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リクト | #1★2003.12/09(火)12:53 |
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第一話 あのときの思い出 ボクはグラン、25才だ。こんな年だけど、10年前、ボクは… 息子「ねぇパパ。パパが子供の頃のお話、聞かせてよ!」 夏休みのある日、息子がボクにこう切り出した。 グラン「え?…パパが子供の頃の話かい?」 ボクは既に結婚し、一人の息子を授かった。 息子「うん!」 グラン「じゃあ、パパが15才の頃の話をしてあげようかな」 息子「え!?ホント?じゃあ聞きたい聞きたい!」 グラン「よし!聞かせてあげようか。パパは15才の時にね、この地方を旅し、いろいろな事を経験したんだ。その時の話だよ」 10年前… グラン「博士、ボクに用って…何ですか?」 博士「うん、そろそろトレーナーとしてデビューしてもいい頃だと思って、ポケモンをあげようかと思ってね」 グラン「ホントですか!?」 グランは大喜びだ。それはそうだ。彼は自分のポケモンを持ったことがなかったのだった。 グラン「でもボクは…バトルで勝つ自信も無いし…」 博士「経験を積んでいけば最強のトレーナーにだってなれるぞ」 グラン「ボクが…最強のトレーナーに…」 博士「さぁ、このアチャモ、ミズゴロウ、キモリの中から一匹選んでくれ」 グラン「悩むなぁ…でも…ボクは炎タイプを使いたいから、アチャモを選ぼうかな」 博士「このポケモンでいいんだね?」 グラン「はい!」 ???「そんな人にあげたって、何にもならないわ!」 グラン「誰だ?」 ???「あなたが最強になるなんて、私には考えられない」 突然、一人の少女が現れた。 息子「それで?その人って、一体誰だったの?」 グラン「うん。その人はね…あ、もう寝る時間だぞ。続きは今度話してあげる。お休み」 続く… |
リクト | #2★2003.11/06(木)18:55 |
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第2話 完璧なトレーナー 息子「ねぇ、パパ。この前のお話の続き、聞かせてよ!」 グラン「あ?あぁ。確か…女の子が出てきた所まで話したんだったな」 息子「うん!」 グラン「じゃあ、今日はその続きからだ」 グラン「君は…誰だ?」 ???「あなたに名乗る名前なんてないわ!」 グラン「なにぃ…?」 博士「こら!フィーユ!何て事を言うんだ!」 フィーユ「パパ!勝手に名前明かさないで!」 博士「まったく…あ、ごめんよ。グラン君」 グラン「い…いえ」 フィーユ「まったく…パパがポケモンをあげたい人がいるって言っていたから、どんな人かと思ってたけど…期待はずれね…」 グラン「な…なら!そうまで言うキミの実力を見せてみろよ!」 フィーユ「…言ったわね!?そこまで言うのなら…いけっ!サーナイト!」 いきなりフィーユはサーナイトをくりだした。 グラン「な…サーナイトだと!?」 博士「実はフィーユはね…つい最近まで、この地方で旅をしていたんだよ。そして、いろいろなポケモンを捕まえ、最強になるために腕を磨いていたんだ」 フィーユ「…バトルはお預けよ」 グラン「何だと!?あれだけいっといて!もしかして、負けるのが怖いのか?」 グランは怒りがこみあげてきた。 フィーユ「…違うわ。あなたじゃ相手にとって不足だからよ!」 グラン「…!」 フィーユ「じゃ、わたしはもう一度この地方を旅するわ。じゃあパパ、また今度」 博士「あ?あぁ、じゃあ、気をつけて行って来るんだぞ」 グラン「…」 博士「グラン君。フィーユは、実力は確かにある。だが、ジムに挑戦しようともしない。」 グラン「…どういうこと…ですか?」 博士「あいつは、自分の実力を過信しすぎているんだ」 グラン「…」 グランは出入口へと歩いていった。 博士「…?グラン君?」 グラン「ポケモン、ありがとうございました。…お邪魔しました」 そして、グランは研究所を後にした。そしてつぶやいた。 グラン「フィーユ…か。だけど、ボクは負けない。絶対に。今は無理だけど、いつか絶対、フィーユに勝ってやる…!」 こうして、新たな決意を胸に、グランの冒険が始まる…!! 息子「…フィーユって…ひょっとして…」 グラン「そう。ママの名前だ」 息子「へぇ…パパとママって昔はライバル同士だったんだ」 グラン「あぁ。そうだよ」 続く… |
リクト | #3★2003.11/22(土)13:27 |
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第三話 ホウエン地方上陸 息子「ねぇ、パパは、なんで冒険に出たの?」 グラン「うん。じゃ、その辺のことを話そうか」 グラン「よし!行くかな。アチャモ!サイホーン!行くぞ!」 グランは博士から貰ったアチャモ、そして父親から誕生日プレゼントとして貰ったサイホーンと共に生まれ育った町を離れ、港へ向かった。 グラン「あと10分でホウエン地方行きの船が来るな」 そして、10分後、船が入ってきた。 船員「よし。通りな」 グランはチケットを見せて、船に乗り込んだ。 グラン「…旅に出る前日、博士は、『フィーユはこの地方を旅するのはやめてホウエンに行った』って行ってたな。必ず見つけ出してポケモンバトルをしてやる!でも…そのためにはちょっと力不足だからジムに挑戦しよう!バッジを8個ゲットすれば、リーグ本戦に無条件で出場できるって聞いてるし…フィーユはおそらく一般で出るんだろうな…」 グランはもう一度自分の目的を思い返していた。 そして5時間後…ホウエンに到着した。 グラン「ここがホウエン地方か…まずはポケモンセンターで出場登録しておかないと」 グランはポケモンセンターに向かった。 ポケモンセンターに着き、中に入ったとき、丁度受付を済ませたらしい少年とすれ違った。 ???「このサトシ様の実力をポケモンリーグで見せてやるぜ」 あの少年の名はサトシというのかとグランは思った。 グラン「じゃ、お願いします」 グランは出発前に博士からポケモン図鑑を貰っていたので、登録はすぐに完了した。 グラン「さて、このシューズで、一気に次の町まで行くかな」 グランはこの周辺の地図を見て、一番近い町がコトキタウンだと知るとすぐさまランニングシューズで走っていった。 走りながら、グランはこう呟いた。 グラン「あのサトシとかいう奴…すれ違ったときに強者のオーラを感じた…あいつもライバルに加えておこう…」 グランが港から次の町に向かった後、港のポケモンセンターでこんな会話があった。 一般トレーナー男「なぁ、さっき出場登録してた帽子かぶっていた奴って、カント―地方のマサラタウンのサトシじゃなかったか?」 一般トレーナー女「あ、知ってる!たしか、ポケモンリーグベスト16で、ジョウトリーグでも本戦に出場したトレーナーなんだって!」 一般トレーナー男「あいつも出るのか…ホウエン地方のポケモンリーグに…かなりの激戦になることは必至だな」 一般トレーナー女「ええ、そうね…」 この時のグランは、まだその少年の正体を知るよしもなかったのであった… 息子「へぇ…ポケモンリーグ出場が目的だったんだ…」 グラン「ああ、そうさ。そしてフィーユ…つまり、お前のママ、当時はボクのライバルだったフィーユを倒すために…ね」 グランは我が子に熱っぽく語った。 続く… |
リクト | #4★2003.12/09(火)12:53 |
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第四話 再会・グランとフィーユ 前編 グラン「さて、今日はボクとフィーユのポケモンバトルの話をしてあげよう」 息子「で?どっちが勝ったの?」 グラン「それを聞くのはまだ早いよ。あわてるなよ。今から話すから」 息子「興味あるー!」 グラン「ふう…この辺のトレーナー大したことないな…」 コトキタウンを出発したグランはなんと10分足らずでトレーナーの溜まり場を抜けたのである。 グラン「もっとこう…ボクのトレーナー魂を燃え上がらせるヤツいないのかな…ひょっとしてボクが強すぎなのかな…」 グランは思いっきり退屈している様子だ。 ???「退屈そうみたいね…」 グラン「…?」 道に座って休憩していたグランの頭の上に、聞き覚えのある声が聞こえた。 グラン「お…お前は確か…フィーユ!」 フィーユ「気安く呼ばないでよ…」 グラン「じゃ…じゃあ、なんて呼べばいいんだよ」 フィーユ「自分で考えなさい」 グラン「ちぇっ…可愛くねぇなぁ…結構可愛い顔してるのに性格はそれとは裏腹じゃんか…」 フィーユ「余計なお世話よ…」 グラン「まったくコイツは…」 グランとフィーユは睨み合いになっている。 睨み合いは約3分間続きそのうちお互い飽きたのか、睨み合いをやめた。 グラン「こんなところで睨み合っていても何にもならない」 フィーユ「…確かにそうね…」 グラン「この際だから、ポケモンバトルで決着つけようぜ!」 フィーユ「ダメよ。あなたの実力じゃ私に勝てないわ」 グラン「それはどうかな…?」 フィーユ「…!?」 グラン「ボクはこの場所で野生のポケモンとの戦いで経験値を地道に蓄え…見ろ!」 フィーユ「一体何を…」 グラン「いけ!バシャーモ!」 フィーユ「そんなっ…この間アチャモ貰ったばかりなのに…」 なんとグランは一週間前までアチャモだったバシャーモを繰り出したのである。 フィーユ「一体なぜ・・?こんなのありえない!」 グラン「ボクは寝る時間も惜しんでトレーニングを積んだ。その結果だ」 実はグランは一週間寝ずに自分の手持ちを鍛えたのである。 フィーユ「まさか寝ずに鍛えるなんて…そんなことすると体壊すわよ!」 グラン「へぇ…お珍しい。ボクにそう言うなんてな。ひょっとしてボクに気があるんじゃないか?」 フィーユ「別にそんなつもりじゃ…ただ心配して言っただけよ…」 グラン「へぇ…まあ、そういうことにしておこうかな。とにかく!これで実力は五分五分のハズだぜ。さあ、フィーユ…かかってきな!」 なんとグランはフィーユに挑戦状を叩きつけたのである。 フィーユ「…手応えありそうね…いいわよ!その勝負、乗ったわ!」 グラン「そうこなくちゃな」 そしてグランとフィーユのポケモンバトルが今、始まる! 第四話 再会・グランとフィーユ 前編終わり |
リクト | #5☆2003.12/09(火)13:59 |
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第五話 再会・グランとフィーユ 中編 グラン「さてと、バトルを始めようか…」 フィーユ「手加減しないわよ」 グラン「ボクだってそのつもりだ!」 フィーユ「どっちが先にポケモン出すの?」 グラン「コインを投げて、表だったらボクが先に出す。裏だったら、フィーユ、キミが先に出す。これでどうだ」 フィーユ「そのコイン、確認させて」 グラン「仕掛けなんか何もないぜ」 フィーユ「…のようね」 グラン「よし。ボクがトスする」 グランはコインを指で弾いた。 そして出たのは… フィーユ「裏…」 グラン「じゃあ、ボクが後出しだな」 フィーユ「さっきも言ったけど…手加減なんかしないわ」 グラン「ボクだってそうだ。ルールは2対2。時間無制限、入れ替えなしだ」 フィーユ「どちらかが倒れるまで…ってわけね」 グラン「そのとおりだ」 フィーユ「じゃあ、バトル開始よ。行って!サーナイト」 グラン「サーナイトか…ならボクは、サイドン!」 フィーユ「えっ…サイドン?」 グラン「ボクは特訓したのはバシャーモだけとは言ってないぜ」 フィーユ「なるほどね…」 グラン「サイドン、じしん攻撃だ!」 サイドン「ギャオオオ!」 フィーユ「サーナイト!…でもなぜサイドンの方が素早さが高いの?」 グラン「せんせいのツメさ」 フィーユ「あ、なるほど…って関心してる場合じゃないわ…」 グラン「よそ見するな。サーナイトは戦闘不能のようだぜ」 フィーユ「そんなっ…サーナイト…」 グラン「どうだ?ボクの実力」 フィーユ「…(まさか私のポケモンがこんなに簡単にやられちゃうなんて…)」 グラン「どうした?あまりのショックに声も出ないのか?」 フィーユ「…!(何…?この感じ…今まで私が戦ってきたトレーナーより私の心を熱くさせてくれる相手が…)」 グラン「どうした。早く次のポケモンを出せよな」 グランは待ちきれない様子である。 フィーユ「…なかなかやるわね、グラン!」 グラン「えっ…(フィーユがボクの名を…?)ま…まぁな」 フィーユ「でも、まだ勝負は終わってないわ!」 グラン「そうだな」 フィーユ「行って!ジュカイン」 グラン「ジュカイン…」 フィーユ「特訓していたのは、あなただけじゃない」 グラン「キミも特訓していたってワケか」 フィーユ「ふふっ…そのとおりよ」 グラン「相手にとって不足なしだ。サイドン、いくぜ!」 フィーユ「ジュカイン、リーフブレード!」 グラン「受け止めろ!」 しかし、サイドンが受け止めるより先にジュカインのリーフブレードが命中していた。 グラン「サイドン!」 フィーユ「どうやら、そっちのサイドンも、戦闘不能みたいね」 グラン「やるじゃん…」 フィーユ「…それはどうも」 グラン「じゃあ、ボクの2体目は…いけ、バシャーモ!」 フィーユ「出たわね、バシャーモ!」 グラン「勝負はこれからだ!」 果たして、この勝負の結末は! 第五話終わり 後編に続く… |
リクト | #6★2003.12/10(水)13:41 |
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第六話 再会・グランとフィーユ 後編 グラン「バシャーモ、手加減する必要はない。全力で戦え!」 フィーユ「…いつでもどうぞ」 グラン「バシャーモ、にどげりだ!」 フィーユ「ジュカイン、よけて!」 ジュカインはにどげりをよけたが、一発だけ当たってしまった。 フィーユ「一発当たっちゃったか…」 グラン「ボクのバシャーモを甘く見るなよ」 フィーユ「ふふっ…そうね。甘く見たら間違いなく負けちゃいそうね」 グラン「状況はボクだって同じだ。ちょっとした油断が敗北に繋がる」 フィーユ「そのとおりね。私はこのことを忘れかけてた…」 グラン「…思い出したのか」 フィーユ「さあ、バトルの続きよ!」 グラン「ああ。でも、ボクは負けない!」 フィーユ「ジュカイン、つばめがえし!」 グラン「なんだと!」 フィーユ「この技をかわすのは不可能よ!」 グラン「迎え撃て!ブレイズキックだ」 つばめがえしとブレイズキックはほとんど同時に相手に当たる、つまり相撃ちだった。 どちらもかなりのダメージを受けているらしい。 フィーユ「…ただじゃ私は負けないわよ」 グラン「それはボクだって同じだ」 だが、お互いのダメージは予想以上に大きい。 グラン「どうやら…お互いのポケモンはもう一発技を使うのがやっとのようだな…」 フィーユ「なんだか早すぎる気がするけど…それほどお互いポケモンの技の威力が高いようね」 グラン「…らしいな」 どうやらグランもフィーユもこの一撃に全てを賭けるつもりらしい。 フィーユ「ジュカイン、最大パワーでつばめがえしよ!」 グラン「バシャーモ、こっちも最大パワーでブレイズキックだ!」 2体のポケモンは相手に向かって技を放つ。 しかし技のタイプと素早さを考えるとジュカインのつばめがえしが命中するのが早い。 グラン「そうだ…バシャーモ、ジャンプしろ!」 フィーユ「えっ?」 グラン「ブレイズキック・かかと落としバージョン!」 バシャーモはジュカインに向かって急降下する。 そしてブレイズキックはジュカインにクリーンヒットした。 フィーユ「ジュカイン!」 グラン「はぁ…はぁ…か、勝った…」 フィーユ「ジュカイン、ご苦労様。ゆっくり休んで」 グラン「ボクが…フィーユに…勝った」 グランは喜びを隠し切れないが、大声を出して喜んでいない。 まだ勝利したことを実感できていないのだ。 フィーユ「…負けたわ。完全に私の負けね…」 グラン「でも、やるじゃん」 フィーユ「グランの方もね」 グラン「さてと…ボクはそろそろ次の街に行こうかな。ここでお別れだ」 グランは街に向けて歩き始めた。 しばらく後、フィーユは1人呟く。 フィーユ「…自分の気持ちを素直に伝えるのは、やっぱり難しいみたいね…」 そのときのフィーユは、後ろに何者かがいることに気付かなかった。 謎の男「我々に付いて来てもらおうか」 フィーユ「だ、誰?」 謎の男「教える必要はない。無理にでも連れて行く」 フィーユ「き…きゃああああああ!」 そのころグランは… グラン「…フィーユ?まさか、フィーユになにかあったんじゃ…」 グランはもと来た道を走って戻って行った。 そのころ… 謎の男「…重要人物、捕獲。直ちに帰還する」 グランが駆けつけたときには、フィーユの姿は既に無かった。 グランは自分の不甲斐なさに涙を流す。 グラン「せめて…次の街まで一緒に行けばよかった…」 そしてグランは1人呟く。 グラン「待ってろ…必ず助け出してやるからな!フィーユ!」 グランは決意を胸に、再び旅立つ… 第六話終わり 第七話に続く… グラン「これじゃ、バッジゲットの旅どころじゃなくなってきたなぁ…」 |
