ぴくの〜ほかんこ

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[58] 光のポケモン戦記

マディーン #1☆2003.10/28(火)22:38
カイオーガ・ルギア・グラードンなどの神々の争いの小説です。
封印されしカイオーガ達の居場所を知るフェンリル達の運命はいかに!?
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マディーン #2★2003.11/08(土)23:39
第1話 逃げろ!フェンリル達!!
主人公達
フェンリル=サンダース♂
マディーン=エアームド♀
フレイム=バクフーン♀
コカトリス=オニドリル♀
バッカス=ピジョット♂
ダガー=オオタチ♀
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「待たんかゴルァ―!!」
『へっ、誰が待つか!』
アクアタウンの街を、6匹のポケモンと青い服を纏った男が追いかけっこ(6匹のポケモン、逃げる)していた。
「さっさとカイオーガの居場所を教えろ!」
『誰がぁ!お前等に教えるもんなんざないね!』
6匹のうちのオオタチ…即ち、ダガーが捕まってしまった。
「いいから答えろってんだ!じゃねーと海に叩き込むぞ?」
『あたしは波乗り覚えてるから平気だもん。あんたたちに教えるもん
なんざ無いって言ってるだろ?』
「知ってるだろ!世界を海の力で支配するには、カイオーガが必要なん
だ!」
『マジンガーゼット!?ついに俺達の前で目的を言ったな!』
フェンリルがにやりと笑った。
「しまった!」
男がしまったといわんばかりに口を押さえる。ダガーはそのおかげで
男の腕の中から離脱。
『無理に追求するとこうなるのじゃ。』
鋭い目つきでマディーンは男を睨んだ。
「あ…あ…いけ、サメハダー!」
フェンリル達に追い詰められた男は、サメハダーを繰り出した。
だが…。
『ギャハハ!ばっかじゃね、オマエ!水型のポケモン陸の上に出して
どうすんだよ?』
バッカスが腹を抱えて笑い出した。
サメハダーはコンクリートの道路の上で、ぴちぴちと救い上げられ
た金魚のように苦しげに跳ねている。
「く、くそぉ!」
『鋼の翼ぁ!』
『雷!』
『爆裂パンチ!』
『ドリルクチバシ!』
『火炎放射!』
『翼で撃つ!』
6匹の攻撃がサメハダーにぶつかる。
サメハダーは一撃で動かなくなってしまった。
「あ…あ…。」
『じゃあねーん♪』
「ぎゃー!?俺泳げねーんだよぉぉぉぉ…。」
フェンリル達は男を海に突き落とした。
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マディーン #3★2003.11/08(土)21:20
第2話 エレメント・モンスターズ達の誓い

『ねえ、このこのフレイムの家系に伝わる古文書…関係あり?』
夜のアクアタウンのある路地裏で、フェンリル達はエジプト出身のフレ
イムが継いだパピルスを見ていた。
『千年後、人間が神々を支配する。その時、影に邪気あり。このパピ
ルス手に取りしもの、世界を守りぬけ…って。」
『確かに…ね。』
『だけど、負けないよね!?絶対負けないよね!?あたし達負けない
よね!?』
前足を振りまわしてダガーが言った。
『あったりめえよ!俺達エレメント・モンスターズが負けたためしな
んてねえだろ?』
『確かにな。』
マディーンが頷いた。
『じゃあ、皆で誓おうよ!!あたし達は、絶対に負けないって!』
『だな!』
『私達・エレメント・モンスターズは絶対に負けないと誓います!』
『エイエイオー!』
『わーい!!』
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マディーン #4★2003.11/08(土)23:28
第3話 破壊の遺伝子

路地裏でフェンリル達は野宿することにした。
その時、情報収集に飛びまわっていたコカトリスが戻って来た。
『あ、コカトリス。どうしたの、そんな慌てて。大変な情報でも入った?』
『そうよ!破壊の遺伝子が、発見されたんだって!…ミュウツーとか言うポケモンに使われるらしいわ!しかも体を支配するように作り直されるって!』

『マジンガーゼット!?』
『シャレ言ってる場合じゃないよ。で、誰が?』
『確かロケット団とか言う奴等だった。』
『レッドさんが滅ぼしたはずなのに…急ごう!アジトへ!俺達も!』
『その前にご飯と作戦会議。腹が減っては戦が出来ぬって言うし。』

その頃、ロケット団のアジトでは…。
「ミュウツーは生まれ変わる。今までは自分の意志を持っていたが、この遺伝子を埋め込めば私達に服従する殺人兵器に…!」
『ウウ…ウウ…アアー…』
カプセルの中で、ミュウツーは苦痛に満ちた唸り声を上げた。
「シャアア!」
「ギャアア!」
「!?」
その時、扉を破ってウインディとカイリューが飛び込んできた。
目が怒りに燃えている。
「な、なんだこいつ等は!?」
研究員が身構える。
そのウインディとカイリューは、下っ端の物でも幹部の物でも研究員
のものでもなかったから。
その時、ウインディとカイリューから光が溢れて、二人の人間へと変
わった。
「俺達は…人間共と神々の争いを治める為に生まれた半獣だ!」

さあ、急げ、フェンリル達!ロケット団の悪巧みを止めるんだ!


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マディーン #5★2003.10/29(水)22:09
第4話 目覚めしミュウツー!

「ゼトラ。破壊の遺伝子、もう埋め込まれてるみたいだけど?」
「ああ。俺達の”任務”を果たすために、”あいつ等”探そう。な・
…。」

『ねえ、どうするのー?ロケット団がミュウツー復活大作戦を展開しするんだよ?破壊の遺伝子を使って。』
『だよなー…無茶して乗り込めばこっちが危うい。』
『確かにな…どこからアジトへ乗り込めば…。』
『その前に俺達だけで何とかなるの?』
『やってみなきゃわかんないぜ、フェンリル。運命は分からないさ・・。』
『きゃーっ、バッカスかっこいい!』
『この女好きがー!』
フレイムにバッカスは殴られた。
『ってえ…。』
『すぐに女の前でカッコつけるオマエが悪い。』
『確かにね。』
『今はそんなこと話してる場合じゃないよー。』
『作戦、立てないと…。』

≪ワタシ ハ ダレダ…≫
≪ワタシ ハ ミュウツー…≫
≪オモイダシタ、フウイン サレテイタ キオク ヲ…。≫
≪ワタシノコト ハ ワタシガキメル≫
≪ハカイノイデンシゴトキニ ワタシハアヤツラレヌ!≫
≪クルシイ…デモ ワケルワケニハイカナイ…≫
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マディーン #6★2003.11/02(日)15:15
第5話 涙の中に見た真実の死

