ぴくの〜ほかんこ

物語

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[106] 召喚士カズヒロの冒険

マディーン #1★2003.12/14(日)19:14
第1章 運命の旅立ちの日

ここは召喚世界。ポケモンの魂が行きつく、天国・地獄のほかの、もう1つの場所。

そこで、1人の召喚士が精製(せいせい)されていた。

「ルギア様…遂に出来ました。召喚士が…。」

「うむ…彼が世界を救ってくれることだろう。開放してやれ。」

「はい。」

ミュウが少年を制御していたプラズマの発生を止めた。

「召喚士よ…オマエに命令がある。」

ルギアは少年――召喚士に話し掛けた。
「…なんだ。」

「オマエは別世界へ行き、サカキと言う悪しき者を倒せ。サカキはその世界のポケモン達のエネルギーを奪い永遠の命を手にいれ世界を我が物にしようとしている。われ等召喚獣の力をおまえに与えよう。必要あらば、オマエは我等を召喚することができる。」

「…分かった。」

「聞き分けの良い者だ。それでは、いけ。」

「…その前に俺の名前は?」

「忘れてたな…おまえの名前は、カズヒロだ。今、オマエは幼少の子供に過ぎない。四次元空間に送られた後、私と話したことは忘れてしまうだろう。しかし、運命の時が着たら…テレパスで知らせる。」

「…。」

「命を捨てでも、世界を護りぬくのだ!」

少年は四次元トンネルから、ポケモン世界へと送り込まれた。

そして…10年の歳月が流れた。
「ウツギ博士!!」

1人の少年がウツギ研究所に飛び込んできた。

「やあ、カズヒロ君かい。何か用?」

「研究手伝う約束してただろ。」

「あ、そうだったね。じゃ、そこのサンプルをスキャナでとって。」

「分かった。この銀色の羽だね。」

飛び込んできた少年の名前はカズヒロ。14歳。森で倒れていた所を発見されてワカバタウンの住民の女性に12歳まで世話になったが、ある日を境に見捨てられ、今は今は一人で暮らしている身だ。

「博士、スキャナで拡大したやつ、パソコン送信するぜ。」

「分かった。」

ウィン…カズヒロはスキャナで取った銀色の羽のサンプルの拡大図のデータをウツギ博士が扱っているパソコンに送信した。

「わあ…この前シルバー君が送ってくれたルギアの銀色の羽とは違う仕組みだな
あ…。」

ウツギ博士がパソコンをいじっているのを見て、カズヒロはウツギ博士に話し掛けた。

「シルバーって?」

「ワカバタウンから旅だったトレーナーさ。今はポケモンリーグ制覇して石英高原でチャンピオン務めてるけどね。1週間前に捕まえたルギアの羽を送ってくれたんだ。」

「ふうん…ちょっと見せて。うっ!?」
カズヒロは画面を覗き込んだ。その瞬間、一瞬彼の頭が痛くなった。

「どうかした?」

「いや…何でも無い(なんだろう、さっきの感覚は…懐かしい感じがした)。」

「ん…?メールが届いたぞ。何々…ポケモンのタマゴ?今すぐ取りに来てくれ?や
ばいよ、今研究情報処理してるってのに…。そういえばカズヒロ君、今日誕生日じゃなかった?」

