付ける薬もないぐらい 番外編・6
それでも休みなく腰を動かしながら、彼はもう片方の手をルーンの尻へと回した。
「あっ、そこはっ…………、ひゃん!」
尻肉の奥に秘められた小さな穴。
直接は触れられておらずとも、したたる先走りと愛液はそこにまで流れていた。
前への刺激に期待してか、勝手にひくひくと震えていたそこに武骨な指先が苦もなく潜る。
にちゃにちゃと音を立てる指先に後ろの穴を突かれた刺激が、最後の一線を越えさせた。
「あぁ、やだあ両方、ああぁ、あーっ…………!」
高い悲鳴を上げたルーンの全身がひくひくっとわななく。
太い男根に拡張された裂け目の隙間から大量の愛液をにじませて、彼は女としての絶頂を迎えた。
「あは、あぁ………」
なおもきゅうきゅうと肉棒を食い締めようとするそこから、クルーガーは己のものを引き抜いてしまう。
そしてたっぷりと濡れそぼったそれを、指で慣らした後ろの穴へと休む間を与えずに突き入れた。
「アーッ………!」
イッたばかりの敏感な体に加えられる更なる刺激。
今度は胸を揉まれながら尻を犯される快感に、ルーンは涙を流してあえぎ乱れる。
「はぁん、ししょ、ししょお…………ッ、おし、り、あ、熱う……ッ」
ずっ、ずっと音を立て、不規則に行われる挿入に薄い尻肉が震えた。
汗みずくになった胸を揉みしだかれ、しこり立った乳首を指の腹で転がされると前の裂け目からまたしても熱い液がにじみ出る。
「ヒァ、師匠、ししょお、い、いっちゃ、またいっちゃう、またぁ、ああぁーっ……!」
男を迎えた尻肉の内部が痙攣する。
膣内での射精をこらえたクルーガーも、更にきつい尻の締め付けに逆らう気はないようだった。
「男の分も女の分も、まとめて面倒見てやるよっ……! ほら、いけっ………!」
一際強く腰を押し出した彼のものが、根本までルーンの中に突き刺さる。
ぐぐっと質量を増したそれが内部に大量の精を放出する感触を、ルーンは白く霞んだ意識の中で感じ取っていた。
「あぁ、ししょ、ししょお、師匠ぉ…………っ……!」
クルーガーの肩の上に担がれたままの足先が反り返る。
自分の性器からも熱い体液をあふれさせながら、ルーンは男としても絶頂を迎えた。
「……はふ…………」
尻から引き抜かれていく男のものを名残惜しげに締め付けながら、脱力したルーンは寝台に身を預け荒い息を吐いている。
同じように荒い息を吐いているクルーガーも手を伸ばし、ようやくルーンの両手の戒めを解いてくれた。
「…………さすがに換気をしないとまずいな、これは」
むっとするとうな熱気と淫らな匂いに満ちた室内を見回し、彼は改めてため息を吐く。
「こら、起きろ。そんな格好で寝るな。水浴びして、着替えて、部屋の片付けするぞ」
疲れていてもさすがにクルーガーは冷静な判断力を失っていない。
そもそもが昼前まで寝こけている弟子を起こしに彼はやって来たのだ。
ふにゃんと崩れているルーンの腕を、クルーガーは引っ張って立たせようとした。
その手首に布の跡がしっかり残っていることに気付き、ちょっとばつが悪そうな顔をする。
「跡が残ったな。……まあ罰だからいいんだが、痛くないか?」
そう言いながら労るように指先で跡をさすられ、くすぐったさにルーンは瞳を細めた。
「ううん、平気です。それに……」
えへへ、とルーンは懲りない笑顔で笑った。
「師匠だって分かるまでは怖かったけど…………師匠とするんだったら、縛られてするのって、ちょっと新鮮で楽しいかも」
限りなく脳天気な言葉にクルーガーは絶句する。
一瞬振り上げかけた拳を降ろし、苦労性の師は本日一番の大きなため息を吐いたのだった。
〈終わり〉
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