ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

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[570] マサラタウン〜静かな時を刻む町〜

ゼニゼニ #1☆2004.11/24(水)17:57
【第52話 再会のマサラタウン】
サンダー「ボルト!ファイトだぁ!」
イワヤマトンネル内。サンダーはボルトに気合を入れていた。
いやはや,新装開店(?)にしてはありえないところから始まっております。
アクア「サンダー?もういいからさ。ボルトがかわいそうだよ。」
アクアの言葉にサン達が激しく同意した。それは誰が見てもそうだった。4人がうなずいたからだ。
サンダー「でもそんなことしたらここ抜けられなくなるぞ!・・っ」
サンダーが何かをもう一度言いかけたとき,アクアがサンダーの腰からボールを引ったくり,ボルトにむけた。
一方サンダーのポケモンのはずのボルトは,電機の出しすぎで疲れていたので爽快な顔をしてボールに戻っていった。
とたんに辺りが暗くなった。スターが準備をしていたおかげで,次の瞬間には明るかった。
サンダーは渋い顔をしながらアクアからボールを受け取った。
アクアはサンダーがポケモンに対してこんなことを言うなんて考えられなかった。サンダーはいつもポケモンを大事にしていたからだ。
だが今日のサンダーは何かを急ぐかのようで張り切ってもいるようだった。
イエロー「サンダー,アクア言った通りだよ。そんな渋い顔しないで。」
サンダーはイエローに鋭い視線むけた。
サンダー「イエロー…お前は何時からオレを呼び捨てにするようになったんだ?」
サンダーとイエローはサント・アンヌの時から上手くいっていなかった。(それ故にイエローの台詞も激減していた。)
イエローはうつむいたまま黙っていた。
ムーン「まあまあ,早く行かないとサンダーのお友達の約束に間に合わないぞ。シオンタウンって言ったら,未だ先だし…。」
???「シオンタウンのフェリト家(パープルの名字)に行くのか?!」
あまりに突然だったので,6人は四方八方を見回した。
声の低さから,男性だろう。いつぞやのコウキよりかは低くなかったが,大体見当がついた。
???「ここだ,ここだ。」
がっちりとした体つきの男性が暗闇から現れた。アクア達が呆然としているので,男性が先に話し掛けた。
???「オレの名はヒロキだ。君達もシオンタウンに行くんだろう?なら…」
そのヒロキというやつはもう一言言っていたが,サンダーはその場から立ち去っていた。
サンダーは好きな人・尊敬している人・いたってなんでもない人にはほぼ平等だが,嫌いな人にはとことん嫌いなのだ。(マクコナガ・・(殴))
なぜサンダーが逃げ出したかと言うと,ヒロキの話し方がありえないほど威張りくさっていたからだ。
ヒロキ「コ〜ラ,コラ(?)何逃げてるんだ?」
サンダーはかまわず先を急いだ。
アクア達は,ヒロキに申し訳ないと思いながらも,サンダーについていった。
サンダー「ああいうのには関わらない方がいい。後で面倒な…。」
サンダーは後ろを向いて喋っていたが,途中で言葉を切った。
ゴオオォォ…
何か巨大なものが近づいている。
ヒロキ「イワークだァァ!!」
ヒロキが血相変えてその巨大なものから逃げていた。
アクア達もあわてて逃げ出した。誰かが恐怖のあまり叫んだが,アクアはそれが誰だかわからなかった。
途中でヒロキが横道に逃げ,イワークもそれについていったので,アクア達はもう逃げる必要がなくなっていた。
サンダー「だ〜から,」
疲れきって息を切らしているとき(ムーンは除く),サンダーは言った。
サンダー「言っただろ?後で面倒なことが起こるって。」

まあそんなことで,イワヤマトンネルを向けた一行。
疲れた〜,と一息ついている頃,誰かから声をかけられた。