『正気に戻ってよ!!』
フェンリル達はミュウツーと正面から向かい合っていた。
ミュウツーはついに破壊の遺伝子に体を支配され、殺人兵器と化して
いた…。
≪ダマレ…ワタシ ハ ロケットダン ニ シガタウ≫
『思い出せよ…俺達、一緒に遊んだろ?思い出せよ!』
フェンリルの目は何時になく寂しそうだった。
前章でミュウツーが言っていた「フウインサレテイタキオク」とはフェ
ンリルじゃないフェンリルとと一緒に遊んだことだったのだ…。
しかし、破壊の遺伝子に支配されたミュウツーは、その力で記憶を消去
されてしまっていた…。
「ミュウツー…ついに私に従うようになったか…。」
後ろを振りかえると、そこにはサカキが。
『サカキ!ミュウツーを元に戻せ!』
「くくくっ。ヤダね。ミュウツーは私が世界を支配するための兵器とし
て生まれ変わった。」
『ミュウツーはミュウツーだ!兵器じゃない!』
「黙れ、青き神に作られたウェポン・ポケモンよ。」
『え…?』
「オマエはレッドのピカの生まれ変わりだ。レッドは私が殺し
た。ポケモンも、全てだ。ピカの魂はさ迷いつづけ、その魂を青き神
が拾い、世界を支配する為に私にばれないようにサンダースとして生ま
れ変わらせ、記憶が戻ったときに姿が戻るようこの世に再び放った。」
『そんな…そんな…!』
フェンリルは思い出した。
ピカ(ピカチュウ)の頃の自分を。
レッドが殺されて、ピカは怒り任せに10万ボルトを放とうとした。
しかし、サカキの銃の引金を引く指が僅かに早かった。
『…思い出したよ。だけど、もうコンなことさせない!!」
フェンリルの目が怒りに燃える。
『いっけー!』
バリバリィ!10万ボルトが炸裂する。
ダガー達も怒り任せに覚えている最強技を繰り出した。
しかし…。
「ミュウツー。こいつ等をやれ。」
≪分かった。≫
ドオオン!ミュウツーのサイコキネシスが炸裂した。
『うぎゃーっ!?』
「ミュウツー。こいつ等を始末しろ。」
≪さあ…死ね…≫
『…殺せないよ、絶対…。』
フェンリルが不意に吐いた言葉に、ミュウツーは戸惑った。
『あんなに仲良かったんだよ…俺、さっき一緒に遊んだ、とか
言ったよね…自分でも意味わからなかったけど、思い出してから
意味がわかった…だから、オマエも思い出せよぉ…。』
≪…ピカ…≫
ミュウツーの赤かった目の色が青い色に変化しようとしていた。
が。
≪ぐうっ!?≫
突然苦しみ出したのだ。
『ミュウツー!?』
「フフフ。破壊の遺伝子はな、正気に戻ろうとした者を殺してしまう
ように作られているのだよ。さあ、ミュウツー!最後にこいつ等を
殺せ!!」
≪だ…誰がぁ!≫
破壊の遺伝子の支配を跳ね除けて、ミュウツーは最後の力をサカキに
向けた。
「フーディン!テレポート!」
「フウッ!」
しかしサカキは手持ちのフーディンのテレポートで離脱。
ミュウツーの力は研究室の壁にぶつかって爆発を起こした。
『ミュウツー!死ぬな!』
マディーンが崩れ落ちる瓦礫からミュウツーを守る。
≪いや、いいんだ…こういう運命なのだから…ありがとう・
・・殺人兵器にならずにすんだ…≫
『死んじゃ駄目だよ!』
フェンリルがミュウツーを揺すって叫ぶ。
≪さ…よ…う…なら…≫
ミュウツーの瞼がゆっくりと下りた。
フェンリルは泣き崩れた。
『…フェンリル!』
『ダガー…?』
『何時まで泣いてるの?ミュウツー成仏できないよ!今度、ほかのポケ
モンに生まれ変わってまた会えるよ!フェンリルだってそうでしょ?』
『…うん!』
フェンリル達はミュウツーの死体を抱えてアジトを出た。
フェンリル達が出てから3秒後。アジトは跡形も無く崩れ去った。
その、アジトの残骸の横に墓標がたてられた…
「ミュウツー、ここに眠る」
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マディーン #7★2003.11/03(月)18:27
第6話 ダガーの故郷 夕日の街

「…これが我等の邪魔をするポケモンリストか…。」
マグマ団はアクアタウンの東に位置するルビータウンにいた。
ルビータウンは夕日がルビーのように美しく見える事で有名だ。
そのルビータウンに建っているアジトの一室で、マグマ団ボスラスナ
はブラックリストを見ていた。
「フェンリルというサンダースが纏めているのか…次に権力を
持っているのがオオタチのダガー…珍しくも無いくせに厄介な
奴等だ…まあいい…この私が倒してくれる。」
「ラスナ様!」
幹部が慌てた様子で入ってくる。
「どうした?幹部。」
「≪大地のエレメント≫の場所がわかりました!」
この世界にはそれぞれ≪エレメント≫というものがあり、神々の封印
を解く鍵とされている。どのエレメントがどの神と関連があるのかち
ょっと説明させていただこう。
大地の神グラードン…大地のエレメント
海の神ルギア…海のエレメント
海の神カイオーガ…忘れられし海のエレメント
火の神ファイヤー…炎のエレメント
氷の神フリーザー…氷のエレメント
雷の神サンダー…雷のエレメント
森の神セレビィ…時空のエレメント
これらのエレメントは各場所にある祭壇に祭られており、祭壇にある
石版を完全な形に並べた時、そのエレメントを手に取ることができる
とされている。
しかし、力の発動の仕方はいまだに謎だ。
「で、その発動の仕方は?」
「…まだ分かっていません…。」

『ここがルビータウンか〜。ダガーここ出身なんだっけ?』
『そーなの。だからここらへんの地理は任しといて。』
フェンリル達もルビータウンにいた。
ダガーはここ出身。
街にある森の『オオタチの聖域』というところで生まれ育った。
そしてある日…人間の手によって森が破壊されリゾートホテルが
立ち、オオタチやオタチは次第に住みかを捨てて行った…。
ダガーも森を捨てて旅だった一匹だ。
『で、ダガーはどうしてここに来ようと思ったのじゃ?』
マディーンがダガーに問うた。
『ここには…大地のエレメントが、あるんだよ…』
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マディーン #8★2003.11/03(月)18:24
第7話 爆裂空中戦前半!生き残るのはどっち?

ここはルビータウン商店街路地裏。
フェンリルは唐突に空を見上げた。
空では、Mと書かれた戦闘機が飛んでいた。
『エレメントの場所に向かってるんだ!』

マグマ団は確かにグラードンの封印を解く大地のエレメントがある祭
壇を見つけた。
しかし何故わざわざ戦闘機なのかと言うと、邪魔となるフェンリル達
を殺す為だ。
地上でも、他の部隊がフェンリル達を探している。

『どうする?逃げ場が無いよ。』
『…三つに分かれるんだ!』
『エ?』
『どれも鳥形と獣形が組になって分かれる。1組は空から戦闘機を
迎え撃って、もう1組が地上の奴等を空から狙う。皆で最後の1組
がノーマーク状態になるようにして、最後の1組がエレメントを取り
にいくってのは?』
『賛成!』
『でも、戦闘機を相手に太刀打できるのかな…。』
『大丈夫だよ。ミサイルだったらちょこまか動く俺達に狙いはつけら
れない。多分銃だ。だからメタルコートを装備して行って。いざってときはそれで防御。いいね?』
『じゃあ、それでマディーンは戦闘機組に決まりね。硬いから銃弾を受
けつけないし。ずっと飛びまわっていられる。』
『じゃ、私は火炎放射で戦闘機の狙い撃ちをするわ。PPマックスを3個もっていけば大丈夫でしょ。』
『じゃ、俺は空中から雷を落としつつ飛びまわる。コカトリスと俺で
いい?さっきマグマ団が銃構えて歩いてるの見たんだ。』
『いいよ。』
『じゃ、ダガーとバッカスがエレメントの場所へ向かう。』
整理してみると
戦闘機を破壊するのがフレイムとマディーン。
空中から地上の敵をぶっ飛ばすのがフェンリルとコカトリス。
マッハ2で飛べるバッカスと地理に詳しいダガーはエレメントを取り
にいく。まあこんなわけだ。
強い技を持っていればポケモンでも戦闘機には太刀打できるだろう。
『じゃあ、とりあえず一通り退散させたら俺達もエレメントの場所
へ向かう。いいね!』
『おうッ!』
果たして作戦は成功するのだろうか!?
頑張れ、フェンリル達!
君達にエレメントの運命は掛かっている!
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マディーン #9★2003.11/03(月)19:35
第8話 爆裂空中戦中間 恐ろしい闘い

『いくよ!後で生きて会おうぜ!』
フェンリル達は飛び立った。まずはフレイムとマディーンサイドを見て
みよう。

『ゆくぞ、フレイム!火炎放射の準備は良いか!!』
『大丈夫よ!!』
フレイムはマディーンの手綱(落ちないようにという事で)をしっか
り握り締めるとゆっくり立ちあがった。片方の手にはメタルコートが
盾がわりに握られている。
『来たッ!』
『射程に入ってもスピードは落とさない。気をつけて撃て!』
マディーンが射程に入るように戦闘機に突進する。
その瞬間、火炎放射が炸裂。
戦闘機を見事撃墜。
だが今度は同時に二機飛んで来た。
『マディーン!』
『旋回攻撃で良いか!?』
『ああ!』
マディーンはスゴイスピードで輪を描く。
フレイムもそれに会わせて火炎放射を炸裂させる。
二機も無事撃墜した。
『さあ、これからが本番よ。』
フレイムは微笑を浮かべた。

『いた!』
フェンリルは雷を落とした。
地上部隊1組が一気に黒焦げになる。
第2部隊が下からミサイルを撃ってきたが、爆発する前にフェンリル
が破壊。しかし、その時銃弾が飛んで来た。
『わあっ!』
慌ててメタルコートを構える。
銃弾は全て弾かれ、同時にコカトリスも護りきった。
その時、銃弾を撃った戦闘機をフレイムが遠距離から火炎放
射で撃墜。
『なかなか面白いじゃねえか。な、コカトリス。』
『そうね。楽しませてくれそうだわ。』
2匹の顔に笑いが浮かんだ。

『おおお!?速い!!』
ダガーは必死にバッカスにつかまっていた。
バッカスはマッハ2のスピードで森の中を低空飛行している。
それでも木々にぶつからないのは目の良さのおかげだ。
図鑑によると上空1000キロのところからでも海を跳ねるコイキン
グが見えるほどとか。
しかし、細心の注意を払わないといつ木に激突するか分からない。
『ダガー!伏せな!』
『おおお!?』
ダガーは瞬時に伏せた。頭の上を太い枝が通りすぎる。
『あああ!?頭が突風ではげるー(爆)!』
『それよりエレメントの心配をしろー!!』
ダガー、心配しなくとも君はまだかなり若いから頭ははげない。
今は枝をよける事に集中しろー!!
神のポケモンの封印を解かせてはいけない!
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マディーン #10★2003.11/09(日)18:00
第9話 爆裂空中戦後編 奪われたエレメント!

