Index(X) / Menu(M) / /

半分の優しさ

実験屋◆ukZVKLHcCE氏

「ゲホッ・・・・ゲホッ。」
「狂介、風邪?」
「みたいだな。・・・イィッキシィ!!」
「カトちゃん?」
「ほっとけ。」

『半分の優しさ』

「狂ちゃん。お熱どう?」
「なんとか・・・37度6分。」
「もう少しね。今日一日寝てれば明日は大丈夫ってとこかしら。」
「うん。」
「情けないな我が息子よ。ぶり返して肺炎になって苦しめ。」
「テメェ・・・親のセリフじゃないだろ。」
「じゃあお母さん達仕事にいってくるから。ご飯はお粥作ってるけど
 他のもの食べれるようになった時の事考えて、いろいろ作って
 冷蔵庫に入れてるから、食べたくなったらそれを食べなさい。」
「サンキュ、母さん。」
「父さんと母さんは高級料理でも食ってきてやる。」

何でこれが俺のオヤジなんだろう・・・。そう思いながら俺は意識を飛ばした。


珍しく風邪で体調を崩した。40度もの高熱を出し、丸一日意識が無かった。
次の日は意識があるものの具合が悪すぎて声も出せず。今日やっと
物を食ったり、起き上がったり出来るまでに回復した。
(有紀に会いてぇ〜。)
治る事よりも有紀に会いたい事の方が先に思い浮かんだ。
丸々二日間俺は有紀に会ってない。付き合うようになったから初めての出来事である。
風邪は治りつつあるが、新たに『有紀欠乏症』にかかったようだ。
(でもな〜有紀にこんなみっともない姿を見せるのもな〜)
看病してもらいたい反面、病床の身を晒すのに抵抗を覚えた。

こんな事を考えているうちに一日はあっという間に過ぎていった。



「・・・ん?」
気が付けば外は暗くなり始めていた。
「一日寝てたのか・・・。」
むくっと起き上がる。朝までは起き上がると目眩や頭痛がしたが
今はその気がほとんど無く悪寒や気だるさが無くなっていた。
「でも油断は出来ないな。」
ぶり返してオヤジにバカにされる事を恐れる。

とりあえず飯を食って身体を拭いて着替えて清潔にして寝なおした。

カチャ・・・バタン。

玄関の開く音がした。
(母さんたちか・・・?)
両親が帰ってきたのかと思った。しかし、帰宅が遅い両親がもう帰ってくるのは
おかしい。


トントン。

部屋がノックされた。
「狂介〜起きてる?」
(有紀!?)
侵入者の正体は有紀だった。
(見舞いに来てくれたのか。・・・・そうだ!!)
ちょっとしたイタズラを思いついた俺は有紀の返事を無視し
狸寝入りを決め込んだ。

ガチャ・・・

有紀が入ってきた。


「狂介・・・。」
俺を見つめる有紀。隙を見て「ワッ!!」と驚かす気でいたが
自分の唇に触れたやわらかい感触に一瞬呆然とした。
(キスされたのか?)
まさか寝込みにキスされるとは思わなかった。有紀の大胆な行動に
驚かすことを忘れ事の経過に身を任せる。
「・・・・狂介・・・ゴメン。」
いきなり有紀が俺に謝った。寝ている(本当は起きている)俺に
キスしたことに対してかと思ったが、次の有紀の行動にそれは間違いであることを
思い知らされた。
「んんっ!!」
有紀の悩ましげな声が聞こえた。寝たふりのまま薄目で有紀をチラリと見やれば
有紀は壁にもたれ掛かりながら股間を触っていた。
(えっ?・・・なに・・・・オナ・・オ・・オナ・・)

