付ける薬もないぐらい 番外編・5



言いながら彼は手を伸ばし、ずれた目隠し布を取り去ってくれた。
優しい声と優しい手付きに、ルーンの胸はとくんと鳴る。
驚きと安堵に一時遠くなっていたうずきがまたぶり返してきた。
「ししょ………」
甘い響きを帯びた声で、彼は師匠を呼んだ。
「ししょ、ね………続き、して…………」
縛られたルーンの手首に触れようとしていたクルーガーの動きが止まる。
驚いたようなその顔を見返し、ルーンはうっとりとした表情で微笑んだ。
「師匠のなら、いくらでも、オレ、入れて欲しいんだもん…………ね、入れて、師匠の、入れて………」
軽く眼を見開き、クルーガーはあどけない顔に不釣り合いな艶然とした笑みを見つめ返す。
しかしややあって彼は、ふっと意地悪く微笑んだ。
「……そうだな。じゃあ、このまま続きをしてやろう」
「へ? ……あっ」
もう一度足を持ち上げられる。
今度は横向きになるように体をひねられ、片足をクルーガーの肩に担がれた。
「まっ待って、手、ほどっ、……ああああんっ!」
ぬるつく襞をかき分け、太い物が一息に埋められる。
すぐに始まった激しい抜き差しに、ルーンは豊かな胸を波打たせて仰け反った。
「あっ、やぁ、だめえ、手、ほどいてっ、やぁ、ししょっ、あん、あっ、苦し……ッ」
「オレに入れて欲しいんだろうが、ええ?」
ぎしぎしと揺れる寝台の音の中でも、クルーガーの低いささやきはひどくよく聞こえる。
「そ、そうだけどっ、あっ、あぁんっ」
結合部に伸びた指先が、女陰の頂点をくりくりといじる。
おかしいほどに感じてしまい、ルーンの奥から泉のように恥ずかしい汁があふれ出た。
それを男根でぐちゃぐちゃにかき回しながら、クルーガーはなおもささやいて来る。
「ふん、さっきまでだって相当濡れていたが、今はまるで漏らしてるみたいだぞ……? 縛られてオレに入れられて、そんなに気持ちいいのか…………?」
「ふぁ、あ、い、意地悪ぅ、あっ、あああ、奥っ、奥の方、当たってる、当たってるのぉ…………!」
横抱きにされ、深々と埋め込まれたものが繰り返し体の奥を突き上げる。
その衝撃に全身が震え、乳首と男性器がよりいっそう硬くなっていくのが分かった。
指先でいじめられ続けている肉豆も真っ赤に充血し、ぬめる愛液にまみれててらてらと濡れ光っている。
「ひゃう、あぁ、ひぃ、ししょ、師匠のぉ、お、おっき過ぎ、太過ぎィ………」
突き上げられる度、肉壁を擦られる生々しい感覚がルーンを襲う。
体格と比例して立派なクルーガーのものは、何度受け入れてもその逞しさで息も絶え絶えにさせられてしまう。
けれど彼のものだという、それだけでこの心と体は勝手に開かれてしまうのだ。
この人ならば大丈夫。
どんなにひどいことをしているようでも、最後の最後で突き放したりはしない。
そういう安心が根底にあるからだろう。
腕を縛られた倒錯的な状態で乱暴に貫かれているのに、せり上がる快感を止められない。
むしろこういう状況だからこそ、ひどく敏感になってしまっているような気もする。
「んあ、あ、あっ、ししょ、……んっ、すごいよぉ、ずんずんって、ずんずんって、気持ちいいよぉ…………!」
絶頂に向けて一直線に駆け上がっていく性感。
それを素直に口に出し、よがり狂うルーンを見るクルーガーもだが満更ではなさそうだ。
「オレじゃなきゃ、嫌、な………」
必死の叫びを思い返しながら、彼は手を伸ばしルーンの男性器を掴んだ。
「ひゃうッ……!? んあ、あ、だめぇ……」
女になった部分ばかり攻められていたところに、いきなりそこを掴み取られて声が裏返る。
だがクルーガーは容赦なく、だらだらと先走りを零している先端のくぼみに浅く指先を潜らせた。
「ふあああっ……! うぁ、アッ、やぁししょ、だめッ、オレ、だめっ………!」
前がぎゅうっと締まる感触にクルーガーも眉を寄せる。


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