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KAZE | #1☆2004.01/04(日)16:15 |
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第1章「リトルラティ」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * マッスグマ ここはリトルラティ島。ポケモンだけが暮らす島。 人間はこの島に立ち入る事は出来ない。 学者達は「リトルラティ王国」と呼んでいる。 王国と言うぐらいだから王様がいる。 ラティオスとその妹ラティアス。 まだ子供なので「リトルラティ」と呼ばれている。 ふたり(人間から見ると2匹だが、わかりやすいのでふたりとしておこう)はリトルラティ島の真ん中らへんに位置する<リトル城>に住んでいる。 今日もだれかが城にやってきた。 「王様〜!」 そう言って飛び込んできたのはマッスグマだ。 「どうしたのだ?」 「大変です。とにかくすぐ<オタチ族>の村まで来てください!」 「よしわかった。ラティアス!たびの準備だ!」 「わかった。お兄ちゃん。」 ふたりは<オタチ族>の村へと飛んだ。 |
KAZE | #2★2004.01/05(月)19:14 |
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第2章「オタチたちの村復活計画1」 ラティオス ラティアス * ザン * オオータチ リトルラティが来てみると<オタチ族>の村は荒れ果てていた。 「マッスグマ、どうしてこんなに荒れているのだ。」 「詳しいことは長老オオータチ様にお聞きください。」 リトルラティは長老の家(実際のところは巣穴)へ入った。 「おぉ。よく来てくれた。経緯を話してやろう。実はな、<ツチゾウ族>が襲ってきたんじゃ。それで、村の者はみな、やられてしまったのじゃ。残っているのはわしと、娘のオオタチだけなのじゃ。」 「わたしです。」 横にいたオオタチが顔を上げた。 「ひどいですね…」 ラティアスが言った。 「それでな、おまえさんたちにこの村を復活させて欲しいのじゃ。どうじゃ、やってくれるか?」 「喜んで。」 ラティアスが答えた。 「勝手に答えるんじゃない。」 「いいじゃない。困った人たちを助けてあげるのが私たちの仕事よ。」 「わかったよ。」 ふたりは意気投合した。 「まずは、私たちだけじゃできないから、近くに住む<ネコイタチ族>のザングースさんたちに頼みましょ!オタチ族とも仲がいいし。」 「そうだな。」 ふたりはネコイタチ族の村へと来た。 「で、おれたちは何をすればいいんだ?」 ネコイタチ族の若頭のザンが聞いた。 「木材を運んだりするのよ。あと、オタチ族とネコイタチ族の村の合併もしたいの。オタチ族にはもうふたりしか残っていないから。」 「わかったぜ。オタチ族のこととなればどんなことでも協力してやるぜ!」 「ありがとう!」 こうして、オタチたちの村復活計画が実行に移された。 |
KAZE | #3☆2004.01/04(日)20:28 |
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第3章「オタチたちの村復活計画2」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * ザングース * オオタチ 「よいしょ、よいしょ。」 みんな汗(ポケモンから汗が出るのかはしらない)を流して働いている。 半分のザングースが木材を運び、リトルラティがねんりきで木材を組み立てる。 そして残り半分のザングースは、道をきれいにしたり、ネコイタチ族の村とオタチ族の村の間の策を取り壊したりした。 ネコイタチ族のみんなが見守っている。 そのころ長老オオータチは家の中で娘のオオタチを話をしていた。 「もう娘はおまえだけだ。結婚できるような男もいない。