『もっかい伏せろー!!』
ダガーはまた伏せた。
頭の上を巨大な枝が通りすぎる。
『祭壇まであと3キロぐらい!見えるかなー?』
ダガーは立ちあがろうとした。
『立ちあがんな!空気抵抗で吹っ飛ぶぞ!?』
『ああ、すいまへん。』
その時、銃弾が飛んで来た。
ダガーがメタルコートで弾く。
フェンリル達の攻撃をかいくぐってきた地上部隊が発砲したのだ。
「いけ!ヤミカラス軍団!」
「ギャア!!」
ヤミカラス×30が飛んで来た。
バッカスは複雑な飛び方でどんどん木にヤミカラスをぶつけて行く。
ダガーも追いついてきたヤミカラスを冷凍パンチで次々と撃墜して
いく。だが、数が多すぎた。
『うっ!』
バッカスにヤミカラスのうち一匹に騙まし討ちがヒットした。
すかさずダガーが冷凍パンチを撃って撃墜する。
『ひーっ!』
『ダガー、旋回する!!しっかり捕まってろ!』
『おおおおお!?』
バッカスは急旋回。ダガーは辛うじて捕まっていた。
『ああああいいいいうううううえええええおおおおお〜〜!』
ダガーの悲鳴が木霊する。
空中の戦闘機や街にいる地上部隊を滅ぼしたフェンリル達は、森へ
向かい始めた。
鳥ポケモンは全員高速移動で向かっている。

バッカスは薄れ掛ける意識を保ちながら必死に飛んでいた。
羽は鋼の翼の状態だ。
もうよける事など考えずに飛ぶ事に決めたらしい。
ダガーも必死にメタルコートで攻撃を弾きつつ冷凍パンチなどの技で
確実にダメージを与えていた。
『ダガー!大丈夫か!?』
その時、フェンリル達が現われた。
『今の所はね!』
『バッカス、無理するな!飛び降りろ!ダガー!!』
ダガーは飛び降りた。
ちなみに今彼等は獣形と鳥形に分かれている。
『バッカス!大丈夫か?』
『何とか今のところはな!』
『後は俺達が何とかする!オマエは空に逃げてろ!暫くしたら来い!』
『了解!』
フェンリルの指示どおり、バッカスは超高速で空へと舞いあがった。
敵のいない空で体を休めてこい、とのことだ。
『見えてきた、祭壇が!!みんな!俺が時間稼ぎをするからいけ!
フレイム、PPマックスあまってるか?』
『1個だけなら。どうぞ。』
フレイムはフェンリルにPPマックスを渡すと走り去った。
フェンリルは立ち止まると一気に電磁砲を5発撃った。
5発とも追いかけてきた地上部隊にぶつかる。
また来たがPPマックスで即刻回復、また同時に撃った。
恐ろしい射的能力だ。
『だあーっつ!まだ来るのかよ!』
フェンリルは今度は雷を撃った。
それも見事広範囲でヒット。
しかし、敵は全然減らなかった…。

『はやく、パズルを完成させなきゃ世界が滅んじまうよ〜!』
ダガーは石版を動かし始めた。
しかし、グラードンの姿は知らない。
余計あせるばかりだった。
『ちょっと待ちなさい。』
フレイムがどこからともなくとてつもなく古いパピルスを取出す。
そこにはグラードンの絵が。
『ちょっと色あせてるけど分からない事は無いわ。』
『ありがとっ!』
ダガーはパピルスを見ながら石版を並べた。
…そして、エレメントは外れた。
しかし、その時ダガーの前足を銃弾が掠めた。
かすり傷とはいえ痛そうだ。
ダガーはエレメントを取り落としてしまった。
その隙を狙って、マグマ団の1人がエレメントを取った。
「よっしゃ!俺の出世間違い無し!」
マグマ団は走って行った。
『まさか、フェンリルが…。』
ダガーは走ろうとしたが前足が思うように動かない。
『ダガーは待ってて。私が様子を見てくる。』
フレイムは走って行った。
そこにはいき絶え絶えの傷だらけのフェンリルが。
『大丈夫?』
『ああ。銃掠った程度だしな。』
命に別状は無いようだった。

「フェンリル達を始末しろー!」
マグマ団は一回集まってダガー達の所へ来た。
体力の無いうちを狙おうとしているのだ。
マディーンが皆を護るように羽を広げる。
その時!
『待たせたな―!!』
上からバッカスがスゴイ勢いで落ちてきた。
羽は鋼の翼の状態。これに勢いが加わって殴られたら脳震盪だけでは
すまないだろう。
そのとおり、バッカスは勢いでマグマ団全てを殴って無事着陸。
『大丈夫か?』
『ああ。エレメントは逃しちゃったけど…とりあえず今は逃げよ
う。』
鳥形のポケモン達は獣形のポケモンを背に乗せて飛び去った。
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マディーン #11☆2003.11/05(水)22:57
第10話 爆裂空中戦・その後のポケモン達

「ガルル…。」
一匹のウインディが、マグマ団地上部隊3人を崖に追い詰めていた。
体はやや小柄だが、物凄い気迫が感じられる…。
「い、一体どういう因縁で…。」
『エレメントを返せ。』
ウインディは言った。
しかしマグマ団はエレメントを手に持ったまま離さない。
『返せってんだろ!』
かなり短気なようだ。
いきなり牙を剥いて飛びかかってきた。
「シャアア!!」
「うわあっ!?」
マグマ団達の悲鳴が響いた時には彼等はずたずたに全身を引き裂かれて
いた。
『素直に返せば良いものを…。』
ウインディはツメの血を舐めた。
『エレメントとっとくねー。』
カイリューが降りてきてエレメントを取る。
一体何者なのだ、こいつ等は。

『痛いよぉ。』
『静かにしなさい。それでも闘いぬいたオオタチ?』
巨大な木の根元の大穴で、フェンリル達は休んでいた。
鳥ポケモン達も体力が無かったのだ。
今フレイムがダガーの前足に薬草を地下水で磨り潰したのを塗りつけて
いた。
フェンリルにはもう塗ったらしい。
『暫くすりゃ治るってモンさ。』
フェンリルは余裕かまして笑っていた。
薬草のおかげで大体痛みは収まっている。
『で、これからどうするの?』
『体力が回復次第、エレメントを取り返しにいく。』
『しかし、そなた達の傷は重いぞ?時間が掛かるのでは…。』
『仕方ないよ、これしか方法が無いんだから。』
バッカスは涌き出ている地下水を一口のみながら言った。
『この水美味いぜ。飲んだら体力が殆ど回復した。』
コカトリスも長いくちばしを丸ごとつっこんで飲んでいる。
『ところで、油無いか?』
マディーンがバッカスに問うた。
『へ?』
『塗らないと体が持たないものでな。』
『あ、あるけど?』
フレイムは油っこい実を取出した。
『オイルの実か。』
オイルの実とはホウエンでもないジョウトでもカントーでもない
このリシア地方だけで取れる実。
ここに生息するエアームドはその実を割って中の油を体に塗って艶を
出していると言う。
また、他のポケモン達にとっても大切な食べ物だ。
最近、人々がオイルの実をとるようになってから、エアームド達は急速
に減少した。
マディーンは嬉しそうにオイルの実を割って体中に塗った。
『いい気持ちじゃ。最近油塗ってなかったからな。』
『健康エ○ナじゃ駄目なの?』
ダガーが問うた。
『駄目じゃ。食用油は。』
『じゃドレッシング。』
『食用油は駄目だといっとろーが。』
『とにかく暫く寝よう。休養が必要だよ。』
フェンリルは欠伸をすると敷き詰めた葉っぱの上で眠り始めた。
『あたし達も寝るか。』
『そうじゃな。』
ダガー達も眠りについた…。

3時間後…。
『よっしゃ、体力回復したし行くか!』
『おーっ!』
フェンリル達はずんずん森を進んで行った。
エレメントを返せといったウインディの正体は…近いうちに
分かるだろう。
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マディーン #12☆2003.11/06(木)17:17
第11話 思考水晶の力!!