リクト | #7★2003.12/10(水)14:31 |
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第七話 マグマ団を懲らしめろ!マグマ団捕獲大作戦 前編 ここから先のことは、ボクはもうほとんど覚えていない。 息子にはなんて言ったらいいのだろうか… 25才のグランは、そう考えながら次の朝に備え、眠りにつく… 物語の真相はこうなっている… グラン「なんとしてでもフィーユを助け出さなくちゃ…」 その時、足元に紙が落ちていた。 グラン「なんだろ?」 グランはそこに書かれている文を読む。 そこには、こう書かれていた。 「貴様とポケモンバトルをしていた小娘は預かった。 返して欲しければ、我々の所へ来るがいい… マグマ団リーダー・マツブサ」 グラン「マグマ団…」 マグマ団といえば、この地方でポケモンを使って悪さをしているとグランは聞いたことがある。 グランはフィーユを助け出す方法を考えるが、なかなか思いつかない。 グラン「どうしよう…助けに行くっていっても、ボク1人じゃ力不足だし…強いトレーナーと一緒に行ければいいんだけど…」 ???「へぇ、なるほどね」 突然、後ろから少年の声が聞こえた。 グラン「うわっ!…誰か知らないけど、脅かさないでくれよ」 ???「ごめんごめん。でも声を掛けてたのに何で気付かなかったんだよ」 グラン「え?声掛けたのか?」 ???「何度も掛けたよ。気付いてない所を見ると、何か考え事か?」 グラン「ああ…実は…」 グランはこれまでの経緯を少年に話した。 ???「なるほど…それは大変だな」 グラン「それで、誰か仲間を探してるんだけど、なかなか…」 ???「そういう事なら、オレも行くよ」 グラン「え?いいのか?」 ???「実はオレも、そのマグマ団を追っている」 グラン「本当か?」 ???「自己紹介まだだった。オレ、グロードっていう」 グラン「グロード君か。ボクはグラン。宜しく」 グロード「オレのことはグロードでいいよ」 グラン「わかった。そう呼ばせてもらうよ」 グロード「実はオレ、この地方に伝わる伝説のポケモンを探しているんだ。大地の化身、グラードンというポケモンをな」 グラン「実はボクの名前も、グラードンの名前から付けたんだよ。広大な大地のように、大きく生きて欲しいという気持ちでね」 グロード「なるほどな」 グラン「さて…と、行こうか。グロード」 グロード「その前に、さらわれたのがどんな娘なのか、教えてくれ」 グラン「確かポケナビのトレーナーアイに…あった!この娘さ」 グロード「へぇ…結構可愛いじゃないか。助け出したらオレが奪っちゃおうかな…」 グラン「それは絶対いやだな」 グロード「…お前の心理は分かった。この娘のこと、好きなんだろ?」 グラン「な…何でそう言えるんだよ」 グロード「だってお前、イヤだって言ったじゃんか」 グラン「う…(しまった…見破られた)」 グロード「見くびるな。オレは恋には結構敏感なんだ」 グラン「…(とんでもないヤツを仲間にしちゃったなぁ…)」 グロード「さて…と」 グラン「じゃあ、行くか」 グロード「行く必要なんて無い。向こうから来てもらう」 グラン「どうするんだ?」 グロード「オレにいい考えがあるのさ。フフフ…」 グラン「何だよ。いい考えって」 グロード「オレは恋に敏感なのと同時に、イタズラの天才でもあるのさ」 果たして、新しい仲間、グロードの考えとは!? 第七話終わり 第八話に続く… |
リクト | #8★2003.12/10(水)17:31 |
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第八話 マグマ団を懲らしめろ!マグマ団捕獲大作戦 後編 グラン「考えって…一体なんだよ」 グロード「名付けて…落とし穴大作戦だ!」 グラン「お…落とし…穴?」 グロード「そう。落とし穴だ」 グラン「…(うわぁ…幼稚な方法だなぁ)」 グロード「幼稚な方法だと思ってるだろ」 グラン「う…(また見破られたよ…コイツ勘が鋭いな)」 グロード「シンプルイズベスト!こういう幼稚なものの方がかかりやすいのさ」 グラン「自信あるのか?」 グロード「さあ?」 グラン「ガクッ…なんだそりゃ…」 グランは心底あきれている。 グロード「自信はないけど、オレはイタズラの天才だ。見くびっちゃ困る」 グロードは自信は無いと言いながらも自信たっぷりの顔をしている。 グラン「でも、マグマ団はここにいるとは限らないぞ?」 グロード「心配ない。ココに来たとき、ヤツらのアジトを見つけた」 グラン「…ということは…?」 グロード「そうさ。落とし穴掘って、ここにおびき出す」 グラン「で、落とし穴誰が掘るんだ?」 グロード「もちろんグラン、お前さ」 グラン「ボクが?」 グロード「アイデア出してやったんだ。実行はお前だ」 グラン「…わかった」 グロード「穴を掘れるポケモンいるのか?」 グラン「こいつがいる。いけ!サイドン!」 グロード「うん。コイツなら深く掘ることが出来る」 グラン「で、何メートルの深さだ?」 グロード「15メートル位だな」 グラン「おいおい…いくらなんでも掘りすぎじゃないのか?」 グロード「その位掘らないと尋問できないだろ?」 グラン「なんの尋問だよ」 グロード「わかってねえなぁ…『フィーユが何処にいるか』だろ」 グロードはグランの天然ボケにはあきれているようだ。 グロード「さあ、掘ってくれ」 グラン「オッケー。分かった」 20分後… グラン「こんなもんでどうだ?」 グロード「上等上等。…で、小枝をのせて、土をかぶせる」 グラン「これでいいのか?(いかにもすぐにバレそうな気がするぞ)」 グロード「ボーッとするな。マグマ団員が来たぞ。隠れろ!」 グラン「何でこんなに早く来るんだろうか…」 グロード「偵察に来たんだろうな。好都合だ。おびき出す手間が省けたな」 グラン「それはそうと、ヤツは落とし穴に向かっているぜ」 グロード「なにも知らないで…くくっ」 グロードは早く落とし穴に落ちろと言いたそうな顔をしている。 その瞬間、マグマ団員の姿が視界から消えた。 グロード「よっしゃあ!大成功!」 グラン「うっそぉ…こんなに簡単に引っかかるなんて…」 グロード「なっ?かかっただろ?」 グラン「でもさ、かかる方もかかる方な気がするんだけど…」 グロード「ぐだぐだ言ってないで、さあ、聞きに行くぜ」 グラン「よし。絶対に場所を聞き出してやる!」 そのころのフィーユは… フィーユ「う…う…ん」 謎の男「ようやくお目覚めのようだな」 フィーユ「一体何者なの!?いきなり人を連れ去って」 謎の男「我々のプロジェクトに協力してもらう」 フィーユ「イヤよ。誰が協力なんてするもんですか。第一、何なのよ、そのプロジェクトって」 謎の男「協力したくないようだな…もういい。牢屋その2へ連行しろ」 団員たち「ハッ!」 フィーユ「なんでいきなりその2なの!」 団員たち「ごちゃごちゃ言わない!さっさと来る!」 フィーユ「ちょ…ちょっと…きゃあああああ!何で〜!」 そのころ… グラン「さてと、聞き出すとするかな」 グロード「オッケー!」 果たして、グランとグロードはどんな情報を得るのだろうか! 第八話終わり 第九話に続く… |
リクト | #9★2003.12/11(木)14:45 |
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第九話 地下通路の謎 前編 さて、捕われの身となっているフィーユ。 一体どうなっているかというと… フィーユ「…情けないわね…私って。いとも簡単に捕まっちゃうなんて」 フィーユは何度もこの言葉を呟いている。 フィーユ「ここから出る方法を考えなくちゃ…」 しかし、牢屋にはもちろん牢番がいる。 フィーユ「こうなった以上は仕方無いわ…グランを信じて待つしかないみたい…」 そして呟く。 フィーユ「お願い、グラン。早く助けに来て…」 一方のグランはというと… グラン「なぁ、グロード。団員はいとも簡単に場所を教えてくれたけどさ、信じていいのか?」 グロード「嘘だったらさっきのヤツに文句言えばいいのさ」 グラン「ふぅん…(なんて楽天的なんだコイツは…)」 彼らはオマヌケにも落とし穴に落ちた団員から、こんな事を聞いた。 グロード「まったく…少しは警戒心持てよな。マグマ団員さんよぉ」 マグマ団員「…」 穴の中でマグマ団員はグランとグロードを見上げている。 グラン「さあ、お前らがさらっていったフィーユの居場所、教えてもらうぞ」 マグマ団員「いいだろう…話してやる」 グロード「おろっ?結構素直じゃん」 グラン「何処なんだよ」 マグマ団員「…トウカシティの…地下通路…」 グラン「トウカシティに地下通路なんかあったっけか?」 グロード「確か今は開発中で、一般の人間は立入禁止になってるはずなんだ」 マグマ団員「そのフィーユとかいうヤツは…その地下通路のさらに奥の、マグマ団の実験施設にいる…」 グラン「そんな所があったなんて…」 グロード「よっしゃ、居場所はわかった。じゃあ行くか」 マグマ団員「ちょっと待て!俺は一体どうなる!」 グロード「しばらくそこで頭を冷やせ」 グラン「…(すごいなぁ…グロードのヤツ…)」 グラン「さあ、そろそろ行こうぜ」 グロード「ちょっと待てよ。もう少し食ってから…食い放題なんだからさ」 グラン「食べ過ぎはよくない。ほら、行くぞ」 グロード「なんかもったいない気がするんだよなぁ…」 地下通路入口にやってきたグラン達は中に入ろうとしていた。 グラン「いいのか?立入禁止の場所に入っても…」 グロード「人助けのためさ。しょうがねえよ」 2人は地下通路の中に入っていった… 一方、実験施設内部では… 謎の男「マツブサ様、侵入者です。いかが致しましょうか」 マツブサ「放っておけ。それよりもプロジェクトの為の実験が先だ」 謎の男「では、侵入者は…」 マツブサ「ホムラ、侵入者は貴様に任せる」 ホムラ「ハッ!マツブサ様!」 マツブサ「侵入者どもの実力、見せてもらおう…」 グラン「秘密基地らしい所は…見当たらないな」 グロード「こういう場所はな、床下にあることが多いのさ」 グラン「マジかよ…」 グランは全然信じてない様子だ。 グロード「まぁ…見てなって」 グラン「そうこうしてるうちに行き止まりだぜ」 グロード「こんなところに入口があることが多い」 グラン「うそつけ」 グロードはその言葉を無視して、床板を持ち上げた。 すると、人工的に作られた入口らしいものがあった。 グラン「うっそぉ…」 グロード「なっ?あったろ」 グラン「お前、勘良すぎだ…」 果たして実験施設内部で2人を待ち受けるものとは!? 第九話終わり 第十話に続く… |
リクト | #10★2003.12/12(金)09:13 |
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第十話 突入!マグマ団の実験施設 さてさて、遂にマグマ団の実験施設に潜入したグランとグロード。 一体どうなっているかというと… グラン「おい、グロード!いきなり見つかっちゃったじゃないか!」 警報装置に引っかかり、すぐに見つかってしまった。 グロード「オレのせいじゃないよ!とにかく急ぐぞ」 グラン「急ぐって言ったって…何処に行くつもりだよ」 グロード「おそらくフィーユは、敵の親玉の場所にいるか、もしくは牢屋の様な所に閉じ込められているか」 グラン「まずはフィーユを助けるのが先決だな」 グロード「そうしたところで仮にフィーユを助けたとしても牢屋は結構狭い。取り囲まれてオレたちも捕まってしまう」 グラン「じゃ、先に親玉を倒して、それから助ける…」 グロード「却下だ。先に親玉を倒したとしても、残った団員たちによってフィーユは連れていかれてしまうだろうな」 グラン「じゃあどうすればいいんだ」 グロード「親玉を倒すのと、フィーユを助けるのを同時に行う必要があるな」 グラン「ということは…」 グロード「親玉を倒す方と、フィーユを助ける方。二手に分かれた方がいいだろうな」 グラン「で…でも…」 グロード「心配するな。お前の実力は承知している」 グロードもフィーユと同じくグランの実力を認めているようだった。 グロード「じゃあ、お前はどうする?親玉を倒すか、フィーユを救出するか」 グラン「え?ボクが決めるのか?」 グロード「アイデア出してやったんだ。決めるのはお前だ」 グラン「何だか前にも似たようなことが…」 グロード「早くしろ。団員たちに追いつかれるぞ」 グラン「じゃあボクはフィーユを助けに行く」 グロード「やっぱりおいしいとこを持っていったな」 グラン「…ほっとけ」 グロード「じゃあ、オレは親玉を倒しに行く」 グラン「実験施設っていうくらいだから、親玉は実験室にいるんだろうな」 グロード「じゃあ、オレは実験室に向かう。ご丁寧に目印が付いてるから、一応この目印信じて行ってみる。グランは牢屋を探してフィーユを助け出せ」 グラン「じゃあ、一旦ここでお別れだ。また後で…必ず会おう」 グロード「ああ…もちろんだ」 そしてグランは牢屋に、グロードは実験室に向かっていった。 グロード「ココが実験室だな…よし!」 グロードは実験室に入った。 しかしそこには親玉はおらず、代わりに幹部らしい男がいた。 グロード「…おい!親玉はどこだ」 謎の男「リーダーはフィーユとかいう小娘がいる牢屋に行った」 グロード「なにぃ…」 謎の男「そして我々の実験を見られたからには…ただては返さん」 グロード「どうやらポケモンバトルはまぬがれないようだな」 謎の男「貴様はこのマグマ団幹部、ホムラが相手をしてやる…来い!」 そのころグランは… グラン「まったく…牢屋にはいなかったじゃんかよ・・」 グランは牢屋から出ようとした。 そして牢屋の天井を何気なく見たら… グラン「牢屋…その1?」 グランはコレを見た途端、こう呟いた。 グラン「いったい牢屋いくつあるんだよ…まったく」 グランは仕方なく、次の牢屋その2に向かって行った。 そしてフィーユが捕まっている牢屋その2では… マツブサ「我らのプロジェクトに協力する気はないか」 フィーユ「何度も言ってるでしょ!?ないわよ」 マツブサ「ならばこの特別製牢屋にずっと入ってろ」 フィーユ「どこが特別製よ。鉄格子の間隔が異常に広いじゃない。これならすぐに出られるわ」 マツブサ「はたしてそうかな…?」 フィーユは鉄格子の間から出ようとしたが、その瞬間フィーユの体を電流が走った。 フィーユ「きゃあああああああ!」 マツブサ「だから言っただろう。簡単には出られない。私の後ろにある、スイッチを押して電流を止めなければ出られんぞ」 フィーユ「そ…そんなっ…」 マツブサ「安心しろ。この電流は静電気と大体同じだ。致命的ではない」 フィーユ「静電気が一箇所に集まっているから強い電流が…」 フィーユがそう呟いた時、聞き覚えのある声が聞こえた。 ???「待てよ」 マツブサ「誰だ!」 フィーユ「グラン!」 グラン「悲鳴のする方に走ってきたけど…ビンゴだな」 マツブサ「コイツを返してほしければ…勝負だ」 こうしてグランとマツブサとのバトルが始まる! 第十話終わり 第十一話に続く… |
