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マディーン | #1★2003.11/15(土)15:56 |
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 早速あのフェンリル達が帰ってきました! ついに発動!第2部です! これからもフェンリル達を宜しく!! あの第1部で謎を残して消えて行った『半獣』のウインディとカイリュ ーの名前も明らかに! 今回は凄く短いですが。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ |
マディーン | #2★2003.11/10(月)21:57 |
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第1話 新たなる旅立ち 『ここ窮屈〜。』 フェンリル達はマリンベールという豪華客船の貨物室に隠れていた。 あのエレメントを賭けた闘いから3ヶ月。 彼等は新たなる冒険を求めて1週間前エメラルドタウンの港から旅だ ったのだ! 『ねぇー、何で記念すべき第2弾の第1話が船の貨物室なのぉー?』 『仕方ないよ、また冒険求めて旅立つって決めたし。俺達トレーナー いないから堂々と乗り込んだら危険だろが。』 フェンリルが荷物の上で寝そべって言った。 殆どココには人が来ないので安全なのだ。 もし来たとしても荷物の中に隠れる事ができる。 『ところでマリンベールはどこに向かうのじゃ?』 マディーンがフェンリルに問うた。 『シリーネア大陸ってとこ。そこのクロアストって言う綺麗な水の都 でマリンベールは止まるんだ。クロアストはアルトマーレと並ぶ三大 美の都って言われてるんだ。で、もう1つはエメラルドタウン。』 『へえへえへえへえへえ!』 ダガーがばんばんと床を叩いた。 『5へえでした。』 とバッカス。 『ト○ビアの泉のパクリしてるんじゃねえよ。』 『…腹減ったんだけど?』 荷物の上に座って、腕ぐみしてフレイムが言った。 『そーっとそーっと…。』 フェンリル達は貨物室を出て厨房まで来ていた。 『セサミソーセージ発見。』 ダガーが匂いかいで言う。 『直ちに回収せよ。』 フェンリルが指示するとコカトリスがセサミソーセージの束をとった。 『お、ハンバーグだ♪』 バッカスが嬉しそうに言う。 こいつ等、匂いに敏感だなあ…。 『撤収。』 バッカスが顔を覗かせて一瞬でハンバーグを浚った。 『次は?』 『今日のスペシャル料理を狙うぞ。』 フェンリル達はコック長のいるところまでそろりそろりと張っていった。 『今日のスペシャルゥ〜は鳥の丸焼きィ〜♪』 コック長は鼻歌を歌っていた。 最高傑作ができたらしい。 超ご機嫌だ。 『…今だッ!』 フェンリルが恐ろしい速さで超巨大な鳥の丸焼きを撤収。 そのまま彼等はダッシュして音も無く逃げ出した。 「あ…!スペシャル鳥の丸焼きが無い!」 気づいた時にはもう既に時遅し。 フェンリル達は美味しそうに盗んできた食べ物を食べていた。 腹の中に入ってしまえば証拠は無いし、何よりポケモンはどんなことを 犯してもこの世界では犯罪にされない。 人間とは違って命令に従うだけだと思われているから。 『美味しいねえ。』 『サイッコー!』 『今日もいいモンが手に入って良かった良かった。』 鳥の丸焼きは綺麗に全てフェンリル達の腹に収まった(爆)。 |
マディーン | #3★2003.11/11(火)21:43 |
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第2話 到着!&再会 『皆さん、まもなくクロアストにつきます…荷物のお忘れの無い様 お願いします…。』 『おきろー!』 フェンリルが寝ていた仲間をたたき起こした。 『んみゃ?』 『もうすぐクロアストにつくって。早いとこ脱出しないとヤバイゼ!』 フェンリル達は貨物室を出ると誰にもばれないようにすごいスピードで 走って行った。 『コカトリス達に乗っていこう。…甲板じゃヤバイな、窓見つけよう!』 フェンリル達は客室を鍵穴からそうっと覗いた。 幸い、あいている部屋が。 