コカトリスは何時も首に水晶の首飾りをしている。
だが、その水晶は只の水晶ではなかった…。

『ねえ、その水晶なーに?』
ある時、水晶をいじるコカトリスにダガーが問うた。
『これ?これは思考水晶…古代ポケモン語でラキルって言うの。
情報処理をしてくれたりする。今マグマ団を探査させてるんだけど
…。』
『ど?』
『生命反応がない。』
『マジンガーゼット!?』←フェンリルの口癖。
『エレメント探査にきりかえれば?』
フレイムが口を挟んだ。
『分かった。』
コカトリスはラキルに命令。
『マグマ団生命反応探査から大地のエレメント探査に切り替えよ。』
≪分かりました。≫
ラキルは画面に文字を出現させた。
≪半径何キロの範囲で探査しますか?最高半径100キロです…≫
『とりあえずあたしのいる所を中心に半径50キロで。移動するので
その度に半径をずらせ。』
≪畏まりました。≫
画面がエレメント探査画面に切り替わる。
『すっげー!俺も1個かおっかなー?』
『NO。これはあたしが先祖から受け継いだものでーす。もう世界に
コレ以外1個もないよ。』
『ち。』
暫く歩くと、ラキルの画面に青い点が現われた。
『ついにでたか!』
『コカトリス、エレメントの場所がわかったのか!?』
『ええ。この青い点。動いてる…ってことは誰かが持ってるのか
!ラキル。すぐさまエレメント所持者のデータを出せ。』
≪畏まりました。≫
暫く光が溢れる。
≪データを表示します。所持者、カイリュー。半獣です。≫
『マジ!?滅んだはずの半獣が…。』
≪ラキル。私達のスピードで追いつけるか?』
≪はい。カイリューは時速三十キロで進んでおります。高速移動を
使えば10分で追いつけます。≫
『ラキル。そのままエレメントマップの表示を続けよ。』
コカトリス達飛行形のポケモンは獣形のポケモンを乗せて高速移動を
使いながらカイリューの後を追いかけた。

10分後…。
『見えてきた!』
風に飛ばされまいとコカトリスの上で伏せながらフェンリルが叫んだ!
『ラキル。麻酔針を撃つ準備に入れ。』
≪畏まりました。只今変形中…。≫
ラキルの形が変わる。
それは銃のような形に変わった。
『フェンリル。射程に入ったら撃って。射程はラキルが表示してくれ
る。』
『分かった。』
フェンリルがラキルを構える。
すると、画面が空中に出てきて射程距離が表示された。
『今だー!』
ピュン!コカトリスの上からフェンリルが撃つ。
見事命中。
カイリューはズズンと落ちて行った。
その時、火炎放射が突然飛んで来た!
『わあっ!?』
何とか交わしたフェンリル達。
下を見ると、ウインディがカイリューの側で怒り狂った目をしている。
『撃つ?』
『無理。素早すぎる。』
フェンリルが雷を叩き落す。
ウインディは交わそうとしたが見事脳天に食らってしまった。
それでも食って掛かろうとする。
『あれが…半獣!?』
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マディーン #13★2003.11/06(木)21:28
第12話 俺達はそんな事にエレメントは使わない

『手前等…。』
『俺はフェンリルだ。エレメントを取り返しに来た。』
フェンリル達は空から降りてウインディと痺れて動けないカイリュー
の前に立ちはだかった。
『フェンリル?なら俺らと目的が一緒だな。探してた。』
『へ?』
ウインディは笑う。
『俺様達は人間の天罰の為にエレメントを使って神を復活させる。おま
えらもそうだろ?』
『違うわ。』
フレイムが冷静に答える。
しかし、その拳は震えていた。
『あたし達は平和維持の為にエレメントを取り戻す。そして永遠に
誰も知らない未知の地へ封印する。神々の力を悪用させない為に。』
コカトリスが冷たい声で言う。
断固として組まない考えだ。
ウインディはかちんと来たようだった。
『あのさぁ、お前等人間にうらみ持ってねえのか?人間たちは森の木
を切り倒し、燃やし、オイルの実を採取し、ポケモン達の環境をどん
どん悪くしていった。だろ?』
『そんな人間ばかりではない。』
マディーンが進み出る。
『私は昔、あるトレーナーのもとにいた。そのトレーナーはやさしか
った。大切にしてくれた。お主の言う事は正しいかもしれない。だが
な、そういうものばかりではないということを覚えておけ。』
さすがはマディーン。
フェンリル達の中でもっとも長く生きてきただけあって経験豊富だ。
『へえ〜…人間に育てられたポケモンってこうなんだよね〜。俺
様そういうの趣味じゃないから。エレメントは返さないよ、人間たち
を苦しめるためにね。』
『返せ。』
『やだね、ピジョット。お前等が何をしたいかよーく分かった。だが
な、世の中綺麗事だけじゃあやってけねーよ。』
『なら、バトルでどうだ?勝った方がエレメントを頂く。負けた方は
大人しく去る。』
『フェンリル!そんなこと言っていいの!?』
『いいよ…でも、大人しく去るんじゃなくて俺様達に協力するって
のはどうだ?』
『…いいとも。それしか方法は無いんだから…。』
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マディーン #14★2003.11/07(金)18:45
第13話 負けるものか!!

『なら、そっちから2匹代表を出せ。』
ウインディは余裕と言った表情でフェンリル達に言った。
カイリューはもう麻痺が回復している。
『私がやるわ。』
フレイムが進み出た。
その目は恐ろしいほど燃えている。
『分かった。』
フェンリル達が頷く。
ダガー達も異議無しのようだった。
『…頑張って。』
ダガーが呟く。
『有難う。』
フレイムがダガーに微笑む。
フェンリルはウインディ達の方に振り向いた。
『さあ。いくぞ!』
フェンリルとフレイムは低く身構えた。
しかし、その瞬間には既にウインディは高くジャンプしていた。
『!?』
『恐れを成したか、フェンリル!』
しかしポケモンのナかでも1、2を争う素早さを持つサンダースのフェ
ンリル。見事に高速移動で交わした。
『雷!!』
上から雷が落ちてくる。
しかし、それはフェンリルのもので無くカイリューの放ったものだっ
た。
『ッ!?』
『大丈夫よ、電気は電気をひきつける。磁力とおんなじ関係。』
フレイムが雷パンチでカイリューの電気を吸収する。
そして超高電圧の雷パンチをウインディの顔面に向かって放った。
『ぶっ!?』
『油断してるとこうなるんだよ!!』
フェンリルがカイリューの頭に電撃を叩き落す。
カイリューも負けじと火炎放射を撃つ。
しかしフェンリルはメタルコートで防御。
それからシャドーボールを放った。
カイリューは顎にくらい空中でひっくり返った。
『フレイムリング!』
ウインディが何かを放った。
その時、炎の輪でフェンリルの体が締め付けられ始めた。
『うぐっ!?』
『それはフレイムリングと言ってな、相手が気絶するか降参するまで
苦しめつづける技だ。さあ。苦痛から逃れたいなら負けを認めろ。』
『や…だ…。』
必死抵抗するフェンリル。
カイリューは動きが取れないフェンリルに向かって破壊光線を撃とう
としていた…その時!!
『ファイアアタック!!』
フレイムが炎を体全体に縫ってタックルして邪魔した。
いくらドラゴンタイプといえども全身に炎を浴びたらたまらない。
カイリューは反撃に波乗りを放ってきた。大波LVだ。
『はあっ!』
しかしフレイムはジャンプすると大波に向かって雷パンチを放つ。
波の直接上にいたカイリューは大ダメージを食らう。
波がなくならないうちにフレイムリングの熱さを堪えてフレイムはフェ
ンリルを運んできて水の中に突っ込んだ。
炎の輪が消える…。
『もう…だめ…。』
カイリューが墜落。
残りはウインディだけだ。
『…仕方ないな。』
ウインディが突然笑いだした。
『お前等、なかなかいい奴だな。苦しんででも世界を護りたいとは・・
・・俺様が間違ってた、持ってけ。』
ウインディがエレメントを投げてよこした。
『有難う。』
『またどこかで会おう。』
ウインディとカイリューは去っていった…。
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マディーン #15☆2003.11/07(金)20:48
第14話 忘れられし海のエレメント