だからネコイタチ族のザングースと結婚して、なんとかオタチ族の血を残してくれないか?」 「お父さんの頼みなら…オタチ族の血を残すためなら…」 オオタチは了承した。 そのころ、村は着々ときれいになっていた。 「みんな、あとちょっとよ。頑張って。」 「よし、みんな、頑張るぞー!」 ザンが気合を入れる。 だが、誰も気が付いなかった。 昨日降った雨で、近くの山が土砂くずれを起こしているのを。 しかし、もう手遅れだった。 土砂が村に流れこむ。 「うわぁ!」 「みんな逃げて!」 「速く逃げるんだ!」 リトルラティは、上空に逃げ、ザングースたちは土砂の来ないところへと逃げた。 「おい、長老のじーさんとむすめさんはどーすんだよ!」 しかし、長老の家(巣穴ね)は土砂に埋まっている。 「早く助けないと!」 「だけど、もう穴ん中まで土砂が入ってるぞ!」 「どうしよう…?」 「ラティたちの念力でどうにかならないのか?」 「わかんない。やってみるわ。」 こうして、オオタチの救出が始まった。 |
KAZE | #4☆2004.01/04(日)20:55 |
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第4章「オタチたちの村復活計画3」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * ザングース 救出する事は困難だった。 土砂で、オオタチがどこにいるのかさえわからない。 リトルラティはカンで巣穴を探した。 「ここよ、お兄ちゃん!」 「よし、掘っていくんだ!絶対にオオタチを助けるんだ。」 「掘るぞ!」 ザングースたちは、穴を掘っていく。 だいぶ掘るのは楽。 「よしその調子だ!」 「オオタチが見つかりました!」 一人のザングースが言った。 「ほんとか!」 「ただ、息はしていないようです。」 とつぜん辺りは静かになった。 「そんな…息がないなんて…」 「俺が何とか助ける!」 そう言って踊り出たのはラティオスだった。 「サイコウェーブでショックを与える。」 「頑張って、お兄ちゃん!」 だが… 懸命な救出作業にも関わらず、助ける事は出来なかった。 「ごめんね…」 「すまんな…」 結局、オタチ族の村の土地はネコイタチ族の物となった。 リトルラティたちはツチゾウ族の村へと向かった。 敵討ちのために… |
KAZE | #5☆2004.01/04(日)22:56 |
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第5章「敵討ち1」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * ザングース ドンファン 「ここがツチゾウ族の村ね。」 「誰だ!?」 突然声がした。 「リトルラティだ!」 「嘘をつくな。リトルラティ様がこのようなところを訪れるはずがない。」 「ここに来たのは理由があるのよ!あなたたちの襲ったオタチ族の敵を討つために。」 「バカな事を言うな!」 「きゃぁ!」 ラティアスが叫んだ。 ドンファンがいきなり現れて、ラティアスに突進したのだ。 「大丈夫か?」 「ばれてるならしょうがねぇ。」 ドンファンの大群が襲ってくる! 「ラスターパージ!」 ドンファン達が倒れる。 だが、ドンファンはまたもや大群で襲ってくる。 「こぉりゃぁ!」 「ん?」 ラティオスの目の前で、ドンファン達がひっかき傷を負って倒れてる。 はげしい砂ぼこりがおさまった時、目の前にはザングースのザンがいた。 「どうして、いたんだ?」 ラティオスとザングースは一旦、ネコイタチ族の村に戻っていた。 そしてここはザンの家。ザンの横にはラティアスが寝ている。 「あぁ…俺も一応オタチたちの仲間だからな。あ…俺は忙しいから敵討ちのお手伝いする暇ねぇけど、いいこと教えてあげるぜ!ツチゾウ族はどんなに倒しても出てくるぜ!長老を倒さない限りな。」 「なんだと…?」 「あぁ、俺も詳しいことしらねぇけど、長老はドンファンじゃなくて、年取ったゴマゾウだ、って話だぜ!」 「ありがとう。今晩はここに泊まらせてもらうよ。ラティアスも怪我治ってないし。」 「リョーカイしたぜ!」 こうして、ザンの家で敵討ちに備えることとなった。 |