リクト | #11★2003.12/12(金)16:39 |
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第十一話 マグマ団との直接対決 グロード「実験って…何の実験だよ」 ホムラ「超古代ポケモンに関するものだ」 グロード「ま…まさか人工的に復活させるつもりじゃ…」 ホムラ「まぁ…そんなところか」 グロード「人工的に復活させるなんて…許さねえ!」 ホムラ「何とでも言うがいい。我々は目的達成のためなら手段は選ばん」 グロード「どうやら、何を言っても無駄なようだな」 ホムラ「グラエナ、相手をしてやれ」 グロード「いけっ!レアコイル」 ホムラ「そんなポケモンで私に勝つつもりか」 グロード「レアコイル、でんげきはだ」 レアコイルのでんげきはがグラエナに直撃した。 ホムラ「な…なんだと」 グロード「へっへー、どうだ!ついでだ。レアコイル!実験装置を壊しちゃえ!」 ホムラ「やめろ!」 ホムラが叫んだがもう遅い。実験装置は木っ端微塵に壊れてしまった。 ホムラ「実験装置が…」 グロード「さてと、グランの援護に向かうかな」 グラン「さて、さっさと片付けるかな」 マツブサ「片付けられるのは貴様の方だ」 グラン「それはそうとフィーユ、鉄格子の間隔がこんなに広いのに、何で出ないんだよ」 フィーユ「あっ…それは…」 グラン「待ってな。いま引っ張り出すから」 フィーユ「あっ…待って!」 グラン「えー?…って…うわああああああ!」 フィーユ「だから待ってって言ったのに…」 フィーユに続いてグランも静電気トラップにかかってしまった。 グラン「おいフィーユ!何なんだよコレ!」 フィーユ「見ての通りよ…私もコレにかかったわ…」 グラン「じゃ、さっきの悲鳴はこのトラップのせいか」 マツブサ「その通りだ」 グラン「お前が親玉か!」 マツブサ「いかにも。私がマグマ団リーダー、マツブサだ」 グラン「で、親玉が何でここにいるんだよ」 マツブサ「実験はホムラに任せている…おっと、無線だ」 グラン「…(何なんだ…) マツブサ「何だと、ホムラが倒された!?」 グラン「…てことは、グロードが勝ったんだな」 フィーユ「…グロード?」 グラン「ボクの新しい仲間だ」 マツブサ「仕方が無い。いけ、バクーダ!」 グラン「バクーダ…図鑑によると、背中に火山があるのか…」 マツブサ「さあ、どう戦う」 グラン「…いけっ、サイドン」 マツブサ「バクーダ!とっしん攻撃」 グラン「サイドン!正面から受け止めろ!」 サイドンはバクーダの突進を正面から受け止めた。 マツブサ「何だと…」 グラン「よーし!バクーダを投げつけちゃえ!」 なんとサイドンはバクーダを投げ飛ばしたのである。 そしてそのすぐ後… ???「グラン!」 グラン「グロード!来てくれたのか!」 グロード「こっちは片付いたぜ」 フィーユ「君がグロード君…」 グロード「へぇ、君がフィーユか。実物見るとやっぱ可愛いじゃん」 フィーユ「え?私ってそんなに可愛い?」 グラン「グロード、ちょいまち!鉄格子に触るな!」 フィーユ「強力な静電気が走るわ」 グロード「え?マジ?危ねえ危ねえ。危うく触るところだったぜ」 マツブサ「助っ人か…形成は不利だな」 そう呟いたかと思うと、マツブサは逃げていった。 グロード「あっ!あいつ、逃げやがった」 グロードが追いかけようとしたのだがグランは グラン「やめるんだ。深追いはよした方がいい」 グロード「それはそうと、この静電気を何とかしないとな」 フィーユ「そこのスイッチを押して。そうすれば電気は止まるわ」 グラン「これか。ポチッ…と」 グロード「どうだ。電気は止まったか?」 フィーユ「えっと…ええ、大丈夫みたい」 グラン「それにしても手の込んだ仕掛け作るよな、ヤツらも」 フィーユ「そんなことはもうどうだっていいわ。…ありがとう。グラン、えっと…」 グロード「オレ、グロード。宜しく」 フィーユ「うん。宜しく。それと、ありがとう」 グラン「…どうやらゆっくりしてるヒマは無いみたいだな」 フィーユ「どういうこと?」 アナウンス「自爆システム、起動」 グロード「えっ!?自爆だって!?」 フィーユ「早く逃げなきゃ!」 グラン「言われなくても!」 10分後… グランたちは無事に外に出ることが出来た。 しかし、爆発はしなかった。 フィーユ「爆発…しないわね」 グラン「案外、爆弾と爆竹間違えたりして」 グロード「ありえるな。落とし穴に落ちるほどアホなんだし」 実はその通りだった… グランとグロードは無事にフィーユを救出し、次の冒険に向かう… 第十一話終わり 第十二話に続く… |
リクト | #12★2003.12/12(金)21:26 |
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第十二話 グランとフィーユのイタズラ作戦 前編 フィーユを助け出したグランたち。その夜… グラン「どうだ?フィーユ。まだ体がしびれるなんて事はないか?」 フィーユ「平気よ。…ありがと」 グロード「そう言うグラン、お前だって静電気食らったじゃんか」 グラン「ボクは平気だけど…フィーユが…」 フィーユ「心配しなくても大丈夫。それより私の方より自分の心配をしたほうがいいわ」 グロード「(小声で)おい、グラン。オレこれから夕食用に川から水汲んでくるからよ、その間に告っちゃえよ」 グラン「(小声で)簡単に言ってくれるな」 グロード「(小声で)今がチャンスだぜ」 フィーユ「2人とも、何話してるの?」 グラン「何でも」 グロード「別に」 フィーユ「そう?」 グロード「んじゃ、オレは川で水汲んでくる」 フィーユ「ええ」 グラン「んじゃ、ボクも」 グロード「お前は留守番だ」 グラン「何でだよ(コイツ、無理矢理実行させる気だな)」 グロード「フィーユがまたさらわれない様にするためだ」 フィーユ「ふふっ。私だって同じ間違いをするほど間抜けじゃないわ」 グラン「…分かったよ。じゃあグロード1人で頼むぜ」 グロード「んじゃ、行ってくるから(上手くやれよ、グラン)」 グラン「なぁ、フィーユ」 フィーユ「なぁに?」 グラン「グロードのこと、ハメてみないか?」 フィーユ「というと?」 グラン「イタズラ作戦さ。ちょっと耳貸せ。ゴニョゴニョ…」 フィーユ「…それ面白い!やりましょ!」 グラン「でもな、グロードは生半可なイタズラじゃすぐに見抜いてしまう」 フィーユ「なんで?」 グラン「なにせ、グロードはイタズラの天才だからな」 フィーユ「念入りに作戦を練っておく必要がありそうね」 グラン「前はグロードに見抜かれたからな。その仕返しだ!」 フィーユ「見抜かれた…って、何を?」 グラン「あ、いやこっちの話だ」 フィーユ「なんだか楽しみになってきたわ!」 グラン「よっしゃ、グロードをイタズラでハメてやろうぜ!」 フィーユ「じゃ、徹夜で作戦を練りましょ」 グラン「グロードを腰抜かすほど驚かせてやる…」 フィーユ「ついでに、グロード君の心理も暴いちゃいましょ!」 グラン「心理?」 フィーユ「グロード君って、結構単純そうだし、この計画なら自分の思ってること、ほとんど話すと思う」 グラン「心理を暴く…か。そう簡単に乗るかな」 フィーユ「大丈夫!これでも私、イタズラ少女って言われてたんだから!」 グラン「マジかよ…」 しばらくして、グロードが帰って来た。 グロード「お待たせ。川がなかなか見つからなくてさ」 グラン「じゃあ、メシにするか」 フィーユ「よーし!ここは私の出番みたいね!」 グラン「フィーユって料理上手だよな」 グロード「同感」 フィーユ「ふふ…ありがと」 グロード「(小声で)グラン、告ったか?」 グラン「(小声で)またそれかよ」 その時、突然フィーユが口を開いた。 フィーユ「…私ね、小さい頃にママが死んじゃって、小さい時から料理してたの」 グラン「そうだったのか…」 グロード「道理で料理が上手いはずだ」 フィーユ「ねぇ、それって、シャレ?」 グロード「え?」 フィーユ「ほら、『道理』と『料理』で」 グラン「それは違うと思うぞ」 フィーユ「(小声で)グラン、後で打ち合わせね」 グラン「(小声で)オッケー。分かった」 果たして、グラン&フィーユが考えているイタズラとは!? そしてグロードはこのイタズラに引っかかるのか!? 第十二話終わり 第十三話に続く… |
リクト | #13★2003.12/14(日)15:45 |
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第十三話 グランとフィーユのイタズラ作戦 後編 早朝… グランとフィーユは作戦実行準備のために、早くから起きて最後の打ち合わせをしていた。 グラン「よし、昨日の打ち合わせ通りにやるぜ」 フィーユ「オッケー!…でも、ホントに引っかかるかな?」 グラン「突然のイタズラだ。ほとんどの可能性でかかると見た」 グロード「あ…あー…よく寝たぜ…」 グロードが目を覚ました時、隣ではフィーユが泣いていた。 グロード「どうした?」 フィーユ「グランが…グランが…」 グロード「グランがどうしたって?」 フィーユ「目を覚まさないの。もしかして…」 グロード「…死んでるってことは…ないよな?」 フィーユ「分からない…でも、この辺に毒キノコが生えてるって話は聞いたことがあるわ…」 グロード「それを食べちまった…って事か。食い意地の張ったヤツだな」 グラン「…(あのやろ…後で覚えてろ!)」 フィーユ「私がもっとしっかりしてれば…(成功みたいね、グラン)」 グロード「せっかく仲間になれたってのに…こんなに早くサヨナラだなんて…」 どうやらグロードは完全にかかっている様子だ。 グラン「…(へぇ…コイツ、結構情にもろいヤツなんだな)」 グロード「バカでアホでドジでマヌケで天然ボケなヤツだけど、いいヤツだった…」 グラン「…(このやろ、ボクのことはそう思ってたんかい)」 フィーユ「(小声で)ふ…ふふっ…」 グロード「だからあの時フィーユに告っとけば良かったのに」 フィーユ「え…えー!?」 グラン「…(あのバカ!余計な事を)」 グロード「あれ?聞いてなかったのか?グランはフィーユの事が…」 グラン「このやろー!余計な事を!」 グロード「な…オ…オバケだ!」 グラン「オバケじゃない!」 フィーユ「はぁ…作戦が台無しね…」 グロード「お前ら…始めからオレをハメるつもりだったのか!」 フィーユ「やば…バレた!」 グラン「ゴメン…フィーユ…」 フィーユ「えっと…それはソレとして…さっきグロード君が言っていた事って、ホントなの?」 グラン「ホントだって、言ったら?」 フィーユ「…それはそれで…嬉しいかな」 グロード「マジかよ!よかったな!グラン!」 グラン「よかったけどよくない…」 フィーユ「でも、私もグランとのポケモンバトルの後、自分の気持ち、伝えられなかった」 グラン「気持ち…?」 グロード「何だよれそれって」 フィーユ「忘れかけていたトレーナーの心を思い出させてくれた、感謝の気持ち…かな」 グロード「それで?さっきの返事は?」 フィーユ「ああ…あれね…」 グロード「どうなんだよ」 グロードは早く言えよと言いたそうだ。 フィーユ「あのバトルの後…ある特別な感情が生まれたの」 グロード「なるほどな」 フィーユ「そう…グランと同じ感情をね…」 グラン「…」 フィーユ「私もあなたと同じ気持ちよ、グラン」 グロード「よかったじゃんか!グラン」 グラン「よかったけど…よくない」 フィーユ「え?せっかく私がグランのこと好きだって言ってるのになんで?」 グラン「さっきのイタズラ…」 フィーユ「…あ!」 グロード「そうだ忘れてた!お前らぁ!よくもオレをハメたな!」 グラン「なんでこうなるんだ!」 フィーユ「知らないわよそんなこと!」 グロード「まて!このやろー!」 グラン「とりあえずは、フィーユ!ありがとー!それとグロード!ゴメーン!」 イタズラ作戦はある意味成功しある意味失敗したのであった… 第十三話終わり 第十四話に続く… フィーユ「はぁ…失敗しちゃった…」 グラン「だれのせいだよ全く…」 フィーユ「あなたのせいでしょうが!あなたの!」 グラン「ボクとしたことが…ちょっとしたミステイクだな」 グロード「これってまさしく、イタズラ返しってヤツか?」 しかしグロードはこのイタズラは全く見抜いていなかったのである… |
リクト | #14☆2003.12/15(月)13:55 |
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第十四話 蘇る悪事 次の日の朝… グラン「何ぃ?ラブストのモデルやってくれって?」 フィーユ「なんで?」 グロード「いいからいいから、頼むよ」 グラン「でもさ、なんでいきなりラブストのモデルやってくれって言うんだよ、グロード」 グロード「実はオレ、映画監督の息子なんだ」 フィーユ「映画監督の…?でも、モデルなら沢山いるかもしれないのに、何で?」 グロード「親父がさ、今度の新しい映画の参考にしたいからって、旅の途中でもいいから、資料を集めてくれって…」 グラン「だから、何でボクとフィーユが…」 グロード「たまたま会ったのがお前らだったからだ」 グラン「ガクッ…偶然かよ…」 フィーユ「私はやりたくないわ。朝食にしましょ、グラン」 グラン「悪いけどさ、他当たってくれよ…な?」 グロード「ま、しゃーないか。無理に頼むわけにもいかねーし」 フィーユ「いまご飯準備するから、ちょっと待ってて」 20分後… フィーユ「さあ、出来たわ」 グラン「美味そうだな」 グロード「やっぱり料理上手だよな、フィーユって」 フィーユ「ありがと。でもそれは食べてから言うものよ、グロード君」 グラン「さてと、ラジオでも聞きながら食うか」 グランはラジオのスイッチを入れた。 グロード「なんだか最近オレ、早起きするようになったんだよな」 グラン「ふぅん…いいことじゃん」 そう言った時、ラジオから、こんなニュースが流れてきた。 ニュースキャスター「次のニュースです。逮捕されていたマグマ団リーダーのマツブサ容疑者が脱走しました」 グラン「はぁ!?…うぐ…ぐ…」 グランは驚きのあまり、食事が喉に詰まってしまった。 フィーユ「大丈夫!?」 フィーユはグランの背中をさすり、グランは自分の胸を何度も叩く。 グランは何とか飲み込み、カップの中の水を一気に飲んだ。 グラン「はぁ…死ぬかと思った…」 グロード「なんだよ、リーダー脱走したのかよ」 フィーユ「捕まってから一日しか経ってないのに…」 グラン「まったく…どんな捕まえ方してるんだよ警察は…」 グロード「全くだ。もう一度オレ達がやんなきゃならねえ」 フィーユ「確かにね…何だか警察頼りない感じがするし…」 グラン「全員一致だな。じゃ、メシ食い終わったらマツブサ捕獲作戦の案を考えよう」 グロード「オレの出番だな」 フィーユ「いいえ、今度は私にやらせて」 グラン「あ、そういうワケね」 グロード「どういうワケだ?」 フィーユ「グロード君にはまだ言ってなかったわね。私、イタズラ少女って呼ばれてたの」 グロード「へぇ…それは凄い」 グラン「とりあえず、作戦を練ろう」 フィーユ「まずは聞きたいんだけど、私がさらわれた時どうやって居場所を?」 グロード「団員を落とし穴に落として尋問さ」 グラン「いとも簡単にかかったんだ」 フィーユ「じゃ、同じ作戦はなるべく使わない様にしなきゃね」 グラン「そうだ、父さんに協力を頼もう」 グロード「なんでお前の親父なんだ?」 グラン「ボクの父さん、警視なんだ」 フィーユ「おそらく、マグマ団はどこかにアジトを新設してるハズ。まず私たちが場所を突き止めて、それから警察に一斉に突入してもらいましょう」 グロード「でもさ、どうやって見つけるんだ?この地方はすごく広いんだぜ」 グラン「ここから探すのさ」 フィーユ「どうやって?」 グラン「こうするのさ。…いけっ!フーディン!」 グロード「あ、なるほど。エスパーの力で探し出すのか」 フィーユ「でも、私と戦った時は出してなかったハズ…」 グラン「こいつは誕生日プレゼントでおじいちゃんに貰ったケーシィを育てたヤツさ」 グロード「でもさ、自分だけじゃフーディンにはできないぜ」 グラン「父さんに手伝ってもらったのさ」 フィーユ「…で、どう?基地の場所分かった?」 グラン「どうやら見つけたみたいだぞ。ポケナビに念写してくれ、フーディン!」 グロード「場所は?」 グラン「…ミナモシティの近くだな」 フィーユ「今いる場所はトウカシティ…かなり遠いわね」 グロード「飛行ポケモンでもいないとかなり辛いな」 グラン「一体どうすればいいんだ…」 グランはどうすればいいのか分からなくなっている。 果たして3人はどんな手段を取るのだろうか!? 第十四話終わり 第十五話に続く… |