『ねえー?ここどこぉー?』
ダガーがフェンリルに問うた。
『ここは…エメラルドタウン。海が綺麗なエメラルド色だからそう
いう名前がついたんだ。』
『フェンリルって物知りだねー。』
『私がかつてトレーナーとあった場所でもあるな。しかしトレーナー
は死んでしまった…50年前…にな。』
『うそっ!?マディーンって五十年以上生きてるの!?』
『ああ。トレーナーは私がエレメントモンスターだという事を知って
いた。だから最後の力を私に託した。それから…私は何年たって
も死ぬ事は無かった…。』
『哀しい過去ね…あたしは野生の世界で生きてきたけど。』
コカトリスが目を細める。
フレイムがまぶしい太陽に目を伏せた。
『ここに何があるの?』
『忘れられし海のエレメント。カイオーガの封印を解く鍵になるのさ。』
『そういえばさあ、コカトリス、ラキルに大地のエレメントデータに
して入れてるけど未知の世界には封印できないの?』
『全部揃わないと無理。これはもともとエレメントを全て封印するた
めに作られた思考水晶だから。』
ゴオオ!!その時、目の前に津波が起きた!
『WHAT!?』
慌てて立ち止まるフェンリル達。
踵を返して反対方向に凄いスピードで走り出した。
『と、飛ぼう!!』
途中で立ち止まって飛行形のポケモン達が獣形のポケモン達を乗せる。
一気に高速移動で空中に浮き上がった。
津波を超えて高く空に舞いあがった彼等の目に入ったのは…。
『何あれ!?』
そう、水の上に長い衣を着た人間が手を広げて立っているのだ。
その体からは強い魔力が感じられた。
『あれは…かつてポケモン達を操っていた魔女の…子孫!?』
その昔、リシア地方ではポケモンを操る事ができる魔女・リシア・
ベールがリシアを治めていた。
リシアはポケモンを操って好き勝手していた。
操られたポケモン達の苦痛は千年に及んだ。
ある日、ポケモン達は支配を振りきってリシアをついに倒した。
しかし、リシアは死ぬ寸前に人間に子供を生みつけていった…
というわけだ。
その子孫が波を操っている奴だ。
『必殺雷!!』
フェンリルが空中から雷を叩き落す。
雷は広範囲で全て波にヒット、リシアの子孫はひっくり返った。
「何するんだ!!」
リシアの子孫は怒って波の上で拳をぶんぶん振りまわした。
『案外バカだ…。』
バッカスが呟いた。
『何する気だ!津波なんざ起こしやがって!』
「オマエ達が深海に眠るエレメントを取らないようにする為だ!!」
その時、コカトリスはラキルに命令を下していた。
『エレメントマップを表示せよ。』
≪分かりました。≫
ラキルはエレメントマップを表示した。
『…これならいける!!フェンリル達はアイツの気を引き付けて
おいて!あたしにエレメントは任せなさい!!』
『…分かった!!』
ダガーはバッカスから飛び降りると飛びまわっていたグライダーの男
を突き落として逆に自分が乗った。
更にフェンリルがバッカスに飛び移る。
コカトリスは完全にフリーになった…その時!バッカス達の前に
グライダーに乗って、あの時海に突き落としたアクア団の男が飛んで
きた。
『げっ!アクア団の癖に泳げない男!俺っち達のまえに現われるな!』
「うるせえ!あ!オマエはあんとき俺を笑ったピジョット!一言多い
ぞ!!」
『るせえっ!!』
「いけー!サメハダー!!!」
あの時ボコボコにされたサメハダーを繰り出してきた。
『やっぱりバカだ…。』
フェンリルが2発めの雷を撃った事にアクア団は気づいていなかった。
サメハダーは感電して気絶。
死んだ金魚のように腹を上にしてぷかーっと浮いた。
「げえっ!?」
その時!!
『とんでとんでとんでとんでとんでとんでまわってまわってまわって
まわーるぅー♪』
コカトリスが物凄い勢いでドリルクチバシの体制でぐるぐる回りながら
突っ込んできた。
そのままグライダーを破って飛んで行く。
「うぎゃーっ!?俺泳げねーんだよぉぉぉぉ…。」
前あったときと同じ叫び声を上げて、アクア団は沈んで行った。
コカトリスは微笑を浮かべるとラキルの作業に戻った。
≪パスワードを言ってください。≫
ラキルに文字が浮く。
『エレメント・モンスターズ』
コカトリスが呟いた。
一気にラキルの中のロックされていたプログラムが解除された。
『ラキル!!忘れられし海のクリスタルを回収せよ!!』
≪畏まりました≫
ゴオオ!!ラキルから物凄い光が溢れる。
光は波を貫通し、深海へといった…。

荒れている海の上とは違い、深海は穏やかだった。
その深海に砂に埋もれている祭壇で、エレメントは静かに光っていた。
その時、光が凄い勢いで通ってきた。
エレメント目掛けて。
エレメントはその光と融合した――

ゴオオ!!光は凄い勢いでラキルの方へ戻っていく…。
≪エレメント取得完了。≫
『よっしゃ!』
空中でコカトリスはガッツポーズをとった。
『雷ィ!!!』
フェンリルが雷を叩き落す。
グライダーに乗ったアクア団軍団は一気に海にぶち落ちた。
それでもまだやってくる。
フェンリルはバッカスからエレメントを回収したコカトリスへ、ダガー
はグライダーからバッカスに飛び移った。
『ねえ、シツコイしあれやっちゃおうか。』
ダガーが言う。
『…波も残ってるしね。』
『…やむをえん。使った方が良かろう!』
『異議無し!いくぞー!!』
フェンリル達を乗せて、鳥ポケモン達はぐんと浮ける所まで浮いた。
『うおりゃー!!』
再び雷を叩き落すフェンリル。これで波が分解されて水素が出来た。
しかしリシアは(略す)まだ波を起こしてくる。
そこへ…。
『火炎放射!!』
更にフレイムが火炎放射を撃つ。
水素と炎は反応して大爆発を起こした!!!!
『うぎゃーっ!?』
グライダーアクア軍団を爆発は巻き込んだ。
『街には影響を及ぼさないようにラキルに指示しておいたから大丈夫。』
コカトリスが笑いを浮かべたのを最後に、爆発は終った。
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マディーン #16★2003.11/08(土)21:16
第15話 エメラルドタウンに有るもう1つのエレメント

『エメラルドタウンってさ、確かもう1つエレメントあるんだよね?』
ダガーがコカトリスに問うた。
『あるわよ。ほら。』
ラキルにエレメント反応が出ていた。
『ホントだー☆』
『海のエレメント。ルギアの封印を解く鍵になる。でも狙ってるのは
アクア団ではなさそうね。』
『マジンガーゼット!?』
『影で働いているキシス団って奴ららしいわ。』
『それがエメラルドタウンにいると?』
『そういうこと。エメラルド色の服がユニフォーム。』
『作者マディーンが部活で吹いているのはユーフォニアム。』
『フェンリル、下らん駄洒落は慎みなさい!!』
『ぐふぉっ!?』
フレイムが殴る。
フェンリルの顔が地面に減り込んだ。
『ってえ…。』
フェンリルが地面から顔を出した。
土だらけだ。
『あんたがわりーの。』
『すいまへん…(フレイムのバッキャロー!!)』
『で、そのキシス団とやらはどこにいるのじゃ?』
『ここから西100メートル離れたところのビル。』
『ふーん…じゃあ、俺っち達で早速侵入しようぜ!!』
『だがしかし昼間っからいきなり侵入しては…。』
『駄菓子菓子。』
『ダガー…あんたもフェンリルと同じ目にあいたい?』
『いえ!!NO IAM NOT!!』
『ならサブイ駄洒落は止めなさい。』
『YEAH…。』
ダガーはほっと溜息をついた。
フェンリル達!キシス団を止めるんだ!!
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マディーン #17★2003.11/08(土)22:28
第16話 海のエレメントを賭けた闘い・前編

『で、キシス団のアジトにはどのように侵入するの?』
『まだ決めなくて良いぜ。まだコカトリス帰ってきてない。』
フェンリル達は何時もの様に路地裏で話し合いをしていた。
コカトリスは情報収集に飛んでいる。
ちょっとコカトリスの様子を見てみよう。