KAZE | #6★2004.01/05(月)19:14 |
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第6章「敵討ち2」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * ドンファン ラティオスが起きた。 ザンはいない。どうやら、狩に出かけたようだ。 ラティアスは怪我も治っているようで、すやすやと眠っている。 「お兄ちゃんがココにいて…」 「ぇ?」 思わずラティアスの方を向くと、寝言だった。 ラティオスは朝の日差しを浴びるため、外に出た。 いい天気だ。敵討ちには絶好の天候。 だが、そんなにのんびりとしていられない。 旅支度するためにザンの家に戻った。 ラティアスが起きていた。 「お兄ちゃん、どこ言ってたの?」 「あぁ、気分転換に外へ出ただけさ。」 「そう。じゃ、行こう!」 「そうだな。行くとするか。」 ふたりは旅立った。 ツチゾウ族の村の前。 「絶対に隙を見せるな!隙を見せたら俺たちの負けだ。」 「うん。わかってる。」 「懲りないやつらめ!」 地面からドンファンの大群が襲う。 「ラスターパージ!」 次々とドンファンたちが倒れていく。 「きゃっ!」 「どうした?」 「こっちからも…」 「くそっ!飛んで逃げるぞ!なんとしてもゴマゾウを倒すんだ!」 「わかった!」 ふたりは一時、空へと逃げた。 「ふぅ…あんなの倒しても倒しても出てくるじゃない…」 「ゴマゾウを見つけた者勝ちだ!ドンファンがどこから出ているのか見てみろ!」 ラティアスは目を凝らしてドンファンの出所を調べる。 「あそこよ!」 ラティアスは吸い付けられるようにして、地上へ向かった。 「おい待て!」 しかし声は届かず、ラティアスはそのまま行ってしまった。 ラティオスはとりあえず、ラティアスを追った。 |
KAZE | #7☆2004.01/05(月)19:49 |
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第7章「敵討ち3」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * ゴマゾウ * ルギア 「どこだー!!ラティアース!」 ラティオスが叫ぶ。 なぜか、ドンファン達はいない。 「お兄ちゃぁん!」 ラティアスの声が聞こえた途端、地面から何かが出てきた。 「これは…」 ひょっこりとラティアスが顔を出した。 「年取ったゴマゾウの長老さんよ。結構疲れたんだから。」 「そうか…すまなかったな…おまえにだけ苦労させて…」 「いいよ、別に。わたし、苦労するのが好きなの。いっぱい苦労したら、神様がわたしに幸せをくれるの。昔お母さんが言ってたの覚えてないの?」 「そんなの覚えてない。。。お母さんのことなんて、覚えときたくもない。」 「どうして、そんな悲しいことを言うの?」 「おまえは知らないだろうけど…お母さんは病気で死んだんじゃない。殺されたんだ。」 「え…?誰に?」 「俺も詳しいことはしらねぇ。でも、そいつはヘビのようなやつだったらしい…」 「誰が言ってたの?」 「ルギアのじいさんだ。」 「へぇ…」 「つまりだ。俺たちはもう一回敵討ちをしないといけないんだ。」 しみじみとラティオスが言う。 「おー。そこにいたか!」 しわがれた声… 「ルギアのじぃさん!」 「気付いたか。話を立ち聞きしていたのだが、敵討ちにはまだまだ早いぞ。」 「どういうこと?」 いつも疑問文しまくるラティアスの質問。 「つまりだ。お前たちが敵討ちをしにいっても、失敗するってことだ。」 「じゃ、私たちにはまだ実力が足りないってこと?」 「そうじゃ。わしに勝てないんじゃからな。」 「(じぃさんを倒せば認められるのか…)」 ラティオスは、心の中でつぶやいた。 |
