俎上の子羊・7



ブレイクは忌々しそうに言った。
「ふん、案外丈夫じゃないか…」
「頭、そいつどうするんです」
ちゃっかり二度もルシアンの中に放った男が、少し心配そうな声を出した。
「もう殺すんですか? このガキ、案外出物ですよ。ねぐらに残ってる奴らにも……」
「分かってるさ」
ブレイクはそう言って、ふっと周りを見回した。
黒い瞳に残酷な光が浮かぶ。
すっかり忘れ去られていた、アルロイド大教の神像を彼は拾い上げた。
「いい物があったな。おい、そろそろ戻るぞ。馬を連れて来い」
言われた部下がブレイクの馬を引いて戻って来ると、彼はルシアンの目の前に神像を掲げて見せる。
少年の瞳がそれに反応して動くと、ブレイクはにやりと笑ってこう言った。
「お前は神様がよほど好きらしい」
彼の手の中だと少し小さく見える神像が、ゆっくりとルシアンの下肢の方へと動いていく。
「だから、神様にも可愛がってもらおうな」
だらしなく口を閉じた穴に冷たいものが触れた。
輪姦の途中からほとんど無反応に近かったルシアンの表情が、ぎくりと強張る。
「やっ……、嫌だぁぁっ……!」
大声を上げ、必死に拒もうとしてもう遅い。
弛緩した穴の中、ずぶずぶと敬愛する神の像が埋められていく。
「大好きな神様に奥まで見てもらって嬉しいだろ? 修道士様」
残酷に笑うと、ブレイクはまだ縛られた状態のルシアンを強い腕に抱え上げた。
「やっ、いやっ……、ひいいっ!」
暴れるルシアンを、ブレイクは自分の前に座らせるようにして無理やり馬の背に乗せてしまう。
奥にくわえ込んだ神像が更に中に入って来て、ルシアンは無我夢中で叫んだ。
「いやだ、抜いて、取って……!」
「暴れると本気で取れなくなるぞ?」
くつくつと喉を鳴らしたブレイクは、頭の趣向ににやつく部下たちに馬上からこう怒鳴った。
「さあ、戻るぞ。可愛いルシアンのために、今日はゆっくり時間をかけて戻るとしよう」
どっと笑った盗賊たちを従え、ブレイクは軽く馬に鞭を当てる。
「ああっ……!」
揺れる馬の上、埋め込まれた神像が内部をこするたびにルシアンは哀れな声を上げた。
広がった穴の縁からたっぷり注がれた白濁がぽたぽたと漏れ出て、地面に淫らな跡を落としていく。
時折背後のブレイクが胸元や性器に悪戯を仕掛けてくるたびに、彼はますます身をよじりあられもない声を上げ続けた。
精液まみれの神の子の姿は、そうして聖地の手前の山奥深くに人知れず消えていった。

〈終わり〉


***

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