『あれがキシス団のアジトねー。警備厳重なのね。ならこっちにも方法
が有るんだから。ラキル、透視能力発動。』
≪畏まりました≫
新しくコカトリスが機能を追加したらしい。
ラキルは透視能力を使って空中にビルの中の映像を浮かび上がらせた。
『なぁるほどぉ。こいつ等は岩タイプを主に使うのね。』
バトルルームの映像を見てコカトリスがにやりと笑う。
『ってぇことはぁ、あたしも一応鋼の翼覚えてるわけだし、フェンリル
もシャドーボール使えるわけだし、闘えるって訳ね。フレイムは…
アイアンテール覚えてるでしょ、ダガーは波乗りと当たりにくいけど
爆裂パンチがある。マディーンは鋼タイプだから大丈夫っと。あたし
達有利じゃないの。あ、会議室に人が集まってる。ラキル、能力を
会議室に集中せよ。音声つきで記録せよ。』
≪畏まりました≫
ラキルの透視能力が会議室に集中する。音声もついた。
「…で、エレメントの事だが…。」
「はい、海底神殿・アトランティアにあるそうです。しかし、そこに
行く為には深海10,000mまで潜れる潜水艦が必要でして…。」
「なるほど。潜水艦は30機ある。で、深海ギャラドス隊を連れてい
け。邪魔者が来ないようにする。今夜6時出発だ。良いか?」
「異議無しー!」
『きーちゃった!!』
コカトリスは矢の勢いで飛んで帰った。

『なるほど〜、海底神殿か。なら俺達が先に行けばいい訳だな。』
『だけどどうやって水圧にたえんの?』
『ラキルにバリア機能を追加すりゃいいじゃん。』
『おお!バッカスあったまいー!』
『俺ッちて天才?』
『全然。』
コカトリスはラキルをいじり始めた。
暫くして…。
≪新たにバリア機能が増えました≫
『…エレメント取得機能、この前の爆発衝撃で使えなくなっちゃ
ったのよねえ。』
ラキルを見て、コカトリスは呟いた。
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マディーン #18☆2003.11/09(日)11:51
第17話 海のエレメントを賭けた闘い 中編

『ラキル!バリア機能を発動させよ!』
コカトリスの指示で、フェンリル達は緑色の光に包まれた。
『これがバリア?』
『そう。真空の世界でも耐えられるわよ。』
『そうか。よおし俺っち達も出発だー!!』
フェンリル達は海に浸かっていった。

「潜水艇!発動!!」
キシス団も、フェンリル達が出発して一時間後に潜水艇30機を発動
させた。
沢山のギャラドス達も後をついてくる。
数分後。通信室に無線で潜水艇からの連絡が入った。
「水深10,000mに達しました!」

『ここが遺跡?アトランティアの。』
『多分ね。エレメントマップだとここらへんだもの。』
フェンリル達は水深10,000mの世界を突き進んでいた。
時折サメハダーなどが襲ってくるがメタルコートでがんがん殴って気絶
させていた。
『あれー?エレメントマップだとあたし達が立っている所にエレメント
はあるんだけど…壊れたんかなー?』
コカトリスはラキルのエレメントマップを見て首を傾げた。
『位置確認せよ。』
ラキルはまたしても同じ場所を表した。
『えーっ?』
『残るは地下ってことじゃねーの?』
フェンリルが地面を叩いた。
『あ、可能性あり!遺跡マップを表示せよ!』
ラキルが遺跡のマップを表示する。
そのマップのところどころに、赤い印が表れた。
『…なにこれ?』
コカトリスは印の意味を確かめようとしたが載っていなかった。
『先祖が残した記録なら…。』
『無理。パスワード知らないから。』
『赤い印は全部で三つ有る。この前のマグマ団の戦闘の時の組でとりあ
えず行ってみない?』
『分かる?ラキル無しで。』
『大丈夫。光柱たてとくから。』
フェンリルが言った瞬間、今いる地点と分かれて行く三つの地点に光
柱がたった。
『これなら大丈夫っしょ?フラッシュの柱ヴァージョンさ。』
『そうだね。じゃあ、あたしとバッカスあっちいくー。』
『じゃあ、俺とコカトリスは向こう。』
『私とフレイムはあの方向じゃな。また後で会おう!』
ダガー&バッカスが南、フレイム&マディーンが東、フェンリル&コカ
トリスが西に向かった。
ラキルに映された赤い点とは一体!?
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マディーン #19★2003.11/09(日)12:26
第18話 海のエレメントを賭けた闘い 後編

三つに分かれたフェンリル達。まずはダガー&バッカスサイドを見て
みよう。

『あ、ついたよ。』
光柱の手前で、ダガーとバッカスは止まった。
そこには何か石版があった。
『古代ポケモン文字ぃー?』
良く分からない文字が刻んである。
バッカスが翼を翳してみる。
石版が光ったかと思うと文字が分かる形になった。
『何々…雷、エレメントへの道を作るなり。なんだよそれ?』
『雷をこの石版にぶつけろってことじゃない?』
『フェンリルがいないと…。』
『大丈夫。あたし雷パンチおぼえてるから。あそーれっ!』
ダガーが雷パンチをぶつける。
すると石版が砕けてその下から光が溢れた。
『これがエレメントとどういう関係あるの?』

次はフレイム&マディーンサイドを見てみよう。

『この柱は…。』
光柱の後ろにある柱の前で彼等は止まっていた。
何か模様が刻んである。炎の形のようだが。
『なんか刻んである。』
フレイムが手を翳す。
文字が現われた。
『炎、エレメントへの道を照らすなり。』
『というと?』
『答えは…火炎放射!!』
バリアに護られているため消えない火炎放射。
柱に見事命中。
柱から光が溢れた。
『エレメントへの…道!?』

最後はフェンリル&コカトリスサイドを見てみよう。
『なんなのさあ?このわけワカンナイ形は。』
コカトリスが羽を翳すと、自分達が立っているところの三角形の模様
が光った。
『さあ?』
その時、光がまっすぐ飛んで来た。それは三角形の中心に繋がる。
『まさか…これは光の道を繋げってわけ?』
『なんで分かるの?』
『だってさあ。光が繋がったんだよ?心が繋がるとどんな困難も切り
ぬけられる…確か、古代のポケモン達は三角形の形に光が繋がる
とよい事が起きるって言ってたんだ。俺、レッドから聞いた。エレメン
トも古代からあるんだから…もしかしたらって思ってね。』
『…なら、フラッシュね。直線はできる?』
『ああ、できるとも!直線フラッシュ!』
フェンリルがフラッシュを使う。
光は三角形に繋がった…。
『うわあ!?』
その瞬間、地面が揺れた。
『…祭壇が現われたのかも!』
フェンリルとコカトリスは大急ぎで最初の場所へ戻った。
他の仲間たちは先に戻っていた。
『すっげー。』
目の前には祭壇が現われていた。
パズルはルギアの形に並べなければならない!
フェンリル達はラキルに浮かんだルギアの映像を見つつ並べた。
…エレメントは取れた。
『よっしゃ!さーていくか…って!?』
その時、突如目の前に現われたのは潜水艇とギャラドス軍団。
フェンリル達、絶体絶命の大ピンチ!!
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マディーン #20☆2003.11/09(日)14:27
第19話 エレメントを賭けた闘い 最終編

『ち。キシスの野郎が来たか。って今までなんで遅かったんだ?』
「レーダーがいかれてたんだい!」
潜水艇からキシス団のわめき声が聞こえた。
『というわけで…。』
「で?」
『逃げる。』
「へ?」
フェンリル達は凄い勢いで泳ぎ始めた
「卑怯者ー!!いけ!ギャラドス軍団!!エレメントをとってこい!」
「ギャッシャー!」
ギャラドス×50が追いかけてきた。
…でもなんか、色がおかしい。灰色だ。
『げえっ!?』
フェンリルの目の前に巨大な岩が落ちてきた。
ギャラドスが落としたらしい。
『コイツは岩・水属性よ!!』
泳ぎながらフレイムが叫ぶ。
フェンリルも遺跡の障害物を上手くよけながら泳いでいる。
途中の神殿らしき場所で身を隠した。
『はあ、はあ…。』
『ねえ、コカトリス。どうしてこの前みたいにラキルでストックでき
なかったの?』
『あの機能、爆発衝撃で使えなくなった。エレメントストックが生き
てたらさ、パズルとか無くても力が共鳴するから取れるんだけど・・
・大地のエレメント取る時は知らなかったの。』
『やばいじゃん、それ。』
『仕方ないわよ。まあ、ほかの機能は生きてるから大丈夫。』
「シャーッ!」
その時、ギャラドスにまた見つかってしまった。
『うぎゃーっ!』
フェンリルが超近距離電磁砲を撃つ。
ギャラドスは体が痺れて動かなくなった。
しかし残り49匹。
恐ろしいほど多い。
『あぎゃぎゃぎゃぎゃー!!』
ダガーがギャラドスに捕まってしまった。
しかも口の中にいるし。
今何とか立って飲み込まれるのを防いでいる状態だが、どこまで持つ
か分からない。
『こおなったら…最後の手段…。』
ダガーが体を曲げる。
すると弓矢のように凄い勢いで吹っ飛んだ!!
『いやぁぁ!!』
そのまま勢い止まらず前にいたギャラドスに正面衝突。
ギャラドスは凄い勢いで吹っ飛び後ろにいたギャラドス×30に恐ろし
い勢いでぶつかって気絶。後ろのギャラドスも脳震盪で気絶。
凄い事になったなあ…。
『コカトリス!ラキルにストックした!?エレメント!!』
『したわよ!早く逃げなきゃ!!』
フェンリル達はまた物凄い勢いで逃げ出した。
と今度は目の前に潜水艇30機が。
フェンリルが雷を撃つ。
フレイムも負けじとバリアに護られて消えない火炎放射を撃つ。
潜水艇は一気に大爆発を起こした!!
爆発で起きた勢いに乗って、フェンリル達は海の上に放り出された。
『乗せてー!!』
無事に鳥ポケモン達がフェンリル、ダガー、フレイムを乗せる。
エレメントは無事フェンリル達の手に収まった。
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マディーン #21☆2003.11/09(日)15:53
第20話 エレメント・モンスターズ達の歴史・フレイムのパピルスより