『あの窓から。』 フェンリル達はその客室に入ると、窓を開けて一気に飛び立った! 潮風が気持ち良い。 『あ、キャモメだ!!』 フェンリルがコカトリスから身を乗り出す。 隣をキャモメが飛んでいた。 『Welcome to Kuroasuto!』 キャモメが英語で言う。 『Thank you!!』 フェンリルも英語で答えた。 しかし、ダガーにはちっとも分からなかったようだ。 『今の何語?』 『…英語だよ。』 『でーご?でーごの木の下で…。』 『島○じゃない!英語だ!!』 『ちょ、ちょーっとフェンリル落ちるわよ!?』 怒鳴り散らすフェンリル。 おかげでコカトリスからもう少しで海に落下する所だった。 『ついに来たのねぇ。世界三大美の都に。』 フレイムがマディーンの上でまぶしそうに目を細めた。 『キャモメよ。着陸に良い場所は無いか?』 マディーンがすぐ側を飛んでいたキャモメに問うた。 『灯台の直ぐ横に突き出ている岩がいいよ。』 『忝い。』 フェンリル達はキャモメが言っていた灯台の横の突き出た岩に着陸。 『キャモメ達、親切だねえ。』 その時、フレイムが何かの気配を感じた。 『誰…?』 拳を構えて問う。 背中の炎が何時もより一段と燃えあがった。 『誰かと思えがおめえらじゃねえか。』 ウインディが現われた。 その隣にはカイリューが。 『あ、あんた達は!』 『そういや名前言ってなかったな。俺様はロック。』 『僕はゼトラ。』 ウインディはロック、カイリューはゼトラと言う名前らしい。 『ところでフェンリル達、また旅してんのか?』 『うん。』 『俺様達もだ!なら一緒に行こうぜ!旅は道連れ世は情けって言うだろ?まあ、俺達はニカって街で分かれにゃならんけど。』 『いいよ!』 新たにロックとゼトラを仲間に加え、賑やかになったフェンリル達。 旅は続く! |
マディーン | #4☆2003.11/11(火)22:14 |
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第3話 食い逃げ野郎たち 『どうしてニカって街でおわかれなのぉ?』 ダガーがロックの背中の上から問うた。 『半獣だけの秘密。』 『けちぃ〜!フェンリル、コイツに雷落としていーよ。』 『誰にでも事情はあるもんさ。』 『ちぇっ。』 ダガーはロックから飛び降りた。 『それにしてもクロアストって本当に綺麗ねぇ。』 コカトリスが綺麗な水の流れる水路を流れて行く舟を見ながら言った。 『ホント。そういえばここの料理って美味しいらしいけど?確か世界 三大珍味に数えられているアルヴィーフィッシュっていう青い魚が とれるらしいわ。』 フレイムがパンフレット(観光客から奪い取った)を見せた。 『食べたい食べたい食べたい!!』 ダガーが飛びあがる。 『僕も。君達ずるいよ、マリンベールで美味しいもの一杯食べてた癖 してぇ。』 ゼトラの目に涙が浮かぶ。 『いや、ゼトラ、そこまで恨まなくても…。』 『うわぁぁぁん…。』 フェンリルが頭を撫でて慰めた。 『ひっく…絶対食べさせてくれる?』 『それはわからんな。』 ゼトラはまたぶすっとしたが今度は泣かなかった。 『さて!料理店に襲撃に行こう!』 『おーっ!』 『おお!あれがアルヴィーフィッシュ…。』 ダガーの目が輝いた。 フレイムが念の為尻尾を踏みつけている。 ゼトラは嬉しそうに舌なめずりした。 『ねえ、早く取ろうよぉ。』 『まーだまだまだ。あんた分かっちゃいないね、あっちが調理して からとるんだよ。材料無くなったってバレたら困るやんけ。料理だ ったらバレ難いしさ。あ、後1人分作ってなかったかーとかで。』 『そっか。』 『俺様、早く食べたくてたまらないんだよぉ。』 フェンリル達は店の裏口から厨房を覗いていた。 やがて調理が終る。 コックはトイレに行きたくなったのか、料理を置いてどっかへ歩いて いった。 『今だー!!』 フェンリル達は速攻裏口から侵入して料理を取って逃げ出した。 見事な食い逃げ野郎たちだ。 『美味しい〜vv』 なかでも1番喜んだのはゼトラだった。 『僕、今が生きてきた中で1番幸せ☆』 『そこまで感動するか?普通…。』 『コイツはもともとそういう性格なんだよ。』 アルヴィーフィッシュを食べながら、ロックが言った。 |
