「ふぅ・・ん・・」
巽の舌が辰斗の口腔内を這い回る。
「くっ・・あっ・・・まて・・たつ・・み・・・うぅっ・・・」
抵抗しようとするも巽は辰斗の頭をしっかりと掴んで離さない。
「(一体何がどうなってるんだ!?巽の奴?)」
徐々に思考回路が回復してきた辰斗は力を振り絞り巽を跳ね除けた。
「いい加減にしろ巽!!」
「あっ・・・」
突き飛ばされた巽はそのまま床へと倒れ伏す。
「オイ、一体どういうつもりなんだ!?」
「・・・・」
辰斗は声を荒げて問い詰めるも巽はそれに答えず着ていたトレーナーに手をかけた。
「聞いてんのか!?巽!!・・・・んな!!」
またしても辰斗は声を失った。
巽はトレーナーの下になにも身に着けておらず、それに加えて・・・・
「え・・・巽・・・おま・・・お・・ん・・・・女?」
辰斗は巽の裸体をみて驚いたソコにあるのは間違いなく男には無く女にしか存在しない
二つの膨らみだった。
「ど・・どういうことだ・・・お前・・・女だったのか・・・?」
「辰斗・・・お願い僕を抱いて。」
巽はにじり寄るように辰斗に近づき、その手を掴み自分の胸に触らせる。
「おい、やめ・・!!」
手を放そうと思った矢先、またしても巽に唇を奪われる。
「んぅ・・ぷはっ・・・ねぇ、辰斗。気持ちいい?」
「いい加減にしろ巽。この際お前が女だったことは不問にしてやる。でも何故?」
「今までのお礼・・・辰斗こういう事嫌いじゃないでしょ?」
そういうと再び行為を再開しようとする巽。
しかし。
パシンッ!!
「ふざけるな!!」
辰斗は巽の頬を平手で叩いた。
「バカにするなよ。俺が女なら誰でも抱くような男だと思ってたのかオイ!!」
怒りに満ちた表情で睨む辰斗。
「違う・・・辰斗・・・」
「女だって事は今の今まで知らなかったけどよ。前にも言ったよな別に身体が目的じゃない!!
お前をウチに入れたのはお前が・・・・・」
そこまで言うと辰斗は急に黙り込んだ。
(俺は巽を・・・どうしたかったんだ?)
もっとも大切な答えを辰斗は言うことが出来なかった。
「クソッ・・・・もういい、出てけ。」
「え?」
「出てけって言ったんだよ。」
辰斗は巽のトレーナーを掴むと巽に投げつける。
「お願い・・・話を聞いて・・・辰斗・・」
「うるさい!!さっさと出てけ!!二度と来るな!!」
「!!・・た・・つ・と・・・」
巽の瞳から大粒の涙が零れた。
「・・・・ごめんなさい。」
辰斗から逃げるように巽は部屋から出て行った。
「・・・クソッ!!」
怒りが納まらないまま辰斗はベッドに転がり込んだ。酔いと怒りが混ざり合い
頭痛となって辰斗を苦しめる。次第にそれが納まってくると共に辰斗は眠りについていった。