人は、力を持っていると試さずにはいられないと言う。
人は、力を見つけると使わずにはいられないと言う…。
だから、人はポケモンの中の『神』と呼ばれる存在を見つけ、利用
しようとしてきた。
神は神でもしょせんポケモン。ボールで捕まえられてしまっては、人間
の支配下に置かれたポケモン同然だった。
『神』と呼ばれぬポケモン達は考えた。
『神』と呼ばれぬポケモン達は『神』と呼ばれるポケモンの存在を封印
することにした。
ポケモン達は『エレメント』という神々を封印する力を持つ結晶を造り
だした。
しかし、『エレメント』はリシアという魔女のせいで破壊されそうに
なった。
だから、ポケモン達は『エレメント』ごと未知の世界に送り込んで石
に変えて封印してしまう為に、思考水晶…即ち、『ラキル』を造り
だした。
しかし『エレメント』はリシアの力で千年に1度、封印を破ってポケモ
ンの世界に帰ってきてしまう。そして祭壇に収まる。
それでもパズルを解かないと『エレメント』は取れないが、これでは
ずるがしこい人間たちに神の封印を解かれてしまう。
そこでポケモン達は『エレメント・モンスターズ』を造りだした。
『エレメント・モンスターズ』は千年に1度現われ、『ラキル』の力
や仲間の力を合わせて、エレメントを未知の世界に返すのが役目。
そのうちの一匹は、神自身が自分を封印する為に造りだした。
その神に造られた一匹は『エレメント・リーダー』と呼ばれ仲間を纏め
る役目を負わされた。
今年は…前にエレメント封印が終ってから兆度1000年目。
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マディーン #22★2003.11/09(日)16:30
第21話 ファイアマウンテン・炎のエレメント!!空飛ぶダガー!

『あついよー。』
フェンリル達・エレメント・モンスターズはファイアマウンテンの下
にいた。
ファイアマウンテンには炎のエレメントがある。
それで彼等はここに来ていたのだ。
『コカトリス達。乗せてってくれ。』
コカトリス達に乗って彼等は上へと舞い上がった。
『楽勝だね。登山なんかしなくていーじゃん♪』
『そうでもないみたい。』
フェンリルが青ざめた。
目の前には…マグマ団が。
「おい!あんときゃよくもグラードンのエレメントを奪いとってくれ
たな!」
『手前等がわりぃんだろーが!俺達は人間の手にエレメントを委ねな
い為に現われたエレメント・モンスターズ!お前等にエレメントを渡す
訳にはいかねえ!!』
『ふんっ!いけ、リザードン軍団!!』
リザードンが現われた。
その数なんと100。
『ひええっ!』
フェンリル達は第1派の攻撃を無事かわした。
1番危ないのはマディーンだ。
『マディーン!』
『大丈夫じゃ!私の事よりエレメントを心配しろ!!』
ドオオン!火球が飛んでくる。
しかも、その殆どが炎に弱いマディーンを狙っている。
マディーンは大きく素早く旋回して交わした。
『ひえええー!』
今度はダガーとバッカスに火炎放射が飛んで来た。
思わずジャンプで交わすダガー。
そして…。
『ん?』
ダガーは下を見た。
バッカスがいない。
しかも、超高速で落下している。
『ぎゃあああああああ!』
バッカスが急いで助けに行こうとするが間に合わない。
『お、そーだ♪爆裂波乗りぃ!!』
ゴオオ!ダガーは波乗りを発動。あの時闘ったカイリューを超える、
超大波LVだ。
その上でダガーは豪快に笑っていた。
『あーはっはっは!さあ!突っ込んでくるがいいリザードンども!!』
ダガーに挑発されてリザードンは頭に血が上って襲いかかってきた。
が、ダガーは波の上でちょちょいと交わす。
リザードンはどんどん波の中に飲み込まれて行った。
『ダガー!ジャンプしろぉ!』
フェンリルの叫び声が聞こえる。
ダガーがジャンプすると、波に超巨大な雷が落ちた。
波は一気に分解される。
そこへ…。
『火炎放射!!』
フレイムの何時もより火力が強い火炎放射がぶつかってきた。
当然水素と炎は反応して大爆発を起こす。
『うぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!』
ダガーは大爆発の爆風に乗って宙を舞った。
その時、一緒にエレメントが収められた祭壇まで飛ばされてきた。
ダガーは上手くその祭壇に飛び乗ると、一気にパズルを並べた。
ファイヤーの事は親から良く聞かされていたので分かるのだ。
エレメントを取って飛び降りる。そして…。
『爆裂パーンチ!!』
自分で爆裂パンチを空中で撃って爆風を起こし、時間稼ぎした。
落ちる前にバッカスがダガーをキャッチする。
『大丈夫か、ダガー?』
フェンリル達も飛んで来た。
『うん。大丈夫だよ。でも爆風に乗って飛んだ瞬間はビビッたね。あっ
はっはっはっは☆』
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マディーン #23☆2003.11/09(日)17:10
第21話 北極・氷のエレメント!!

『暑いところにいったとおもえば次は北極…。』
鳥ポケモン達はぶるぶると震えていた。
『し、仕方無かろう。エレメントのためじゃ…。』
マディーンが震えながら言う。
どうやら鳥ポケモン達は羽が寒さで痺れて飛べないようだ。
『さあ、れっつごー!』
フェンリル達は氷の上を渡り始めた。
『うぎゃっ!』
どぽんという音がした。
バッカスの目の前を歩いていたダガーがいない。
下を見ると穴があいて冷たそうな青い水が揺れていた。
『…ダガー?』
『ぶはっ!つめてぇぇぇぇ!』
ダガーが穴から飛び出してきた。
その勢いで海水がバッカスに振りかかる。
『ぎゃっ!?』
『さみぃよぉぉぉぉぉ!』
ダガーはダッシュしてフレイムの背中に飛びついた。
その時!
『あちぃー!!』
フレイムの背中から炎が出ているのに気づかなかったらしい。
氷の上に見事ひっくり返った。
『大丈夫?』
フレイムがダガーを助け起こす。
ダガーは背中の方は無事だったが表のほうが真っ黒に焼けていた。
『へへへ…。』
『仕方ないわねっ!火傷治し!!』
フレイムが火傷治しを使う。
ダガーの表の黒が落ちた。
気を取りなおして彼等は慎重に進み始めた。
『そうだ♪』
『…またとんでもない事思いついたわね。ダガー。』
『うん♪』
ダガーはメタルコートをどこからともなく取出すとそれに乗った。
『これで滑ればいいのさー!!』
ダガーは凄い勢いで滑って行った。
『じゃあ俺達も。』
ということでフェンリル達もメタルコートに乗って後を追う。