KAZE | #8☆2004.01/06(火)20:46 |
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第8章「強くなるために」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス * ルギア ラティオスはどうすれば強くなれるのか、部屋で考えていた。 ずっと考えていた。 昨日も寝ていない。何たって、母親の敵を討つためだから。 「そうだ!修行を積めばいいんだ!」 ラティオスは思った。 そして、ラティオスが部屋の外に出ようとしたそのとき。 ルギアじいさんが部屋に入った。 「いいか。ラティオス。修行を積むだけでは敵を討つことは出来ない。まず敵が誰なのか。調べないといけない。そして、その相手に適した戦い方を学ばないといけないのじゃ。」 「わかった。お母さんを殺したやつを調べてみるよ。ラティアスにも頼んで。」「よし。頑張るんじゃぞ。」 ラティオスは部屋を出た。 「どうしたの。お兄ちゃん?」 「あ、おまえに調べてほしいことがあるんだ」 「何を調べたらいいの?」 「お母さんを殺した奴を調べて欲しいんだ。」 「別にいいよ。」 ラティアスは慣れない手つきでパソコンを立ち上げた。 検索ボックスに入力された言葉 「体を貫く毒の使い手」 その頃ルギアじいさんは、ホウオウのお母さんとルギアのお父さんの写真を見ていた。 だが… 毒の魔物がルギアのじいさんを襲った。 ――――ドスッ!―――― 毒の槍がルギアのじいさんを貫いた。 「う、ぐぐぁぁ!」 ルギアのじいさんその場に倒れた。 うめき声を聞いて二人が駆けつけたときにはもう遅かった。 |
KAZE | #9☆2004.01/07(水)18:27 |
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第9章「敵討ちへ〜新たな仲間〜」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス ザングース * ホウオウ(回想) ルギア(回想) 「おじいちゃん〜!」 「じいさん。しっかりしてくれよ!」 ふたりはルギアのじいさんにすがりついた。 だが、目を覚ます事はない。 と、ザングースのザンが入ってきた。 「よう。おまえたちのじいさんが死んだって聞いて、慌てて駆けつけたぜ。」 「すまんな…」 「お、そうそう。このじいさんを殺した奴の名前知ってるか?」 「しらないわ。」 ラティアスが首をかしげる 「たぶんハブネークだと思うぜ。」 「はぶねぇく?」 ふたりの二重唱(デゥエット)が部屋に響く。 「あぁ。俺たちネコイタチ族の古くからのライバルだ。毒による攻撃は溜まったモンじゃないぜ。」 「ありがとう。本当に助かったわ。」 「ここで、さよなら。というはずだったが、敵討ちに参加してやっていいぜ。なんたって、今までずっと決着のつかないライバルだからな。」 「ほんとに?助かっちゃうわ。」 ラティアスがはしゃぐ。 「ザンがいいのなら参加してくれたっていいぜ。」 ラティオスが言った。 「お兄ちゃん。許してくれてありがとう!これで仲間が増えるのね。大助かりだわ!」 「これからよろしくな!」 「こちらこそ!」 ラティアスとザンは言い合った。 そのころラティオスは5年前の事を思い出していた。 ホウオウ母さんは自室で編物をしていた。 「ふ〜ん♪ふ〜ん♪」 鼻歌混じりで手編みするお母さん。 ひざでは、ラティアスが寝ている。 「よい子だねぇ。」 お母さんはしみじみという。 そのときだった。 ――――ドスッ―――― お母さんの背中に何かが刺さった。 お母さんははっと振り向いたが誰もいなかった。 そしてお母さんは事切れた。 お母さんの持っていた手編みが、ラティアスの頭の上に落ちた。 そのときのふたりには、親が死ぬと言う事は考えられることではなかった。 ふたりが経験したはじめての「死」だった。 そして翌年にはルギアのお父さんがノイローゼで倒れてしまった。 |
