俎上の子羊・6
ブレイクの一物を飲み込み、じゅぷじゅぷと淫らな音を立てる結合部を見ながら部下たちは己の物を扱いている。
「頭ぁ、いいんでしょう、たまんねえ」
「早く交替して下さいよ」
ブレイクと、ルシアンの口を征服している男を彼らは羨ましそうに見ていた。
「ああ、そろそろだな」
初物のきつい締め付けを十二分に堪能したブレイクは、抱えていた腰に力を込めた。
「さあルシアン、たっぷり味わえよ」
逸らされた胸元、硬くなり赤く色付いた乳首を軽く撫でてやってからまた腰を掴み直す。
ぎりぎりまで抜いては押し込む、を早い速度で繰り返してやると、ルシアンの中は絶頂に向かい収縮を始めた。
「んぁ、んっ、んんっ……」
白い顎を仰け反らせ、強制的な奉仕をさせられているその顔はブレイクからはよく見えない。
そこで彼はまた軽く顎をしゃくり、少年の口を使っていた男に言った。
「いったん下がれ。後で顔にでもかけてやれ」
「…はいよ」
ちょっと渋々、という感じながら男は従順にルシアンの口から一物を抜いた。
同時にいい加減血が昇りきった状態の頭を、下から支えるようにして持ち上げてやる。
「ふぅ……ん………」
とろりと精液の糸を引き、男のものを吐き出したルシアンは紅潮した顔でぼんやりとブレイクを見上げている。
悩ましく蕩けたその顔は、もう神の僕に相応しいものではなかった。
ブレイクはにやりと満足そうに笑い、ぐいっとルシアンを抱き寄せる。
膝立ちに近い体勢を取り、座位の要領で更に彼を追い込んでいった。
「ああああっ!」
間断なく下から突き上げられ、ルシアンは全身を痙攣するように震わせた。
痛みは強烈な快楽に溶け、すでに感じられない。
「ああ、あっ、あーっ………!」
宙に浮いた爪先が、びくん、びくんと何度も反り返る。
無数の死体と聖なる書物がまき散らされた中、彼はブレイクの精液を最奥に注ぎ込まれながら絶頂を迎えた。
「あっ、あっ、あ……」
ぐったりと力を抜いた体を、ブレイクは自身を引き抜きながら地面に横たえる。
待ち構えていた盗賊たちが彼を取り囲み、その全身の思い思いの場所に熱い白濁をぶちまけた。
「あぅっ……、あ、あ…………」
顔や胸、太腿辺りに精液を浴びるたび、ルシアンは虚ろな瞳を震わせ小さな声を漏らす。
「まだ足りないんだろ。口を開けて、中を見せて誘ってやがる」
「修道士? 嘘だろう。初めてでこれかよ、全くとんだ聖職者もいたもんだよな」
「まあいいや、次俺な」
自失状態のその足の間を覗き込み、好き勝手なことを言いながら早速盗賊たちは順番争いが始めた。
服を直し、一歩場から足を引いたブレイクが薄笑いを浮かべながら見つめる中、ルシアンは十数人からの男たちの鬱屈を一手に引き受けることになった。
***
最後の男が肉棒を引き抜いた時、ルシアンの中からは収まり切れなかった精液がとろとろと零れ出した。
「もう腹いっぱいだとよ」
げらげら笑う声を遠く聞きながら、彼は虚ろな瞳で空を見上げている。
快楽を快楽として感じていられたのは、ブレイクを含めたせいぜい最初の数人まで。
後はもう、気持ちがいいとも悪いとも何とも思えなかった。
若い肉体は愛撫に反応はするものの、条件反射でそうなっているだけでしかない。
何人もの男を受け入れさせられた穴はぱっくりと開いてしまっている。
手首と足首に食い込んだ紐で皮膚がすり切れ、血がにじんでいるのにその痛みを感じられない。
けれどルシアンの心は今もかろうじて現世に繋ぎ止められていた。
顎を取り、その瞳を覗き込んで来たブレイクを見上げた眼の奥にはまだ正気の光がある。
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