マディーン | #5★2003.11/11(火)22:46 |
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第4話 別れ フェンリル達はクロアストを離れ、ニカに向かっていた。 『ねえ、ニカってどんな街ーぃ?』 『俺様も知らない。』 またまたダガーの問いをロックはあっさりと捨てた。 『むかっ!』 『ダガー、落ち着け。』 『マディーン、鋼の翼撃っていいよ(泣。』 『効果は今1つじゃ。』 『ちぇ。』 暫く歩くと、ニカについた。 『…ここでお別れだ、俺様たちは…まあ、いろいろとあって ね。』 ロックの様子が可笑しかった。 『どうしたの、一体?』 フレイムが問うた。 『もういけ!!』 ロックは凄いスピードで駆け出した。 その後を追ってゼトラも飛んで行く…。 『なっ…。』 その時、空に巨大な飛空挺が現われた。 飛空挺には大きく「Z」と書かれている。 『あれは…ザッツクリスタル団!?』 フェンリルが冷や汗をかいた。 その時、飛空挺からミサイルが撃ち出された。 『逃げろー!!』 フェンリル達は路地裏に転がり込んだ。 1番安心できる場所だ。 「半獣を捕まえろ!エレメント・モンスターズもだ!」 飛空挺から声が。 『…ロック達、俺達を逃すためにわざとあいつらを引き付けていた んだ!見捨てられないよ!』 フェンリル達は路地裏から一気にジャンプすると民家の屋根の上でさけ んだ。 『俺達がエレメント・モンスターズだ!半獣の方は諦めろ!俺達が身代 わりになる!!』 飛空挺が止まる。 今度はネットを撃ち出してきた。 しかしフェンリル達はかるーくかわした。 素早さが高いのがこの6匹の特徴なのだ。 『どうする!?』 ダガーが走りながら言う。 『…いちかばちかで、やってみぬか?あの飛空挺の燃料は、水素か もしれぬ!』 『…分かった!』 フェンリル達は空に舞いあがった。 飛空挺に近づく。 「あいつ等、自分から近づいてきたぜ!マヌケじゃねーか!?この船 に太刀打できると思ってのか?自分達で。」 『せーのっ!』 フレイムが火炎放射を動力室らしきところに撃つ。 すると船は大爆発を起こした!! 「うぎゃーっ!?」 パラシュートで逃げようとする奴を、すかさずダガーが捕まえる。 『事情を聞かせてもらおうか。』 「エレメント・モンスターズが人の心を操る『心の宝珠』のありかを 知っているって情報が入ったんですよぉ。で、世界を支配する為に人 の心を支配しようって事で…。」 『あっそ!』 フェンリル達はそいつを川に突き落とした。 「あああ!?俺泳げねえんだよぉぉぉ…。」 どっかで聞いた台詞だ(笑 |
マディーン | #6☆2003.11/12(水)22:22 |
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第5話 マディーンとの別れ前編 『ロック…俺達が狙われてる事、しっかり感知してたんだな…。』 『それをあたし達に話したら絶対ついてくると思って…話さなかったんだ。』 破壊されたニカの街で、フェンリル達は黙りこんで夜空を見上げていた。 既に救助活動などは始まっている。 しかし、街の状況は余りにも醜かった。 ザッツクリスタルの飛空挺から放たれたミサイルがニカの全てを破壊 したのだ…。 『あたし達のせいで…ひっく。』 ダガーが泣きじゃくった。 『…終った事は仕方ない。私はもう行くぞ。』 マディーンがたちあがって翼を広げる。 『マディーン?』 『私はここに用がある。夕方にまでは戻るから待っておれ。』 マディーンは砂埃を上げて飛び去った。 『…用ってなんだ…?』 『…ここか…50年ぶりだな…。』 マディーンは海にいた。 砂浜には、1つの巨大な岩があった。 マディーンは空から降りると、砂を踏みしめながらその岩へと向かう。 …岩には、こう刻まれていた。 「シリーネア大陸のリーグチャンピオン、ここに眠る…」と。 マディーンはそれを見て涙を流した。 『ラン…私は帰ってきた。約束どおり、この大陸に帰ってきた。』 「ラン」とはマディーンを育てたトレーナーの名。 エレメント・モンスターと言う事を知っていて、殺される時に全ての力 をマディーンに最後に託したのだ…。 