「YES。」

「ならさ、プレゼントにポケモン上げるよ。それでお願いがあるんだけど…ポケモンじいさんの所にお使いにいってくれない?研究が忙しくて。」

「いいぜ。」

「有難う!じゃあ、この3匹受け取ってよ。」

「3匹もいいのか?」

「いいからいいから。」

「アリガトな。で、このポケモン達、それぞれ名前なんていうんだ?」

「ヒノアラシ、チコリータ、ワニノコだよ。属性は炎、草、水。」

「ふーん…ならヒノアラシがライルでチコリータがリーフ、ワニノコがクラウスでいいや。」

「じゃあ、頼んだよ。」

「おう。」

ということで彼はポケモンじいさんの家へ。

「やい、そこのトレーナー!俺と勝負しろ!!」

ポケモンじいさんの家へ向かう途中、1人の虫取り少年に話しかけられた。

「は?」

「勝負しろってんだろが!!いけ、ビードル!」

「毒虫かい…ライル。」

カズヒロが出したのはテイル。相性敵にはいいがまだ炎系の技は覚えていないぞ…。

「ビードル、毒針攻撃!」

「ライル

「ビードル、体当り!」

見事体当りが決まる。ビードルは一撃で倒れた。

「ふう。良くやった,ライル。」

『へへ。』

「くそぉ…ほら、120円。」

「賞金か。どうも。」

この後もたくさんのトレーナーが勝負をしかけて来るが彼はライルやリーフ、クラウスで倒して行った。

そして歩くこと1時間。やっとヨシノシティについた。

「あ〜…疲れた。とりあえずポケセンポケセン。」

ということでポケモンセンターへ。

数分後。

回復を済ませたカズヒロが出てきた。

「よし、行くか。」

ということで彼等はヨシノシティを出た。

「おい、そこのトレーナー!勝負しろ!!」

今度は短パン小僧。

「良いぜ。」

「いけ!!コラッタ。」

ボンッ…短パン小僧が繰り出してきたのはコラッタ。

「リーフ!」

『らじゃ!!』

「コラッタ、電光石火!!」

「リーフ、防御体制を取れ!」

『らじゃ!!!』

コラッタの電光石火!しかし素早くリーフは防御体制に入ったのでダメージは軽くて済んだ。

「リーフ!葉っぱカッター!」

『えい!!』

バシィィィ!リーフの葉っぱカッターが見事コラッタの急所に決まった。

「あーあ、コラッタ。はい、1000円。」

「どもども。」

賞金を受け取り、彼は更に進んだ。

―ポケモンじいさんの家―

「ポケモンじいさーん!ウツギ博士の御使いで来ました―!」

「おお、よく来てくれたね。コレが例のポケモンのタマゴなんだが。」

「う〜む…確かにポケモンぽい。最近発見されたトゲピーなんじゃないですか?模様からして。」

カズヒロは鋭い点を突いた。

「ほほーお。君、なかなかいい点ついているねえ。」

「そうですか?」

「君、少し休んでいきなさい。ポケモン達もつかれてるだろうし、せっかく来たんだから。」

「じゃ、お言葉に甘えて。」

ということで少し休んで行くことに。

「あ、オーキド博士!?」

なんとオーキド博士が来ていた。

「おお、君が卵を取りに来たカズヒロ君かい。ポケモンの調子はどうだい?」

「上々です。」

「ちょっと見せてごらん。」

「はい。出て来い!ライル、リーフ、クラウス!」

ボン!彼はポケモンを全部出した。

「おお、良く鍛えられているねえ。目が生き生きしているよ・・そうだ、君ポケモントレーナ
ーになったらどうかな?」

「トレーナー?俺にそんな素質あるんですか?確かに試験は合格できたけど。」

「おお、あるとも。そこでじゃ。君の素質を見込んで頼みがある。ポケモン図鑑を完成させてくれんか?」

「いいですけど。それにチャンピオンになるのは夢だったし。」

「…これは長い旅になるだろう。出発前にはお母さんに伝えて行きなさい。」

「はい。じゃ、俺そろそろ失礼します。」

カズヒロはソファから立ち上がるとポケモンじいさんの家から出ていった。

「…ポケモントレーナー…か。」

カズヒロはワカバタウンに戻った。

「ウツギ博士!例の卵持って帰ってきたぜ!!」

「ありがとう!」

彼はウツギ博士に卵を渡した。

「ところでだけどさ、オーキド博士に図鑑作るの手伝ってくれって頼まれたんだ。それで図鑑貰ったんだけど、どう使うんだ?」

「これはこうやって…こう使うんだよ。」

「ほほーお。分かったような分からないような…。まあ、物は慣れ。使ってりゃそのうちなれるだろう。」

「…おいおい。で、図鑑完成を目指すっていうことは旅に出るんだろ?」

「YES。」

「だから母さんに言ってくるよ。じゃ。」

「…ったく気が速いんだから。」

カズヒロの出ていった扉を見つめて、ウツギ博士は溜息をついた。

家に帰るなり、カズヒロはパソコンをきどうさせた。そしてメールを打ち始めた。

『俺は旅に出る。もう帰ることはないと思う。まあ、母さん俺を捨てたからどーでもいいだろうけど念のため報告しておく。じゃ、さよなら。』

…なんて不器用な文章だろう。なんて作者が考えている間にメールは送信された。

そしてカズヒロは、リュックを引っ下げて家を出ていった。

歩いていると、突然彼は頭を抱え込んだ。

「いてぇ…頭が痛い…。どういうことだ…?」

突然誰かの声がした。しかしまわりには誰もいない。

【召喚士よ…ついに運命の時が来た…。】

「だ、誰だ!?」

【忘れても当然のことだろう…今、オマエの記憶を我の力で復元してやろう…。】

「!?」

彼は精神体となってルギアが見せる自分が忘れた記憶の中へ。

『オマエはサカキと言う悪しき者を倒せ。
オマエに我の力を与えよう。必要あらば、我等を召喚することもできる。」

『…分かった。』

『聞き分けの良い者だ。それでは、いけ。』

『…その前に俺の名前は?』

『忘れてたな…おまえの名前は、カズヒロだ。。今、オマエは幼少の子供に過ぎない。四次元空間に送られた後、私と話したことは忘れてしまうだろう。しかし、運命の時が着たら…テレパスで知らせる。』

『…。』

『命を捨ててでも、世界を護りぬくのだ!』

だんだん思い出してきた…それで、俺は四次元トンネルに飛ばされて…時空ショックで記憶失って…ワカバタウンの森で気絶してるところを拾われたんだ…。名前だけ覚えてたんだっけ。

【思い出したか?召喚士よ。運命の時は来た…さあ、行くのだ。】

「…分かりました。ルギア様。」

ここでルギアとの心の対話は途切れ、彼は元の世界…現実世界へと戻った。

「いくぜ…サカキとやら。」
                           第1話 完
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マディーン #2★2003.12/14(日)19:08
第2章 キキョウシティ・ハヤトとの戦い

「ここがキキョウシティか。サカキおらんし一体どうすりゃいいんじゃ〜。まあ、ジムあるし
情報収集もすんだし行きますか。」

彼が行っている情報収集とはサカキのことである。

ちなみに彼が集めたデータは…。

☆サカキはロケット団のボス。

☆3年前にレッドに敗れ、それ以来行方を晦ましている。

☆サカキを倒したことで、ロケット団は滅んだが、ひそかに活動を続けている噂がある。

・・の三つだ。

「まあいいや。この位集まれば上出来。さあて、ジム戦ジム戦♪いくぜ!」

なんてのんきな奴だ。

―キキョウシティポケモンジム―

「うっひゃ〜。ジムってこんな所なのかねえ。思ったよりも狭い。」

「…無礼な口を叩く君が挑戦者だね…。」

とハヤト。

「ああそうとも。いくぜ!ハヤトとやら。俺の名前はカズヒロ!ワカバタウンのトレーナー
さ!」

「いけ!ポッポ!」

「おいおい、挨拶無しかい。いけ、ライルとやら!」

『おっけー!』

「ヒノアラシか…。ポッポ!泥かけだ!」

「ポッポォ!」

「ライル!砂かけ!」

『分かった!』

バババ…ポッポの泥かけが飛ぶ。しかしライルは砂かけで泥をガードした。

「そのまま火の粉!」

『うはっ!』

ゴォ!見事火の粉がポッポにヒット!ポッポは一撃で倒れた。

「なかなかやるね…君のヒノアラシ。いけ!ピジョン!」

「ピジョオオオ!」

「ピジョンねえ。素早い奴だからライル、気をつけろ!」

『分かってるよ。』

「ピジョン、電光石火だ!」

「テイル、丸くなってダメージ軽減!」

『ほいさ。』

ドォン!ピジョンの電光石火が見事テイルに決まる。しかしテイルは丸くなって防御したためダメージを5分の1にまで減らすことが出来た。

「そのままファイアボールになれえ!」

『うりゃああ!』

テイルは丸くなったまま背中から炎出しながらスゴイスピードで回転をはじめた。

「ピジョ!!」

ピジョンは泥かけでテイルの背中の火を消すと、そのまま体当りでテイルを伸ばしてしまった。

「ライル。良くやった。オマエが最後だ!」

『おっけ。』

「今度はワニノコかい…ピジョン、体当りで一気に伸ばすんだ。」

「ピジョオオオオオ!」

「クラウス、ピジョンがコッチに着たら噛みつけ。」

『らじゃ。』

シュウウ…ピジョンは風を切ってスゴイスピードで飛んできた。

『えい!』

ガブッ!!クラウスはピジョンの足に噛みついた。

「ピジョン、振り落とせ!」

「クラウス!!ファイト!」

ピジョンは必死にクラウスを振り落とそうとするがクラウスはナカナカ落ちてくれない。それどころか慢心の力をこめて噛みつく力を強くしてきた。

「ピジョォォ…。」

ピジョンも疲れ果て+痛みでついに墜落した。

「…ピジョン、よくやったね…認めるよ、君の実力。はい、ウイングバッジ。あとコレも持っててくれ。」

“コレ”はヘッドギアのような形をしていた。

「これは…試験問題3に出てきた技マシンか。」

「そう。中身は泥かけさ。有効に使ってくれよ。」

「どうも。」

「また勝負しようぜ!」

こうして、彼はハヤトと別れた。

その日の夜…。

「さあて…出てきやがれ、ロケット団。ライル、照らしてくれ。」

『うん。』

彼は外に出ていた。火はテイルの背中の火である。

「ちくしょお、ばれたか!」

と飛び出してきたのは黒服の男。

「やっぱり活動続けてたんだねえ〜。」

「なんで俺がいることが分かった!」

「いやあ、ここの住民の人に聞き込み調査したら最近よく物が盗まれるって聞いたからねえ。それで夜を待って茂みから出てきたおまえのあとをつけてきたってわけよ。さあて、連行するかね。」

チャッ…彼はダガーを取出した。

「く、くそお!行くんだ、ラッタ!」

「ラッタァ!」

「ならばリーフ!一撃葉っぱカッター!!」

『任せて任せて!』

バシュバシュバシュ!!見事葉っぱカッターは連続でラッタの急所に当たった。

「タァ…。」

ラッタは一撃で倒れた。

「くそぉ!」

「逃すか!!リーフ、ツルで捕まえてくれ!!!」

『えいっ!!』

ロケット団員は逃げようとするがリーフのツルに足を掴まれ転倒。

その数分後に呆気なく窃盗の罪でロケット団員が連行されたのは言うまでも無い。

「いや〜逮捕協力感謝感謝!」

「いえいえ。じゃ、俺そろそろいきますんで。」

ということで彼はポケモンセンターへ戻った。

そして次の日。彼はキキョウシティを振りかえらずに歩いて行った…。
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マディーン #3☆2003.12/14(日)19:10
第3章 ヒワダタウン ヤドンを救え!