???「オイ,そこのお前ら!」
サンダーがふにゃと顔を上げた。どうやら男性のようだ。日で顔は拝めなかったが,いつぞやのあいつらくらいの年齢だとサンダーはさとった。
???「そう。お前らのことだ!イワヤマトンネルをポケモン無しで抜けるなんてできっこない。お前ら,ポケモントレーナーだな?」
サンダーはコクリ頷いた。
???「よ〜し,決まりだ。オレの名はケンタ。その黄色い目のお前!オレとバトルだ。」
サンダーはいきなり目を覚まし,わが耳を疑った。
こんなに疲れているのにバトル?冗談じゃない。
しかし相手はやる気にあふれている。
このバトル,サンダーは勝つことが出来るのでしょうか?新シリーズ初バトルは,次回!(ちなみにヒロキはいまだにトンネル内でさまよっております。)
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ゼニゼニ #2☆2004.11/27(土)11:40
【第53話 再会―いつぞやのあいつら―】
サンダーはしっかりと地に足をつけ,ベルトに手をかけた。
ケンタ「そうこなくっちゃ。ルールは2対2で。ダブルバトルじゃないぞ。どちらか二匹がたおれたら試合終了な。入れ替え有り!」
ケンタが機嫌よさそうに言った。
サンダーは疲れていたが,ポケモン達は疲れていなかったので,ボールの向こうからのサンダーの呼びかけに答えてくれた。
ケンタ「よおぉっし!いっくぞ…。」
しかし言葉は途中で切れた。後ろから声がしたからだ。
???「あっれ〜?ケンタ君じゃん。」
サンダーとやっと復活したアクアは血の気が引くような気がした。
『いつぞやのあいつら(♀)』まさにそいつらだったからだ。
あのメンバーでいて愉快だったことは無い。話に入っていけないのだ。
ハルカ「それにアクアちゃんたち!久しぶり!パープル嬢のお誘いできたね。」
ミサト「久しぶりなのかどうかは不明だけどね。」
二人ともとてつもなくにこやかだったか,サンダーはなんとなく目をそらしてしまった。
アクア「ミサトさん達はこんなところで何してるんですか?」
アクアがなるべく普通に聞こえるように話し掛けた。
ハルカ「これからパープル嬢の御実家でオレらの同窓会があるのだ。」
ミサト「招待されなかった人も中には何人かいるけどね〜。」
二人はくすくすと笑った。(パーバティとラベンd(強制終了))
サンダー「で?」
サンダーは渋い顔をした。
サンダー「その呼ばれなかった一人がヒロキって言うんですか?」
ハルカ達が今度はゲラゲラと笑い出した。
ミサト「違う違う,呼んだには呼んださ。」
ハルカ「時間はだいぶ違うけどね〜。」
二人はヒーヒー言いながらアクア達に招待状差し出しリスト(?)を見せた。
それはトレーナーズスクール時代の名簿を印刷しなおしたものらしく,アツシの名前も書いてあった。
ハルカの下がユキとあり,その下がヒロキで赤いマーカーで塗りつぶしてあった。赤いのが時間をずらして呼んだ証拠だろう。
そして最後から二番目がアツシで,今度は黒で塗りつぶしてあった。その黒いのはほかに三つくらいあった。
そして,ユウヤやコウキなんかは黄色で塗ってあった。
サンダー「この黒いのはロケット団ですか?」
サンダーが名簿を見つめながら言った。
ハルカ「そう。そしてこの黄色いのがロケット団対策本部のメンバー。」
アクアが名簿を見て対策本部の名を探すと,結構見慣れない名前も入っている。
ミサトがカバンに名簿をしまい,アクア達の方を向きなおして言った。
ミサト「パープル嬢のお誘いとあらば,あなた達はこの同窓会のスペシャルゲストね。」
ケンタ「ついてこいよ!フェリト家の屋敷はこっちさ!」
さっきまで完璧に無視されていたケンタが何か言おうとしているハルカをさえぎって言った。
結局バトルは中断。次回は,例によって例の如し,あいつらも登場!
