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マイクロマウス開発日誌

2016/02/02(火) 基板発注しました

B3 Kishimotoです。

明日から期末試験ですがそんなもの気にせず更新します。

いきなり話題が逸れますが、1月28日に大学の偉い人達と懇談会をしてきました。
去年の成績が良かったので一緒に昼食でも食べながらお話しませんかという感じでお呼ばれしました。
私はお昼ごはんが出るという一文を見て参加を決意しました。
部室を広げてとお願いしてみましたが色よい返事は帰ってきませんでした。

さて、今年はマイクロマウスクラシックも製作し、2競技で決勝に行くことが目標です。
もうすぐ研究室配属、ということで時間の取れるうちにハードを完成させるべく昨年から設計を始めていました。
春節に入る前に発注を、とやってましたがダメだったようです。15日になったら工場再開するから待ってねというメールが来ました。

今年のハーフです。
ハーフ.png

回路はほぼ前作のまま。
足回りの軽量化がメインです。
センサ用LEDを2個直列にしてIOを節約、余った分をUI用のLEDに回しました。
去年デバッグ時にカメラで撮ってLEDの発光タイミングで調整していたのですが、見づらかったのでLEDを離して配置しました。
あと昨年の優勝マウスをパクリリスペクトしてバッテリ下を肉抜きしてバッテリを埋め込むようにしました。
また、エンコーダ基板の固定方法ををL時ピンヘッダから基板にスリットを開けてパッドどうしを半田付けする方法に変えました。
このとき注意しなければいけないのが、Elecrowのデザインルールでは外形線と外形線の間隔が1mm以上開いてないといけないという点です。
つまり、エンコーダ基板の厚みは1mm以上必要です。
最初は0.6mm基板を2枚重ねてどうにかしようとしていましたが、クラシック基板の厚みが1mmだったのでそっちにエンコーダ基板をくっつけました。

クラシックは少しサプライズ要素があるのでハードが完成したら公開します。
あまり特異な事はせず、LCDが乗ってたりするくらいです。

2015/12/10(木) PMステッピングモータを用いてのハーフマウスについて

B4のItoです。
PMステッパーハーフマウスを作ってみましたがいろいろと改善点が出てきました。
後に続いで作る人はあまりいなさそうですがせっかくなのでレポートを書いておきます。

まずステッピングモータの種類についてですが
・PM型・・・ロータに永久磁石を使用したもの.小型化しやすく安価,分解能は低い
・VR型・・・細かな歯のついた金属製ロータ.分解能が高いがトルクは低め
・HB型・・・VR型のロータに永久磁石を使用したもの.分解能が高くトルクも高い
以上の3つがあります

というわけでハーフマウスにはPM型がよさげですが分解能が1回転当たり20~40程度であるためダイレクトドライブ,1-2相励磁では制御しづらくなってしまいます。
これの改善案として自分はギアを挟んで減速させることでホイール1回転当たりの分解能を上げました。
するとギアのバックラッシがもろに機体の応答性にかかわってきました。結果,角速度の応答が悪いためジャイロによる補正もしづらくなり,回転数も上がりすぎてトルクもあまり出せていません。

また、今回用いたモータは位置決め精度が悪くマイクロステップ駆動ができなかったために仕方なくギアを挟みましたが精度のいいモータならマイクロステップ駆動させるなどの方法で分解能を上げることができるかもしれません。

余裕があったら励磁強度を補正して励磁位置を補正できるような設計で作り直してみたいです。

2015/11/23(月) 2015シーズン

B3 Kishimotoです。

前回の更新からすでに半年が経ってしまいました。

今年作ったマウスの情報です

Skitch.png
名前Lark
サイズ57*38*12.7mm
重量15.3g
マイコンRX631
モータMK06-4.5
ジャイロMPU6000
センサOSI5FU3A11C + LTR-4206E
エンコーダAS5145
バッテリLipo 1cell 70mAh
実を言うとこの基板は2枚目です。
1枚目では調子に乗って1005サイズのチップ部品を選択しましたが、マイコンに書き込みできないという状態になりました。
パッドサイズが小さすぎたためのハンダ不良と思われます。
2枚目では1608サイズのパッドに1005部品をハンダ付けしています。
また、1枚目では足回りの設計を攻めすぎてダメでした。
3Dプリントしたギア付きホイールに基板で作ったモータマウントという組み合わせで設計してみましたが、実際に組んでみるとまともにギアが噛み合いませんでした。
手元で気軽に作り直せないマウントではバックラッシュの修正もままならず、2枚目ではジュラコン製のモータマウント+市販ギアという組み合わせになりました。

他にも、
マイコンを64ピンから48ピンへ(配線は楽になったがフルカラーLEDは諦めた)
ベアリングを片持ちから両持ちへ(車軸のブレがなくなった)
基板のミスを修正(レギュレータのOUTとINが逆だった)
という修正を行いました。

こんな調子で金沢草の根大会の時点ではハードが完成しておらず、7月終わりに2枚目を発注。
ちまちま部品を実装しては動作確認、の繰り返しで9月の中旬ごろにハードが完成。
それからは関西大会で完走することを目標にモータの制御を頑張ってましたが、磁気式エンコーダの値がブレるという有名?な現象が出ました。
やはりΦ2という小さい経の磁石を使っているとさらに厳密な軸合わせが必要らしく、自分の設計ではエンコーダ基板を手ハンダで固定するというものだったので、軸が合っていないのでしょう。
もしくは、磁石をベアリングに圧入する際に叩きまくったから磁気が乱れているかもしれません。

