コルゴン律儀だなぁ…。
邪念を受信した。
さんざっぱら笑いものにして気が晴れたのか、そいつはこいつが放り出すように外した眼鏡を拾い上げ、手の中でもてあそんだ。憮然としているこいつへ意味ありげな視線をくれて言ってくる。
「まあ拗ねるな拗ねるな。お前のためを思ってやったことなんだからよ」
どこがだ。
そいつの言葉に、ぶんぶんと首を縦に振るそいつの顔からはまだ笑いの残滓が消えていない。
あとで飯をおごらせよう。こいつは静かに決意する。遊びにつきあってやったんだ、向こう一週間ぶんの食事代は対価としてしかるべきだろう。
「しかしこれ、度が入ってるんだな」
――と、何の気なしといった風に、そいつはひょいと眼鏡をかけた。
「……」
「あー、いやまあ、なんだ。うん」
「おい待てなんだその反応は」