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ゼニゼニ #3☆2004.12/02(木)21:19
【第54話 パープルの実家】
サンダー「でっ…」
六人はシオンタウンの名家,フェリト家の目の前にいた。
サンダー「っけ〜。」
サンダーが一声上げ,アクア達が呆然と立っているその玄関は,9人並んで立ってもまだ余裕があり,家はもうなんともいえないくらい大きかった。
アクアはちょっと不思議な心配をしてしまった。パープルはこれだけお金持ちである。そして自分の家は父親のいない母子家庭だ。そしてパープルはお嬢様となれば,お金を沢山出してお願いし,サンダーを婿に迎えることが出来るだろう。
そうしたらサンダーは…
それからアクアは我に返り,また考え直した。
サンダーはお金につられない質だ。(多分)それにそんな先のこと考えてるなんて自分がどうかしている。
それにパープルは面食いなだけだし。
アクアは自分の考え事に思わず吹き出してしまった。
サンダー「アクア,入るぞ。」
サンダーの一言でアクアは考え事を中断した。
そこは玄関とはいってもすぐ入り口があるわけではなく,15mほどの道を歩く。さらに小高い階段もあり,やっとドアにたどり着くのだ。
アクアは考え事のおかげで,少し浮いていたので,サント・アンヌ号のお土産コーナー(ぇ)で買った『香りつきハンカチ〜潮の香り〜』を取り出し,香りをおもいっきり吸った。
すると,災難なことに,ハンカチが風に飛ばされてしまった。
階段を半分ほど上った後だったので,階段の真下に落ちてしまった。
アクア「あ!ハンカチがっ…!」
アクアは思わず後ろを振り返った。そしてバランスを崩し,転びそうになった。
しかし,アクアは転ばなかった。
すぐ後ろを歩いていたサンダーが,肩から指先にかけてしっかりと支えて,アクアが転ぶのを防いだのだ。
サンダー「気をつけろよ。階段をもう半分まで上ってるんだ。落ちたら大変だからな。」
サンダーはアクアを支えている方の腕に力を入れて,アクアをしっかり立たせた。
アクア「でも,ハンカチが…」
階段の下を見ると,ハンカチはもう無かった。
見ると,ハンカチは,ひらひらと宙を舞い,そのまま噴水の有る池に落ちていった。
サンダー「あ〜あ。もったいなかったな。」
サンダーはそう言うと,ポケットから青色の深い海のようなハンカチを出した。
サンダー「あげるよ。」
そう言ってサンダーはそのハンカチをアクアに手渡した。
アクア「あ,ありがとう…」
そのときサンダーはやっとサンの恐ろしい視線に気が付いた。そしてケンタ達はもう階段を上りきっていることにも気が付いた。
アクアとサンダーが凄い勢いで階段を上りきるとハルカとミサトがアクアとサンダーを見てニヤニヤしていることがわかった。ハルカなんかメモ帳に何かを書いていた。
サンダーは自然に顔が赤くなるのがわかった。
ハルカ「さあ入るよ〜。」
ハルカはニコニコしながらいった。
そしてミサトがベルを鳴らすと,中からドアが開いた。
「ようこそいらっしゃいました。」
そこにはアニメで見たことあるような人が立っていた。
ムーン「この人コジロウの家で見たよ。」
ゼニ「ほっとけ。」
ハルカ「同窓会の幹事です。それとこっちの6人はパープル嬢からのご招待。」
サンダーはパープル直筆の手紙を渡した。
「こちらへ」
そう言ってその召使はアクア達を部屋へ案内した。
アクア,スターの女子軍は客間の201号室で,その他男子軍は202号室になった。
部屋に入るとすぐ,放送が入った。
≪はいは〜い,トレーナーズスクール卒業生のみなさ~ん,同窓会は12時からとなります。それまでごゆっくり♪≫
それからすぐミサとの声に変わった。
≪合唱団,マーチングバンドに所属していた人たちは,小広間で最終練習をどうぞ。≫
そして放送は切れた。
アクア「いま10時か。あと2時間だね。」
アクアはにこにこしていったが,スターは落ち着かない様子だった。
スター「アクアちゃんさ…」
そこでスターの声は切れた。
サン「おい!女子軍!トランプやんねえ?」
サンがドアを打ち破るようにはいってきたのだ。
アクア「そうだね〜。暇だしね〜。スターちゃんは?」
スターは少し迷ってから言った。
スター「私はちょっと寝るよ。疲れたし。」
ムーンがそうか,と残念そうに言った。(それから,サンが五月蝿く「じゃあアクア,こっちこいよ!」と言った。)
それから5人は50分ほどトランプをし,スターは布団の中で考え事をし,残りの70分を皆でポケモンと戯れた。
そこでまた放送が入った。
≪それでは皆さん,大広間に集まってください!≫
≪早くしないとマーチングの演奏聞けませんよ〜。≫
6人はドアを打ち破り,長い廊下をダッシュした。
やっとこさ大広間にたどり着いた時,もうマーチングは演奏を始めていた。
ダイキ「きてそうそうわるいけど,静かにしててね。」
アクア達は出来るだけ音をたてないようにした。
さてさて,次回はついにあの五月蝿いやつら大集合!
