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あそこそ2日

 バトルっちゃったのー♪バトルっちゃったのですねー♪(ギターかき鳴らしつつ)
 てなわけで待ちに待ったバトルがやってまいりました。赤コーナー、クリーオウ・エバーラスティンに対するは、青コーナーの騎士軍(3名)!剣以外に攻撃手段を持たないと思われるクリーオウにとっては不利きわまりない展開です。
 などとふざけたことをぬかしつつ、ちょっとまじめに考えてみた。
 いまのところ、この章は「コルゴンってどんな奴」が主題であると思われる。東部編においては、主人公であるオーフェンと「同室で正逆」と述べられながら、本編ではあまり「中身」が描かれることのなかったコルゴン。ここは、ようやく、というべきなのだろうか?後日談でその心情や生い立ちについて、推測するためのいくばくかの材料が読者に与えられることとなった。
 正確には、頭の悪い私がやっと「コルゴンってこういう人間だったのかー」とわかってきた気がしているだけだが。
 しかしそのコルゴンが拳銃を持ち去ってしまい、そのおかげでクリーオウは騎士3人を相手に立ち回りを演じる状況に追いこまれている。
 私はこの展開で「秋田禎信がどういう意図からクリーオウになにをさせるのか?」が非常に興味がある。端的にいえば、クリーオウに意図的に殺人を行わせるのか否か、ということだ。
 先日「狼」を再読していて気づいたのだが、オーフェンは暴れまくるクリーオウに対するフォローを欠かさない。彼女が他人に洒落にならない大怪我をさせたり、殺させたりしないよう行動している(襲撃してきたドラゴン信仰者の指をくっつける、昏倒したサルアの傷を癒そうとする、など)。
 それはむろんオーフェンが「人を殺すこと」についてかなりナイーブな感性を所持しており、またオーフェン自身の過去や来歴にも関係しているゆえのことではある。
 しかし西部編を通じて「殺せない暗殺者」という自己に対するわだかまりを払拭したオーフェンには、「緑」でクリーオウがライアンを殺すのをフォローすることができなかった。もちろんクリーオウはライアンを助けようとしたのであって、殺害するつもりは毛頭ない。
 いや、むしろそれゆえにライアン殺害はクリーオウに重くのしかかるのである。なぜなら「オーフェン」世界においては、意図せざる殺人こそもっとも忌避すべき行為として設定されているからだ。
 つまり、今の状況――殺しにかかってくる複数の騎士を前にどうやって自分の命を守るか――で、クリーオウが相手を意図的に殺害するのかどうか、はこの後日談が持つ重さを決定的なものにしてしまう。
 オーフェンが「殺せない暗殺者」から「殺すべきときに殺せる暗殺者」になることには、「はぐれ旅」本編すべてを通しての意味があった。
 だが後日談として設定されている本作にあって、クリーオウが殺害を為すとしたら、それにはいったいどのような意味が与えられているのだろう。
 もちろんだれも殺さないに越したことはない。しかし、いくら後日談とはいえ、意思をもっての行いに価値を見出す秋田作品である。よしんばこの場へコルゴンが乱入するかして、意図せずに殺人を回避してしまっては、作品内におけるクリーオウの意思の立ち位置がかすんでしまいかねない。

 ……とまあ、明日にはあっさり「なんと阿呆なことをぬかしておるのじゃ」と白い目で見られること確実な感想である。

 ところで「狼」購入したからにはサルア注釈(※台詞やら何やらにねちねちと妄想を加味した解釈を書き散らすこと)でもやるかとまたもやどーでもいいことを考え中。

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