『…私はエレメント・モンスターとしての役目を果たした。約束 したろう、私は役目が終ったら、生きてたら、帰ってくると…。』 波は静かに砂の上を滑る…。 『ランの仇はとった。そなたを殺したロケット団は解散した。もう、 一緒にいていいであろ?』 砂に、涙が落ちる…。 『ラン、私は決めた。そなたのところへと行く。…仲間に別れのあ いさつをせねばな。』 砂埃を上げて、マディーンは再び飛び立った…。 『あ、マディーンが帰ってきたよ。』 『…フェンリル達よ。』 『どうした?』 『私はここでそなた達と別れる。』 『な、なんで急に…。』 『…大切な、約束があるからじゃ。』 その時、爆音が響いた。 |
マディーン | #7☆2003.11/12(水)22:43 |
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第6話 マディーンとの別れ 後編 『見つけたぞ!エレメント・モンスターズ達!』 飛空挺が再び現われた。 『なっ…またザンスクリスタルの奴等か。』 コカトリスが翼を構える。 乗れ、ということだ。 フェンリル達は空に舞いあがる。 『マディーン。貴方は本当に行くの?』 フレイムが問うた。 『ああ、行く。』 『…良かった。心に迷いが無くて。』 『?』 『迷いがあったら…私達と別れたら、やっていけないからね。』 マディーンは先陣をきっていった。 『はあっ!』 フレイムの火炎放射が直撃する。 しかし、今度の飛空挺はボディーがしっかりしているらしく、ちっとも 効かなかった。 『ちっ。』 『撃てー!』 ミサイルが飛んでくる。 しかしマディーンが鋼の翼で超近距離で破壊した。 『雷ー!!』 フェンリルの雷も空しく弾かれる。 『爆発は危険だし…。』 フェンリルが思考をめぐらせる。 その時、ミサイルが雨のように撃たれはじめた。 メタルコートでも歯が立たない。 マディーンは必死に交わしていたが、やがて叫んだ。 『フレイム、もうゆけっ!!』 『…分かった。』 フレイムがマディーンから飛び降りた。 そのまま近くの民家の屋根に着地。 マディーンはそれを見届けると再び体制を整えた。 『…フェンリル達よ!私はゆく!…もう会う事は絶対に無かろ う!さらばじゃ!』 『マディーン!!』 フェンリル達が叫ぶ。 マディーンは凄いスピードでミサイルを交わしつつ飛んで行く。 そして…飛空挺の動力室に突っ込んでいった…。 船が爆発を起こす。 『…逝ったんだよ。』 フレイムが呟いた。 『え?』 『愛していた、トレーナーの所へ、ね…。』 船の残骸が爆風で吹き飛ぶ。 彼等はそれらを交わすべく地上へ戻った。 降り立った場所には…。 『マディーン!』 マディーンが横たわっていた。 フェンリルが激しく揺する。 しかし、マディーンが動く事は2度と無かった。 マディーンは、大切なトレーナーの元へと帰っていったのだ…。 『私、マディーンから聞いてたよ。海には、自分の死んだトレーナーの 墓があって任務が終ったら自分も…逝くつもりだったって…。』 フレイムが言った。 次の日、海のあの巨大な岩の隣には、新たな岩が置かれたという…。その岩にはそう刻まれていた。 「エレメント・モンスターマディーン、トレーナーの元に眠る…。」 |
マディーン | #8☆2003.11/13(木)22:12 |
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第7話 番外編 フレイムの視点から 私は、最近マディーンの様子がおかしい事に気づいてたよ。 最近、羽の艶も無くなってきたし、元気も無くなってきていた。 皆の前で一生懸命元気振りまいてても、私には分かってた。 マディーンの死期が、近づいてるって事を…。 ある日の夜、皆が寝静まってからマディーンは私に話してくれた。 『…私はな、50年前殺されたトレーナーと、任務が終ったら 会おうと約束していたのじゃ。いくらそのトレーナーが最後の力を 私に託したといっても力は永遠ではない…エレメント・モンスター としての役目を果たしてから、私は自分に死期がぐっと近づいてきた 事が感じられた。』 『…。』 