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ゼニゼニ #4☆2004.12/03(金)22:16
【第55話 秘密の客】
マーチングの演奏が終わったあとだった。
配達員(爆)「失礼しま〜す…」
大広間のドアが開き,牛乳かなんかの配達員が入ってきた。きっと幹事であるハルカやミサトが何か企んでいるのだろう。
そのとき他のクラスメート,アクア達は飲んで食って騒いでいたので,気が付いたのはサンダーだけだった。
配達員は大広間を見渡した。誰かを探しているようだった。
そして,その探していた人が見つかったらしく,その配達員が手を振った。
その先には…ハルカとミサトがいた。
サンダーはまたいやな予感がしたが,やつらのことで悩むことはやめようと思った。
大広間のドアの方から,かすかにハルカとミサトの声がした。
ハルカ「おっけーおっけー。わかんないよ。」
ミサト「なかなかじゃん。これならコウキの目も欺けるかも。」
サンダーはドアから目をそらした。そして,コウキがいる方を見た。
コウキはへらへら笑いながらダイキやユウヤと話していた。
サンダーはもう一度ドアを見た。配達員がコウキに舌を出して笑っていた。
するとコウキがいきなり辺りをキョロキョロと見回した。
サンダーはその配達員が誰だか分かったような気がしたが,やっぱり考えないことにした。
ダイキ「どうしたんだ?コウキ。」
ダイキが紅茶を飲みながら訊いた。
コウキ「何処かに…タクトがいる!」
コウキはいよいよ目を厳しくした。そしてついにドアに目がついた。
コウキはドアに向かってずかずかと歩いていった。
コウキ「ハルカ,ミサト,そいつ誰だ?」
コウキが厳しい目つきで二人に話し掛けた。
ハルカ「たっ,ただの配達員だよ〜。」
ハルカがおずおずと答えた。
コウキ「ほんとか?」
コウキが今度は声も厳しくして言った。
ミサト「嘘だと思うならよ〜く顔を見てみなよ。」
ミサトが配達員の背中を押した。
二人の間から出て来た配達員を,コウキはまじまじと見つめた。
コウキ「いいや!こいつはタクトだ!メタモンかなんかを顔につけてるんだろう。だけど!オレの目はごまかせないぜ!」
そう言って配達員の顔から何かをはがしとった。
配達員の素顔はコウキの予想どおり,タクトだった。
タクト「あはは〜。ご名答。流石ダーリン☆」
タクトがにこにこして言った。
コウキ「ふざけるな〜!今日こそ逮捕してやる〜!」
コウキが手錠を振り回した。ダイキ以外のクラスメートはまだ気付いていない。
ダイキ「まあまて,とりあえず同窓会が終わるまでそこらへんの柱につないでおいてやろう。」
数分後(爆)
タクト「ひっど〜い!オレだって卒業生だぞ〜!同級生なんだぞ〜!」
柱につながれたタクトが喚いた。
ダイキ「黙れ。お前のような同級生を持った覚えは無いわ。」
ダイキが厳しく言った。隣でハルカとミサトが苦々しげに笑っていた。
サンダー「なあ…」
サンダーがアクアに話し掛けた。
アクア「何?」
アクアがジュースを口に含みながら答えた。
サンダー「今日,オレら出番無かったな。」
アクア「確かに。」
ゼニ「次回活躍させてあげますから。」
と言うわけで,次回はアクア達大活躍!の予定です。
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ゼニゼニ #5☆2004.12/14(火)19:13
【第56話 ロケット団襲撃】
今回…
…こいつらがそろったと言うことは,やはりやつらも出てこなければならない。

ミサト≪ハ〜イ,次は元合唱団員の皆さんの発表で〜す。≫
ミサトが大広間の真中に立って集まった人々に呼びかけた。
そして人ごみに再びまぎれた時,澄んだ歌声が聞こえてきた。その発信地は,大広間の中心である。そこには,ハルカとヒロミも立っていた。
合唱団が一曲歌い上げ二曲目を,歌おうとした…そのときだった。
バァン!