KAZE | #10☆2004.01/07(水)21:49 |
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第10章「敵討ちへ〜島の東1〜」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス ザングース チルタリス * ハブネーク? ラティオスたちは島の東に向かっていた。 ザングースは、仲間のチルタリスに乗っていた。 「でも、そのはぶねぇくだったけ?本当にどこにすんでいるのかわかるチル?」「あぁ。俺はこう見えてもネコイタチ族の若頭だ。それぐらいは知っている。」 「馬鹿にしないで欲しいチル!」 「それはこっちの台詞だ!」 激しい言い争いが続く。 「すごいわね。あのふたり…」 「きっと幼馴染だろう。幼馴染じゃないとあんな喧嘩は出来ない。 「きっとね…」 リトルラティ島の東の果て。 「ここからどう進むんだ?」 「ピタゴラスのハブネーク」 と呪文を唱えた。 「何が始まるんだろう?」 わくわくした感じのラティアス。 「シッ!今大事なところだからしゃべっちゃダメよ。」 チルタリスが注意した。 「ピタゴラスのハブネーク、ピタゴラスのハブネーク祭ぃ!」 呪文がやんだ。!」 「まぁ落ち着け!」 突然静かになった。 すると突然、周りの岩が地中に沈んでいく 「こんな仕掛けだったなんて…ハブネークも嫌らしい奴ねぇ。」 まるで主婦の井戸端会議のような調子でチルタリスがしゃべる。 「ここからは俺もよくわからねぇんだ。絶対罠があるはずだ。ここはかんでいくしかないか…」 「カンのことなら私に任せて。」 チルタリスが踊り出た。 「私、近所でも結構有名な当て物屋なんだから。」 「へぇ〜、そうなんだ。意外だね。」 ラティアスが感心している。 「うーん。うーん。わかったわ!西の方向に17歩歩いた後北に129歩歩くとたどり着くわ。」 「かなり詳しいのね。」 「じゃ、数えながら歩きましょ!」 「1、2、3、4、…」 数えながら歩くラティオスたち。 「こっから北に行くのよ。」 「1,2,3,4、…」 また数え始めるラティオスたち。 ちょうど北に129歩歩いたそのときだった。 とつぜん、地面が落ち始めた。 「な、なんなのこれ?」 「どうやらチルタリスのカンが当たったようだぜ!」 「また当たっちゃったわ。なんかうれしいわ。」 「いや、カンが当たったとも限らないぜ。これは罠かもしれない。」 さめた感じでラティオスが言う。 「そんなこと言ってたら敵討ちなんか出来ないよぉ。」 子供みたいにラティアスが言う。 「ま、それもそうだがな。」 話が絶えた頃、地面の動きが止まった。 奥に道が続いている。 「行きましょう。」 「なんか怖い感じね。」 ラティアスが言う。 その通り、道は薄暗くあまりいい感じではなかった。 そのときだった。 何かが飛んできた。 その瞬間に ――――ドスッ!―――― という鈍い音がした。 見るとザングースが胸から血を流している。 刺さっているのは土色のようなトゲのような物。 「大丈夫?」 さすがにこれにはチルタリスも驚いている。 「あぁ。俺は大丈夫だ。免疫力がある。」 「で、でも血が…」 チルタリスの顔がおびえている。 「大丈夫だ。このくらいの傷、ほっとけば直る。」 「でも…このトゲみたいなの抜くからちょっと辛抱してね…」 チルタリスの目からは、すでに涙が溢れている。 「バカやろう!このトゲ抜いたら余計血が出て、それこそ死に繋がる。血が止まってから抜くんだ。」 「わかった…」 血が止まってから抜くと、出血は少なかった。 |
KAZE | #11★2004.01/08(木)22:54 |
