炎色反応 第三章・24
「可愛いよ、ティス。気持ちいい?」
イーリックは楽しそうに、時折口を離しながらそんなことをいう。
「あっ、吸わなっ………、だめ、か、噛んじゃ……あんっ」
睾丸を丸ごと口に含まれ、舌や歯でいいようにもてあそばれる。
指でされるよりももっと柔らかで、征服されるというよりは懐柔される感じだ。
それだけに、逆らいにくい。
「はぁ、んっ……っんっ、あ、ああ…」
たっぷりとそこを愛した後、イーリックは竿の部分にも舌を這わせてきた。
くわえられ、先端を舌でくじられると腰が揺らめいてしまう。
「あ、ああ、んっ……! だめ、いっちゃう、いっちゃう…!」
痛みはなく、恥じらいすらも吹き飛ばすような原始的な快楽。
音を立てて口から出し入れされ、くびれを辿るように舌を使われると下肢が蕩けてしまいそうなほどに気持ちいい。
イーリックは指で先ほど愛撫していたふくらみを揉んだり、先端をしゃぶりながら幹を手で扱いたりし始めた。
「いっちゃいなよ、ティス。全部飲んであげる」
半透明の糸を引く唇でつぶやくと、彼は丸ごと飲み込んでしまいそうな勢いでティスのものをきつく吸った。
「あっ、あっ、ああっ………!」
あのイーリックの口に含まれているんだ。
分かっているのに、我慢出来なかった。
「あ…」
絶頂に達し、柔らかくなり始めたものをイーリックはぴちゃぴちゃと音を立てて舐めている。
射精の後の脱力感に加え、後始末をされているような羞恥にティスの口からため息が漏れた。
「も、やだ……イーリックさん、やだよ…」
かすれ声でティスは訴えた。
「た、助けてくれるんじゃ……なかったの…? こんなこともうやめて、お願い……」
その言葉に、イーリックは急にこんなことを聞いてきた。
「ティスは、僕のことが嫌い?」
突然の質問にも、その内容にもティスはうろたえてしまう。
「そんな……好きです。追いかけて来てくれて、本当に嬉しい。でもっ」
「僕は、君が好きだよ。……弟のようにじゃなく」
つぶやいて、イーリックはティスの両足を掴んだ。
持ち上げられ、胸を突くように折りたたまれてティスは羞恥に息を飲む。
「やだ、やめて……あ、あっ!?」
ひくつき始めていた蕾に息がかかる。
尻を割り開き、小さな穴をうっすらと広げたイーリックが唇を寄せて来たのだ。
何をされるのか察し、ティスは持ち上げられた足を出来る範囲で振った。
だがイーリックは可愛い、とそれすらも愛しむようにつぶやくだけだ。
「可愛いよ、ティス。ここもすごく可愛い」
ごく間近に見える淡い色をした穴を見ての感想に、ティスは顔を真っ赤にして身をよじった。
「やっ……ひぃっ」
くちゅりと音がして、ぬるぬるしたものが狭い入り口をこじ開ける。
「あっ、あぁっ」
そこに舌を入れられ、中を舐められる。
濡らす意思でそうしているのだろう。
唾液を送り込むように、とがらせた舌先で何度も探られ異物感と恥ずかしさで足先が引きつった。
「いや、あ………は、恥ずかしい、よ……やめてぇ…」
男根で犯されるのとはまた違う。
舌での陵辱に、ティスは敷布に爪を立ててあえいだ。
「あ、あっ……そんっ、………奥、やぁ……」
ねじ込まれた舌が内壁を舐め回す。
卑猥な音を立てて何度もそうされる内、熱を帯びた穴は次第にほぐされていった。
「気持ちいいんだね。ここ、ぱくぱくしてるよ」
一度舌を抜き、イーリックはくすくす笑いながら言った。
「や……!」
一々言葉にされると余計恥ずかしくてたまらない。
泣きそうな顔をしているティスを奇妙に優しい目で見てから、彼は再び顔を伏せた。
「ひゃっ!? す、吸っちゃだめぇ」
ぎりぎりまで舌を差し込まれ、周囲の肉ごと穴を頬張られる。
ちゅぱちゅぱと音を立て、イーリックはそこを吸った。
「こ、こんなっ………やめて、オレ、オレ、どうにかなっちゃう…!」
枕の上で髪を振り乱し、ティスはおかしくなりそうな快楽から逃れようとした。
薄い胸の先で、乳首は両方ともぴんと勃っている。
さっき一度口で達せられた性器も、硬くなって先を濡らしていた。
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