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秀穂ゴッドファーザーズ 13

◆z1nMDKRu0s氏

「もう動いて平気なの?」
ほらほら真、ユウがスケスケワイシャツ着てるからってコーフンしない
女の子が心配してくれてるんだよ、何か言ってやれよ
そして何 日 も 引 っ 張 る な
「俺様があの程度で動けなくなると思うてか?」
良く言うよ、「死ぬ……マジで死ぬ……」なんてつぶやいてたくせに
「よかったね」
何故か欝オーラ全開のユウタン、言葉に覇気が無いデスよ
「お前はどうしたんだよ、海原に絞られたか?」
海原(うみはら)?
あぁあの美味しんぼに出てきそうな堅物生徒指導ね
「うん」
「お前も災難だな」
その災難にあわせてるのはおまえだろ真
お前が他人事のように言う資格ありませんから!!
残念!!!!


「真も絞られに来たの?」
お呼びがかかっても平気で帰るバカがわざわざ指導なんてされますか?
「いんや、ただ部室忘れただけ」
「なんか部活入ってたの?」
「ちょっとな」
「何? 麻雀部? 囲碁将棋部?」
ここに麻雀部なんて無いよユウタン
「いや、軽音部」
「なんか意外……」
説明しよう!!!!(タイムボカン風)
ゴッド部とは元々真が「バンドやるとモテる」の考えから始まった部活だ
で、同じ思考回路の奴らが集まってできたのだ
しかしみんなバンドやっててもモテないと分かり
今はゴッドファーザーズが占領しているため、こう呼ばれるようになったのだ!!!!
「見てみてもいい?」
「ダメーー!!!!」
なんでよ真、別にいいじゃん
なんか見られたくない物でもあるのか?
「なんでよ?」
「と、と、とにかく来ちゃダメーー!!!!!!」
あやしい、怪しすぎる。ユウタンもジト目でこっち見てんぞ
「来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
あ、真逃げた


何とかたどり着けたゴッド部こと軽音部
埃まみれのギター、無駄にエントロピーを高くしているごちゃごちゃした配線
デカいベースアンプとドラムセット
確かに軽音部の面影はあるな
喫煙第一と書かれた灰皿とかひっくり返したくなるちゃぶ台とか変なモンは気にしない
「遅かったな」
換気扇回してマルメン吸ってる淳一、先公にバレるなよ
「揃ったわね、じゃあ始めるわよ」
と昌姉ぇ
何が始まるんだ……


「これを見て」
昌姉ぇが取り出したのは1枚の紙切れ
立花家の戸籍謄本だ。なんでこんなモン持ってんだよ昌姉ぇ、犯罪だぞ
「ユウちゃんの所を見て」
そう言って真、淳一の二人はユウの名前の欄を見る
「そう、ユウちゃん男として登録されてるのよ」
おいおい、マジでつか
ユウタン体は女の子でつよ、なのに何故?
「おかしいでしょ?
ただ男装して生活するだけなら戸籍まで男にする必要ない
なのに何故、ユウちゃんの戸籍は男なの?」
このバカ共に聞くなよ
「だから家の教育方針で成人するまで男として……」
またそれか
「それなら女として登録しても問題ないわよ
あと小さい頃に性転換した記録もないの」
「じゃあ何故?」
と淳一、確かに分からん。昌姉ぇは知ってんのか?
「私にもわからない
一応マコちゃんの意見もあるかも知れないと思って調べてみたけどそんな記録は無し」
かぶりをふる昌姉ぇ
謎は深まるばかり……
「だから他に男装理由はないか調べてみることにしたの」
で助っ人か
「ヨシちゃん、入ってきて」
よりによってコイツかよ
加藤義明、秀穂高校一のデブオタ
なんか同人作品を仲間と一緒に出してる模様
「で、このニートまっしぐらのワタクシに何か用ディスか?」
メガネをクイなんて動かすな、激しくキモイ
「ほら、言ったじゃない、男装少女のバリエーションについて教えて欲しいって」
なるほど、逞しいオタクの妄想力からヒントを得ようって魂胆か
なかなかのナイスアイデアだ


「まずさ、これ知ってる?」
で義明が取り出したのは無駄に豪華な衣装で胸にバラを刺した男
「こち亀の中川?」
「伊集院をバカにするなぁぁぁ!!!!」
わかった、わかったから目を見開いて真の首を絞めるな
ちなみに言ったのは淳一だぞ、と
「ここかぁ」
まったく、噂をすれば主とは良く言ったものだね
ユウタンいきなりご登場
「んげ!!」
ヤバいヤバイ矢婆井ぞ!!
ユウの戸籍を隠せ!! 何か要らぬ詮索されかねん
つか話題が変わったらさっさとしまっとけよ
「そんなにドタバタして何やってたの?」
キョトンとしてその場に固まるユウタン
まさかお前の話をしてましたとは夢にも思うまい


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