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第11章「敵討ちへ〜島の東2」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス ザングース チルタリス * ハブネーク 「ふぅ。これで安心ね。」 チルタリスが言った。 「そうもいえないぞ」 ラティオスが突然口をはさんだ。 「相手は敵の隙を全く見逃さないほどのやつだ。」 「じゃぁ、今も私たちを狙っているということ?」 「そのはずだ。だから、気を抜くなってことだ。」 「ラジャ!」 何故か、全員声がそろう。 「よけろ!」 突然ラティオスが叫ぶ。 そしてなぜか同時に全員が伏せる。 ――――ヒュッ―――― 何かがチルタリスの背中の上をとおった。 そして何かが地面に刺さった。 「なんなの?」 「ふっふっふっ!」 誰かがラティアスの前に立ちはだかった。 「誰…?」 「ハブネークだ!正々堂々と勝負しようじゃないか。」 「わかった。」 ラティオスが挑むようだ。 「わかった。」 「じゃ、私が審判してアゲルわ。」 チルタリスが前に出た。 「試合開始チルー!」 今、怪しげな地下通路でラティオスたちの敵討ちが始まった。 |
KAZE | #12☆2004.01/10(土)22:07 |
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第12章「島の東の敵討ちから協力へ」 <登場ポケモン> ラティオス ラティアス ザングース チルタリス スイクン ハブネーク アーボ 「毒針!」 「ふっ!」 「ラスターパージ!」 「へなちょこ技を出すな!」 激しい戦いが繰り広げられている。 「頑張って、おにいちゃん!」 「ハブネークさん。頑張って。」 応援席(近くにあった岩を使って作られた)のほうも盛り上がっている。 ハブネークの応援には、仲間のアーボが来ていた。 「どく槍!」 ザングースに刺さったものと同じ物が飛んでくる。 「おにいちゃーん。よけてー!」 応援のためか、ラティオスは十二分に力が発揮できている。 「このままでいくと、先に力がなくなったほうが負けだな。双方共に互角だ。力が出し切れなくなった方が負けだ。」 「どうやら今のところはラティオスが有利チル。」 ザングースとチルタリスは、ちゃっかり解説席(これも岩製)に座っている。 「もうラブラブなんだから。」 ラティアスが言った。 まさにそのときだった。 ラティオスのラスターパージがみごとに命中した。 「ハブネークさん!」 沈黙が続く。 みんなが見守る中で、ラティオスとハブネークは会話していた。 「やるんだったらやるんだな。」 ハブネークは、もう諦めているようだ。 「それは出来ん。心で罪を償われてもこっちが困るだけだ。遺体を墓地に送らないといけないしな。そうだな、俺たちと協力して、この島をもっとよくするために協力するってのはどうだい?」 「そうだな。俺だって本音は、死ぬのはごめんだ。協力して、それなりの食事をさせてくれるんだったらいいぜ。」 どうも、ハブネークの目的は“賃金”ではなく、“豪華な食事”のようだ。 「あぁ。豪華な食事はいくらでもある。」 「そうか。じゃ、そうさせてもらうぜ。」 そのとき、ハブネークは倒れてしまった。 「おい、大丈夫か!」 慌ててザングースも駆けつけてきた。 「脈(ヘビにそんなものがあるのかは知らないが)はある。だが、早く城に運んだ方がいいのは確かな事だ。」 「わかった。」 ラティオスたちは地下通路から外に出た。 島の上空を飛ぶラティオス一行。 ハブネークはチルタリスの上に横たわっている。 一刻も急がなければならない。 おしゃべりするものはいない。 10分ほどの空旅で城についた。 「おい、こいつは大丈夫か!助かるか!?」 ラティオスは軍医のスイクンにハブネークを見せた。 「まぁ、助かる事は助かるだろう。安心しなさい。」 「よかったね、お兄ちゃん。」 「あぁ。」 ふたりの笑い声が響いた。 |
KAZE | #13★2004.01/15(木)21:16 |