『だから私は…トレーナーの墓があるニカの街のあるシリーネア 大陸に行こう、と言ったのじゃ。大陸についてから1週間もすれば・・ ・私はこの世から消えるだろう…。』 『…悔いは無い?』 『無い。仲間と過ごせて楽しかった。私は役目を果たした。もうこの身 は朽ち果てても良い…また、ランと会えれば…。』 『ラン…?』 『私の為に死んでいったトレーナーの名だ。』 そう、マディーンはランともう一度会うって約束したんだ。 人間とポケモンという壁を超えて、彼等は惹かれあっていったんだね。 『ポケモンはね…死んだら、空の柱って世界にいくんだよ…。』 何時か私が母と言う存在から聞かされた言葉。 マディーンも行くんだろうか…。 ランに会えるんだろうか…。 どっちみち、私達がマディーンの選択を邪魔する権利は無い。 これは『運命』なのだから…。 |
マディーン | #9☆2003.11/14(金)20:18 |
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第8話 新しい仲間♪ 『…もういこうか。』 フェンリル達はマディーンの墓を去った。 その時! 「ティ―ッ!!」 何かが突っ込んできた。 そこを狙うようにネットが飛んでくる。 コカトリスが瞬時にしてネットを切り裂いた。 『大丈夫?』 『…は、はい…私、ラティアスのラティって言います。追われ てるんです。』 ラティは大きく息をついた。 『大丈夫?…第2派だ!』 フェンリルが更に雷を叩き落す。 ネットが破れた。 『手前等!』 「心の宝珠の場所はあのエアームドが知っていたが、死んでしまったの でね。しずくを使って世界を支配する事にした。さあ、そのラティア スを渡せ!」 『駄目だ!ラティは何も悪い事はしていない!手前等の支配下に置かれ る必要なんざこれっぽちもねえんだ!!』 フェンリルがラティをかばう。 ラティはフェンリルの後ろでぶるぶる震えていた。 『さっさといけ!じゃないと爆裂パンチを叩き込むわよ!?』 ダガーがずいっと前に出た。 「ふん!胴長短足のオマエに何ができる!」 ザンスクリスタルの奴等が悪口を吐く。 『よ、よくもー!!』 ダガーの頭に血が秒速3000キロの勢いで上った。 次の瞬間! 『ロケット爆裂パーンチ!!』 ダガーがロケットのように発射して、空中を小型飛行機で浮いていた ザンスクリスタルの奴を爆裂パンチで殴り飛ばした。 小型飛行機は墜落して行くが、ダガーの攻撃はまだやまない。 落ちながら右前足は爆裂パンチ、左前足は炎のパンチを撃とうとしてい るのだ!! 「うぎゃーっ!!」 男の悲鳴が響いた。 『あの、有難うございます。』 『いいってもんよ。今度からあーゆーやつにあったら全速力で逃げる のよ。分かった?』 『あの、私も仲間に入れてもらえませんか?兄を探してるんです・・ ・。』 『にーちゃん?』 『はい。ティオって言うんです。でも、私の身代わりに名ってザンスク リスタルに捕まってしまって…。』 『いいぜ!旅は道連れ世は情けって言うしな!』 |
マディーン | #10☆2003.11/14(金)20:33 |
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第9話 指令 フェンリルは、夢を見ていた。 夢の中で淡い青い光に包まれていた。 『…ここ、どこ…?』 今まで夢の中で何度も来た世界。 その夢は、フェンリルに指令を与えていた…。 ≪エレメント・モンスターズよ…≫ 青き神…即ち、ルギアの声が響く…。 『はい。』 ≪おまえ達の本来の役目は終った…エレメントの場所を無理やり 明かされる可能性がある…消えろ…。≫ ルギアからの指令は、フェンリル達に消えろとのことだった。 『…え!?』 ≪ばれては困る。少々の犠牲を払ってでも、エレメントを護りぬか ねばならないのだ…。 『…分かりました…。』 ≪最後に、ラティオスを戻し、ラティアスの元へ戻してやれ。それが …私が降す…最後の…し…れい…。≫ 夢は破られた。 『見た?』 『うん。ルギア様が消えろだってね。あたし達の先代のエレメント・モ ンスターズも、そうやって消えて行ったんだ…。』 『…あたしは何度もエレメント・モンスターをやってるわ。