〜三日前〜
「狂介、コレ持ってて。」
「鍵?何の鍵だコレ?」
「ヒ・ミ・ツ」
『この鍵を開けるのは貴方』
「何の鍵なんだろ?」
突然有紀から預かった鍵。コレがいったい何の鍵なのか、
すごく気になる。
「家や車の類じゃないしな〜・・・。」
大きさは小指程度で形状はロープレに出てきそうな形をしている。
「近場から聞き込みするかな。」
ピンポ〜ン
有紀の家のインターホンを押す。
「ハイハ〜イ・・・アラ、狂介クン。」
出てきたのは有紀のお母さんだ。
「ドモッ。すいません、聞きたいことがあるんスけど・・・」
「なにかしら?」
「この鍵有紀から預かってるんですけど、何の鍵かわかります?」
そういって俺は鍵を見せた。
「ドレドレ・・・・まぁ!!」
どうやら心当たりがあるようだ。
「教えてもらえますか?」
「フフフ。それじゃあ反則になっちゃうわ。」
「え?」
「こういうのは身内に聞くのはイケナイと思うの。」
「はぁ〜・・・」
「自分で調べて御覧なさい。有紀はそれを望んでるハズよ。」
「・・・分りました。」
何の鍵か知ってるコトは分った。でも、それを教えてはくれなかった。
一体何の鍵なんだ???
〜次の日〜
俺は1年生の教室に向かった。
「園太郎。いるか〜。」
「あっ!!狂介先輩。」
とりあえず知ってる奴から聞き込み作戦を展開していくことにした。
「なんでしょう?」
「この鍵何に使うかわかるか?」
そう言って園太郎に鍵を見せる。
「う〜〜〜ん・・・わかんないッスね〜。」
「そうか・・・。」
「でもこのサイズなら日記帳とか小型の南京錠に使う奴かもしれませんよ。」
「なるほどね。」
「役に立てなくてスイマセン。」
「イヤ・・・サンキュー。」
そう言って俺は再び捜査を開始した。
授業?もちサボりですよ〜。
園太郎のおかげで、大きさから用途を調べる作戦を思いついた。
早速、近所のホームセンターへ行き調べることにした。
「違う・・・違う・・・コレも違う。」
しかし中々見つからない。
とそこへ。
「何かお探しで?」
「えぇ、この鍵に合うのを・・・って旦那!?」
店員かと思って気にしていなかったが、その店員は藤澤の旦那だった。
「何してんの?」
「バイト。」
「学校は?」
「サボリ。」
学校サボってまでバイトなんて学生の本分そっちのけかよ・・・俺もか。
「お前こそどうしたのよ?」
「あぁ、実は・・・」
俺は事の経緯を旦那に話した。
「なるほどねぇ。」
「旦那知らないか?」
「悪いが今回はオレも範囲外だ。」
「そうか・・・。」
旦那も力になれないなんて、いよいよもってキツくなってきた。
「その代わりと言っちゃなんだが、役に立ちそうな男を紹介しよう。」
「で、俺の所に来たわけか。」
「・・・・よろしく。」
旦那が紹介してくれたのは升沢だった。正直、二人きりだと
すっげぇ居心地が悪い。
「・・・たぶん俺はお前さんと同じ事を思っている。」
升沢も同じ事を思っていたようだ。
ボコった(殺そうとした)側とボコられた(殺されかけた)側だもんな。
「とりあえず見せてみ。」
そう言われて俺は升沢に鍵を手渡す。
「フムフム・・・・ん?」
「どうした?」
「このロゴ、見たことがあってな・・・なんだっけ?」
俺も鍵を見る。そこにはリンゴに蛇が巻きついた模様のロゴが刻まれていた。
「まてよ・・・確か。」
そう言って押入れに向かう升沢。何か心当たりがあるようだ。
「あった。これだ・・・。」
何かを手に持った升沢が戻ってくる。
〜しばらくして〜
「すまねぇ。助かったぜ。」
「気にすんな、カリがあったしな。」
「そういえば奥さんは?」
「入院中、・・・予定日来週なんだ。」
「そっか・・おめでとう。」
「ありがとう。」
そのまま出て行こうとする俺。
「山崎!!」
呼び止められて振り返る。
「・・・・南と仲良くな。」
「あぁ。」
俺は有紀の所へと向かった。