「うお〜、緑ばっかし。リーフでも出すか。あいつなら喜びそうだし…。」

カズヒロはリーフを繰り出した。

『何かご用?』

「ここ、緑一杯あるからおまえなら喜ぶだろーと思って。」

『そお。あ、看板発見。』

「どれどれ…ヤドン?この街にはヤドンがたくさんいます?見当たらないじゃねえか。やれやれ、またロケット団員じゃなかろうね?」

『そうみたいだね。まずは聞き込み!』

「そうだな。ポケセンの部屋も予約したし。」

ということで彼は聞き込み調査開始。
数十分後…。

「うっへえ〜…全然情報集まらないや。」

『あそこの民家、いってないよ。特製ボール作ってる職人さんの家。』

「行ってみるか…。」

ということでその特性ボールを作る職人の家へ。

「あのぉ、ヤドンのことで何か情報ありませ…。」

「大変じゃあ!ヤドンがぜーんぶロケット団にさらわれてしもたあ!!」

突然飛び出してきた親父にカズヒロは吹っ飛ばされた。

「誰じゃあ、あのフトドキモノはあ。ヤドンがどーのこーの言ってたな。後を追うか。」

親父はどっかへ走り去ってしまったが昨日雨が降って地面が湿っていたので足跡を追うことが出来た。

親父の足跡を追うこと数分。ついたのはヤドンの井戸だった。

「深そう〜。いくか。リーフ、いったん戻れ。」

『うん。』

シュオオオン…リーフを回収して彼は階段を降りた。

「おお、さっきのフッ飛ばした子供か。さっきは済まんかった。」

井戸のそこにはさっきの親父がいた。

「いや、別にいいっすよ。」

「ところでじゃが、わしヤドン達を助けに来たんじゃが腰うってしもて動けんのや。オマエさん、代わりにいってくれんかの?」

「はいはい。」

そして彼はペンライトであたりを照らして井戸の奥へ。

「よそ者は帰れ!」

突然闇の中から黒服の男が現れた。

「ほーお。ロケット団員ねえ。ヤドン、解放しな。」

「ヤドンの尻尾は高く売れる。だから逃さないぜ!どうせすぐ生えるしな。ポケモンのエネルギーを吸いとる機械を作るための資金だ!」

「サカキって今言ったねえ。俺はそのサカキを殺るために旅してるんだなあ。詳しく教えてもらおうかね。」

カズヒロ…猫なで声でも怖いぞ。

「サカキ様の敵!?容赦しねえ、いけ、ズバット!」

「ならばクラウス!君に決めた!」

『任せて!!』

「水鉄砲。」

『うはあっ!!』

水鉄砲が見事ズバットに直撃。クラウスは空中でふらついている。

「よし、そこにある電灯でショートさせろ!!」

洞窟内を照らしていた照明をクラウスは掴むと、そのままズバットに叩きつけた。

しかも電気タイプには弱いし+ぬれているのでかなりの大ダメージを与えた。

「チッ…。リーダーに報告せねば!!」

「そうはさせないぜ!!クラウス、もう1個いけ!」

『そーれぇ!!』

バキィ!またしてもクラウスは電灯を今度はロケット団員に叩きつけた。

「か、体が痺れて動かない…。」

体が痺れたロケット団員はそのまま動けなくなってしまった。

「さあて、最後にロープを手足に結び付けて…よし。」

ロケット団員を縛り上げて、彼は更に奥へと進んだ。

「うわあ!?」

「きええ!?」

「ひええ!?」

洞窟中に悲鳴が響き渡った。

「電灯攻撃、成功。」

そう、クラウス、テイル、リーフと協力して荒業電灯攻撃を仕掛けたのである。

「全員連行するぜ。ヤドン達、もう帰りな。」

「ヤアン…。」

ヤドン達を無事解放し、彼はロケット団員を連行した。ロケット団員達はポケモン虐待の罪で逮捕された。

「ふう、この町のロケット団員も退散させたし、次はジム戦ジム戦っと。」

ということで一旦ポケモンセンターで休んでからジムへ。

ジムへ向かう途中、彼は一人の少年に話しかけられた。

「勝負しねえか?」

「別にいいが…ウォーミングアップということでやるか。」

「いけ!!ニドラン♀!」

「ならばこっちはテイルだぜ!!」

「ニドラン♀、そのままアイツに噛みついて殺せ!!」

「ニド!」

「ロケット団のヤローか。ほれほれ、ニドラン♀。噛みつくなよ。わりぃことして何が楽しいか?」

なんとのんきにニドラン♀を説得している。じっと黙っていたニドラン♀はやがてにっこりカズヒロの顔を見上げて笑った。

「チッ!ニドラン♀、戻って来い!」

「ニン!!」

ニドラン♀は嫌がっている。

「おめえのことなんてもう知らないからな!!」

とロケット団員は足取り荒く歩いて行った。

「やれやれ。ニドラン♀、これからは平和に暮らせよ。」

『連れてってよぉ。』

「別に良いぜ。じゃ、おまえの名前は…ニトラス。テイル、もう戻れ。」

さっき彼はポケモン語(?)でニドラン♀を説得したらしい。召喚士だけが出きる技だ。

「毒タイプは虫タイプに耐久性があるって聞いたな…。」

そして彼はジムへ。

―ヒワダタウンポケモンジム―

「あなた、挑戦者さんですか!?」

「ああ、そうだが。」

「なら勝負するです!!」

突然双子が勝負を仕掛けてきた。

「いくです!レディバ!」

「ニトラス!!腕試しだ!!」

「レディバ、連続パンチ!!」

「ニトラス、毒針!!」

『任せてちょうだい!』

シュバババ!レディバの連続パンチが飛ぶ。しかしニトラスは自主的に陰分身をし連続パンチを全てかわした。そして分身全体からの毒針攻撃!!かなりの威力だ…。

「レディ…。」

レディバは倒れた。

「おっしゃ、一人抜き。」

「強すぎるです〜。」

この後たくさんのトレーナーが彼に勝負をしかけて来るが呆気なく倒されて行った。

そしていよいよジムリーダーの元へ。

「君が挑戦者だね?」

「そう。俺の名前はカズヒロだ。」

「ふーん。じゃ、そういうことで。いけ、カイロス!!」

「カイロス、か…。ならば、リーフ!!」

「カイロス、ハサミギロチンだ!!」

「リーフ、交わせ!そのあとカイロスをツルで掴んで叩きつけろ!」

『分かった!』

ガッキィィン…カイロスのハサミギロチンの音が鳴り響く。リーフはハサミギロチンを交わすとツルでカイロスを掴み壁に向かって叩きつけた。

「カイ…。」

「草タイプなのに弱点を破って攻撃するなんてなかなかやるね、君のチコリータ。今度はバタフリー!!」

「フィィィ!!」

「バタフリーねえ。蝶か。リーフ、一旦戻れ。いくんだ、クラウス。」

『任せな!!』

と今度はクラウス。

「バタフリー、眠り粉だ!!」

フオオオ…バタフリーの眠り粉がクラウスに降りかかる。

「クラウス!!水鉄砲でかかった眠り粉を落とせ!!」

『らじゃ!!』

バシュゥゥン!クラウスは水鉄砲を上に放ち、降ってきた水で眠り粉を払い落とした。

「バタフリー、念力だ!!」

キィィィ…バタフリーの念力。さすがにこれにはクラウスもよろめいた。

「クラウス!耐えろ!!」

『う…っくう…。』

と、突然クラウスから光が放たれた。

「進化か!?」

光が収まったかと思うと、そこにはアリゲイツに進化したクラウスが。

「よっしゃ、進化か。クラウス!水鉄砲!!」

『うおりゃああ!!』

進化して強力になった水鉄砲がバタフリーにぶつかる。バタフリーは墜落した。

「バタフリー…。よくやった。いけ!モルフォン!!」

「クラウス、戻れライル!!君に決めた!!」

『任せて任せて。』

「モルフォン!ギガドレイン!!」

「テイル、そのまえに火の粉!!」

『えええい!!』

ボォ!見事火の粉がモルフォンに決まる。それと同時に何とライルまで進化した。

「マグマラシ、か。電光石火で止めだ!!」

『俺に任せな!』

見事なライルの電光石火がモルフォンに決まる。モルフォンも墜落。

「くっ・・ストライク!!」

「ストォ!!」

「ストライクか。最後のポケだな。ニトラス、オマエの真の力を見せてやれ!!」

『任せて☆』

と繰り出したのはニトラス。

「ストライク!連続切り!!」

『うわあ!!』

ストライクの素早い動きに圧倒され、ニトラスはまともに連続切りを食らってしまった。
が、なんとか抵抗力のおかげでまだ戦える。

「ニトラス!!分身毒針攻撃!!」

『OK!!』

たくさんのニトラスの分身が現れる。そして分身達は一気に毒針を放った。

「ストォ!?」

「ストライク!…まだ戦えるか。ストライク切り裂け!!」

「ストォォ!!」

ザシュゥゥ!!ストライクの切り裂く攻撃。ニトラスはまたしてもストライクの素早さを前に交わすことが出来ず、まともに食らってしまった。

「ニトラス、大丈夫か!?」

『何とか。』

「戦うのが無理ならチェンジするぞ。」

『嫌だ!最後の最後まで戦うんだもん!!』

「分かった。爆裂分身毒針攻撃!!」

『うりゃ!!』

シュゥゥゥン!さっきの5倍ものたくさんのニトラスの分身四が方八方にが現れた。

「いっけえ!!」

ザザザザザ!上からも横からも前からも後ろからも毒針がストライクに向かって飛んできた。

「ストォォォォ!?」

「ストライク!?」

毒針攻撃がヤンだかと思うと、そこには倒れたストライクとうずくまって息を切らしているニトラスの姿が。

「…負けちゃった。だけどこんなにいい勝負は久しぶりだよ。有難う。はい、インセクトバッジ。」

「どうも。」

「ところでだけどさ、君旅してる?」

「まあ、チャンピオン目指して。」

「ならさ、僕も連れてってくれない?」

「別にいいが。」

「有難う!もっともっと強くなりたいんだ!!いろいろ見て回りたいしね。じゃ、ポケモンセンターで。」

こうしてツクシを新たに仲間に入れたカズヒロ。

ところで、余談だがボールの中でリーフはひそかに進化していたらしい。

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マディーン #4☆2003.12/14(日)19:55
第4章 コガネシティ 大勢のロケット団との戦い 