リクト | #15☆2003.12/15(月)15:26 |
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第十五話 ミナモシティへ飛べ! グランたちはマグマ団の新アジトの場所は突き止めた。 しかし、そこまで行く手段がないので、途方に暮れていた… グラン「どうやって行くか…」 フィーユ「まずそれを何とかしないと始まらないわね…」 グロード「誰か飛行タイプもってないのか?」 フィーユ「私は持ってないわ」 グラン「ボクも持っていない」 グロード「オレも持ってない。どうしよう…」 フィーユ「…そうだ!グランのお父さんに相談してみたら?」 グラン「そのてがあった!早速連絡を取ろう」 グロード「始めっからそうしろよ…」 フィーユ「電話、持ってる?」 グラン「ポケギアがあるから大丈夫…って!ここ圏外じゃん!」 グロード「あーあ…」 フィーユ「簡単よ。まずはこの森から出ることよ」 グラン「オッケー。じゃ、荷物まとめて撤収!」 グロード「アイアイサー!…って、軍隊じゃなーい!」 フィーユ「ふふっ…結構ノリノリね」 グラン「結構時間かかったな」 グロード「森は出た。ここなら電話も繋がるだろ」 フィーユ「ねぇ、グランのお父さんの名前って、何ていうの?」 グラン「『クロト』さ」 グロード「オレの名前と少し似てるな」 フィーユ「早く連絡してよ」 グラン「よし。えーと…父さんの番号は…と」 グランは登録されている電話番号を調べ始めた。 グラン「…あった」 プルルルルルルルルルル… 刑事「はい、こちらホウエン警察犯罪課ですが」 グラン「えーと、ボク、グランっていうんですが、父さん…クロト警視は今いますか?」 刑事「ああ、グラン君か。私だ。刑事のランドだ」 グラン「こんにちは、ランドさん。今、父さんいるかな?」 ランド刑事「警視なら、署長に呼ばれて行っているけど」 グラン「じゃ、すぐ戻ってくるんですね」 グロード「すげえなぁ、あいつ。普通の知り合いの様な感じで話してるよ…」 フィーユ「てことは、顔見知りなのね。…ちょっと羨ましいな」 グラン「じゃあ、折り返し電話して欲しいって伝えて下さい」 ランド刑事「分かった。それじゃあ」 グロード「今のは?」 グラン「刑事のランドさん。ボクが小さい頃、一緒に遊んでくれたんだよ」 フィーユ「ふぅん…」 グロード「オレはちょっとお前が羨ましいぞ、グラン。いい知り合いもいるし、フィーユみたいに可愛い彼女もいるし」 フィーユ「前も同じこと言ってた気がするけど…私ってそんなに可愛い?」 グロード「当たり前だ。文句の付けようもない」 グラン「はあ…」 グランがため息をついた時、電話が鳴った。 グラン「はい」 クロト警視「グランか?電話くれたんだって?」 グラン「父さん、久しぶり」 クロト警視「ははは。なかなか話す機会がないからなぁ」 グラン「あのさ、相談があるんだけど…」 クロト警視「なんだ?」 グラン「実は、マグマ団の新アジトを突き止めたんだよ」 クロト警視「何!?本当か!」 グラン「うん。ミナモにあるみたいなんだけど、そこまで行く手段がないんだよ」 クロト警視「わかった。ランドにヘリで迎えに行かせよう。近くの町はどこなんだ?」 グラン「えーと…トウカシティだよ」 クロト警視「分かった。じゃあトウカシティで待っていてくれ。だいたい3時間位だろうか。その位で着くと思う」 グラン「オッケー。ありがとう、父さん」 グロード「どうだった?」 グラン「いま、ランドさんが迎えに来るみたい。トウカシティで待っていてくれって」 フィーユ「移動手段はオッケーね」 グラン「よーし!覚悟しろよ!マグマ団!」 こうしてグランたちはミナモシティに向かう… 第十五話終わり 第十六話に続く… |
リクト | #16★2003.12/17(水)13:19 |
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第十六話 共同戦線 グラン「あっ、ランドさん!こっち!」 ランド刑事「久しぶりだな、グラン君。」 グラン「お迎え、ご苦労様です」 ランド刑事「どういたしまして。…ところで、隣にいる可愛い女の子と、髪型がイカすイケメン君は?」 グロード「オレ、そんなにイケメンですか?」 フィーユ「私、そんなに可愛いですか?} ランド刑事「充分可愛いし、充分イケメンだ」 グラン「はいはい、ランドさん。早く行きましょうよ」 ランド刑事「ではこれから、ホウエン警察ミナモシティ本部へ向かうとしよう」 グラン「了解!」 フィーユ「なんだかグランって、警察官が様になってる」 グロード「親父が警察で勤めてるんだ。息子にも影響するさ」 グラン「やっぱりヘリだと早いよな」 フィーユ「ヘリに乗ったの初めてだったから、ちょっと緊張しちゃった」 グロード「確かにそうだったな。フィーユのヤツ、ずっとグランの手握ってるしな」 グラン「え!?マジかよ」 グロード「その位すぐに気付けよ…ホントに鈍いんだから…」 フィーユ「…実は私…高所恐怖症なの…」 グラン「信じられないな…」 ランド刑事「ほら、もうすぐミナモだ。警察署の屋上にあるヘリポートに着陸するからね。着陸前には何かにしっかりつかまってるんだぞ」 グロード「分かりました」 グラン「ランドさん、到着まで、あとどれ位ですか?」 ランド刑事「この距離だと…あと5分位かな」 グラン「もうすぐ父さんに会えるのか…1ヶ月位会ってなかったな」 ランド刑事「もうすぐヘリポートに着陸するから何かにつかまっていてくれ」 グランとグロードは近くの手すりにつかまっていた。しばらくしてグランが言う。 グラン「フィーユ…ちょっと離れてくれ…いや、離してくれ」 フィーユ「だって…怖いんだもん…」 フィーユの態勢はほとんどグランに抱きついているような感じだった。 グロード「…ホントに高い所が苦手なんだな…でも、ちょっと羨ましいぞ、グラン」 グラン「…(早く着陸してくれ…)」 ランド刑事「…よし!着陸完了!」 グラン「はあ…助かった…」 クロト警視「久しぶりだな。グラン」 グラン「父さん、久しぶり!」 クロト警視「ところで、そっちの2人は?」 グラン「フィーユとグロード。途中で出会った仲間なんだ」 フィーユ「始めまして!私、フィーユです!」 クロト警視「始めまして。私はクロト。ところでちょっと聞きたいんだが…」 フィーユ「はい?なんですか?」 クロト警視「フィーユちゃん…だったよな。ひょっとしてキミがグランの彼女か?」 グラン「と…父さん…」 フィーユ「ええ、そうですよ」 クロト警視「グラン、お前もなかなか隅に置けないな」 グラン「余計なお世話だよ…」 グロード「オレ、グロードです」 クロト警視「キミがグロード君か…グランから話は聞いている。相当なイタズラ好きなんだって?」 グロード「自称イタズラの天才ですからね」 クロト警視「さて、グラン。早速で悪いが、署長に会ってもらいたい。付いてきてくれ」 グラン「オッケー」 クロト警視「ランド刑事!行くぞ」 ランド刑事「はい!警視!」 フィーユ「ドラマみたいでかっこいいなぁ…」 グラン「…だろ?」 グランたちはクロト警視に連れられて署長室に向かった… クロト警視「署長、彼らがマグマ団と遭遇した子供たちです」 署長「キミたちか…早速で悪いが、我々の捜査に協力して頂きたいのだが…」 グラン「具体的には?」 署長「うむ…まず、キミたちが基地の入口を見つけて潜入し、ちょっと暴れてもらいたい。我々は基地の外で待機し、内部がパニックになった時に一気に突入する」 グロード「入口見つけるのはいいけど…何処にあるんだよ」 署長「それが分からんのだよ…基地は海上にあるんだが…」 フィーユ「海の上ですか…」 グラン「前にボクたちがマグマ団の基地に行ったのは、フィーユがさらわれて助けるために行ったんだよな」 グロード「ああ」 署長「同じ危険性がまた起こるかもしれん。ランド刑事を一緒に行かせよう」 クロト警視「分かりました。ランドに連絡しておきます」 署長「それとクロト君。キミも行ってくれ」 クロト警視「私も…ですか?」 署長「キミの息子さんに何かあったら困るだろう」 クロト警視「分かりました」 グラン「さてと、父さんが勤めてる犯罪課の刑事さんたちにも挨拶しておくかな」 こうしていよいよグランたちとホウエン警察との共同戦線がはられることになるのであった… 第十六話終わり 第十七話に続く… |
リクト | #17★2003.12/17(水)23:50 |
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第十七話 潜入!マグマ団の秘密基地 グランたちは犯罪課の刑事たちに挨拶を済ませると、早速警察がマークしている怪しい場所の近くに行った。 グラン「…で、いかにも怪しそうな岩山の前に来たはいいけど…」 フィーユ「入口らしい物は見当たらないわね」 グロード「裏側にも入口なかったしな…」 ランド刑事「警視。念のため海中も調べてみましょうか?」 クロト警視「そうしよう。では…行け!ドククラゲ!」 グラン「ドククラゲ持ってたんだ」 クロト警視「ああ。水中捜査の時にはすごく役に立つんだ。ドククラゲ、海中に入口らしい物がないか調べてきてくれ」 ドククラゲは頷くと海に潜っていった。 約3分後にドククラゲは上がってきた。 何かを見つけたらしい。 クロト警視「入口が見つかったのか?」 クロト警視が聞くと、ドククラゲは頷いた。 クロト警視「よくやった、ドククラゲ。戻ってくれ」 グラン「でも父さん。見つけたとしても、どうやって行くのさ」 クロト警視「二人乗り小型ポッドがある。交代で乗っていこう」 グロード「じゃあ、何往復するんだ?」 クロト警視「この人数だと4往復だな」 フィーユ「でも…」 グラン「どした?」 フィーユ「うん…往復してる間に敵が来たらどうしようかな…と思って…」 グロード「大丈夫だって。落とし穴に落ちるほどマヌケなんだしさ(第九話参照)」 ランド刑事「でもグロード君。油断は大敵だよ」 グロード「そう…ですね」 グランたちはポッドで海中にあるマグマ団の秘密基地入口から内部へと入っていった。 やがて、全員が基地の内部に潜入完了した。 グラン「さあて…マグマ団を懲らしめるかな…」 そう呟くとグランは度が入っていないメガネを取り出した。 グラン「まずは…と」 グランはメガネの淵にあるスイッチを押した。 グラン「やっぱり…防犯用赤外線システムがあるな」 クロト警視「なるほど…守りは堅いな…」 ランド刑事「では、このグラスをつけて下さい。うまく潜り抜けましょう」 グランたちは赤外線システムを通り始めた。 グロード「…なんだか、リンボーダンスやってるみたいだ…」 フィーユ「帰りもこれ潜り抜けるの?」 グラン「帰りは潜り抜けなくてもいいようにメインシステムを破壊してから出よう」 クロト警視「やっぱり年をとると…辛いな…」 何とか赤外線を通り抜けたが、どこに行ったらいいのか見当が付かない。 クロト警視「ここで二手に分かれよう。どちらかがメインシステムを破壊しに行く。もう片方はリーダーのマツブサを探す」 グラン「じゃあ、ボクはマツブサを探しに行く」 フィーユ「グランがそう言うなら、私もマツブサを探しに行く!」 クロト警視「では、私とグロード君はシステムを破壊しに向かうとしよう。ランド刑事!」 ランド刑事「はい」 クロト警視「グランとフィーユちゃんのこと…頼んだぞ!」 ランド刑事「了解!」 グロード「グラン!フィーユ!」 グラン「何だ?」 フィーユ「何?」 グロード「また後で…必ず会おうぜ」 グラン「もちろん!」 フィーユ「絶対だからね!」 グロードは親指を立て、クロト警視と共にメインシステムの部屋に向かって走って行った… ランド刑事「さてと…マツブサは何処にいるんだろうな」 グラン「この基地、相当広いからね…」 フィーユ「そもそもこの基地、なんのために作られたのかしら?」 グラン「なんでだろうな…」 ランド刑事「…!?」 グラン「ランドさん、どしたの?」 ランド刑事「何か…聞こえる…」 フィーユ「えっ?…あっ!本当に聞こえる」 グラン「…ホントだ!でも…何だ…?この音…」 ランド刑事「何かは分からないけど…下の階から聞こえる」 グラン「下…?」 フィーユ「一体、何があるのかしら…」 ランド刑事「とにかく、下の階に行ってみよう」 果たして、下の階には何が待ち受けているのか!? そして、グラン達の運命やいかに!? 第十七話終わり 第十八話に続く… |
リクト | #18☆2003.12/18(木)14:10 |
