―――――――――――――――俺は番人―――――――――――――――
――――――――――――――この城を守れと命じられた、一人の番人―――――――――――――――
――――――――――――――ただ、城を守れと――――――――――――――
『仮面麗人』
「おい、もうそろそろ引き返さねぇか?」
「馬鹿野郎!ここまで来て今更そりゃねぇだろうが!」
「よぉ、もうそろそろだ。ヘヘヘ、お宝お宝・・・っと」
身なりからして、いかにも盗賊と言える三人組の男達。
彼らがいる場所は、彼らが風の噂で知ったとある廃城の入り口付近。
「でもよ、本当にあるのか?金銀財宝ザックザックてよ?」
「俺の馴染みの酒場で知ったネタだ。間違いない!」
「よし、じゃあ開けるぞ・・・そらっよ・・・っと!」
ギギギギギイイイイィィィィ・・・・・・・
重々しい音を立てて扉を開け、中に入る三人組。
・・・・三人組はそろって中を探索した・・・・しかしなかなか宝は出てこない。
しばらくして、一人が何かに気づき二人に呼びかける。
「ん?おい・・・あれ・・・・」
「あ?何だよ・・・・?」
「どうした・・・・お?」
後の二人も呼び声に反応して後ろを振り向いた・・・・
・・・・それは、顔の半分を仮面で覆っている一人の若者。
端正な顔つきで、身長も少年並みであり
そして妖しな美しさを匂わせていた・・・・。
「フ、ヒヘヘ、ヘ、可愛らしい顔だぜ」
「ああ、ここんとこ溜まってたし、いっちょ可愛がろうぜ」
「ヒヘヘ、いいねぇ、それ」
ここしばらく女をしばらく犯していない三人組は、日頃に溜まった鬱憤を晴らそうと
少年のような若者に近付く。
三対一、数もあり、力もそれなりにあるので殴れば言うことを聞くだろうと
この時の三人組はその考えが命取りになるとは知らずに・・・
「ヘヘヘ、おい小僧。悪いこたぁ言わねぇから、ちと来な」
三人組の一人が乱暴に腕を取ろうとした瞬間、素早い動きで若者が男の腕を振り叩いた。
「イテッ!てて・・・何しやが・・・」
「汚い手で俺に触るな」
若者の凛とした声で言ったこの言葉に男達は徐々に逆上した。
三人組は懐の短剣を取りだしじりじりと若者に近付き、睨みつかせて威嚇した。
「何だとこのガキ・・・・」
「あんま舐めてっと怪我すんぞ、おぉ?」
「構わねぇ、犯っちまおう!」
三人組は一斉に若者へと飛びかかる。
―――――――――――――――数刻後―――――――――――――――
若者は血にまみれても尚も妖しい美しさを匂わせていた。
血塗られた指を赤ん坊の様にしゃぶり、啜り、舐り、吟味し、生の実感を味わう。
ズズッ ズッ チュプ・・・チュ・・・パ・・ァ・・・
レロ・・・・レロ・・・ズズッ・・・ム・・・チュッ・・・ゥ・・・
―――――――――――――――俺は番人―――――――――――――――
―――――――――――――――この城を守れと言われた―――――――――――――――
―――――――――――――――・・・あいつが来るまでは・・・―――――――――――――――
『仮面麗人』プロローグ編完