突然,大広間の天井が壊れ,コンクリートやステンドグラスが落ちてきた。
同窓会参加者は,本物のトレーズスクール卒業生であった。あわてることなくそれぞれ自分のパートナーであるポケモンの技を上手く使い,怪我をせずに乗り切った。
サンダーやアクア達も,感心している場合ではなく,それぞれポケモン達の技を組み合わせて危機を逃れた。
しかし,未だ終りではない。いきなり天井が崩れることは,何か大きな爆発などが無い限りありえないのだ。
アクア「パープルのうちを壊すなんて許せない!出て来なさいよ!」
天井は煙が上がっている。その煙に吹き消せれないように,アクアは声を張り上げた。
そして煙の向こうから聞き覚えのある声がした。
???「ムムッ,その声,アクアだな!」
アクア「ま,まさかその声…アツシ?!と言うことは…」
すると,今度は何処か幼い声がした。
???「お〜。お前がアクアって言うのか?!この(ピー)アツシと二回も戦った?!へ〜。オレはアツシの上司!そして…ロケット団の幹部様なのだ!」
その声が聞き取りにくい台詞を喋った後,煙が晴れた。
そのとき,大広間で束になっていた卒業生達が声を揃えて言った。
「リキ&アツシ!」
ユウヤ「お前ら!未だロケット団なんてやってたのか?!リキ,お前はオレにベタベタくっついてただろうが。席替えの時,『また近くになるといいね♪』って言ってたどろうが。その友情を踏みにじってロケット団を続けるなんて,お前は最悪だな!」
ユウヤが声を張り上げた。いつもは穏やかなユウヤだが,今日は恐ろしかった。
リキ「ゴメンね,ユウヤ君。でもねえ…」
リキが腰のベルトに手をかけた。
リキ「自分のやりたいことってこんなことなんだって!お金が必要なんだよ!いっけー!オコリザル!」
オコリザル「ブッキー!」(謎)
リキがボールを高く上に上げた。中には,今にも襲い掛かってきそうなオコリザルが出てきた。
サンダー「どんな理由があってもロケット団は許せない!オレは自分の過去に誓ったんだ!いけ!ボルト!」
ボルト(ピカチュウ)「ピッカー!!」
サンダーが力強く投げたボールは,オコリザルの背後まで届いた。そして中から出てきた黄色のポケモンは,オコリザルの背中にしっかりしがみつき,一発電撃を食らわせた。
サンダー「よ〜し,そのまま!」
サンダーは回りも驚くような闘志を燃やしていた。
一体サンダーは過去に何があったのか?バトルも話も続く!!