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第十八話 海底洞窟の秘密 前編 グロードとクロト警視は、メインシステムのある部屋の前にいた。 グロード「ここですね…メインシステムの部屋は」 クロト警視「…のようだな」 グロード「いいですか?クロトさん…行きますよ!」 クロト警視「警察の者だ!全員おとなしくしろ!」 マグマ団員「そうはいかない。メインシステムをなんとしても死守しろと命令されている」 グロード「ここはオレが。クロトさんはシステムを破壊して来て下さい!」 クロト警視「キミ1人でこれだけ大勢の敵と戦うというのか!?無茶だ!」 グロード「大丈夫ですよ」 クロト警視「…じゃあ、キミを信じよう。ここは任せた!」 クロト警視はメインシステムルームと書かれたドアに向かって行った。 グロード「さてと…始めるかな」 マグマ団員「お前1人で何が出来る」 グロード「お前らの相手はこのオレだ!」 ???「その勝負…私に任せてもらおう」 グロード「お前は確か…ホムラ!」 ホムラ「我々にたてつくとどうなるか…思い知らせてやる…」 グロード「何だよ。一度オレにやられたクセに」 ホムラ「今までの私と思うな。…行け、ゴルバット」 グロード「ならオレは…行け!エアームド!」 ホムラ「ゴルバット、エアカッターだ」 グロード「よけろ!」 エアームドは間一髪でエアカッターを回避した。 ホムラ「外したか…」 グロード「あんなのが当たったらマズイな…」 ホムラ「次は外さない」 グロード「…(あのゴルバットは相当のレベルだ。一気に倒す必要があるな)」 ホムラ「ゴルバット、つばさでうつだ!」 グロード「それなら…エアームド!はがねのつばさ!」 エアームドとゴルバットは同時にぶつかり合った。 そして倒れたのは… グロード「まさか…」 ホムラ「2体同時に戦闘不能…だと!?」 グロード「まだまだ行くぜ…って、待て!」 ホムラは猛スピードで部屋を出て行った。 グラン「何か嫌な予感…」 フィーユ「一体下には何が…」 ランド刑事「…おっと、無線だ」 グロード『ランド刑事ですか?』 ランド刑事「そうだ。グロード君か?」 グラン「グロード!」 グロード『その声はグランだな。メインシステムを破壊したぜ』 フィーユ「まずは安心ね。もうセキュリティシステムの効果はなくなるし」 グロード『それが安心してもいられないんだ』 グラン「どういうことだ?」 グロード『幹部のホムラと戦ったんだけど、戦った後にホムラが逃げ出した。そっちに来る可能性が十分あるから気をつけた方がいい』 ランド刑事「分かった。警視は?」 グロード『団員達に事情聴取してる』 ランド刑事「じゃあ、後はこっちが親玉を探すだけだな」 フィーユ「とにかく、下に行きましょ!」 ランド刑事「じゃあ、これで切る。また後で」 グラン「何だ…ここは…」 降りてきたグラン達が目にしたのは、大きなプールの様な場所だった。 フィーユ「ねえ…あれ…何かしら?」 グラン「あれは潜水艇だな」 ランド刑事「そういえば、カイナシティの船着場から潜水艇かいえん一号が盗まれたと聞いたな」 グラン「じゃあ、あれが盗まれた潜水艇って事?」 ランド刑事「そう考えていいだろうな」 フィーユ「でも、何のために…」 ランド刑事「静かに…何か話しているみたいだ」 グラン「あれは…マグマ団リーダーのマツブサ…」 そのころマツブサ達は… マツブサ「ホムラ。準備は万全なんだろうな」 ホムラ「はい、マツブサ様」 マツブサ「しかし…メインシステムを破壊された事は大きな損失だった」 ホムラ「申し訳ありません」 マツブサ「しかし…以前連れてきたフィーユとかいうヤツから、情報は引き出せなかった」 ホムラ「あの小娘が何か知っているのですか?」 マツブサ「知っているというワケではないが、海底洞窟に眠っているグラードン復活の為に必要な道具を持っているらしいのだ」 ホムラ「必要な…道具ですか?」 グラン「海底洞窟…?」 フィーユ「まさか私が持っているこれを狙っていたなんて…」 ランド刑事「それは?」 フィーユ「これは『あいいろのたま』と呼ばれる道具。そして私は…これを守る者なの」 グラン「あいいろのたま…」 果たして、海底洞窟の謎とは!? そしてマグマ団はどんな行動に出るのか!? 第十八話終わり 第十九話に続く… |
リクト | #19★2003.12/19(金)15:22 |
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第十九話 海底洞窟の秘密 後編 ラント刑事「よし。一気に攻めるぞ」 グラン「了解!」 フィーユ「潜水艇を取り戻さなくちゃ!」 ランド刑事「行くぞ!」 ランド刑事「警察だ。おとなしくしろ!」 マツブサ「…!お前は…確か…」 グラン「久しぶりだな、マツブサ…って、初めて会った時からあまり時間たってないけど」 ホムラ「マツブサ様!フィーユとかいう小娘もいます!」 マツブサ「好都合だな…ホムラ、そっちは任せた」 グラン「いいかげん自首したらどうだ?」 マツブサ「そう言う訳にはいかない。我々の野望を邪魔する者は、たとえ子供でも容赦しない」 グラン「…なら…勝負だ!」 マツブサ「バクーダ!行け!」 グラン「行けぇ!サイドン!」 ランド刑事「オレも戦う。行け!ザングース!」 マツブサ「面白い。では2体2のバトルといこう。行け、グラエナ!」 フィーユ「…私はどうすればいいんだろ…」 ホムラ「後ろが隙だらけだ!」 フィーユ「きゃああ!」 グラン「フィーユ!…卑怯だぞ!ホムラ!」 ホムラ「敵に背を向けた方が悪い」 マツブサ「ホムラ、潜水艇に連れて行け」 ホムラ「分かりました」 フィーユ「ちょ…ちょっと!離してよ!」 ホムラ「さあ、来い!」 フィーユ「い…いや!やめて!」 グラン「どうすりゃいいんだ…」 ランド刑事「その女の子を離せ!」 ランド刑事はホムラに向かって行った。 ホムラ「邪魔だ!」 ランド刑事「ぐあっ!」 ランド刑事はホムラに突き飛ばされた。 グラン「ランドさん!」 ランド刑事「心配いらない…大丈夫だ…」 マツブサ「よし。海底洞窟に向かうぞ」 ホムラ「了解しました」 グラン「おい!海底洞窟って何なんだよ!」 マツブサ「この際だから教えてやろう。ここには伝説の超古代ポケモンのグラードンが眠っているのだ」 ランド刑事「だからって…なぜその女の子を狙う!?」 マツブサ「特別に教えてやろう。ヤツの持っているあいいろのたまが必要なのだ」 グラン「…(さっきフィーユが見せてくれたアレのことか…でも何に必要なんだろう?)」 ランド刑事「一体何のために…」 マツブサ「あいいろのたまでグラードンが目覚め、そしてコントロールできる。そして陸を増やす!これがマグマ団の理想だ」 グラン「バカげてる!そんなこと…」 ランド刑事「そんな事、絶対にさせない!」 マツブサ「それはどうかな?もう既に団員たちに洞窟の探査に向かわせている。後は私があいいろのたまを持って行けばいいだけだ」 グラン「そんな…」 マツブサ「ホムラ!あいいろのたまは見つかったか」 ホムラ「ありました!」 フィーユ「あっ…返して!」 ホムラ「お前にはもう用は無い!」 フィーユ「きゃあ!」 ランド刑事に続いて、今度はフィーユが突き飛ばされた。 マツブサ「これがあいいろのたまか…」 グラン「フィーユ!大丈夫か?」 フィーユ「うん…平気」 マツブサ「さて、あいいろのたまを手に入れたいま、ここで足止めする必要も無い。戻れ!バクーダ、グラエナ」 ランド刑事「逃がさん!行け!ザングース!」 グラン「サイドン!あいいろのたまを取り返せ!」 マツブサ「ホムラ!潜水艇に乗れ」 ホムラ「残念だったな!へなちょこ共!あいいろのたまは確かに頂いたぞ!」 ザングースとサイドンはマツブサを追ったが一足遅くハッチが閉まった。 潜水艇は発進し、水の中に沈んで行った… フィーユはがっくりと膝を付き、そして涙を流す。 フィーユ「ママ…ゴメンね…守り抜いてきたあいいろのたまが…奪われちゃった…」 ランド刑事「マグマ団のヤツらめ…」 グラン「フィーユ…」 グランはフィーユの肩に優しく手を置いた。 グラン「マグマ団…絶対許さない」 ランド刑事「そうだ…フィーユちゃん!そのあいいろのたまは、もともと何処にあったんだ?」 フィーユは半泣きでこう答えた。 フィーユ「確か…おくりび山に…」 ランド刑事「よし。それなら、おくりび山に行ってみよう。何か対策が見つかるかも知れない」 グラン「そんなことしている間にグラードンが復活したらどうするの!?」 ランド刑事「よし、じゃあひとまずグラン君とフィーユちゃんはおくりび山に向かってくれ。オレは警視とグロード君と本庁にこの事を伝え、海底洞窟に向かう」 グラン「…で、海底洞窟に向かって何するの?」 ランド刑事「できる限りマグマ団を足止めして時間を稼ぐ。その間におくりび山でどうすればいいか聞いてきてくれ」 グラン「分かった。行こう!フィーユ!」 フィーユ「ええ!行きましょ!」 あいいろのたまを奪われてしまったフィーユ。 グラン達は果たしてマグマ団の野望を阻止できるのか!? そしておくりび山で待ち受ける物とは!? 第十九話終わり 第二十話に続く… |
リクト | #20☆2004.01/05(月)09:42 |
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第二十話 もう1つの「たま」 フィーユ「ねぇ…山登り本当にするの?」 グラン「仕方ないだろ、飛行ポケモン持ってないんだし」 グランとフィーユはおくりび山の前にいた。 フィーユ「私…山登り苦手なのよね…」 グラン「ボクだって苦手だ。こんなことならグロードも連れてくるんだったな、まったく」 フィーユ「え?グロード君って山登り得意なの?」 グラン「知らない。なんとなくそんな感じがするから」 フィーユ「根拠が全然ないじゃん…」 グラン「細かい事は気にしない気にしない」 フィーユ「はぁ…」 そのころ… ???「何?マグマ団が?」 ???「いかが致しましょう、アオギリ様」 アオギリ「遂に行動を起こしたか…ウシオ!マグマ団を追うぞ」 ウシオ「ハッ!」 アオギリ「しかし…もし超古代ポケモン、グラードンが復活してしまえば…大変なことになる。事は早急に運ぶ必要がある」 ウシオ「それは重々承知しております」 アオギリ「ウシオ。イズミを呼んで来い。イズミを海底洞窟に向かわせる」 ウシオ「では、我々は…?」 アオギリ「おくりび山に向かう。情報を集めなくては。すぐに準備しろ」 ウシオ「ハッ!」 フィーユ「何か…疲れてきちゃった…」 グラン「何を言ってるんだ。まだ半分ちょっとしか登っていないんだぜ」 フィーユ「エレベーターでもあればいいのに…」 グラン「ある訳無いだろが」 フィーユ「やっぱ無理かぁ…」 グラン「登るしかないだろ」 フィーユ「そんなぁ…」 グラン「ほら、行くぞ」 フィーユ「歩くのって結構疲れるなぁ…しかも山道」 グラン「…そうだ!」 フィーユ「なぁに?一体」 グラン「飛行ポケモンは持ってないけど、サイドンに乗って行けばいい。サイドンならこんな山道へっちゃらだぜ」 フィーユ「なら最初から出してよ」 グラン「少しは運動しないと体がなまる。だから最初から出さなかったんだよ」 フィーユ「ひどぉい!」 グラン「まぁ、怒るな怒るな。可愛い顔が怖くなる」 それから約10分後… グラン「よっしゃ、山頂に到着だ」 フィーユ「やっぱりサイドンに乗ったら直ぐに着いたね」 グラン「さーて、何処に行けばいいんだろうな」 グランはサイドンをボールに戻してそう言った。 フィーユ「真っ直ぐ行くの。付いて来て」 グランとフィーユは直進していった。 グラン「おいおい…なんか、霧が出て来たぞ」 フィーユ「この辺はそうなの。霧が凄いから、下手すると迷子になるわ」 グラン「この霧、何とかならないのか?」 フィーユ「何とかならないわ」 グラン「マジかよ…」 グラン「ここだな?」 フィーユ「そう。あいいろのたまと、もう1つの『べにいろのたま』が祭られている場所よ」 グラン「『べにいろのたま』?」 フィーユ「そう。今まではあいいろのたまは私が持っていたから、今ここにはべにいろのたましかないハズよ」 グラン「とにかく、行くぞ」 フィーユ「こんにちは、お婆さん」 お婆さん「おや、フィーユ。どうかしたのかい?」 フィーユ「それが…」 フィーユはこれまでの経緯を話した。 お婆さん「なんと…そのような事が…」 フィーユ「私が…あいいろのたまを守れなかったから…こんな事になって…」 お婆さん「なんということじゃ…」 グラン「このまま放っておくと、どうなるんだ?」 フィーユ「このままじゃ…マグマ団の思い通りになってしまう…」 グラン「何だって…?」 フィーユ「私…行かなきゃ!」 お婆さん「待て」 フィーユ「…?」 お婆さん「その少年の名は?」 グラン「ボクはグランです」 お婆さん「グラン…か。グラードンの名が由来のようじゃな」 グラン「え?何故分かるんですか?」 お婆さん「名前からして分かるわい。年寄りを馬鹿にするな」 グラン「はぁ…すいません…」 お婆さん「ほれ、これをお前さんに預ける」 グラン「『べにいろのたま』?」 お婆さん「お前さんを一目見たとき、『この少年なら大丈夫た』と感じた。…行ってくれるかの?」 グラン「分かりました。ボク…行きます!」 お婆さん「そして…フィーユを守ってやってくれ」 グラン「はぁ…」 フィーユ「何でそこで自信無くしたような声出すのよ」 グラン「人を守るなんて…ボクには…」 フィーユ「何言ってるの。最初の時、私のこと助けてくれたじゃない」 グラン「はぁ…まったく…」 フィーユ「じゃ、行こっか」 ???「ちょっと待ちたまえ」 グラン「…?」 フィーユ「誰!?」 果たしてグランとフィーユの前に現れたのは!? 第二十話終わり 第二十一話に続く… |
リクト | #21☆2004.01/06(火)00:00 |
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第二十一話 アクア団登場! グラン「…誰だよ、あんたは」 ???「私はアクア団リーダーのアオギリ。マグマ団の野望を阻止する為に活動をしている」 フィーユ「そのアオギリさんがここに何の用です?」 アオギリ「あいいろのたまがマグマ団の手に渡ったと聞いたので、ここに来てみたのだが…」 グラン「ボク、これをお婆さんから託されたんだ」 アオギリ「べにいろのたまだな」 フィーユ「知ってるんですか?」 アオギリ「あいいろのたまと一緒に祭られている物だからな」 グラン「…」 アオギリ「見たところキミ達もマグマ団を止めようとしているようだね。我々に力を貸してくれないか」 グラン「…!?」 フィーユ「そんな…いきなり言われても…」 アオギリ「私が信じられないならば、協力はしなくても良い。できれば協力してほしいのだが…」 グラン「…」 フィーユ「グラン…?」 グランはさっきから黙っている。 グラン「…(こうも簡単に信じていいものか…罠の可能性もあるしな…)」 フィーユ「どうする?グラン」 グラン「…分かった。いいぜ」 アオギリ「そう言ってくれて嬉しい」 グラン「でも、これだけは覚えておいてほしいんだけど」 アオギリ「何だね」 グラン「ボクはあなたを完全に信じたワケじゃない。もしボク達を裏切ったのなら…ボクはこの約束、降ろさせてもらう」 アオギリ「それでも構わない」 フィーユ「じゃあ、決まったところで山を降りましょ」 グラン「さてと…この後どうするんだろうな」 フィーユ「べにいろのたまの力であいいろのたまの力を止めるの」 グラン「できるのか?」 フィーユ「知らないわ」 アオギリ「ハハハ、根拠がないなぁ」 アオギリは笑った。 フィーユ「アオギリさんって、笑った顔が良いですね」 アオギリ「お?そうか?」 グラン「今はそんな事よりマグマ団の野望を止めることを先決しろよ」 フィーユ「どうしたの?グラン、さっきから」 グラン「何でもない」 グランはこう言っているが、グランは何か思いつめている様子だ。 それがフィーユにははっきりと分かった。 当然だろう。自分が一番大切に思っている人なのだから… しばらくして、下まで降りてきた。 アオギリ「我々の潜水艇だ」 アオギリは海面に浮かんでいる物を指で指した。 フィーユ「すごく大きい…」 グラン「警察の潜水艇より大きいぜ…」 アオギリ「キミ…刑事なのか?」 グラン「いや、ボクの父さんが刑事なんだ」 アオギリ「ほぉ…なるほどな」 フィーユ「じゃ、そろそろ」 アオギリ「さあ、乗りたまえ」 グラン「やっぱり中も広いな」 フィーユ「設備もすごいわ」 アオギリ「お客さんだ」 ウシオ「キミ達か。マグマ団の野望を阻止するために頑張っているのは」 グラン「ボクはグラン」 フィーユ「私はフィーユ」 アオギリ「気になっていたが…キミ達2人だけでいままで戦ってきたのか?」 フィーユ「仲間はいます。今は別行動とってます」 アオギリ「なるほど」 ウシオ「アオギリ様、そろそろ発進します」 アオギリ「頼む」 潜水艇は海底洞窟に向かっていった… 遂に張られたアクア団との共同戦線。 果たしてグラン達はマグマ団の活動を阻止できるのだろうか!? そしてグランが思いつめている事とは何なのか!? 第二十一話終わり 第二十二話に続く… |
