The Blue Sky After The Heavy Rain
【4】
−そうだよな。−
そうじゃなかったら、きっとこんなに悩んだりしない。
連の何気ない仕草に胸が高鳴ったり・・・連の言葉1つ1つにあんなに反応しない。
でも・・・これが『好き』っていう気持ちなのかって問われると分からなくなるのも事実で・・・。
「あ〜!もう、わけわからねぇ!!」
思わず寝転がったまま髪をぐしゃぐしゃとかきむしりながらも、ふと窓から見える空を見上げる。
『そばにいるから』
先ほどの連の言葉が頭の中に響き、胸が再びとくんっと高鳴った。
なんで連が急にあんなこと言ったのかはうすうす想像がついている。
きっと、じいちゃんが「話した」んだろう。
でも、そんなことどうでもよくて・・・。
ただ単純にすごく嬉しかった。連が俺と一緒にいてくれることがとても嬉しいって思った。
「・・・なんて、本人は言えないけどさ」
自嘲気味に笑みを浮かべ呟くと、そのまま上半身だけ起こす。
そろそろじいちゃん達のところに戻らないと・・・。
「何が言えないって・・・?」
「え・・・?」
不意に後ろから声をかけられ、俺の心臓はドキンッと激しく高鳴った。
今の声は・・・
「連・・・だよな?」
「あったりー」
その言葉と同時にふわりと後ろから抱きしめられる。
「あ・・・」
温かい・・・。
「荷物、入れ終わったか?じいさん達、が来るのまってるぜ?」
「あ・・・あと少し・・・」
「何なら、手伝おうか?」
そのままくいっと顎を掴まれ、上を向かせられる。
「あ・・・」
すぐ上には逆さから俺を覗き込んでいる連の顔があった。
連はそのままそっと指で俺の唇をなぞる。
「ッ・・・ン」
くすぐったいような感覚に俺は小さく喉を鳴らした。
「・・・」
小さな声で囁かれるとそれだけで頬がかぁっと熱くなるのを感じる。
やべぇ、俺、今めっちゃくちゃ緊張してるかも・・・。
やがて、連の唇が俺の唇に重なりそうに近づき、俺は思わずぎゅっと瞳を閉じた。
「。・・・好きだ」
「っ・・・れ・・・」
俺が何か言う前に連は唇を重ねてきた。
逆さまでのキスは少しだけ変な感じで・・・。
「ンッ・・・」
そのまま、恐らく俺の後ろで膝立ちになっているであろう連の手が後ろから俺の胸元に回され、這わせられる。
・・・え・・・ってこれ、ちょっとまずい・・よなっ・・・。
でも、俺の体は金縛りにあったみたいにぴくりとも動かない・・・。
唇はずっと連と重なったままで、顎も連の手で押さえられてて・・・。
「っ・・・フ・・・」
連は俺のシャツの裾から手をつっこんだ。
「ンン・・・っ・・・」
そのままさわさわと手は脇腹を通って、上へ上へと上がってくる。
「・・・ン・・・」
行為の最中、俺は嫌悪感とか一切無くて・・・反対に連の手がかなり心地よく感じていた。
連の手が俺の薄い胸板に到着すると、連はそのまま掌を俺の左胸にぴったりと押しつける。
心臓がよけいに早く鼓動を打ち始める。
っ・・・心臓が耳元でなってるってこんな感じのことなんだろうな。
ってか、心臓の音、聞かれてるよな、絶対。
実際、俺の心臓はかなり早く脈を打っていたと思う。
そして、俺の左胸に掌を押しつけている連にはそれがしっかりと感じられていたはずで・・・。
「・・・」
連はやっと唇を少しだけ離すと俺の瞳をまっすぐに見つめてきた。
「れ・・・連・・・っ?」
それだけなのに俺の心臓は壊れそうなほど早く鼓動を打ちはじめて・・・。
「・・・柄でもねぇ。・・・のこと、ここまで好きになるなんて、思ってもみなかった。」
「連・・・っ、お、俺も・・・」
『好きだ』って言えたらどんなにいいだろう。
でも、俺はまだ『答え』が見つけることができない。
黙り込んでしまった俺の唇に連は自らの人差し指を押しつけ、微笑んだ。
「連・・・っ・・・」
「焦らなくていい。・・・昨日は返事をすぐにもらおうって思ってたけど・・・やっぱり長期戦でいくことにしたからさ。」
連はそういうと再び俺の唇に自らの唇を近づける。
・・・長期戦・・・?
聞き返す間もなく連の唇が重なった。
しばらくして、じいちゃん達の元に戻った俺と連は思わず固まった。
なぜなら、そこにはいつの間に来たのか輪入道と骨女がじいちゃん達と和やかにお茶を飲んでいたからだ。
「わ・・・輪入道、骨女!?」
「何でいるんだよ!?」
驚いている俺と連をよそに輪入道はにやりと笑みを浮かべた。
「決まってるじゃねぇか。大切なお孫さんを預かっているんだ。挨拶くらいするのが常識だろう?」
「そうそう。それに・・・に会いたくなったからさ」
骨女が俺を見てにこりと微笑み。
「え・・・っ?」
きょとんとしている俺の肩をじいちゃんが軽く叩いた。
「じいちゃん・・・。」
じいちゃんは小さく頷くと満面の笑みを浮かべた。
「。ほら、そろそろ帰りなさい。に会いに来てくれた人たちがいるんだから。」
−もう、独りで家にいるということはないじゃろう?−
じいちゃんがそう俺の耳元で囁いた。
ふと視線を縁側へと向けると、昨夜の雨が嘘みたいに空は抜けるような青空がどこまでも広がっている。
「・・・うん!」
俺は力強く頷いた。
Fin
〜あとがき〜
お待たせ致しました!
「The Blue Sky After The Heavy Rain」完結です!
ってか、告白の返事延ばしまくってます、すみません(汗)
ここで告白させても良かったのですが、そうすると矛盾が!「本当の気持ち」との矛盾が〜〜(泣)
すみません〜〜(汗)
えっと、少しでも楽しんで頂ければ幸いですv
ここまで読んで頂きありがとうございましたv
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