2017年初献血

予約しての来所でしたが、たまたまHLAの要請が入っていたようです。餅のロンで血小板献血。

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処遇品はなし。
昨年度までのフリースブランケットに代わり、今季はワッフルケットです。厚みはないけどフワフワ感があって肌触りも良好。
あと、feel謹製のお汁粉もいただきました。餅は小ぶりだけど、こんがり焼き目も入っていて美味しかったです。

ところで…

検査採血の結果を吐き出したレシートみたいのがあるじゃないっすか。
そいつを見ながら看護師さんと話をしてたんですよ。お屠蘇で肝臓の値がどうとかそんな話。
そしたら興味深いことをお聞きしました。

まず、「最近は検査採血で肝臓関係の数値は出さないようにした」とのこと。
これはレシートに印字するかどうかの話です。もともとあのレシートには生化学検査成績・血球計数検査成績の全項目が印字されている訳ではありませんでしたから、その載せる項目を変更したという程度のことなんでしょう。
勿論これまで通り献血の度にALT(GPT)とγ-GTPは調べるし「検査成績のお知らせ」から除外された訳ではありません。

もひとつは「ALTが高いと折角献血しても廃棄されてしまうかもしれない」という話。
廃棄とは穏やかではありませんが、私もALTが高めに出ることもあるので気になってしまいました。

100回以上献血してきて、そういうことに無知無関心だった自分もどうかと思い、後日調べてみました。
どうやら「肝臓関係の数値は出さないようにした」は、以下の事柄に伴って行われたものと思われます。

献血の廃棄基準、肝機能値を緩和 10万人分が利用可に

日本赤十字社は、献血された血液を廃棄する際の基準に使われている肝機能の値「ALT(GPT)」を大幅に緩和することを決めた。現在は採血後に廃棄されている年間約10万人分の血液(献血全体の約2%)が早ければ4月から使えるようになる。24日の厚生労働省の専門家委員会で了承された。

献血者数は1994年の662万人から2013年は516万人へと減少傾向にあり、日赤では「きわめて有効な対策となり、献血者の善意にもこたえることになる」としている。

ALTは主として肝臓で働く酵素の一種で、脂肪肝などの肝機能障害があると数値が上昇する。日赤によると、現在は血清1リットル当たり61IU(国際単位)以上になるとC型肝炎などのウイルス感染が疑われるとして廃棄されている。一方、現在は肝炎ウイルスの感染自体を検査できるようになり、欧米のほとんどの国では基準から外されている。

日赤は感染症に感染していなければALTが高い血液を輸血しても被害が起きることは考えにくいとして、新年度から廃棄基準を1リットル当たり101IU以上に引き上げる。101IUは現在、日赤が肝機能障害を疑う目安として献血者に医療機関への受診を勧める値。将来的には基準から外すことも検討するという。(竹野内崇宏)

引用元:朝日新聞DIGITAL 2016年2月25日17時30分

つまり、廃棄基準を見直す(緩和する)ことでより多くの血液を活用させようという趣旨のようです。

献血者数が減少傾向にあるとか、ドナーの善意に応えるためとかもあるんでしょうけど、それより何より安全性が担保されなければならない訳で、その点において感染症のチェック技術が確立されたことが大きな理由なのでしょう。

厚生労働省のウェブサイトにもこんな資料(PDF)がありましたので抜粋します。

2.スクリーニング検査とALT検査の現状
日赤の血液センターでは血清学的検査に加えて、2014年8月に個別検体によるNATスクリーニングを導入し、また2012年よりHBs抗体価200mIU/mL以下のHBc抗体陽性血液をすべて排除した。これらの措置により、2016年1月現在、2014~2015年の2年間で、輸血によるHBV、HCV、HIVの感染例は1例も確認されていない。
ALT検査は、現在は61 IU/Lを除外値に設定している。検査結果の通知を拒否しなかった献血者へは、ALT値を8~49 IU/Lを基準値として通知している。また、101 IU/L以上を示した献血者へは、「基準値からはずれていますので医療機関での受診をお勧めします」との文言を添えて受診勧奨を行っている。この受診勧奨は、その血液に問題があるとして行うのではなく、献血者の健康管理のために行うものである。

6.新たなALTの製品除外基準について
特異的な高感度検査法が導入された今日、HBV、HCVの代替マーカーとして、またその他の感染性因子のマーカーとしての意義もない。非感染性疾患によってALTが高値となった血液が受血者に被害を及ぼすメカニズムは考え難い。
新たな基準をどこに置くかについて明確な指針を見出すことは困難である。従来61 IU/Lを基準にしてきたが、これも何らかの根拠に基づいたものではなかった。その意味では、基準は任意に設定せざるを得ないともいえる。ここでは、リスクを評価しつつ基準を上げていくために、一足飛びに高いレベルに設定することを避け、また現在、101 IU/L以上を示す献血者に医療機関の受診を勧奨していることを考慮して、101 IU/L以上の血液を不適格としたい。
現在年間約12万の献血血液(全献血の2.3%)がALT自主基準によって不適となっている。このうちALTが61以上100 IU/L以下の献血は9.9万、全体の約2.0%と見積もられる。製品化除外基準を101 IU/Lとすると、年間約10万の血液が適格とされ、新たに製品化されることになる。この10万の血液が在庫に含められれば、献血者数が減少の一途をたどりつつある今日、極めて有効な対策となる。何よりも、これは献血者の善意にこたえる重要なステップである。

引用元:「ALT検査による製品除外の見直しについて」平成28年2月24日開催 薬事・食品衛生審議会 血液事業部会安全技術調査会資料(PDF)

念のためですが、これはあくまでも「廃棄の基準値」であって「検査結果の基準値(基準範囲)」ではありません。
実際、検査結果における基準値は8~49 IU/Lとされていますが、これはいわば健康のセーフティゾーンみたいな値なんでしょう(献血時の血液検査は一般的な健康診断とは位置づけが異なるからか、生化学検査(200mL・400mL・成分献血者)についてでは「正常または異常を表すものではありません。」「これらの検査項目で、あなたが健康であるか否かを判断することはできません。」と慎重に記されていますが)。
で、これまでは61 IU/Lを上回ってしまったら廃棄していたのが、2016年4月からその境界線を101 IU/Lまで緩めたということですね。

ちなみに看護師さんによると、廃棄といっても血液センターの裏の排水溝にドボドボ垂れ流すとかでなく「品質管理のために使う」んだそうです。
「品質管理」が具体的にどのようなことなのかは聞きそびれましたが、無駄にはしないということのようです。とはいえ輸血に使われないのであれば、ドナーとしても残念なことですので、ALTが基準値に収まるような自己管理を心掛けたいところです。

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そんなお勉強になった献血初めでした。

2017年8月24日 追記
別件で血液センターに問い合わせた際に本件についてもう少しお訊きしましたが、窓口の方は、「廃棄」ではなく「輸血に適さない血液」と表現していました。
いずれにせよ、その可否基準はALTのみで、他の項目、γ-GTPとかコレステロールとか、とにかく基準値外であってもそれがALT以外であれば不問とされ輸血に使われるそうです。
それでも極端な数値が出てしまった場合はその限りではないようですが、それは白血病などの重大な病気が疑われるような状況のようですから、そうなったら献血どころじゃないですね。
ALTについては「気になるようでしたら、とりあえず献血の3日前ぐらいからお酒は控えて…」とも仰っていました。

2017年10月4日 追記
うつのみや献血ルーム@kenketu_tochigiさんがtwitter上で、肝機能に関する基準緩和について告知しています(初ツイート2016年5月14日)。

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