いろいろ先輩にアドバイスを頂いて、関西大会の前日の夜までに直進とスラロームができる状態まで仕上げ、BKCのホテル(別名精神と時の部屋)で去年のマウスから探索関数と最短関数を移植する作業を行い、なんとか探索、最短を完走しました。(直線関数にバグが残っており、直線スピードを上げると遅くなるという状況でしたが)

次の中部地区大会では全面探索の成功を目標に探索の安定化を図りました。
路面の違いによる影響をもろに受け、スラロームが安定せず、試走会ではさんざんな結果でしたが、その後のA:Mac部室で行った徹夜デバッグのおかげで1回目はコケましたが2回目で全面探索に成功しました。

その後は全日本に向けさらなる探索の安定化と斜め走行の実装を行い、全日本大会に挑みました。
全日本大会は試走日から参加。
制御がクソなので、全日本の床にスラロームパラメータを合わせこむというあまりよろしくないことを行ってました。
また、自分の斜め対応最短導出は1区画ゴールに対応してないため、探索のゴール時にゴール区画を1区画奥にするというアルゴリズムを入れたりしました。

本番では
1走目
走り始めから直進でブレがあり、事前に試走台で取ったセンサ値があてにならないことを知り、ショックを受ける。全面探索途中で壁の読み間違いでコケる。

2走目
斜めなしの最短をするもゴール座標をずらすアルゴリズムのバグでゴール区画の隣にゴール。

3走目
斜め最短ならゴールできるかもと思い走らせてみるも読み間違えた部分を通り無事死亡。

4走目
もう一度探索。全面探索成功するも終了地点で謎のフェイルセーフが発動し帰ってこない。

5走目
最低パラメータの斜めで壁にぶつかりながらも最短成功。7秒008。

こんな感じでなんとかサークルにフレッシュマンとはいえ、全日本1位の記録を持って帰ることができました。

表彰式後には連日の徹夜のせいか緊張のせいか体調を崩し、サークルのみんなに迷惑をかけながら帰宅。
1日寝たら治りました。

最後に、東京工芸大の鈴木先生はじめ、大会運営スタッフの皆様、ありがとうございました。

2015/05/10(日) マウス展示

その他
B3 Kishimotoです。

先日福井で行われたロボカップジャパンオープンでマイクロマウスの展示をしてきました。
1月にやったやつと同じく機械の先生からの依頼です。

s-DSC_0144.jpg

会場が前回より近かったので移動は楽でしたが、展示時間が朝10時から夕方5時までと長く、日数も3日間とキツいのもでした。
3人で2人ずつローテーションを組みましたが、結局シフトじゃない日も手伝いに行きました。

子どもたちに迷路を自由に組んでいいよというとガッシャンガッシャン力強く壁を扱ってくれるので迷路の劣化が激しく、3日目は組ませないようにしました。

1: Takayanagi 『お疲れさまでした。 俺たちも、マシンたちも、フル稼働で頑張ったよな。 いろいろな人に合えたと思うし、いい経験になった。これからも...』 (2015/05/10 18:49)

2015/04/24(金) センサ選定

B3 Kishimotoです。

今年はハーフマウスを作る!ということで去年からいろいろ考えていましたが、BITが一段落したので本格的に制作していこうと思います。

ちびでぃ~の2を使って目星をつけていた赤外線LEDとフォトトランジスタを実験してみました。

今回実験したのは以下の6つ

LED
最大電流[mA]半減角[deg]Apertured Radiant Incidence[mW/cm^2]Radiant Intensity[mW/sr]Radiant Power[mW]
LTE-20960160.184(20mA)1.383(20mA)-
OP16550181.95(20mA)-0.5(20mA)
OSI5FU3A11C1001525(min),40(typ)(50mA)-9(50mA)
フォトトラ
Power Dissipation[mW]Viewing Angle[deg]Rise Time[μs]
LTR-2091001610
LTR-4206E1002010
SFH 309 FA165246
LEDの明るさを示す数値がバラバラというか測定方法が違うというかなんというかわからなかったので今回実験することを決意しました。

s-DSC_0117.jpg

LET-209とOSI5FU3A11Cを光らせてみた図。
奥がOSI5FU3A11C。
Xperia Z1f ISO3200で撮影。

OSI5FU3A11Cのほうがスポットがはっきりしていてマウス向きと思ったのでこの時点でLEDはOSI5FU3A11Cに決定。
OP165は暗すぎて写真に写らず。
お話になリませんでした。

続いてフォトトラの実験。
ブレボに刺して壁に向けて発光、一番値が大きくなるようにフォトトラとLEDの角度を調整、という方法でフォトトラの光に対する感度を調べました。
以下わかったこと

LTR-209>LTR-4206E>SFH 309 FAの順で値が大きかった。209と4206の差は少なかったが4206と309の差は大きかった。
負荷抵抗は750Ωくらいがいい感じ。立ち上がり時間が気になるが、データシートでは1KΩで10μsなのでLEDを発光してから50μsくらい待てば立ち上がりきるはず。
立ち上がり時間を調べるためにLEDの発光時間を短くして5μsにしてみましたが、値は100μsの時と変わらず。やった!と思ったらarduinoはAD変換に100μsかかるとの表記を見てがっかり。
オシロで調べようにもアナログオシロでは無理でした。

フォトトラは209と4206のどっちかにします。
209のほうがViewing Angleが狭いですが、4206は可視光をカットしてくれます。
悩ましい。
今回の実験ではわからなかった立ち上がり時間の差はまた次の機会に調べます。
RXマイコンならAD変換に1μsしかかからないのでLEDの発光時間も調べられるでしょう。