「ここがコガネシティか…でけえ街。」

「ジョウト1の大都会だって聞いたことあるけどここまで広いとは思わなかったよ…。」

「ん?なんだこのチラシ。」

彼は電柱に張られた一枚のチラシを発見した。

「何々…バザー?コガネ百貨店の屋上でか・・。」

「そういえばこんな夏の季節にはバザーが行われるって聞いたな。」

「…ルギアはもうチャンピオンシルバーが捕獲しているぞ。ウツギ博士に聞いた。」

「へぇ〜。今日の夕方、行ってみようか。」

「そうだな。それまで時間あるしジム戦。」

ということで彼等は一旦ポケモンセンターへ。

―コガネシティポケモンジム―

「アカネ!勝負に来たぜ!!」

「あんたが挑戦者やな。」

「そういうこと。俺の名前はカズヒロ。」

「いくんや、ピッピ!!」

「妖精ポケモンねえ。リーフ、行け!!」

『僕にお任せを☆』

「ピッピ、指振ったり!!」

「ピッピィ!!」

…しかし、出てきた技ははねるだった。

「うおっしゃ!リーフ!!急所に向かって葉っぱカッター!!」

『えいえいえいえいえいえい!』

バシュバシュバシュ!鋭い葉っぱカッターが見事にピッピの急所に決まった。

「ピィ・・。」

ピッピ、戦闘不能。スゴイ威力だ…。

「ミルタンク、行ってきたり!!」

「ミルゥー。」

出てくるなりいきなりミルタンクは転がってリーフを伸ばしてしまった。

「リーフ。よくやった。いっけえ!ニトラス!!」

ボンっと繰り出したのはニトラス。

「ニトラス、2度蹴り!転がるに気をつけろ!!」

『おっけ。』

ギュルルル…またしても転がる攻撃。

『うわああ!』

ニトラスは何とかジャンプして交わしたがまだまだ危険だ。

「動きを止める…ニトラス!上空分身毒針攻撃!!」

『うりゃああ!!』

たくさんのニトラスの分身が上に現れ、毒針を一気にミルタンクに向かって放った。毒針の雨である。

「ミルタンク!」

「ミルゥー!」

ミルタンクはうまく交わして何発か食らった程度で済んだが周りを毒針に囲まれてしまった。
このまま転がるで進めば確実に毒+ダメージを食らってしまう。ミルタンクは本能的に危険を察知してそのまま動こうとしなかった。

「チャンス!ニトラス、接近して2度蹴り!」

『えい!!』

毒針を掻き分けてニトラスはやってきた。毒にもともと抵抗力があるので平気なのだ。

『うりゃああ!』

そして2度蹴りが見事にミルタンクの急所に決まる。

ミルタンクは戦闘不能になってしまった。

「荒い技使うなあ…負け,認めるわ。」

彼はバッジを受け取るとジムを出た。

と、その時!!

「ニトラス!?」

そう、ニトラスが進化したのだ。ニドリーナへと。

『進化進化!!』

「良かったじゃねえか!これからもよろしくな。じゃ、とりあえず戻れ。」

出しっぱなしだったんかい、ニトラス。

そしてバザーへ2人は出かけた。

ツクシとカズヒロがバザーで食料やらボールやらを買いあさっている頃のコガネシティ上空では一機の黒い飛行機が飛んでいた。その飛行機には赤色で“R”と描かれていた。

「どうだ?ポケモン達のエネルギーは。」

「たくさんのエネルギーがこの街にも南の草村にも密集しています。サカキ様もこのエネルギーを手に入れたらお喜びになるでしょう。ん?」

「どうかしたか?」

「…巨大なエネルギーの塊があるんです。」

「何!?コガネシティのどこだ?」

「今からコンピュータで割り出します。…コガネ百貨店です。」

「コガネ百貨店!?」

「本当なんですよ、画面のここ見てください。」

「確かに。ところでエネルギー吸収機の調子は?」

「上々です。」

「よし、いくぞ。」

話しをカズヒロたちに戻す。

「さーて食料もボールも必要なものは全部仕入れたし、戻るとするか。」

「そうだね。」

こんな会話をしつつポケモンセンターに戻ろうとした時、コガネ百貨店上空に黒い陰が。

「なんだろう?」

そこには一機の黒い“R”と赤色の文字でかかれた小型飛行機が。

「ロケット団のやろーか。ツクシ、オマエは客を安全な所へ誘導してくれ。俺一人で戦う。」

「分かった。お客さんを安全な場所に避難させたら、手伝いにくるから。」

ということでツクシは客を安全な所へと頃へ誘導、カズヒロはロケット団との戦いに入った。

「さあ!!かかってきやがれ!」

その頃、機内のロケット団員達は…。

「ありゃ?強力なエネルギーの塊が…ただの1人の少年です!」

「何だと!しかし、しっかりしたエネルギー反応が伝わってきている。とりあえずホーミングレイザーで最初弱らせろ。」

「はっ。」

飛行機から出てきた突起に青い光が集まる。そして…。

チュドォォォン!!青い光が強力なエネルギーの塊――即ちカズヒロに放たれ小爆発が起きた。

「やり過ぎたかなあ…。」

「な、な…!」

「どうしましたか?隊長?無傷!?」

そう、アレほど強い光線を食らったというのに彼は無傷だったのである。

「何するんだ、お前等!!」

「オマエは怪物か!?」

「怪物じゃねえ!ただの人間だ!!」

「じゃあ、もうさっさとエネルギーを奪え!」

「はっ!!」

キィィン…エネルギー吸収機が起動し始めた。

「うぐっ…。」

力が吸い取られ始め、カズヒロはあまりの苦しさに肩膝をついた。

「オマエ等の目的は…一体なんだ…」

「サカキ様が永遠の命を手に入れるために、エネルギーを集めることさ!!オマエは強大なエネルギーの塊だ。だから狙った。」

(サカキ!?で、あれがエネルギーを吸収する機械か…破壊しなければ!!)