分りやすく言うと有紀は自慰に耽っていたのである。


有紀の姿は学校の制服。ズボンのベルトをゆるめて社会の窓を全開にし、
下着を下げて秘所を触っていた。
(マジかよ・・・・)
有紀の大胆すぎる行動に唖然としつつも、この状況を堪能したいと
思った俺は狸寝入りのまま有紀を見続けた。
「ぁぁ・・・ん!!」
有紀は制服のブレザーを着たままワイシャツのボタンを外し、
胸を押さえつけていたサラシを強引にずらすと、露出した己の
胸を強く揉みだした。
「くっ・・・・あぁん!!」
有紀は俺が起きたらどうするのかと言わんばかりの声を上げながらも
自身の快感を貪った。


女だとわかっていても自分と同じ男子用の制服に身を包んでいる
有紀がオナニーしている、という姿は俺に衝撃を与えた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぅっ!!」
有紀は淫裂に指を滑り込ませて滲んできた蜜をすくい取る。
それを新しい潤滑剤にして秘所を弄りまわす。
「狂介が・・・いけないんだから・・・あぁ・・・」
(なに・・・?)
「狂介が・・・二日間・・も・・僕の・・事・・・放って置くからぁぁ・・」
(有紀・・・・・)
色熱に浮かされた有紀が自分の本心を喘ぎ混じりに告白する。
(・・・寂しい思いさせたんだな。)
病床の身とはいえ思いもよらぬ有紀の告白に俺は自身の健康管理の無さを呪った。
「あぁ・・イク・・イっちゃう!!・・・あぁぁん!!」
有紀は身体を大きくのけぞらせ、ピクピクと身体を痙攣させた。


「はぁ・・はぁ・・狂介ぇ・・・・ふぇ・・」
息を荒げていた有紀の声が涙声にかわる。
「ゴメンなさい・・・狂介を・・・汚しっちゃったよぉ・・・」
そういうと有紀は声を殺しながら号泣した。俺をオカズにした事に
かなりの罪悪感をもっているみたいだ。

「有紀!!」
俺はその場から飛び起きると有紀を抱きしめた。
「え!!・・・きょ・・狂介!!」
俺が起きていた事に動揺した有紀は唖然と俺の思うが侭にされる。
「あ・・あ・・・ゴメンなさい!!・・・ゴメンなさい!!」
オナニーした事を問詰められると勘違いした有紀は俺から離れようとした。
「有紀・・ちょっと待てって・・・オイ!!」
「イヤ・・・ゴメンなさい・・・許して」
完全に動転している有紀は俺の制止を聞かず、ただただ謝罪の言葉を繰り返す。


「有紀!!」
俺は声を荒げ有紀を正面に向かせる。
「あ・・・あぁぁ・・・」
俺と目が合った瞬間、有紀は怯えた視線を俺に向け俯いてしまった。
「俺を見ろ!!」
有紀の顎を掴み強引に正面を見させた俺は有紀にキスをした。
「んっ!!」
驚いた有紀は逃げようとしたが俺が頭を掴んでそれを許さない。
そのまま有紀を強く抱きしめ声をかける
「怒ってないから・・・な?」
「狂介・・・・」
俺の言葉に落ち着きを見せた有紀。次第に抱きしめる有紀の身体から
震えが消えていった。


〜20分後〜
「落ち着いたか?」
「・・・ウン」
着衣の乱れを直した有紀に問いかける。
「本当にゴメンね狂介。」
不安げに俺を見詰める有紀。
「気にするなって、俺も悪かったし。」
寝たフリして人のオナニー覗いていたのだ。これは変態のすることだ。
まぁ、人に変態といわれて否定できない部分もあるが・・。

「そこで・・・有紀に寂しい思いをさせてしまったお詫びをしたい。」
「えっ?」
有紀は俺の満面の笑みを見てたじろぐ。
「有紀ーーーー!!!!!」
「あぁぁん!!!」
俺は有紀を再び乱れさせるため変態に”変態”した。


升沢「あ〜・・・茶はうめぇなぁ・・・・え?また俺がオチ?・・・・風邪引くなよ!!」

                                〜おしまい〜


Index(X) / Menu(M) / /