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第13章「ぼくたち虫っ子!」 <登場ポケモン> ラティアス チルタリス * ビードル キャタピー ケムッソ 青空が広がる。 リトルラティには平和が訪れた。 ラティアスも昔のように洗濯物を干している。 おかあさんのかわりはチルタリスだった。 家事は得意のようだ。 ザングースは、みんなのお兄さん的存在。 リーダーのようにみんなをまとめてくれる、相変わらずの頼もしい存在である。 ハブネークはといえば… 敵同士の頃とは違い、ワルガキな感じだ。 そう、平和が長く続くはずだった。 だが、そうはいかなかった。 ラティアスは昨日のように洗濯物をしていた。 「いい天気チル。」 チルタリスは相変わらずののどかな雰囲気をかもし出している。 「きゃー!!」 突然ラティアスが叫んだ。 「どうしたチル?」 「む、虫…」 そう、ラティアスは大の虫嫌い。 昔から家族を悩まさせた。 「ぼくたち虫っ子です。」 小さな声が聞こえた。 「キャタピーにビードルにケムッソね。どうしたチルか?」 「ぼくたちラティオス国王に挑みに来たんです。」 小さな声がもっと小さくなる。 なぜなら、チルタリスは虫たちの天敵だからだ。 「うーん。無理チルね。大きさから考えて無理チルよ。大きくなって、成虫になってから挑みに来るチル。」 チルタリスが言った。 「国王さんは、ぼくたちよりも強いのですか?僕たちが1万匹いてもかなわないのですか?」 「うーん。1万匹もいたら勝てるかもしれないチル。でも今の状態じゃ無理チル。」 「じゃ、仲間を大勢呼んでくる。ヘラクロスのお兄さんなら絶対勝てる!だから…それまで待ってて欲しい!」 「ぁゎゎ…」 どうも大変な事になりそうだ。 「ヘラクロスまで呼ぶとなると、ラティオスさんも危険チル…」 不安そうにチルタリスが言った。 「お兄ちゃんは、だ、だ、大丈夫な、な、なのでしょうか…?」 ラティアスが震えながら言った。 「大丈夫チルよ。」 そういうチルタリスも少し不安なようだ。 |
KAZE | #14☆2004.01/15(木)21:35 |
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第14章「暗闇」 <登場ポケモン> ザングース チルタリス ハブネーク なぜだろうか。 朝の9時なのに、まだ暗い。 曇っているからではない。 まるで、夜のような暗さなのだ。 それも、とてつもない暗さ。外に出てても何も見えないくらいである。 そんななか、チルタリスが一番に起きた。 「な、なんだ。まだ夜チルか。じゃ、まだ寝ーとっこっと。って、ちょっと待つチル、時計は午前の9時チルね。なんでこんなくらいチル?」 チルタリスはその暗さに気付いた。 「なんなんだ。うるさいな。」 ザングースがチルタリスの声に目が覚めたらしく、ぶつくさ言った。 「そんなことよりも、時計見るチル!」 「時計がどーした?え?なんで、朝の9時なんだ?外は暗いじゃねーか!」 「それが言いたかったチル。ラティアスちゃんたちに知らせるチル!」 「そうだな。これは知らせたほうがいい。」 ふたりは、部屋を出た。 ハブネークの部屋。 ハブネークはベッドで寝ている。(みるとちょっと不自然) 「ハブネークさん。起きるチル!」 「なんだ。まだ眠いハブ!」 チルタリスは事情を説明した。 「どうもやっかいなことだな。頭に引っかかるハブ。」 3人になって、今度はラティオスとラティアスの部屋へと向かった。 ふたりともいない。部屋は抜け殻のよう。 「どうしたのかしら?いつも、10時ごろに起きてるのに…」 「誰かが連れ去ったんだろう。そしてその連れ去った奴がこの暗闇の原因を作ったのだろう。」 3にんは、ラティオスとラティアスを探しに行った。 そのころ。ラティオスとラティアスは、どこか狭い所に入れられていた。 ふたりともほぼ同時に目を覚ました。 「ここはどこ?」 ふたりは戸惑った。 遂に、リトルラティ島に危機が訪れた。 そしてこの危機が、島を窮地に追い込む事になろうとは、このときのふたりには知る由もなかった。 つづく。 長くなったので、第15章から別のスレッドになります。 |
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