「今なら…できる!!召喚ポケモン、ミュウ招来!!」

カズヒロは右手を虚空にむかって上げた。青白い光が、カズヒロの手に集まってきた。曇った空に、一筋の光が刺す。

「何しようとしているんだ?このガキ。」

「分かりません…。」

と、その時金色の光が降りてきた。

「な…!」

「あれは・・ミュウ!?」

そう、金色のミュウが目の前にいたのだ。

「架空を迷いし光のミュウよ、悪しき者を雷で滅ぼせ!ミュウサンダー!!」

【見事な召喚術だよ、カズヒロ!】

ピシャアアアン!ミュウから金色の稲妻が放たれた。

「うぐわあああ!」

ロケット団の悲鳴が当たりに響いたと同時に、当たりに金色の光が満ちた。

「ミュウ。アリガトな。」

【やっと召喚術のやり方が見つけられたね。召喚術は気持ちが大切なんだよ……】

ミュウは消えて行った。

「カズヒロ!大丈夫だった!?」

ツクシが屋上にモルフォンに乗ってやってきた。

「ああ。」

「さっきの爆発は…。」

「おまえに話とかなきゃな。」

カズヒロは召喚術やら自分が異世界から来たことやらを話した。

「ふーん。僕も協力するよ。当たり前だけど。」

そしてその日はポケモンセンターで一泊。

翌日、コガネシティを去ろうとする二人の姿が。

旅は続く。
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マディーン #5★2003.12/14(日)20:01
第5章 エンジュシティ3頭の伝説ポケモン

「…聞き込み調査、終了!」

「こっちもロケット団に関する情報は無かったよ。」

「そうか。じゃ、エンジュシティにジムあるらしいし、チャンピオン目指してレッツゴー!」

ということで彼等はジムへ。

「あ?見えないぜ、道が」

「ワカンナイねえ、ほんと。」

どうやら彼等はジムの見えない道に戸惑っているらしい。

「とりあえず…リーフ!!」

『はあい、何かご用?』

「オマエのツルで道がどこにあるか調べてくれないか?」

『分かった。』

ぺたぺた…リーフはツルで道があるところを調べた。

『見つけたよ。』

「しばらくそのままの状態保っておいてくれ。後から回収するから。」

『分かった。』

ということでカズヒロとツクシはリーフのツルを辿ってマツバの元へ。途中拓さんのトレーナーが勝負を仕掛けてきたが呆気なく倒された。

「君が挑戦者だね。」

「いかにも。」

「スゴイ方法思いついたねえ、ベイリーフのツルを使って道を調べるなんて。」

「だろだろ?」

「まあ、その話しは置いといて…勝負だ!いけ、ゴース!!」

「ゴースねえ…。こっちはライル!」

『任せな!!』

出てきたのはライル。

「ゴース!舐めろ!」

「それだけは御免さ!ライル、火炎車!!」

「うおりゃああ!」

ゴォォォ!いつのまにか覚えていた火炎車でゴースを一撃で倒した。

「ゴース…いけ、ゴースト!」

「ゴスゴス。」

「さらにいやーなやつか。ライル、戻れ!いくんだ、リーフ!」

『はあい☆』

と今度はリーフ。

「ゴースト、ナイトヘッド!」

「リーフ、耐えて葉っぱカッター!」

『うぐっ…でやあ!』

ザシュウ!ナイトヘッドを食らったものの耐えきったリーフの葉っぱカッター!急所に当たった為、ゴーストは一撃。

「ゴースト!!次は…ムウマ!」

「ムウッ!」

「夢魔ねえ・・こっちはクラウス!噛みつけ」

『はあい!』

出るなりいきなりクラウスの噛みつく攻撃が発動。
ムウマも一撃でダウンしてしまった。

「最後だ!ゲンガー!」

「ゲンッ。」

ゲンガーは出るや否やいきなりシャドーボールでクラウスをダウンさせてしまった。

「クラウスッ・・悪タイプの技が使えるのは…あとニトラスだけか。頼んだぜ、ニトラス!」

『最後はあたしよ!』

「ニドリーナかい。可愛いポケモンを持ってるね。でも毒タイプはゴースト系に小さなダメージしか与えられないよ?僕の勝ちも同然だね。ゲンガー、シャドーボール!」

「タイプの壁で勝負が決まるものか!そんな常識にとらわれていちゃいけないね。ポケモンを信じないとな!ニトラス!交わして噛みつく攻撃!!!」

『はあっ!』

飛んできたシャドーボールをニトラスは回転ジャンプで交わした。そしてそのままゲンガーに向かって噛みつく攻撃。ゲンガーにはたちまち大ダメージ。

「ゲンガー!シャドーボールの乱れウチ!」

「げげ!ニトラス、とりあえず爆裂分身毒針攻撃!」

『うわあ!了解!!』

シュバババ!たくさんの分身が現れてゲンガーに毒針を浴びせた。効果は今ひとつでも多勢に無勢であればかなりの威力になる。ニトラスは陰分身で何とかシャドーボールを交わすことができた。

「だろ?攻撃はタイプの壁を破ることが出きる。ゲンガーも体力が少ししかないじゃないか。毒で苦しんでいる間に噛みつけ!!」

『えい!』

毒で苦しんでいるゲンガーに追い討ちをかけるように噛みつく攻撃!これでゲンガーは倒れた。

「君には負けたよ…。はい、ファントムバッジ。あとこれ。シャドーボールの技マシンさ。」

「どうも。大切に使わせてもらうぜ。

こうして、彼等はジムを出た。

「なあ、ツクシ。ここって歴史が古い町って聞いたけどどんな古い建築物があるんだ?」

「焼けた塔ってところ。伝説ポケモンが眠ってるって噂があるけど行ってみる?」

「OK.」

ということで彼等は焼けた塔へ。

「うっわ〜…1階と地下室しか残ってないのかねえ。」

「そうなんだよ〜。」

カズヒロ∩ツクシが1歩進んだ瞬間、突然床が割れた。

「うわああああ!」

「た〜す〜け〜て〜!!」

彼等は地下へぶち落ちた。

「あいたた…地下に落ちるとは思ってもなかったぜ。」

「ホントだね・・。」

『召喚士よ…。』

「誰か俺を呼んだかい?」

「ううん。空耳じゃない?」

どうやらツクシには聞こえなかったようだ。

「空耳にしちゃあ、はっきり聞こえたぜ?」

『召喚士よ…我の声が聞こえるか?』

「はっきり聞こえるぜ。ルギア様でもない…だとしたら何だ?」

『我は…水の君主・スイクンなり…。』

「スイクン?」

『我は…ホウオウ様の力によって眠りから覚めることが出来た・・。』

「ほお?」

『今…この世界はロケット団の背後にいる者に支配されかけている。』

「何!?」

『その者の名前は…アーク…魔界の王。その者を倒すのだ…。』

「分かった。」

『聞き分けの良い者だ…我は北へ、エンテイは南へ、ライコウは西へと旅立つ。』

「で?」

『必要あらば、その笛で我等を呼び出すがいい…さらばだ。』

ここでスイクンとの心の対話は途切れた。

「そこにある笛って言われてもねえ…そこにないよ。」

カズヒロが考え込んでいると、突然目の前に笛が現れた。

「これか。」

カズヒロは笛を掴むと、ポケットにしまった。

「さっきのは?」

「あれはな…。」

カズヒロはスイクンとの心の対話を話した。

「へぇ〜。いろいろ大変なことが起きるねえ。アークやら。」

「そうなんだよ。さて、ポケセン戻るか。」

彼等はポケモンセンターで一泊。旅は続く。

第5章 完
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マディーン #6★2003.12/14(日)20:07
第6章 アサギシティ ルギア降臨祭

「あ〜!?ツクシの方もサカキ情報手に入らなかったのか!?」

「うん。」

「実は俺もなんだよね〜。まあ、エンジュシティでスイクンから情報提供してもらったからいいか。のんびり行こうのんびり。ん?なんかチラシが電柱に張ってある。今日、ルギア降臨祭?優れたる操り人∩チャンピオンのシルバー来日?」

「毎年ココじゃ、夏にルギア降臨祭があるらしいよ。海の神様が来るんだって。行ってみない?」

「行ってみよう!…まずはジム戦。時間あるしな。」

ということで彼等はアサギシティのジムへ行くが・・?