ラキル を操れるのは、あたしだけだからね。何度もそうやって蘇ってるの。』 『へえー…俺達が会う事は、もう2度と無かろうね。』 『多分ね。私は今まで一緒に旅した仲間と、来世で会ったことはなか った。』 『…そっか。ラティ、アルトマーレに送らないと。』 彼等はニカの港にいた。 アルトマーレに向かうのだ…。 夢見た新たなる冒険。 しかし、彼等はエレメントの秘密を守るために死なねばならないのだ。 『船…乗るですか?』 ラティが不安そうに問うた。 『そうだよ。なーに大丈夫って。倉庫は誰も来ないし♪』 フェンリル達は舟に乗り込んだ。 …終るのも近い。 |
マディーン | #11☆2003.11/14(金)20:42 |
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第10話 番外編 マディーンとランの再会 空の柱という世界を、マディーンは力強く1歩1歩踏みしめた。 自分が新たに生きる世界。 フェンリル達と別れて、今度は再びランと旅を共にするのだ。 空の柱にも町がある…。 『…ラン。久しぶりじゃな。』 さっぱりした黒い髪の若い男を前に、マディーンが言った。 「そうだな。また会えて良かったよ。」 ランがマディーンの頭を軽く撫でた。 喉を鳴らすマディーン。 その姿は、50年前とちっとも変わっていない。 『…ライキは元気か…?』 マディーンがランと歩きながら問うた。 「ああ。」 モンスターボールを取出す。 それと同時に、ライコウのライキが出てきた。 『久しぶりじゃな。任務は果たした。』 『よっ、マディーン。向こうで元気にしてたか?』 『まあな。もう直ぐ会えると予期していた。』 『そうか…また会えて、良かったよ。』 ランとマディーン、ライキの新たなる冒険始まる。 |
マディーン | #12☆2003.11/14(金)20:57 |
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第11話 最後の闘い 消えて行った命 『思い出してよ、お兄ちゃん…。』 ザンスクリスタル×100人の前で、フェンリル達は戦闘態勢をとって いた。 そのザンスクリスタルを護るように、一匹の操られているラティオスが ラティに対して戦闘態勢をとっている…。 『…ヤダよ、思い出してよ…。』 ラティはさめざめと泣くばかりだ。 『なーにいってんのよ!兄ちゃん正気に戻さなきゃ!!兄ちゃんには女 の涙は聞かないわっ!』 ダガーがラティの背中をちょっと強めに叩く。 『…うんっ!』 闘いが始まった…。 『ダブル爆裂ぅ…パーンチ!』 ダガーとフレイムが同時に爆裂パンチを放つ。 人間たちにはやっぱり邪気が取りついているらしい。 しかし、あの時のパピルスは秘密を護るために消えて行ってしまった。 更に、情報を封印しておいたラキルも封印され、機能も千年後までは 起動しない。 『…そうか!ラティ、心の結晶を取り戻すんだ!』 『分かった!』 心の結晶とは、誰もが持っているもの。 それを利用して、ザンスクリスタルの奴等はティオの心を奪ってしま ったのだ!! 『おにさんこちら!』 バッカスが凄い勢いで逃げ出す。 ザンスクリスタルがそれを追いかける。 『隙ありぃっ!!』 ラティが心の結晶をぶんどる。 その瞬間、ティオが正気に戻った。 『さて、やりますか。アルトマーレ・アタック!!』 『雷!』 『爆裂パンチ!』 『火炎放射!』 『ドリルクチバシ!』 『鋼の翼!!』 全員の必殺技がザンスクリスタルにぶつかる…。 煙が消えたかと思うと、もうそこには敵の姿は無かった。 『良かった…。』 ラティが呟いた瞬間、フェンリル達の姿が薄くなり始めた。 『フェンリル!?』 『…ごめん、短い間しかいられなくて。俺達、エレメント・モンスターだから…消えなきゃ行けないんだ、秘密を護るために。』 『そんな…まだあったばかりなんだよ!?』 『仕方ないよ、ラティ。また…何時か…会えるハズだ。』 ティオが優しくラティの肩を抱く。 『さようなら――』 フェンリル達は消えて行った。 第2部 完 |
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