブが。
体勢を維持するために筋肉を痙攣させるお腹とその真ん中にあるおへそが。
突き上げるポーズになっているため、真っ白なお皿に置かれている二つの小ぶりなプリンのようなおっぱいが。
その上―――身体の一番高いところで存在を主張しながらひくくっと夜風に反応する桜色のポッチが。
そして、相変わらず開かれたままの両脚の奥で、恥ずかしそうに佇む乙女の秘処が。
その全てが余すところなく用意された恥辱のステージの上で男たちの視界に収められていた。

「全部丸見えだぜ……」
「俺もう絶対ネガを手放せねえよ」
「俺なんかリアルタイムでスレにアップしてるぜ!」
(そ、そんな……私の、は、裸……が)








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