「ごめんなさい。灯台のアカリちゃんの手当てをしなきゃいけなくって…。」

ジムリーダーのミカンは灯台から夜道を照らすポケモン・デンリュウのアカリちゃんの手当てをしていて相手ができないと言うのだ。

「で、どうすればアカリちゃんの病気は治るんだい?」

「ここから海の向こうのタンバシティという所の秘伝の薬屋さんがその治療薬を持ってるんです。でも私看病していなきゃいけないし…。」

「ほーお。なるほどね。」

「てなわけで、すいません。」

「…。」

2人は黙ってジムを出た。

「アカリちゃん、可哀相だねえ。」

「そうだな。タンバシティへ渡って薬を取りに行きたいところだが…。」

「波乗りの技マシンを持っていない。」

「どうする?」

「ウツギ博士に電話してパソコン通信で送ってもらう。」

「そりゃいい考えだね。」

ということで彼等はポケモンセンターへ。

「もしもーし、ウツギ博士?」

彼はポケギアで電話している。

「あ、カズヒロ君?図鑑の調子はどうだい?」

「う…いたい所をつつかれたな…それはおいといて、俺タンバシティの方渡りたいんだけど、秘伝マシン3送ってくれ。」

「分かった。パソコン通信だね。で、今どこにいる?」

「アサギシティのポケモンセンター。」

「分かった。回線つなぐよ。」

数分後。カズヒロの手元には秘伝マシンが届いた。

「ふう、これでタンバシティ行って秘伝の薬貰えるな…って波乗り覚えられても乗れないじゃん。」

確かにアリゲイツは波乗りを覚えるが波乗りをするのにはサイズが小さすぎる。

「仕方ない、進化待つか。」

「あ、そろそろルギア降臨祭が始まるよ。行こう。」

ということで彼等はルギア降臨祭を見に行くことに。

アサギシティに街のど真ん中の会場ではど派手な福を着飾った男が司会をしていた。

「皆さん!待ちに待ったルギア降臨祭ですね!なんと今年は優れたる操り人でもチャンピオンでもあるシルバー様が忙しい中来日してくださいました!!」

「キャァァ!シルバーサイッコー!」

「はやく会わせてくれよォ!!」

司会の演説に人々の歓声が上がった。

「スゴイ騒ぎだなあ…。」

「それほどまでにファンなんだねえ。」

「では、シルバー様どうぞぉ!!!!」

突然会場の堤燈が全て消え、スポットライトに赤髪のカズヒロより年上の少年が浮かび上がった。

「シルバー様ですゥ!」

また堤燈に光が灯り、人々の歓声が再び上がった。

「すげえ人気。俺もあんな強いチャンピオンになりてえなあ。」

「カズヒロもチャンピオン目指してるの?」

「あたりきよ。」

「では今からダーツを行います!3回打ってシルバー様より得点が高かった方には月の石を進呈いたします!」

「やるやるやるやるやる!」

カズヒロは手を上げてジャンプしまくった。

「カズヒロ、落ち着きなよ…。」

「おお!そこの君、やってみるかい?」

司会がカズヒロに向かってマイクを向けた。

「やりますよぉ。やらないんだったら手上げてないし。」

「自信はあるのかい?」

「1回ぐらいしかやったことないけど、月の石のためだったらやりますよ!!」

「じゃ、君の名前は?」

「カズヒロです。」

「じゃ、カズヒロ君頑張ってね!!」

「おう!!」

周りから歓声がまた上がった。

こうして、カズヒロは月の石をかけてダーツをすることに。

「まずはシルバー様からの先行です!どうぞ!!」

「はあ!」

的確に狙ったダーツは、見事100点の前にある90点に刺さった。

「せーの!」

一方、カズヒロのダーツは70点に刺さった。

「おーっと、シルバー様優勢です!果たしてこの少年は勝てるのか!?」

「シルバー様どうぞ!」

「はあっ」

ダーツは50点に突き刺さった。

「えい!」

カズヒロの投げたダーツは65点に突き刺さった。あと少しの差である。

「はあっ」

シルバーの最後のダーツは90点に突き刺さった。

カズヒロは慎重にダーツを構えた。そして…。

「頼んだぜ!最後のダーツ!」

ダーツは何と見事100点に突き刺さった。

235対230でカズヒロの勝利である。

「おお!少年が見事シルバー様を破りました!月の石を進呈します!」

「どうも〜!」

見事シルバーに勝ったカズヒロは月の石を受け取ってツクシの元へと戻った。

「カズヒロ!凄かったね!」

「逆転は得意なんでね。月の石ゲットだぜ!」

しばらくフランクフルトやら焼きトウモロコシを買いあさっていると、放送が入った。

「では、次はメインの平和の儀です。皆さん、社へ行きましょう!」

「平和の儀って?」

「この世にはフリーザーやらの神様が君臨してこの世界を護ってるだろ?だから社に飾られた宝珠に祈るんだよ。コトし1年、平和が続きますようにって。で、その社には特殊な結界が張ってあって優れたる操り人と神々しか入れないんだ。」

「へぇ〜。結界破ったらどうなるんだろうなあ。」

「破らないでよ…。」

「破れるわけが無かろう。ん?」

『ちょっとちょっと!』

いつのまにかニトラスが出てきてカズヒロのズボンを引っ張っていた。

「どうした?」

『月の石月の石。』

「これがどうかしたのか?」

『えい!』

ニトラスはカズヒロの手から月の石を奪った。

「ちょ、何する…」

辺りに白く淡い光があふれたかと思うと、ニトラスは進化していた。

「お、進化したか!!」

見事なニドクインの姿である。

「おっしゃ、進化した!!」

『わーいわーい。』

「じゃ、戻れニトラス。」

ニトラスを回収し、再び社へと向かった。

「うわ〜…でっけえ社。」

「本当だなあ…。」

「皆さん、下がってください。こっからは俺じゃなきゃ入れません。」

シルバーは叫ぶと、一人社の中に入っていった。

「確かに、結界張ってある。」

ツクシが社の入り口の鳥居をつつきながら言った。

「出て来い、ルギア。」

ルギアはシルバーにだけ分かるテレパシーで話している。

『私に何か用か。』

「儀だ。」

『分かった。』

ルギアは社の屋根に止まって羽をたたんだ。

「氷の神、炎の神、雷の神、そして海の神よ。今年も平和をこの地に齎したまえ。操り人として、我は神々に願う。」

辺りに光が満ちたかと思うと神々が舞い降りてきた。フリーザー、サンダー、ファイヤーの3匹である。

「キレ―…。」

ツクシはうっとりしてその神々を見つめた。

「うぐっ…。」

ツクシがうっとりしている最中、突然、カズヒロが頭を抱えてしゃがんだ。

「どうしたの?カズヒロ。大丈夫?」

「…黙れ。」

「え?」

カズヒロはそう言うと前に立っていたツクシを押しのけた。

「ちょっと、何するんだよ!」

「いいから静かにしろって言ってんだろーが。」

カズヒロは社の目の前にある鳥居にむかって歩いて行った。

「そこには結界が張ってあるよ!」

「…。」

カズヒロは結界を破って鳥居の中へと入っていった。

「何しに来た!」

シルバーが身構えた。

「ここからでろ。さもなくばルギアのエアロブラストが飛ぶぞ。」

「黙れ。オマエのルギアの力を持ってしても我には敵わぬ。我はルギアと話したい。」

「何を言う!」

『シルバーよ。口を慎め。』

「だが、ルギア…。」

『この者が私と話したいと言っているのだ。少しだけ時間をやれ。』

「…分かった。ルギアに免じて、10分だけ話す時間をやろう。オマエにルギアは答えないと思うがな。」

カズヒロは古代語で話し始めた。
『ポケモン世界のルギアよ。我は召喚世界の王・ルギアなり。今、この者の体を借りて話している。』

『私に何の用だ。結界を破ってまで話すことがあると言うのか?』

『そうだ。いいか、こんな儀をしても今年はこの世を護りきることは出来ぬぞ。』

『何!?』

『サカキが永遠の命を手に入れようとしていることは知っているであろう。この儀が行われれば、普通はサカキの行動は阻止されるが、今回はそうはいかぬぞ。』

『何故だ。』

『サカキを心理的超能力で操っている者がいる。魔界の王アークだ。魔界が崩れかけたとことから、この世界の命を奪って魔界の命を永らえさせようとしているのだ。そしてサカキが永遠の命を手に入れたら闇なる力で強力なエネルギーへと分解し、魔界の命に使おうとしている。』

