「有紀、あけましておめでとう。」
「あけましておめでとう狂介。」
「よし、初詣に行くぞ。」
「うん。」
『年初めより姫始め』
と、まあこんな訳で狂介と有紀は初詣に行くことになった。
途中いつものメンバーがあれよあれよと合流した。
藤澤「あけおめ!!ことよろ!!」
園太郎「今年もヨロシクっす。」
詠子「・・・どうも。」
升沢「俺、人ゴミ嫌いだ。」
レオ「ハイハイ。この子と一緒にお参りするんでしょ?」
升沢「そうだった。ヨシヨシ、パパと一緒にお参りしましょうね〜。」
升沢娘「バブバブ。」
ここで一つの疑問が・・・
狂介「そういえば升沢さん、子供の名前決まったの?」
升沢「モチロン。」
狂介「なんていうの?教えてよ。」
升沢「葵(あおい)だ。空よりも青くて綺麗になって欲しいと思って付けた。」
狂介「いい名前、しかもちゃんとした理由つき・・・アンタ本当に元・ジャンキーか?」
葵「バブバブ(私もそう思う)」
もはや初登場時の面影は升沢には残っていなかった。まあイイコトだけど。
さて、長蛇の列の波に乗り、やっと賽銭箱の前まで来た『ネバダ』ご一行。
それぞれのお参り内容はと言うと・・・
有紀「(狂介のお嫁さんになれますように。)」
狂介「(有紀と・・・有紀と・・・ムフフフフ)」
詠子「(園太郎の女グセの悪さが直りますように。)」
園太郎「(ハーレムランドが作れますように。)」
藤澤「(いい加減、貞子(問題あるならサダコ)とカップリングが成立しますように)」
升沢「(攻め受け逆転出来ますように・・・・イヤ、本当マジで!!)」
レオ「(葵が無事成長しますように)」
何この男性陣の不純なお願いは!?
狂介「さて、おみくじとか福袋とか買っていこうか。」
狂介達は販売所の方へと向かった。
???「いらっしゃいませ〜」
狂介「萌さん!?何でここに居んの!?」
なんと巫女さんの格好(普段からだけど)をした萌がおみくじとか飾り物を売っていた。
萌「あっ、狂介君いらっしゃい。アルバイトだよ。」
狂介「なんか納得・・・兄貴は?」
萌「ご主人様はアソコにいるよ。」
狂介「アソコって・・・・・なぬ!!!」
狂介の視線の先には宮司の格好で売子をしている正樹の姿があった。
萌「ご主人様は何を着ても似合うなぁ〜。」
狂介「(ノロけてるよな・・ノロけられてるよな・・・チクショー!!)」
新年早々、狂介に兄に対する憎悪の炎がメラメラと燃え出した。
萌「有紀ちゃんにはコレをあげるね。」
そういうと萌は有紀に大きな紙袋を渡した。
有紀「何ですかコレ?」
萌「お家に帰ったらあけてみて。」
有紀「はい。」
有紀が何を貰ったかは後でのお楽しみという事で、『ネバダ』達のおみくじの結果を見てみましょう。
有紀「やった!!『大吉』だー!!」
詠子「私も『大吉』です。」
レオ「私は『中吉』。まあこんなもんでしょうね。」
男性陣「「「「・・・・・『大凶』・・・・。」」」」
藤澤「なんじゃコリャー!!」
園太郎「陰謀だ!!コレは何かの陰謀だ!!」
升沢「納得いかねー!!」
狂介「つーか俺の奴、字が間違ってるし。何だよ『大狂』って!!」
男性陣「「「「抗議だ!!」」」」
当然、抗議に言った先には正樹が待ち構えており、全員返り討ちになったのは言うまでも無い。
「クソーー兄貴の野郎、本気でやりやがって・・・。」
あの後、各自現地解散となり狂介と有紀の二人は帰りの途についていた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないけど心配しないで。」
不安げに自分を見つめる有紀の瞳に狂介は少し動揺した。
「ならいいけど。ねぇ狂介、後で狂介の所に行ってもいい?」
「ん?あぁいいけど。」
「じゃあ荷物置いたらすぐ行くから。」
「と、言われて待つこと一時間・・・遅い。」
狂介は帰宅し、有紀が来るのを待っていた。しかし、いくら待っても有紀が来る気配が無いのだ。
「なんかあったか?」
いい加減狂介も痺れを切らし始めてきた。
と、その時!!
「えい!!」
「イテッ。」
突然狂介の頭にペシッ!!と衝撃が走った。
「有紀か?いきなりなにを・・しああdぎあうgUaDVQうYふぇQWDV」
なんか前にもあったパターンだけど狂介は有紀の格好にド肝を抜いた。
その格好はどう見ても巫女だ。なんと狂介の目の前には巫女さんの格好をした有紀がいたのだった。
「そそそそそ・・その格好は一体・・・?」
「萌さんから貰った袋の中に入ってたんだよ。」
「あれか・・・。」
そう、先ほど有紀が萌から貰っていた袋にはコレが入っていたのだった。
「ねぇ狂介、似合う?」
有紀は巫女の衣装をはためかせながらヒラリと一回転した。
「モチロン似合ってるよ。ただ・・・」
「ただ?」
「巫女さんは基本的に処女がやるもんだろ?いいのか?有紀は非処女・・えygどぇいcぐqwyf」
言い切る前に有紀は手に持っていたお払いをする時に持つ棒で狂介の
鳩尾を突いていた。
「そういう事言わないでよ!!だいたいその処女を奪ったのは誰なの?」
「グハッ・・・オレデス。スイマセンデシタ。」
狂介はそのまま鳩尾を押さえ込んだまま沈み込んだ。
「萌さんから貰ったってのは分ったけど、着てきたのには理由があるのか?」
「うん。この衣装と一緒にこの手紙が入ってたの。」
有紀は手にした手紙を狂介に見せた。
『有紀ちゃんへ
この格好で狂介君に会いに行けば
狂介君はきっと喜ぶし、厄払いにも
なるよ。』
「だって。」
「な〜るほど・・・。」
狂介の目がピカーンと光った。しかし、今回ばかりは有紀もソレを見逃さなかった。
「来たな!!狂介に取り付く煩悩!!」
「ガハハハハ!!巫女よ、貴様にこの私が倒せるかな?」
「絶対に倒してみせるんだから!!」
なにやら三文芝居が始まりましたな・・・。