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ゼニゼニ #6☆2004.12/21(火)20:40
【第57話 雷の理由(わけ)】
サンダーはヤマブキ方面上空から飛んでくる飛行物体に気付き,目をむけた。
その飛行物体は大型の鳥ポケモンらしく,大きく羽をばたつかせながらこちらに跳んでくる。
だんだんに,後ろの方からもザワザワと声が聞こえてきた。
「せつら君!」
誰かが叫んだ。
その声とほぼ同時に,その飛行物体は壊れた大広間に着地した。そしてすばやくアツシの背後に回り,思いっきりパンチを食らわせた。
???「何だ何だ?また問題を起こしてるのか?アツシよ。リキ,アツシを制御するのはお前の役目じゃないのか?一緒にバタバタしやがって。」
アツシ「あ〜,セツラ様,お代官様。どうかお許しを…ゲホッ!」
アツシが何かを言い終える前に,その人物がアツシに蹴りを入れた。
サンダー「またロケット団か?!それとも…」
サンダーが一歩後ずさりした。その理由はもちろんアクアにもわからない。
すると,その人物がサンダーの目の前に飛び降り,細く鋭い目でサンダーをまじまじと眺めた。
サンダー「あ,貴方はまさか…」
???「久しぶりだな,サンダー。5年ぶりか。あの時から…変わらないな。その目。」
サンダーはごくりとつばを飲んだ。
サンダー「兄弟子…」
アクア「兄弟子?!(デカレン?!)」
突然の(ロケット団にとって)招かれざる客に戸惑ったのか,リキはそれまで黙ってたが,自分が無視されていることに気付き,オコリザルとともに地団駄を踏んだ。
リキ「こら〜!セツラめ〜!いきなり出てきて目立つな〜!」
セツラ「ではすぐに片付けてもらいたいんだな。お望みどおりにしてやるよ。出でよ!ライボルト!」
サンダー「ライボルト?」
セツラの手から離れ,リキの背後に回ったボールは,ナイスタイミングのところで開き,そのまま手もとにもどって来た。
アクア「なに…あのポケモン…」
セツラがここに来るために乗ってきたピジョットを自分の背後に回した。
セツラ「さあ,ショーの始まりだ。見物料は見てから!」
サンダーの兄弟子(?)登場!果たしてその実力とは?行き当たりばったり物語は,まだまだ続く!
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ゼニゼニ #7★2005.06/07(火)20:07
【第58話 兄弟子】
リキの背後で眩い光が放たれた。その光の塊はリキとアツシを縄で縛るかのように二人を囲みながら走り始めた。
次の瞬間,その光の塊がセツラの横に戻った時,リキとアツシは全身麻痺になっていた。
セツラ「かなり軽い『でんじは』だ。恐ろしいほど軽いから,肺や心臓に支障は無いだろう。5,6時間で治る。」
そして光の塊をつかせたほうの手で折り重なるようにしてたおれているリキとアツシをまっすぐ指差した。
それは『たいあたり』の指示だったらしい。その瞬間,光は消え,青と黄色のポケモンが走り出し,思いっきりリキ&アツシに体当たりした。(リキが心の中で「やな感じ〜」と叫んだ。)
トレーナーズスクールの人々が後ろで思いっきり歓声を上げた。
セツラ「さあ,みんな,邪魔者はふきとん…」
また大爆発が起こった。
リキ「このオレをこんな風にするなんて…いくらせっくんでも許せ無いな〜。シオンタウン征服計画は未だ進行中だよ!行くんだ!べとべt」
またしても台詞が切れた。リキが後ろから蹴り倒されたからだ。
???「シオンタウンを征服ですって?冗談じゃないわ。」
その言葉を放った声はサンダー,アクア,イエロー,コウキ(以下略)にとって聞き覚えのある声だった。
アクア「パ,パープル…?」
パープル「その通り!ここフェリト家の跡取り,パープルちゃんでーす☆」
そしてサンダー腕に抱きついた。
パープル「サンダーサマッ!イワヤマトンネルは大丈夫だった?」
サンダー「お,おお。イワヤマトンネルなら簡単に抜けたぜ。ただ一つの出会いを除けば…」
サンダーはそう言ってハルカとミサトを見た。二人は手にモンスターボールを持っていた。
セツラ「やればいいんじゃないか?ハルカさんにミサトさん。あの時の決着をつけるいいチャンスじゃないか。」
セツラがそう言うと,待ってましたとばかりに二人が出てきた。
ハルカ「ありがたい!」
ミサト「感謝しますよ!お代官様!」
二人はモンスターボールを思いっきり投げつけた。
ハルカのボールからはカメックスが,ミサトのボールからはフシギバナがでてきた。
ミサト「さあ,リキもアツシもポケモンを出しな!」
ハルカ「ダブルバトルで勝負だ!あの時の決着をつけようぜ!」
あの時の決着とは?次回はリキ&アツシVSミサト&ハルカだ〜!