『笑止!そのようなことは無い。そんなことがあったらとっくにこの世界の拒絶反応が起きていたであろう。』

『アークはその強大な力で拒絶反応を封じている。おまえには分からぬのか、辺りに闇なる力が満ちてきていることが。』

『そのような気配、…最近辺りに満ち始めているが、ロケット団のものではないのか?』

『そう、オマエには初めてなのだろう。異空間からの闇なる力というものは。』

『そうだな…だが、。その少年から放たれるオーラは異世界の者だということを物語っていることは分かる。』

『ところでだが、今年は儀だけでなくそのアークを倒すためにオマエにも協力して欲しい。』

『分かっている。しかしこの優れたる操り人が認めなければ…。』

『大丈夫だ、我が説得しよう。』

『宜しく頼む。』

『我にはどんな壁があろうが人の心を操ることは出きる。この少年が従わない場合、その力を使っても仕方ないということで認めてくれるな?ポケモン界のルギアよ。』

『認める。』

『今回の事件は優れたる操り人とこの世界の神々だけでは阻止できない。だから我は今とり憑いているもの…召喚士を精製し、この世を命をかけてでも護りきることを命じた。』

「10分たったぞ、少年。」

シルバーの冷酷な声がした。

『もう10分たったのか。それでは、説得するとしよう。シルバーよ。』

「なんだ。」

今度はシルバーとルギアだけに分かるテレパシーで、カズヒロは話し始めた。

『我は召喚界の海神ルギア。この世界は今、アークと言う悪魔に狙われている。今回はオマエ1人だけでは護りぬけぬ。だからこの少年を派遣した。協力して世界を救ってくれ。』

「そんなことが本当だと言うのか?召喚界のルギア。」

『そうだ。だからオマエに協力してもらいたい。』

「嘘を言っているな、海神。もうこの世界には異世界からのバリアが張られている。なあ、フリーザー達。」

『このニンゲンは嘘を言っている。』

『私達をだましてこの世界を乗っとる気だ。』

『異世界の気配を持つものは疑わしい。』

フリーザー、サンダー、ファイヤーは口口に叫んだ。

『なぜ信じぬのだ、神々よ。魂の行きつく天国、地獄のほかにもうひとつ、召喚世界というものがあることを知っているではないか。』

『だからと言ってこの者にとり憑く者、本当にルギアか。』」

『この少年の力、尋常でない。』」

『本当に召喚士なら、この者はルギアを召喚できるはず。』

『この少年の力はまだ召喚界の王を召喚するまでの力は持っていない。せいぜい、ミュウまでだ。』

ルギアは反論した。

『…信じることができぬのなら、我が直接この者に力を送り、召喚させよう。』

カズヒロはそう言うと、右手をあげて召喚術詠唱を始めた。もう、カズヒロはルギアの精神が抜けたので、正気に戻っていた。

「召喚界の王ルギアよ…今、オマエを必要としているものがいる。その者のいる、この世界へ来い!!」

あたりに青白い光があふれた。

そして…現れたのは、青いクリスタルのように透き通ったルギア。そしてその供の水色のクリスタルのように透き通ったフリーザー、赤くクリスタルのように透き通ったファイヤー、黄色くクリスタルのように透き通ったサンダーが居た。

その姿は、カズヒロとポケモン世界のルギアと、シルバーにしか見えていなかった。

「なっ…あれが、召喚界の王…ルギア!?」

『そうだ。カズヒロよ、無理をさせたな。』

「いいえ。無力ですいませんでした。」

『シルバーよ、これで信じる気になったか?嘘をついていれば我がここまで来ることは無かろう。』

『そうです。ルギア様は、決して嘘はおつきになりませぬ。』

『そうだ。召喚界の王に相応しき御方だ。』

『これで疑う気は無くなったろう。』

3匹の召喚界の神々は、ルギアの周りを舞いながら、シルバーに言った。しかし…シルバーの反応は予想外の物だった。

「…う、美しい。」

「どうしたんだ、シルバー。」

カズヒロがシルバーに問う。

「フフフ…ポケモンなら、ゲットできる!!」

そう言うと、シルバーは黒いボールを4個とりだして召喚王ルギアと供の3匹の神々に向かって投げつけた。

『愚か者目!』

バリィィィン!ルギアはサイコキネシスでボールを破壊した。3匹の神々も攻撃技でボールを破壊する。

「さすが召喚界の神々。…この者は私がのっとった!」

「その声は…アーク!?」

そう、シルバーはアークにとり憑かれてしまったのだ。

「私の闇なる力を与えよう。ルギア、あいつ等にエアロブラストだ!!」

『シルバー!正気に戻るのだ!!』

ポケモン界のルギアは必死に呼びかける。しかし、シルバーは無反応だった。

「チッ…役にたたん。オマエなんぞ、もういらない。」

そう言い残して、シルバーはテレポで消え去った。

「カズヒロ、大丈夫?」

鳥居の中から出てきたカズヒロにツクシは聞いた。

「体中が痛い…ルギア様がとりついたからだ。大丈夫だ、この位。それにしても、シルバーがアークにとり憑かれるとは…。」

「そう…ポケモンセンター戻ろう。」

ということで彼等はポケモンセンターへ。

そして次の日の朝…。

「なあ、ツクシ。」

「何?」

「あのデンリュウの件だけどさ、俺薬取りにいってくる。で、ニトラスに乗って行くつもりなんだが、ツクシ、留守番しててくれるか?ニトラスじゃ一人しか乗れないし。あと、シルバーが消えて行った方向もあっちの方だ。何かあったらこの笛渡しておくから、スイクンとか呼んでくれ。」

「うん。必ず戻ってきてよ。」

「済まんな。じゃ。」

カズヒロは海辺に言ってニトラスを繰り出した。

「いくぞ、タンバシティへ。」

『分かった。』

ザザ…ニトラスは泳ぎ始めた。

「頑張ってきてねぇー!あ、これ!」

ヒュッ…ツクシが投げたのは1つの秘伝マシン。中身は怪力だった。

「ありがとー!」

カズヒロは叫んでツクシに向かって手を振った。昨日の夜、ルギアは自分の海へ帰った。

はたして、タンバにはどんなことが待ちうけているのだろうか。

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マディーン #7☆2003.12/14(日)20:14
第7章 タンバシティ シルバーとの戦い

「シルバー…正気に戻さなくては。確かにここ、アークの気配が強いんだけどなあ。とりあえず、秘伝の薬とりに行かなきゃな。」

ということで彼は秘伝の薬を売っている店へ。

「…秘伝の薬が欲しい?」

「はあ…灯台のポケモンが元気無くしたもんで。かんなり重傷っすね。いくらします?」

「…それなら仕方ない、この薬ただであげるよ。船がぶつかったりしたら大変だもんねえ。」

「有難うございます。」

こうして薬を手に入れ、彼はシルバーを探し始めた。彼のリーフ、クラウス、ライルは水路で鍛えたためすでに最終形態に進化している。

「シルバーどこだ…あっち、ピアスの反応が強いな。」

彼が言っていたピアスの反応について説明しよう。彼がつけている水色のピアスにはミュウが宿っている。ミュウは彼の探している者の気配を察知して、その気配を彼に伝えているのだ。

「…ん?」

途中、傷ついた光るピジョットが、倒れていた。

「誰がこんな醜いことを…いい傷薬っと。」

彼は持っていた傷薬でピジョットを治療した。更に持っていた木の実を食べさせて全回復。

『…逃げろ!!』

そういうと、ピジョットは突然翼を広げて体制を低くした。

「どうした?ピジョット。わっ。」

突然、吹き矢が飛んできた。彼は間一髪で回避した。

「チッ、外したか。」

「誰だ!?」

そして周りから涌き出るように現れたのは黒服の男達――即ち、ロケット団だ。

「ロケット団員がわんさかと。ピジョット、おまこそ逃げろ。回復したばっかりでフラフラじゃねえか。」

『やだね。オマエには借りがある。その借りを返さなくちゃな。』

「義理堅い奴だなあ。とりあえずいけ、ライル、リーフ、クラウス、ニトラス。」

『俺に任せな!』

『僕に任せてちょうだい!』

『腕が鳴るぜ。』

『任せなさいっ』

5匹のポケモン達は身構えた。

ロケット団の奴等もドガースやベトベターといった、毒系のポケモンをたくさん繰り出してきた。リーフが危険である。

「ニトラスは毒に抵抗力があるからよしと…ニトラス、クラウス、オマエは波乗り!ライルは雷パンチ! リーフは葉っぱカッター!!召喚界のポケモン達よ!今、ここにいるポケモン5匹に力の共鳴を!」

シュワァァ…青く光る雨が、テイル、クラウス、リーフ、ニトラス、ピジョットに向かって降り注いだ。

『な、なんか力が沸いてきたぜ!!』

『うん!』

『ホントホント!』

『このまま行くわよぉ!』

『どうもよ、力。いくぞぉ!!』

召喚界のポケモンとの力の共鳴で、カズヒロのポケモンもピジョットもかなり強くなった、

ドォォン!ポケモン達の全力がぶつかった。そして、ベトベター達を一一気に撃沈。

「くっ!少年を袋叩きだ!」

「お前等は一旦戻れ!」

カズヒロはピジョット以外のポケモンを回収してダガーを構えた。

「うりゃああ!」

ロケット団の一人が鉄パイプを持って飛びかかってきた。

「俺に近づくなぁ!」

その時、強い衝撃波がカズヒロから放たれロケット団員は飛ばされた.