リクト | #22★2004.01/17(土)10:58 |
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第二十二話 潰されてゆく勇気 アオギリ「海底洞窟まで結構時間がかかる」 フィーユ「どれ位ですか?」 アオギリ「今のこの時間から推測すると…明日の朝だな」 グラン「そんなに時間かかるのか…」 グランはやはりさっきから様子がおかしい。 フィーユ「グラン…ホントに大丈夫?」 フィーユは心配して聞いたがグランは、 グラン「大丈夫だって」 と生返事を返した。 アオギリ「到着まで時間はある。下の階に仮眠用の部屋がある。ちょうど1つ開いてるから自由に使ってくれていい」 フィーユ「分かりました」 グランとフィーユは階段を下りて仮眠室へ向かっていった。 グラン「うわ…下の階に人がいっぱいだな」 フィーユ「多分団員さんじゃないのかな」 そうこうしてるうちに空室となっている仮眠室に着いた。 グランがドアを開ける。 グラン「狭い部屋だな…」 フィーユ「でもテレビがあるわ」 グラン「あっそ…眠い。ボクは寝る」 グランは足早にベッドに向かっていった。 フィーユ「えー?」 グラン「向こうにもベッドあるから眠くなったらそこで寝ろ」 フィーユ「私は眠くないのに…」 グラン「眠くないならテレビ見てろ。とにかくボクは寝る。起こさないでくれよ」 フィーユ「…(グラン…一体どうしちゃったの…?)」 グランは目を閉じて自分の気持ちを考えていた。 ボクは…本当にマグマ団の野望を止められるのか… ボクの様な普通の人間がこんなこと出来るのか… ボクは…何故こんな事に巻き込まれてしまったんだ… そして…もしボクがマグマ団の野望を止められなかったら… 今のグランの心には、黒い物が渦巻いていた… 怖い… グランは初めて強烈な恐怖感を覚えていた… それがこれから起こるとんでもない事態に大きく差し支えるとも知らずに… 数時間後… グランは目が覚めた。 グラン「…」 グランは無言で向こう側を見た。 もう1つのベッドでフィーユが眠っていた。 グラン「…」 グランは黙って流し台に行き、置いてあるコップに水を入れ、一気に飲み干した。 そして一度、大きく息を吐いた。 横の鏡を見ると、髪が少し乱れていたので直した。 グラン「さてと…テレビでも見るか…」 グランはフィーユを起こさない様に音量を少し絞った。 グラン「…」 グランはしばらくテレビを見ていたが、消した。 やはり目を閉じながら考えていたことが頭に引っかかっているのだ。 考えていたグランは、数分後に後ろから肩を叩かれた。 フィーユ「起きてたの?」 グラン「少し前から」 グランは少し黙った後、 グラン「ちょっと…行ってくる」 フィーユ「え?」 フィーユが聞くのも待たず、グランは部屋を飛び出していった… グランが向かった先は… グラン「…相談があるんだけど…」 アオギリ「何だね?一体」 自分が信じたくないと思っているアオギリの所だった。 グラン「実は…」 グランはいま自分が思っていることをアオギリに全て話した。 アオギリ「なるほど…だからおくりび山を降りていく時、様子がおかしかったのか…」 グラン「あんたのことは信じたくなかったんだけど…一応は人生の先輩だし…何か良い答えが得られるか…と思って」 アオギリ「ふむ…」 グラン「ボクは…一体どうすればいいんだろう…」 アオギリ「簡単な事だ。普段の自分を忘れないようにすればいい」 グラン「普段の自分?」 アオギリ「ああ。どんな時でも、普段の自分を忘れないようにしていれば、自然と道は開けてくるものだ」 グラン「そう…かな…」 アオギリ「私がキミに言えるのはこれだけだ。後は…自分で考えて行動するんだ」 グラン「普段の自分…」 アオギリ「参考になっただろうか?」 グラン「え…?あ、ああ…」 アオギリ「それならよかった」 グラン「じゃ…ボクは部屋に戻るから…」 アオギリ「ああ」 グランは仮眠室に戻ろうとした。 グラン「あのさ…」 アオギリ「…?」 グラン「…ありがとう」 アオギリ「…ああ」 グラン「本来の自分…仲間を大切にする心…」 グランは仮眠室に戻る時、呟いた。 グラン「…」 フィーユ「どこ行ってたの?」 グラン「ちょっと潜水艇の見学…かな」 フィーユ「…?」 グラン「それはともかく、さっさとマグマ団の野望を止めちまおうぜ」 フィーユ「…え?」 グラン「そしてポケモンリーグに出場だ!その時にはフィーユ!勝負だ!」 フィーユ「え?…望む所よ!(良かった…いつものグランに戻ってくれた…)」 アオギリの話で何かを感じたグラン。 しかし、彼の心に渦巻いている闇は、まだ完全に消えたワケではなかったのである… 果たして、グランは自分の心の闇に打ち勝つ事ができるのか!? そして間近に迫るマグマ団との直接対決を制することができるのであろうか!? 第二十二話終わり 第二十三話に続く… |
リクト | #23★2004.01/17(土)11:00 |
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第二十三話 海底洞窟・マツブサ再び グラン達はアクア団の潜水艇で海底洞窟に向かっていた。 しばらくして、洞窟の入口を発見した。 グラン「だけど…なんでご丁寧に入口あるんだろうな」 アオギリ「もともとあった物だったらしい」 フィーユ「昔からあるって…落盤の危険は?」 アオギリ「それはまずない。落盤の被害の話は聞いたことがない」 フィーユ「よかったぁ…」 グラン「さて…父さんとグロードは来てるかな」 フィーユ「ここに警察の潜水艇があるから来てると思うわ」 グラン「となるとランドさんも一緒のハズだな」 アオギリ「警察も仲間なのか」 グラン「ボクの父さんが警察官だし」 グランがそう言った時、 ???「グランか?」 と声が聞こえた。 グラン「グロード!」 そこにいたのはグロードだった。 グロード「何だかすごく久しぶりの様な気がするよな」 フィーユ「他の人達は?」 グロード「地下でマグマ団を足止めしてる。ところで後ろの集団は?」 フィーユ「アクア団の皆さん。マグマ団の野望を阻止するために活動しているの」 グロード「じゃ、オレ達の味方ってワケだな」 アオギリ「そういうことになる。宜しく頼む」 グラン「…」 グランはまた黙った。 グロード「どうしたんだ?グランのヤツ」 グロードはフィーユに小声で聞くと、 フィーユ「どうやらこの人達のこと信じられないみたいなのよ」 フィーユが小声で答えた。 グロード「でも、目的が同じなら味方ってことじゃんか」 グラン「何をごちゃごちゃ言ってるんだ?行くぜ」 グラン達は洞窟の中を駆け抜けて行った。 しばらく進むと、見覚えのある服装の男がいた。 グラン「マツブサ!」 マツブサ「…しぶといヤツだな。大人しくしていれば痛い目に遭わずに済んだものを」 グラン「うるさい!」 アオギリ「お前らの悪事は我々、アクア団が許さん!」 マツブサ「貴様はアオギリ!」 グラン「さあ、フィーユから奪い取った『あいいろのたま』を返してもらうぜ!」 マツブサ「そうはいくか。カガリ!こいつらを片付けておけ」 カガリ「ハッ!」 ウシオ「よし。オレが相手だ!」 ウシオが一歩前に進むと、 ???「ちょっと待って。私にやらせて」 1人の女性の声が聞こえた。 ウシオ「イズミ…?」 どうやらこの女性、イズミという名前らしい。 イズミ「あなたも、それでよろしくて?」 カガリ「あたしは誰だって構わないよ」 アオギリ「話は決まった。イズミ、ここは任せたぞ」 グロード「悪いな!先に行かせてもらうぜ」 フィーユ「気をつけて!」 イズミ「あなたたちもね」 カガリ「さあ、始めようじゃないの!女の戦いを!」 グラン達は最下層に近い所まで来た。 グラン「もう逃げることは出来ない…」 フィーユ「分かってる」 グロード「オレ達がやらなきゃ誰がやるってんだ!」 アオギリ「その意気だ」 しばらくして、最下層に最も近い場所に来た時に、クロト警視が待っていた。 クロト警視「来たか」 フィーユ「クロトさん、こちらの方達は…」 クロト警視「話は聞いている。アクア団だろう?」 フィーユ「何故分かったんですか?」 クロト「本庁からの連絡で、彼らが力を貸してくれると連絡を受けた」 グロード「ふーん」 グラン「マツブサ…絶対ボクが倒す!」 グランは1人で最下層に向かった。 フィーユ「待って!グラン!」 グラン「マツブサ!追いつめたぞ!」 マツブサ「ふん…」 グラン「お前の悪事もここまでだな」 マツブサ「果たしてそうかな…?」 グラン「どういうことだ」 マツブサ「見ろ…超古代ポケモン、グラードンだ…」 グラン「これが…グラードン…」 マツブサ「以前、キミには我々の邪魔をされた…そして我々の計画にキミは邪魔なのだ」 グラン「…」 マツブサ「というワケで…キミにはここで消えてもらう!」 グラン「ポケモンバトルか?望むところだ!」 こうして遂に始まるマツブサとの最終決戦! 果たしてグランはマツブサに打ち勝ち、グラードンの復活を止められるのだろうか!? 第二十三話終わり 第二十四話に続く… |
リクト | #24★2004.01/17(土)11:01 |
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第二十四話 復活!超古代ポケモン・グラードン グラン「さて…始めるか」 マツブサ「いつでも来い」 グラン「行けぇ!フーディン!」 マツブサ「行け!バクーダ!」 グロード「グラン!」 グラン「グロード…邪魔するな!」 グロード「何!?」 グラン「これはボクの戦いだ。…悪いけど手を出さないでくれ」 フィーユ「そんな!相手はかなりの強敵よ!?」 グロード「それに…オレ達仲間だろ!」 グラン「…!」 マツブサ「そんなに言うのであれば、こちらも相手をしよう」 グロード「上等じゃねぇか!受けてやる!」 マツブサ「来い!ホムラ!」 ホムラ「お呼びですか、マツブサ様」 マツブサ「この者たちを始末しろ」 グロード「お前の相手はこのオレだ!」 ホムラ「いいだろう…この前の借りを返させてもらうぞ!」 カガリ「マツブサ様!」 マツブサ「そっちは片付いたのか?」 カガリ「危ないところで…どうにか巻いて来ました…」 マツブサ「バカモノ!敵に背を向けるヤツがあるか!」 カガリ「も…申し訳ございません!」 マツブサ「もういい。貴様はそこにいる小娘の相手をしろ」 フィーユ「久しぶりのバトルね…腕がなるわ!」 グラン「フーディン!サイコキネシスだ!」 マツブサ「バクーダ!マグニチュード!」 サイコキネシスとマグニチュードは同時に相手にヒットした。 グラン「ちっ…(マズイな…フーディンは物理攻撃に弱い)」 マツブサ「今回は私の勝ちのようだな!」 しかし、マツブサのバクーダの様子にも変化があった。 マツブサ「能力値が…下がった…?」 グラン「サイコキネシスはたまに相手の特殊防御力を下げるのさ」 マツブサ「だがそうしたところで私のマツブサは体力は有り余っている。いくら特防が下がっても、もう一発は耐えられるぞ」 グラン「フーディン!もう一発サイコキネシスだ!」 マツブサ「無駄だと言って…」 しかしマツブサのバクーダは倒れてしまった。 マツブサ「急所に…当たった…」 グラン「どうだ!ボクのフーディンの持ち物、ピントレンズが作動したのさ!」 マツブサ「ぐぐぐ…どこまでも運の良いヤツめ…」 しばらくして… グロード「へっへー!オレの勝ちだ!」 ホムラ「また負けた…」 またしばらくして… フィーユ「私の勝ちね!」 カガリ「子供に負けた…」 グロード「どうやらグランも、マツブサに勝ったようだな!」 フィーユ「でも…この人本当に幹部?すごく弱いじゃない」 カガリ「あんたが強すぎるのよ!」 グロード「ホントにコイツ、幹部か?このホムラも弱かったぜ」 ホムラ「グサッ!貴様が強すぎるだけだ!」 マツブサ「ええい…だらしないヤツらめ!」 グラン「さあ、いい加減に諦めるんだな」 クロト警視「よくやった、グラン」 グラン「父さん!」 ランド刑事「大人しく捕まれ!」 マツブサ「そう簡単にいくかな…?」 グロード「どういう事だ!」 マツブサ「私にはこれがある!」 フィーユ「それは…『あいいろのたま』!」 マツブサ「これさえあれば…グラードンを…」 マツブサがそう言った瞬間… あいいろのたまが輝き始めた。 マツブサ「あいいろのたまが…勝手に輝いた…?」 そして、それまでマグマの中にたたずんでいたグラードンの姿が突然消えた。 マツブサ「何が一体どうなったんだ!グラードンは何処に消えた!」 アオギリ「みんな!大丈夫か」 駆けつけたアオギリはその光景をみてマツブサに向かって言った。 アオギリ「マツブサ…とうとうグラードンを目覚めさせてしまったようだな!」 グラン「なにぃ!?」 フィーユ「うっそぉ!」 グロード「マジかよ!」 アオギリ「とにかくまずは外に出よう。そしてマツブサ!キミの目で確かめるんだ。…キミの望んだ世界かどうかを…」 グランたちは外に出た。 グラン「うわっ!…なんだ…この日差しは…」 フィーユ「ま…眩しい…」 グロード「これが…グラードンの力…」 アオギリ「分かったか!マツブサ!キミのした事がどれほど愚かな事か…」 グラン「このまま日差しが強くなり続けたら…どうなるんだ?」 アオギリ「全ての海が…干上がってしまう…」 フィーユ「そんな…」 マツブサ「私は…ただ…」 アオギリ「とにかく、これ以上ひどくならないうちに何とかしなければいけない!」 グラン「…」 アオギリ「グラン君か…我々はこうならない様にマグマ団を追っていたんだ。だが、こうなってしまっては、子供のキミには何も出来ないだろう。ここは我々に任せておきたまえ!」 アオギリはそう言うと、さらにこう付け足した。 アオギリ「なんというパワーだ…全てのバランスが崩れてしまったぞ…」 アオギリはマツブサと共に行ってしまった。 フィーユ「ねぇ…あれ…何かしら?」 グラン「太陽が…」 グロード「あの辺りは確か…ルネシティ…」 グラン「ってことは…」 グロード「ああ、間違いない!」 フィーユ「グラードンが…ルネシティに…」 クロト警視「ルネシティの入口は海底洞窟と同じく海底にある」 ランド刑事「警察の潜水艇で行こう」 クロト警視「では、ここに持って来るように無線で伝えよう」 グラン「こうなった以上…ボク達に出来るのは…」 フィーユ「グラードンを倒すしか…」 グロード「まだ道がある」 グラン「ああ。『捕獲するか…』だろ」 フィーユ「捕獲!?あんなすごい力持つポケモンを!?」 グラン「無理でも…やる!」 遂に目覚めた超古代ポケモン・グラードン 果たしてグラードンを鎮めることが出来るのか!? 第二十四話終わり 第二十五話に続く… |
リクト | #25★2004.01/21(水)17:39 |