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ゼニゼニ #8☆2005.01/30(日)16:11
【番外編 静かな午後】
 普段は自由時間にする時だけど,今日はみんなでお茶でも飲もう,ってことになって。
セツラ兄さんはだいぶ汗をかいてたから,アールグレイのアイスをいれてあげたの。サンダーには…アッサムでミルクティーかな。私は,セイロンをレモン風味にして飲んでみようかな。
…ほら,たとえばこんな午後の過ごし方だってあるしね。
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ゼニゼニ #9★2005.03/23(水)19:21
【第59話 忌々しい出来事】
リキがモンスターボールを二人にぶつけるかのような感じで投げた。中からはベトベトンが出てきた。
「さっさと出せ,アツシ。お前の雑魚ポケモンでも,いればバトルはできるんだ。」
リキはぶっきらぼうに言った。
その上司の指示に従うように,アツシもボールを投げた。
アツシのボールからはそろそろ進化してもいいんじゃないか,ズバットがでてきた。
「リキ君リキ君,雑魚ポケモンとはちょっとひどいぞ。今回はクチバのサント・アンヌ号戦より,特訓を…」
「重ねてきたのね。」
アクアが同じパターンだ,と言う風に答えた。
「そんなことは置いといて!あの忌々しい出来事の決着をつけるときが来たのだ〜!」
アツシの目に火がともった。
「忌々しいって何だ,雑魚アツシよ。あの時はお前らが弱かったからだろ。」
ハルカが馬鹿にしたように鼻で笑った。
「違うだろ!あの時はそっちから攻撃しかけてきたんだろうが!」
リキが身を乗り出して言った。
「そうか〜?この上ないほどお前らのへまのおかげでああなったんだと思うけどな〜。」
ミサトが恨み辛みを込めて言った。
「あの~,セツラさん,『忌々しい出来事』て何のことですか?」
アクアが静かに聞いた。
「ああ,確かあれは6年生の2学期終業式帰り道の事だったな…」
セツラが話し出した。
……
(セツラが語り役ではありません)
「退屈だ」最初に喋りだしたのは,ミサトだった。「終業式のためだけに学校に行くなんて,馬鹿げてる。」
「これで楽しくなるかも知れないぜ。」ハルカがくすくす笑いながら言った。「あそこにいるやつらを見ろよ。」
ハルカの指の先にあるものを見て,ミサトも一緒に笑い出した。そしてお互い顔を見合して…
「やっちゃおうか!」
「ハリポタとマジレンが入ってるのは気のせいですか?」
アクアが妨害した。
「気のせいではないと思うぞ。まあ,最後まで聞かないと分からないぞ。」
セツラはそう言って,話続けた。
ハルカとミサトはバックの中から何かを取り出し,その何かをこれから何が起ころうとも知らないアツシとリキの背中に向かって投げた。
「カメク,『みずでっぽう』!」
「オレガノ!『つるのむち』!」
アツシ&リキにみずでっぽう&つるのむちがヒット!ハルカのゼニガメとミサトのフシギダネのコンビネーション技が炸裂!!