「よし!シルバー様、お願いします!」

ロケット団員の後ろから、シルバーが現れた。シルバーがカズヒロを睨むと、カズヒロは喋れなくなってしまった。

「…!?」

「これで召喚能力は封じた!」

「(やべえわ!!どうすりゃいいんだ!!)」

カズヒロは叫ぼうとしたが、叫べなかった。テレパシーまでが封じられていた。

「(なら、もうかかってこい!最後の最後まで戦ってやるぜ!ライル達、頼んだ!!)」

カズヒロはすべてポケモンを繰り出した。しかし、声が出なければ指示が出せない。

『どうした?カズヒロ。』

「(最強技で攻撃してくれ!俺のことはかまうな、ダガーがある!)」

カズヒロは口を動かして訴えた。テイル達は頷くと、それぞれの最強技で攻撃を始めた。

「召喚士…オマエを倒す。」

シルバーはゆっくりと近づいてきた。

「(掛かってきな…俺は好戦的な性格なんでね。)」

カズヒロはダガーを構えてシルバーを睨みつけた。

「そんなものが、俺に通じるわけ無い。」

ズガァァ!シルバーがカズヒロを睨んだ瞬間、カズヒロが放った衝撃波よりも数倍強い衝撃波が、カズヒロを突き飛ばした。

「(つ、強すぎる!だが、ここで負けるわけにはいかない!)」

カズヒロは、突然思いついてポケギアのメール機能でツクシのポケギアにメールを送った。ツクシもポケギアを持っていたのだ。

その頃ツクシは…。

「メール?カズヒロからだ。…助けてくれ?シルバーに襲われた。声を封じられて召喚能力が使えない?…大変だ!助けに行かなきゃ…そうだ!」

ツクシはカズヒロから預かった笛を吹いた。すると、心地よい風が吹いてきてどこからともなくあのエンテイ、ライコウ、スイクンの3匹が現れた。

「・・カズヒロが大変なんだ!シルバーに襲われてて。連れてってくれ、タンバシティに!」

「クゥゥン!」

スイクンは一声無くと体制を低くしてツクシが乗りやすいようにした。そしてエンテイ、ライコウと何か話すと、エンテイとライコウが先に走り去って行った。

「頼んだよ、スイクン!」

スイクンは、水の上を軽やかに風のように走り出した。

場面をカズヒロのほうに戻す。

「!!」

たくさんの攻撃を受けて体力が無くなりかけたカズヒロに、シルバーは片手に青白い炎を浮かせていた。

「消えてもらう、おまえには…。」

シルバーが炎を構えた・・その時!

「うぐ!?」

シルバーが突然よぎった陰にに突き飛ばされた。その陰の主は…エンテイだった。

「エンテイか…。」

「(ツクシが呼び出してくれたのか。ありがとうよ、エンテイ)」

『口が利けないのか、召喚士よ。』

「(そうさ。でもまだまだ俺は戦える。…多分。)」

カズヒロはエンテイの問いかけに頷いた。

「カズヒロ!!」

スイクンが飛ぶように走ってきた。背にはツクシが乗っている。

「本当に喋れなくなっちゃったの?」

カズヒロはまた頷いた。

「そう…こんなことしてる場合じゃない、戦わなきゃ!いくんだ、全ポケ!カイロスは挟む攻撃!、バタフリー、モルフォン、は毒の粉!ストライクは連続きりで奴等を追い払え!」

「フリッ」

「モルッ」

「カイッ」

「ストッ」

ポケモン達が戦う中、カズヒロも体制を立て直してダガーを構えた。おいおい、そんなにぼろぼろじゃ戦えないぞ。

「まだ来るか…だが、確実に俺がオマエを倒す。」

「カズヒロ、逃げて!!」

ツクシはカズヒロに向かって叫んだ。だが、カズヒロは逃げようとしない。それどころか、ツクシを睨みつけた。

「ど、どうしたんだよカズヒロ…。」

「(オマエの体、わりぃけど借りるぜ!)」

カズヒロはツクシに向かって自分の思念を飛ばした。強い思念でツクシの精神を押しのけ、肉体を支配する。

「な、何するんだよ…。」

ツクシはその場に崩れた。が、また立ちあがった。

「俺はまだ死なないぜ!」

ツクシはそう叫ぶと、呪文の詠唱を始めた。まさかカズヒロ、ツクシの体を使って召喚術をしようというのか!?

「海の衝撃波!!!」

「なっ…。」

ツクシの手から青い光が溢れる。そして突然波がうねりながらシルバーを襲った。

「うぐわああ!」

シルバーはかなりの大ダメージを食らった。

「な、なんなんだ…。」

「召喚術だよ。」

「く、くそぉ!!覚えてろよ!!」

シルバーはテレポで消え去った。

「ツクシ、無理させたな…。」

カズヒロの思念はツクシの肉体から出て行き、もとの肉体に。

「カズヒロ!?大丈夫?」

ツクシが駆け寄ってきた。

「(ああ、大丈夫だ。オマエは?)」

身振り手振りでカズヒロはツクシに返事をした。

「大丈夫だよ、僕も。なんかさっき何かが頭の中に入ってきたような感覚に襲われてそれ以降は覚えていないけどね。なんかつかれた…どうすればその声封じの術は解けるの?」

「どうすりゃ治るんだろうねえ…って俺喋ってる!?」

既に声封じの術は解けていた。シルバーが去ったので解けたのだ。

「良かったね。じゃあ、行こう。」

「ああ。ピジョット、さっきは有難う。元気で暮らせよ。」

『俺も連れてってくれ!』

「は?」

『俺、オマエのような奴と旅するのが夢だったんだ。な、いいだろ?』

「いいが。よし、光るピジョットゲットだぜ!で、オマエの名前は何にしようかねえ…光る鳥・・ライトだ!」

『ありがとよ。』

ということで光るピジョット、ライトを新たに仲間に加え彼らは1度ポケモンセンターに戻った。

「なあ、ツクシ。さっきは有難うな、」

「でも、僕あんまし役に立て無かったよ。」

「おまえは覚えてないだろうが、あんとき俺、オマエを睨んだだろ?その時に俺の強い思念を飛ばしておまえの体、支配したんだ。」

「え!?僕の体を!?」

「ああ、こうするしか召喚術を使う方法は無かったからな。もしかしたら、召喚術をオマエの体を使ってしたらおまえが重態になるかもしれない。でも、これしか方法が無かったんだ。」

「へぇ〜、カズヒロってスゴイねえ。」

「だろ?ところでだが、この街にもジムがあるらしいな。いっていいか?手に入れたしな、秘伝の薬も。」

「そうだね。行こう行こう。」

ということで彼らはポケモンジムへ。

さて、ジム戦はどうなる!?
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マディーン #8★2003.12/15(月)21:43
番外編

「よおー、マディーン!」

「お、カズヒロじゃん。」

「ところでだけどさあ、ワードの世界にしか存在しなかった俺を何でネ
ットの世界に解き放ったんだ?」

「そりゃさ、カズヒロを皆に知ってもらいたかったからだよ。」

「へえー。俺にド惚れしたか?」

「う、五月蝿いっ!確かにオマエをイラストつきで創った時はこりゃで
きすぎだって思ったけどさっ!逃げろぉぉぉ!」

マディーンは飛び立った。
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[106]

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ぴくの〜ほかんこ