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第二十五話 ルネシティ・目覚めの祠 グラン「ここがルネシティ…」 フィーユ「中も暑いわね…」 グロード「多分、グラードンが復活したからだろうな」 グラン「さて…グラードンは何処だ?」 グロード「いよいよグラードンをゲット出来るのか…」 グラン「グロード…お前、ゲットする気か?」 グロード「もち!」 フィーユ「残念だけど…グロード君がグラードンを捕獲することは出来ないわ」 グロード「どういう事だよ、フィーユ」 フィーユ「グラードンと戦う事は出来るけど…捕獲は…」 グロード「何か条件でもあるのか?」 フィーユ「ええ。グラードンを捕獲出来るのは『べにいろのたま』を持つ者のみなの…」 グロード「て事は…条件を満たしているのは…」 フィーユ「ええ。…グランしかいないわ」 グロード「でも、オレがこれを持って戦えば…」 フィーユ「たとえ他の人に『べにいろのたま』を渡したとしてもだめ」 グロード「何でだよ」 フィーユ「私はグランの手に渡った『べにいろのたま』を観察していたの。…輝きがあったわ」 グラン「その輝きって、何を意味するんだよ」 フィーユ「『べにいろのたま』がグランを認めた証…すなわち、真の持ち主という事…」 グラン「ボクが…」 フィーユ「グラン、あなたならグラードンを止められる…いいえ。あなたにしか出来ない…」 グラン「ボクに…しか…」 グロード「じゃあ…仕方ないか」 グラン「おい…ちょっとアレ見ろ!」 グランは上空を指差す。 グロード「アレは…」 フィーユ「さっき見た…太陽…」 グラン「その真下にある場所は…」 フィーユ「『めざめのほこら』!」 グロード「あそこか…よし!行くぜ!」 フィーユ「ええ!」 グラン「おう!」 フィーユ「ここが入口みたいね」 グロード「グラン、捕獲用のボールは?」 グラン「モンスターボールばかりさ」 グロード「おいおい…相手は超古代ポケモンだぜ」 グラン「どんな野生ポケモンでも、上手くやればこれに収まるさ」 フィーユ「でも、捕まったグラードンは嘆いたりしてね」 グロード「『200円に捕まった…』ってか?」 グラン「いいから行くぞ」 ???「待ちなさい」 グロード「誰だ!?」 グロードが叫ぶと、一人の男性がいた。 ???「私はミクリと申す者。この町のジムリーダーだ」 グラン「ジムリーダー?…あーっ!」 ミクリ「どうした?」 グラン「ボクの旅のそもそもの目的は…ホウエンの全ジムリーダーを倒して、ポケモンリーグに出場する事だった!」 フィーユ「そういえば…そんなこと言ってたわねぇ…」 グラン「フィーユとグロードに会ってから…自分の旅の目的を忘れてしまった!」 ミクリ「1つの事に夢中になりすぎたのか」 グラン「そもそもグロード!あの時あんな作戦立てなければ運命変わっていたかもしれないのに!(第十二話参照)」 グロード「ああ、あれか。『グランの告り大作戦』な」 フィーユ「あれ?それってそんな名前だったの?」 グロード「今思いついた!」 グラン「おーまーえーはー!」 グロード「まあまあ。オレのお陰て可愛い彼女出来たんだからさ、それで良しとしろよ」 グラン「う…」 フィーユ「それだけじゃないわ。私たちは熱い友情で結ばれたじゃない」 グラン「まぁ…それはそうなんだけど…さ」 ミクリ「ところで、キミ達はここに何をしに来た」 突然ミクリが厳しい表情で聞いた。 グラン「何って…グラードンを止めに…」 ミクリ「私たちはこの『めざめのほこら』に入る事を許されていない。まして関係のない者を入れるなど…」 そこまで言って、ミクリが驚いて言った。 ミクリ「それは…『べにいろのたま』」 グラン「おくりび山で渡されたんだ」 ミクリ「なるほど…キミが『べにいろのたま』を…」 ミクリは少し考え、 ミクリ「…分かった。通りなさい」 グラン「いいのか?」 ミクリ「本来なら、通すわけにはいかない。だが、キミが『べにいろのたま』を持っているのであれば話は別だ。さあ、通るがいい」 フィーユ「あの…私たちは…」 ミクリ「キミたちも一緒に行ってほしい。そして…彼の力となってほしい」 グロード「オッケー!」 ミクリ「この異常気象はすさまじい。だが…キミたちならあるいは…」 グラン「…じゃ、ボクたち行くんで」 グロード「オレたちに任しとけ!」 フィーユ「必ず…戻ってきますから」 ミクリ「確か…グラン君といったな」 グラン「え…?あ、はい…」 ミクリ「事が終わったら…ジムに来てくれ。相手をしよう」 グラン「…分かった」 グロード「行くぞ!」 グラン「ホントに大丈夫なのかな…まったく」 グランたちはグラードンを止める事ができるのだろうか!? 第二十五話終わり 第二十六話に続く… |
リクト | #26☆2004.01/21(水)23:38 |
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第二十六話 対決!超古代ポケモン・グラードン フィーユ「ところで…クロトさんは?」 グロード「そういや、見当たらないな」 グラン「父さんの事だ。多分…」 グランがそこまで言った時、ポケギアが鳴った。 グラン「あ、メールだ」 フィーユ「あれ?ポケギアってメール機能あった?」 グロード「さあ?」 グラン「…全く…こんな時に」 グロード「何だ?」 グラン「新しい事件が発生したから、ミナモの署に戻るってさ」 フィーユ「刑事ドラマでよくあるパターンね」 グロード「で、刑事さんは?」 グラン「ランドさんは…ポケモンセンターにいる」 グロード「…はぁ…」 グロードは完全に呆れているようだ。 フィーユ「じゃあ…私達だけでやるしか…ないわね」 グラン「らしいな」 グロード「じゃ、入ろうぜ」 3人は祠の中へと入っていった… グラン「暗いな…この中」 グロード「暗すぎてどっちに行ったらいいのか分からねえな」 フィーユ「あっ!そうだ…」 グラン「何だよ」 フィーユ「こんな時の為の懐中電灯よ」 グロード「…用意周到だな」 フィーユ「小さい時からそう言われるわ」 グラン「じゃ、奥に進むぞ」 グラン「ここだ…」 フィーユ「あれが…グラードン…」 グロード「…?おい、フィーユ。そういや何で『あいいろのたま』を持ってるんだ?」 フィーユ「うん、アオギリさんがマツブサとどこかに向かって走っていったときにマツブサが落としていったの」 グロード「いつの間に拾ったのか…」 グラン「お前ら緊張感ないなぁ…」 グランはグラードンの前に立った。 すると、べにいろのたまが突然輝き始めた。 グラン「な…なんだ…?」 グラードン「ガァァァァ…」 グロード「グラン!離れろ!」 グロードが叫ぶ。グラードンは鋭いツメの付いた手を振り上げ、もの凄いスピードで振り下ろした。 グランは一瞬早く避けていた。 グラン「よーし…やってやろうじゃんか!」 グランはモンスターボールを取り出し、グラードンに向けて思いっきり投げる。 グラン「いっけえ!」 フィーユ「いきなりボールを!?」 グロード「無茶だ!」 グロードが無茶だと言うとおり、グラードンはボールを弾く。 そのボールはグランの顔面に戻って来た。 グラン「痛っ!」 グロード「言わんこっちゃない…」 グラン「やっぱり弱らせるかな…」 フィーユ「私も手伝うわ!」 グロード「オレもやるぜ!」 グランの両隣に2人は立つ。 グラン「フィーユ…グロード…」 グロード「オレ達は…友達だろ」 フィーユ「それに…グランにだけ良い所持っていかれるのはちょっと悔しいし」 グラン「いけ!バシャーモ!」 フィーユ「サーナイト!お願い!」 グロード「…初めてかな…グランとフィーユにオレのポケモンを見せるのは」 グロードが呟く。 グロード「いけ!ラグラージ!」 グラン「ラグラージ!?」 フィーユ「まさか…」 グロード「そうさ…オレもお前らと同じ所からポケモンをもらってこのホウエンに来たんだ!」 グラン「なるほどな…」 グロード「さあ、やるぜ!」 フィーユ「サーナイト!『さいみんじゅつ』でグラードンを眠らせて!」 グロード「ラグラージ!『マッドショット』だ!」 グラン「よし!眠った!」 グロード「ボールを投げろ!」 グラン「モンスターボール乱れ投げ!」 グロード「バカ!誰が乱れ投げしろって言った!」 フィーユ「そのせいであと1個しか残ってないわ…」 グロード「ギリギリまで減らす…しかないようだな」 フィーユ「そして…この最後の1個に賭ける…」 グラン「なら…みんな!グラードンを倒さないようにギリギリまでダメージを与えてくれ!」 ポケモン達は頷く。 数十分後。 グラードンにも疲れが見えていた。 グロード「この位が限界だな…」 グラン「後は…このボールに賭ける!」 フィーユ「サーナイト!『さいみんじゅつ』!」 サーナイトは技を出す。しかし、グラードンは眠らず、逆にサーナイトに反撃してきた。 グラードンのきりさく攻撃だ。サーナイトは大ダメージを受けている。 フィーユ「サーナイト!」 フィーユはサーナイトに駆け寄った。 グラードンはサーナイトにもう一発きりさく攻撃をお見舞いしようとしている。 グロード「まずい!あのままじゃフィーユも…」 グラン「…!」 グランはボールを持って走り出した。 フィーユ「きゃああああああ!」 フィーユとサーナイトにグラードンのきりさく攻撃が放たれる。 その時、フィーユの前にグランが立ち、それと同時に最後のボールを投げた。 きりさく攻撃はグランに命中してしまった。 その一瞬後に、グラードンはボールに吸い込まれる。 グラン「が…っ…」 グランは声も出せない状態だ。 ボールはどうなったかというと、何度か揺れて止まった。 フィーユ「グラン!」 グラン「グ…グラードンは…?」 グロード「どうやら…捕獲した…みたいだな」 グラン「そっか…やった…な」 それだけ言うと、グランは気を失ってしまった。 フィーユ「ねえ…グラン…起きてよ…」 グロード「大丈夫だ。気を失っているだけだ。でも…ひどい傷だ」 フィーユ「早く…外に!」 グロード「もちろん!」 ようやくグラードンを鎮めることが出来た。 だが、グランが大怪我を負ってしまった。 果たして、グランは無事なのだろうか!? 第二十六話終わり 第二十七話に続く… |
リクト | #27☆2004.01/22(木)17:27 |
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第二十七話 大切な人 グロード「グランのポケギア出してくれ」 フィーユ「これね!」 グロード「えっと…あった!」 グロードはランド刑事の番号を探す。 グロード「ランド刑事すか!?」 ランド刑事「ん、グロード君か?グラードンが静まったそうだな!」 グロード「大変なんだ!」 ランド刑事「どうした?」 フィーユ「グランが…グランが…」 ランド刑事「だからどうしたんだ!?」 グロード「グラードンとの戦闘で…グラードンの攻撃を受けて…大怪我を負っちまったんだ!」 ランド刑事「何だって!?」 フィーユ「私を…助けようとして…」 ランド刑事「分かった。ヘリを呼ぼう」 グロード「頼みます!」 数分後… グロード「じゃあ…お願いします」 救急隊員「分かりました」 グランを乗せたヘリは、ミナモシティに向けて飛んでいった… フィーユ「グラン…」 ランド刑事「それで?何でこうなったんだ?」 グロードはこれまでの経緯をランド刑事に説明した。 ランド刑事「そうか…そんな事が…」 フィーユ「全部…私のせいよ…」 グロード「でもな、グランが守ってくれなければ、無事ではすまなかったんだぜ」 フィーユ「でも…」 グロード「フィーユ!グランの気持ちも考えてやれよ!」 フィーユ「…!?」 グロード「いいか。あんな事をしたら自分が危険な目に遭う事はグランも重々分かっていたハズだ!」 フィーユ「どういうこと?」 グロード「自分の身よりも、『本当に大事な人を守りたい』という気持ちがあったからあんな事を…」 フィーユ「って、事は…」 グロード「そうさ!グランにとってお前は、『本当に大事な人』だったんだよ!」 ランド刑事「グロード君、説得力あるね〜」 グロード「フィーユの物分りが良くないだけっすよ…」 ランド刑事「そうかな…」 グロード「とにかく、オレ達もミナモに戻ろう」 ランド刑事「警視には既に連絡してあるから、そのうち迎えのヘリが来るハズだよ」 すると、ヘリの音が聞こえた。 グロード「もう来た!」 ランド刑事「警察のモットーは、『迅速に』だからね」 ヘリの中… グロード「そういや、フィーユは高所恐怖症のハズじゃ…」 フィーユ「もうヘリには慣れたわよ」 ランド刑事「慣れが早いな」 グロード「凄いのか凄くないのか…」 しばらく後… グロード「この病院だな」 ランド刑事「多分、まだオペの最中だろう」 フィーユ「何?『オペ』って」 グロード「医療用語で、『手術』って意味だ」 ランド刑事「グロード君は物知りだな」 グロード「いや…それほどじゃ…」 ランド刑事「既に手術は終了したそうだ」 グロード「早っ!」 フィーユ「それで…グランは!?」 ランド刑事「病室にいるらしい。行こう」 フィーユ「グラン!」 グラン「お…2人共来てくれたのか」 グロード「起きていて大丈夫なのか?」 グラン「傷はそんなにひどくなかったからな」 フィーユ「十分重症よ…」 グラン「ああ…悪い。心配かけて」 クロト警視「まったく…無茶な息子だ…」 グラン「ゴメン…父さん」 フィーユ「でも…守ってくれたのは嬉しかった。…ありがと」 グラン「あ…あの時は無我夢中だったからな、ボクは」 グロード「ほら、忘れ物だぜ」 グラン「おっ!ボクのポケモン達!」 ランド刑事「おーい、こんな所でグラードンを出さないでくれよ」 フィーユ「またケガでもされたらたまんないわ」 グラン「ははっ…」 グロード「じゃ…オレ達はこれで」 フィーユ「お大事にね、グラン」 グラン「ああ。じゃな」 グロードとフィーユとランド刑事は病室から出ていった。 クロト警視「いい…友達だな」 グラン「ああ…そうだね、父さん」 グランは無事だった。 果たして彼の完全復活は、いつなのだろうか。 第二十七話終わり 第二十八話に続く… |
リクト | #28☆2004.01/25(日)17:10 |
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第二十八話 グランとグロードの初対決 前編 それから1週間後… グロード「グランの見舞いにいかねえか?」 フィーユ「そうね。行ってみましょ」 グロード「どの位傷が治ってるんだろうな…」 フィーユ「私もそれが心配なんだけど…」 グロード「…まあ、行ってみれば分かるだろ」 グロード「クロトさん、こんちは」 クロト警視「グロード君にフィーユちゃんか。グランの見舞いか?」 フィーユ「ええ。…ところで、グランは?ここにはいないみたいですけど」 クロト警視「グランなら…下の階に下りていったが…」 グロード「下…?」 フィーユ「売店にでも行ったのかしら?」 グロード「それも行ってみればわかる。行くぜ」 患者「すげぇ!これで10人抜きだ!」 グロード「あの…」 患者「ん?何だい?」 グロード「ここで何があるんです?」 患者「この病院にはスタジアムがあって、患者同士のポケモンバトルを楽しむことが出来るんだ」 フィーユ「随分と変わった病院ね…」 患者「で、いま戦っている患者さんが、今10人抜きを達成したんだよ」 グロード「すごい人なんだな」 フィーユ「ね…ねえ、グロード君…」 フィーユが小声でグロードに話し掛ける。 グロード「何だよ」 フィーユ「あれ…グランじゃない?」 グロード「はあ?まさかそんなハズは…」 患者「あのグランって男の子、すごく強いなぁ…」 グロード「マジかよ…」 グラン「よっし!10連勝だ!」 グロード「おい!」 グラン「うわっ!?」 グロード「なんでここにいるんだよ」 グラン「ポケモンのトレーニングさ。腕が鈍るからな」 フィーユ「でも、今は安静にしてないと…」 主治医「その心配はありませんよ」 後ろから1人の白衣を着た男性が現れた。 グロード「えーと…グランの主治医さん…ですね」 主治医「彼は、物凄い治癒力があります。ですので、もう殆ど大丈夫なんですよ」 グロード「何だよそりゃ…」 主治医「もしよければ、彼と練習試合をしてみては?」 グロード「うーん…」 フィーユ「主治医さんもそう言ってるし、やってみれば?」 グロード「…やってみるか」 グロード「そういや、グランとはまだバトルした事なかったな」 グラン「ああ」 グロード「全力で行くぞ!」 グラン「オッケー!」 主治医「私が審判をする。使用ポケモンは3体だ。入れ替えは自由」 グラン「行くぜ!グロード」 グロード「いつでも来い!」 グラン「さて、まずは…フーディンだ!」 グロード「オレは…行け!レアコイル!」 グランはフーディン、グロードはレアコイルをそれぞれ出した。 グラン「…(相性上不利だな…)」 グロード「とうした?攻撃しないのか?」 グラン「フーディン!フラッシュだ!」 フィーユ「技の命中率を下げる作戦ね」 患者「やっぱり、彼は凄いよ。この試合もラクに勝てるだろうね」 フィーユ「それはどうでしょうか?」 患者「どういう事だい?」 怪訝そうな顔をして聞く患者に、フィーユが答える。 フィーユ「対戦相手のグロード君も、また才能のあるトレーナーです。甘く見ると…グランが負けることだってあります」 グラン「(小声で)よし…このまま長期戦に…」 グロード「甘い!」 グラン「…?」 グロード「レアコイル!『でんげきは』だ!」 グラン「でんげきはだと!?」 グロード「命中率なんか関係ない!必ず命中する技だ!」 グラン「しまった!」 フーディンは『でんげきは』の直撃を受け、倒れてしまった。 主治医「フーディン、戦闘不能!レアコイルの勝ち!」 グラン「バカな…普通のでんげきはでも、あんなに食らうハズはないのに…」 グロード「じしゃく。電気技の威力を高める道具だ」 グラン「…(なるほど…だからあんなにフーディンに食らったのか)」 グロード「ここからが…本番だ!」 フィーユ「見ての通りです」 患者「なるほど…」 フィーユ「グロード君は、なかなかの戦略家のようです」 患者「彼のポケモンが先に倒されることは、10人抜きの中には無かったハズだけど…」 フィーユ「でも、グランもこのまま終わる事は無いと思いますよ」 遂に始まったグランとグロードのポケモンバトル。 現在の残りポケモンは2対3でグロードが優勢。 果たしてグランの巻き返しなるか!? 第二十八話終わり 第二十九話に続く… |