『ねえねえ、氷の祭壇まであとどのくらい?』
『あと100メートルぐらい。』
『あ、見えてきた。』
フェンリル達の目の前に、祭壇が見えてきた。
ところが…。
『うわっ!?』
突然目の前にサメハダーが氷を破って飛び出してきた。
慌てて交わすフェンリル。
『氷のエレメントは俺達が頂く!!』
現われたのはアクア団。しかも海に突き落とした奴だ!
『マジンガーゼット!?』
フェンリル達はメタルコートを途中で止めた。
『渡すものか!』
『サメハダー!鳥ポケ達に冷凍ビームだ!』
「シャアア!」
サメハダーの冷凍ビーム。
しかしマディーン達は鋼の翼で切り裂いた。
『爆裂パーンチ!』
隙を見てダガーとフレイムが共同で爆裂パンチをサメハダーにぶちこむ。
サメハダーは腹を上にして死んだ金魚のようにぷかーっと浮いた。
「何!?」
『サンダータックル!』
そこへ電気を縫ってフェンリルがタックルをする。
フレイムがアクア団の後ろに火炎放射をぶちこんで氷に穴をあけた。
「うぎゃー!?俺泳げねーんだよぉぉぉぉ…。」
またしても同じ台詞を吐いて、アクア団は水の中に沈んだ。
『げえっ!?』
倒したかと思えば目の前からアクア団が一杯走ってきた。
『大丈夫よ。』
フレイムが火炎放射を氷に向かって撃つ。
穴が開いた事に気づかずにアクア団×30は冷たい海水の中へ沈んだ。
『さて。やっとエレメントが取れるわ。』
ラキルにフリーザー図を写させる。
それをもとにフレイムがパズルを並べてエレメントを取った。
その様子を見ながら、フェンリルは呟いた。
『…旅も終りに近い…。』
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マディーン #24★2003.11/09(日)18:25
第22話 雷の原・雷のエレメント

『ひえーっ!またおちたぁー!!』
ダガーの悲鳴が響いた。
ここは雷の原。年中雷がやまないことで有名だ。
『大丈夫だよ…多分。』
『フェンリル、放電しないでよ。じゃないとあんたに雷落ちるから。』
『へいへい。』
フェンリル達は必死に祭壇を目指して歩いていた。
雷を交わしつつところどころに立っている避雷針にダッシュで移動する。
『恐ろしいほど多いらしいわ。今年は雷がね。』
フレイムが空を見上げる。
時折空には光が走る。
『あ…見えてきた!!』
案外早く祭壇が見えてきた。
『待て!前に雷が何度も落ちてる…。』
祭壇の前には何度も雷が落ちていた。
『こういうとき、ラキルのエレメント取得機能が生きてたらなぁ。』
コカトリスがエレメントマップを見て場所を確かめながら言う。
『俺が電気を引きつける。その間にダガー達はエレメントを!』
『分かった!』
フェンリルが放電する。電気が引きつけられる。
ダガー達は凄いスピードで走って行った。
『うおおお!!』

『パズル、早く!』
ラキルにサンダーの図を写す。
それを見ながらダガーが速攻並べる。
最後のいちまいをフレイムが石版に並べた。
『…とれた。』
エレメントは無事に取れた。
『急げー!』
エレメントを取ってダガー達は速攻祭壇を離れた。
それと同時にフェンリルの電力も切れた。

『エレメントも後1個か…私達の旅も後少しで終るな。』
マディーンは光の走る空を見て1人呟いた。
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マディーン #25☆2003.11/09(日)19:29
第23話 最後のエレメント

『いよいよ最後のエレメントだな。』
グリーンワールドと言う森の中で、フェンリルが呟いた。
『このエレメントとったらあたし達の任務は…。』
『未知の世界にエレメントを返して終りだ。』
『終り、か…切ないねえ。』
その時、周りにアクア団、マグマ団、ロケット団、キシス団が現われた。
『どういうこっちゃ!?』
『…そうか、最後まで世界を乗っ取る事を忘れないのか。コイツラ。』
フェンリル達も構える。
「撃てー!!」
人間たちが一気に銃を撃つ。
フェンリル達は一瞬で一塊になってメタルコートを外側にして伏せた。
『くっ!』
『ここは爆発で!』
ダガーがメタルコートを構えたまま波乗りを発動。大波LVだ。
波が人間たちを巻き込む!
『今だッ!』
フェンリルの叫び声と同時にダガーは飛びあがった。
そこへ雷が落ちる。
水が分解され水素が出来た。
『爆裂火炎放射!!』
更にフレイムの強い火炎放射が入る。
大爆発が起こった!!
「うぎゃー!?」
人間たちは吹っ飛んだが、フェンリル達は上手く爆風に乗ってその場を
切りぬけた。
『エレメント!!』
爆風がやむ。
フェンリル達はかなりの距離を飛ばされていた。
しかも目の前にはもうエレメントが収められた祭壇が。
しかし、機械が待ち構えていた。
『あれは…。』
『古代の人間の知恵で作られた機械、ノーシュだ!』
機械が手を振り下ろしてきた。
一瞬でばらばらになってかわすフェンリル達。
『雷!』
しかし、ノーシュは雷を吸収してしまった!
『へ?…電気にも対抗できるように作られてるのか。そうだ!』
ダガー達が電気が走ったように頷いた。
心が繋がっていると相手が何を考えたかわかるものだ。
『うおりゃー!』
フェンリルは雷を何時もに増して連発。
その間にダガー達は祭壇を護るようにして周りにあった岩を運んでいた。
『確かに、この岩は自然の磁石だわ。電波を邪魔してここが特定でき
ないようにするために、古代のポケモン達は祭壇にまで工夫を凝らした
のね。』
ノーシュはどんどん電気を吸収していく。
そしてフェンリルの電力が切れた…その時!
『今だー!!』
ダガー達が一気に岩をノーシュに投げつける。
電気を吸収したノーシュに、自然の磁石の岩はどんどん引っ付いていていく。
ノーシュは岩で動けなくなってしまった。
『セレビィのパズル…。』
ラキルにセレビィ図が映る。
それを元にしてパズルを並べて行く。
そして、エレメントは取れた。
『やったあ!』
しかし、闘いは終ったわけではなかった…。
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マディーン #26☆2003.11/09(日)19:55
第24話 最終決戦 

『さ、エレメントを送ろう。』
ラキルにエレメントをセットする。
『ラキル。エレメントは全て集まった。エレメントを未知の世界へ送
り、石へと変えて封印せよ。』
≪最終任務を実行します…≫
ゴオオ!ラキルから光が天に向かって一直線に放たれた。
黙ってその光景を見つめるフェンリル達。
その光の中に、一瞬だけ7つのエレメントが見えた。
光が止む。ラキルから文字が浮かび上がった。
≪エレメントを全て封印致しました≫
確認画面が出てきた。
『ラキル。これが私が最後に下す命令だ。今までの闘いの記録をパス
ワード『聖戦』で保存し、機能を千年後まで停止せよ。』
≪畏まりました。今までご苦労様でした。無事を祈ります…≫
ラキルから光が溢れて金色の目が映る。
それはゆっくりと瞼を落としていき、やがて消えた。
コカトリスはラキルに向かって敬礼した。
『終ったね。』
フェンリルがラキルを覗き込む。
何時もは羽を翳せば起動するラキルだが、もう羽を翳しても動かなかった。
ラキルも、7つのエレメントも無事千年の眠りに再びついたのだ…。

『!?』
何かの気配を感じ取って、フェンリル達は後ろを向いた。
そこには人間たちがわらわらと。
『皆、最終決戦だ!人間たちの心の邪気を追い払え!!』
フェンリル達は素早く動けるように身を低くした。

最後の闘いが始まった。
『はあっ!』
フェンリルの雷が落ちる。人間たちは雷に巻き込まれ致命傷を負う。
『爆裂パーンチ!』
『鋼の翼!』
『火炎放射!』
しかし、人間たちはなかなか減らなかった。
『…もしかしたら、心にとりついている”邪気”が何度も復活
させてるのかもしれない!』
フェンリルは攻撃の手を休めた。
ダガー達も戻ってくる。
『というと?』
『ちょっと待って。』
フレイムがパピルスを取出した。
そこには古代エジプト文字が。
『なんて書いてあるの?』
『前見たのと一緒よ。邪気有りって書いてあったわよね。というとその
邪気を封印しないと私達の任務は終らないって事よ。確か呪文が…。あるはずだけど。』
しかし、パピルスには呪文らしきものは無かった。
『もしかしたら!』
フェンリルが超強いフラッシュを使う。
すると…。
『文字が!』
そう、パピルスには穴が開いていて光で見るとそれが文字だと言う事が
分かるのだ!
フェンリル達は声を合わせて叫んだ。
『神よ!今、私達は願う!人間たちにとりつきし邪気を、冥界へと
送り込み、封印せよ!』
人間たちから黒いものが溢れる。
それと同時に空から金色の光が降りてくる。
黒いものは金色の光に包まれて、消えて行った…。
『終った…。』
世界の命を賭けた闘いは終ったのだ…。

『ねえ、これから皆どうするの?』
次の日の朝、ダガーが問うた。
『決まってるじゃねえか!』
『え?』
『皆ずっと一緒だよ!』
フェンリル達は、新しい冒険を求めて離れることなく共に旅だっていった…。
           光のポケモン戦記≪END≫
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ぴくの〜ほかんこ