「なんだなんだ!」
みずでっぽうでびしょぬれになったアツシがほえた。
「まさかいつもの…」
つるのむちで片手の自由をなくしたリキが後ろを振り返った。リキが振り返るより前に,二人のパートナー(?)のコラッタが,すでにカメクとオレガノにたいあたりをぶちかましていた。しかしカメクとオレガノは二匹のコラッタをひっつかみ,力の限り投げ飛ばした。
そのコラッタが,近くの民家にあった柿の木に引っかかって枝をバキッと豪快に折ってしまったから大問題。四人は担任の先生,親,そしてその柿の木の持ち主にこれまた豪快にしかられた。
その後は二対二での討論会。コラッタ投げたのはお前らのポケモンだろ,とか元はといえばおまえらのコラッタが突っ込んできたからだろ,とか。
そして結局ポケモンバトルで決着をつけることになった。それをまた民家の庭でやろうとしたもんだから,案の定つまみ出された。
「これが,忌々しい出来事と言うやつだ。」
セツラが長かった,とため息をついて話を終えた。
「つまり,コラッタのたいあたりがしっかり当たってたらそうはならなかったってことですね。」
アクアはやっぱりリキとアツシが悪いんだ,と頷きながら言った。
「ちっが〜う!!」
リキとアツシが声を揃えて叫んだ。
「何だお前ら!まだバトルはじめてなかったのか?!」
「だって〜。セツラ君が誤解を招く説明をしないかどうか…」
リキがもじもじと言った。
「オレの話がそんなに信用できないか。冒険家は話を聞いてもらうとき,その場で見たものをそのまま伝える。それがオレもポリシーだ。オレは見たそのままを伝えた。」
セツラが静かに激しく言った。
「それより,そろそろあの時の決着をつけるぜ!」
ハルカとミサトが叫んだ。
あ,バトルは次回になりそうです。続く
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ゼニゼニ #10★2005.06/07(火)20:11
【第60話 決着】
場所はシオンタウン・フェリト家。この巨大な屋敷の大広間で,なにかが起こる…。
「テメーらもあの時のポケモン出せや〜!」ミサトが吼えた。
アツシとリキはあの時の決着をつける戦いだった,とアツシはコラッタ,リキはラッタを出した。
「先手はもらった!ラッタ,『でんこうせっか』だ!」
リキが叫んだ。その瞬間,リキのラッタはハルカのカメックスに一発食らわせていた。しかし,カメックスの無敵並みの防御力には可愛いものだった。
「アホかお前,物理攻撃はカメックスにはあまり効かんぞ。カメク,『なみのり』だ!」
カメクのなみのりが炸裂!アツシのコラッタはひんし状態になった。
「この役立たず!馬鹿アツシ!アホアツシ!(酷)もういい!ラッタ,『いかりのまえば』!フシギバナに」
リキがアツシを怒鳴りつけながら言った。
「何でオレガノになんだよ!オレガノ,『メガドレイン』!」
オレガノの技がラッタに炸裂!ラッタは戦闘不能になった。
「ま,負けた〜!」
「か,勝った〜!」
リキ&アツシと,ハルカ&ミサトが大声を出した。後ろの卒業生軍団から声があがった。「リキ,アツシ,かーえーれ!」
次の瞬間,リキとアツシは覚えてろよ,と叫びながら変なメカに乗ってトキワの方角に飛んでいった。
「まっ,今回はあいつらが弱かったからな。」
ハルカが頷きながらいった。
「とくにアツシは雑魚かったな。って,お代官様,何所行くんだよ〜。」
ミサトは同窓会の会場から立ち去ろうとしているセツラに向かって言った。
「オレはもう行く。まだ頼まれた仕事が残っているんでね。ではまた会おう。おそらく…グレンで。」
するとセツラは,ピジョットに飛び乗り,天井の穴からクチバに向かって飛んでいた。
「セツラさんのあの言葉はなんだったんだろう…」
アクアは呆然としながら言った。
「兄弟子はたまに謎なことを言う…まるで未来を見ているかのように。」
サンダーが目を輝かせていった。
「あ〜!」
突然,コウキが叫んだ。
「タクトがいねぇ!」
「何っ!」
ダイキも叫んだ。
「タクトめーっ!次こそ捕まえるぞ〜!みてろよ〜っ!」
続く
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ぴくの〜ほかんこ