リクト | #29☆2004.02/02(月)14:58 |
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第二十九話 グランとグロードの初対決 後編 グラン「行け!サイドン!」 グロード「サイドンか…」 グラン「サイドン、じしん攻撃だ!」 サイドンの地震は、レアコイルに命中。 効果は抜群だ! グロード「レアコイル!」 主治医「レアコイル、戦闘不能!サイドンの勝ち!」 グラン「いいぞ!」 グロード「なぜ…」 グランのサイドンの素早さに、グロードは驚いている。 グラン「『せんせいのツメ』の効果さ」 グロード「たまに先制攻撃が出来る道具か…」 フィーユ「グロード君も凄いけど、グランも凄いですね」 患者「運が良いんだな」 フィーユ「グランの武器は、その『運の強さ』なんです」 グロード「今度はお前だ!行け!エアームド!」 グラン「鋼タイプの鳥ポケモンか…」 グロード「エアームド!はがねのつば…」 グロードがそこまで言いかけた時、グランは グラン「火炎放射だ!」 グロード「火炎放射!?」 しかも、また先制のツメが作動したようだ。 おまけに、急所にヒット… 主治医「え…あ!エ、エアームド戦闘不能!サイドンの勝ち!」 グロード「何で…何でこうなるんだ!」 フィーユ「うそ…」 患者「2回連続で発動した上に、急所に当たった…」 フィーユ「…(グラン…あなたって人は…)」 グロード「チキショー…今日はついてないな…」 グラン「へっへーん!運も実力のうちだ!」 グロード「笑っていられるのも今のうちだ!」 そのころ… ???「ここか」 手下「ハッ。ここが奴の入院している病院だそうです」 ???「おそらく、仲間も一緒にいるハズだ」 手下「して、進入は幾時にいたしましょうか、ホムラ様」 ホムラ「まだしばらくは様子を見る」 手下「了解」 ホムラ「なんとしてもマツブサ様の理想を実現させなければ…」 グロード「頼むぜ!ラグラージ!」 グラン「主軸だな。サイドン!もう一度地震だ!」 グロード「なみのり!」 今度はグロードのラグラージが先制した。 グラン「まさか…」 グロード「そうさ。オレのラグラージの持ち物も先制のツメだ!」 グラン「はぁ…やっぱな」 主治医「サイドン、戦闘不能!ラグラージの勝ち!」 フィーユ「これで、どっちも残りは1匹のみですね…って、あれれ?あの人は?」 そのころ… 患者「何か…嫌な予感がする…まさか…」 グラン「(小声で)まずい…ボクの残りはバシャーモのみ。このままいくと…」 グロード「さあ、早く次のを出せよ」 グランは、自分のポケモン図鑑で技と持ち物を調べる。 グラン「(小声で)バシャーモの技と持ち物は…と。…!これだ!勝つにはこれに賭けるしかない!」 グラン「行け!バシャーモ!」 グロード「へっ!一発で片付けてやるぜ!」 主治医「始め!」 主治医が叫んだ途端、爆発音が聞こえた。 グラン「な…なんだ!?」 グランが言った時、主治医のポケギアが鳴った。 看護婦「先生!大変です!」 主治医「どうした!一体何があった!?」 看護婦「何者かが院内に侵入し、メインシステムの部屋を占拠されました!」 主治医「何だと!?」 その時、グランがグロードに言う。 グラン「どうやら…バトルどころじゃあない…みたいだな」 グロード「このバトル…延期だ!」 フィーユ「グラン!グロード君!」 グラン「大変な事になったな。…まさか…マグマ団の残党員たちが…」 フィーユ「でも、マツブサは捕まったって…」 グロード「団員と幹部は残っているさ」 グラン「とにかく急ごう」 フィーユ「でも、体の方は…?」 グラン「今はそんな事言ってる場合か!」 グロード「緊急だ。仕方無いさ」 グラン「ボクは一旦部屋に戻って、服に着替える。このままじゃ動きづらいし」 グロード「じゃ、オレ達は先に行ってる」 グラン「父さんも連れてくるから」 フィーユ「オッケー!じゃ、また後で会いましょ!」 グラン「ああ!」 突然の何者かによる病院襲撃。 マグマ団の残党達の仕業なのだろうか、それとも… 第二十九話終わり 第三十話に続く… |
リクト | #30☆2004.02/04(水)23:48 |
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第三十話 マグマ団再び… 病院を守れ! 前編 グラン「父さん!」 クロト警視「来たか。大変な事になったな」 グラン「多分、またマグマ団の仕業だ!ボク…行くから」 クロト警視「その体でか!?無茶だ!」 クロト警視は息子の身の安全を考え、止めようとするが、 グラン「フィーユとグロードが…心配なんだ」 と言い返された。 グランの瞳は真っ直ぐ父を見つめている。 クロト警視「…そうか」 グラン「じゃあ?」 クロト警視「行け、グラン」 クロト警視はグランの熱意を理解してくれたようだ。 グラン「じゃあ…行くかな」 既に普段着に着替え終わったグランが言った。 クロト警視「待つんだ、グラン」 病室を出ようとした時、クロト警視が呼び止めた。 グラン「…?」 クロト警視「コレを被っていけ」 クロト警視が手渡したのは、帽子だった。 グラン「コレは?」 グランが聞くと、クロト警視は、 クロト警視「実は、フィーユちゃんとグロード君が最初に見舞いに来た日に、2人が帰る時にランド刑事がフィーユちゃんから預かった物だ」 グラン「え…?」 クロト警視「ランド刑事が、昨日私の所に置いていった。…見舞いの品だそうだ」 グラン「フィーユが…?」 グロト警視「それと、これも…」 クロト警視は、リストバンドを取り出した。 グラン「これは?」 クロト警視「これはグロード君からだ。彼のリストバンドと同じ物だ」 グラン「グロードも…」 グランは何か考えている様だった。 クロト警視「さあ、あまり2人を待たせない方がいい」 グラン「じゃあ…行って来る!」 グランは腕にリストバンドをはめ、帽子を被った。 クロト警視「だが…くれぐれも無理はするなよ」 グラン「分かってるって!」 そのころ… グロード「ここが…管理棟だな」 フィーユ「マグマ団員の姿が見えないわね」 グロード「多分、一ヶ所に集中しているんだろうな」 フィーユ「メインシステムルームね」 グロード「その可能性は高い」 グロードはまだ他に何か考えている様子だ。 グロード「ダメだな。ここからじゃ分からない」 フィーユ「それじゃ、2手に分かれて探索しない?」 フィーユの突然の提案にグロードは、 グロード「おいおい…そんな事してまたさらわれたら元も子もないんだぜ?」 と返した。 フィーユ「大丈夫。私だって2度もヘマするような人じゃないわ」 グロード「…(すっげえ不安だ)」 グロードはしばらく考えていたが、 グロード「…分かった。やってみよう。だけど、気をつけろ」 フィーユ「オッケー!」 グロード「ここで道は分かれてるな。お前は右に行ってくれ。オレは左に行く」 フィーユはグロードと別れ、右の通路に行った。 しばらくして、また分かれ道にぶつかった。 真っ直ぐ続いていたが、右方向にも分かれていた。 フィーユ「うーん…どっち行こっかな…」 少し考え、 フィーユ「一旦右の道に入って…とりあえず真っ直ぐ行く道の様子を確かめようかな…」 そしてフィーユは、一旦右の道に入り、真っ直ぐな通路の様子をうかがっていた。 しかし、後ろから迫ってくる人間に気付いてはいなかった。 突然フィーユは、強烈な力で口を塞がれた。 フィーユ「…!」 マグマ団員「動くな」 フィーユ「…(く…苦しい…)」 ホムラ「おい、何をしている」 マグマ団員「ハッ!侵入者を発見したので捕らえました」 ホムラ「ほう…む?」 ホムラは団員が捕らえた人間の顔をよく見た。 ホムラ「お前はあの時の…小娘!」 マグマ団員「ホムラ様…お知り合いで…?」 マグマ団員が聞く。 ホムラ「アホ!コイツは我々の邪魔をする者の仲間だ!」 マグマ団員「そうだったんですか?」 ホムラ「貴様!団員会議の内容をよく把握しておけと言っただろう!」 マグマ団員「も…申し訳ございません!」 フィーユ「う…く…」 マグマ団員「ところで、コイツどうしましょうか?」 ホムラ「フン…管理棟の倉庫にでも放り込んでおけ。どうせ誰も見つけられるハズはないのだからな」 マグマ団員「ハッ!」 管理棟倉庫… フィーユ「きゃあ!」 フィーユはホムラの言葉通り倉庫の中に放り込まれた。 マグマ団員「ここから出るなよ…って、縛ってあるんだから出られるハズないな。ハッハッハ!」 フィーユ「そんなぁ…」 マグマ団員「助けを期待したって無駄だぞ。それじゃ」 マグマ団員が出て行き、倉庫のカギは閉められてしまった。 フィーユ「あ…閉められちゃった…」 その頃グロードは… グロード「しっかしグランのヤツ、遅いな…いつまで待たせる気だ」 そう呟きながら様子をうかがっていた。 グロード「フィーユのヤツ…ああ言ってたけど、大丈夫なんだろうな…」 同じ頃… グラン「だいぶ時間食ったな…早く2人に合流しないと…」 グランは病院内の通路を走っていた。 しばらくして、 グラン「ぐあっ…」 突然足に痛みを感じ、その場に座り込んだ。 グラン「やっぱり…傷は完治してないか…」 グランは足を抑えながら立ち上がろうとしていた。 グラン「ここでボクが倒れたら…病院の中にいるみんなが…それに…フィーユとグロードが…」 呟きながら立ち上がり、さらに呟く。 グラン「ボクが…ボクがやらなきゃ…」 仲間の元へ急ぐグラン。 そして倉庫に閉じ込められたフィーユを助ける事はできるのか!? 第三十話終わり 第三十一話に続く… |
リクト | #31★2004.02/14(土)14:48 |
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第三十一話 マグマ団再び!病院を守れ! 中編 グラン「それにしても、この病院広いな。何処行けばいいのが分からない」 右と左の分かれ道の所でグランは呟いた。 グラン「どうすっかな…フィーユとグロードと合流できなきゃどうにもならねえ」 …完全に行き詰まっている様子である。 グラン「ボクは自分の行く方向に自信持てないんだよなあ…」 …主役の言う台詞か…? その頃倉庫では… フィーユ「…?」 ドアの開く音が聞こえ、フィーユはあれっと思った。 入ってきたのは、先ほどのマグマ団員だった。 フィーユ「…今度は何よ?」 マグマ団員「忘れていた事がある」 フィーユ「え…?」 この倉庫に物を落とした形跡など無いハズなのに。 フィーユは直感的にそう考えた。 マグマ団員「縛っただけでは逃げられる可能性だってある。よって眠らせておく」 フィーユ「え〜!これでも十分身動き取れないのに!」 手足と胴を縄で縛られているフィーユが反論した。 マグマ団員「念には念を入れておかねば」 フィーユ「そ…そんなぁ…」 そう言った途端、天井からマグマ団員が降りてきて、ハンカチでフィーユの口を塞いだ。 フィーユ「う…(ダメ…意識が…)」 膝で立っていたフィーユは、マグマ団員から見て左側に倒れこんた。 マグマ団員「悪く思うな。これ以上失敗を重ねるとホムラ様に叱られる」 もう1人の団員も、 マグマ団員「減給処分を食らうからな」 その時既に、フィーユは整った寝息を立てて眠っていた。 その頃グロードは… グロード「さーて、どうすっか。グランもまだ来ないしな…」 その時、後ろから肩を叩かれた。 振り向く、そこにはグランが立っていた。 グラン「よお」 グロード「へっ…遅いぜ、お前」 グラン「ああ…悪い」 グロード「お、リストバンド付けたのか」 グラン「見舞いの品だったんだって?サンキュ」 グロード「帽子も被ってるな。フィーユからだと聞いてるか?」 グラン「ああ。父さんから聞いたよ」 グロード「結構似合うぜ。フィーユが見たら、もうメロメロだろうな」 グラン「それ、絶対ありえないぞ」 グランは半分呆れた口調で言った。 グロード「どうかな…?」 グロードが言い返す。 グラン「ところで、フィーユのヤツはどうしたんだ?」 グロード「別行動を取ってる」 グロードが言うと、グランの表情が少し変わった。 グラン「…って事は、フィーユは今1人きり…って訳か?」 グロード「ま、そういう事だ」 グラン「まさか、また捕まったんじゃないだろうな?」 グロード「そんなドジはしないって言ってたけどな…」 グラン「いや、フィーユは結構抜けてる所があるから、ありえないとも言い切れないぜ」 グロード「でも、お前はそんな所が好きなんだろ?」 グラン「まぁ…そうとも言う…かな」 グランは少し恥ずかしそうに答えた。 グロード「で、もし捕まってたら?」 グロードが聞くと、グランは即座に、 グラン「無論、助けるさ」 と答えた。 グラン「さて…と」 グロード「行くって言うのか?」 グラン「ああ、行く。ただし、あそこから…な」 グランは天井を指差した。 グロード「やっぱ、超能力は役に立つよな」 天井裏通路でグロードが言った。 彼らはグランのフーディンのエスパーの力で天井裏に入ったのである。 グロード「かがみながらだから、結構きついな」 グラン「ああ…小さい子供なら大丈夫だろうけどさ」 しばらくすすんだ後、グロードが口を開いた。 グロード「ちょっと待て、グラン」 グラン「あー?何だ?」 グランが返事を返す。 グロード「ちょっと下を見ろ。人が倒れている」 グラン「よし。見てみよう」 グランはリュックからヘッドライトを出し、倒れている人間に向けた。 しばらく見ていると、 グラン「フィーユだ…」 と、それだけ言った。 グロード「はぁ?」 グラン「降りよう」 グランは金網のフタを取り外した。 最初にグランが飛び降り、グロードがそれに続く。 グラン「くっ…!」 飛び降りた直後、グランの足に激痛が走った。 グロード「おい、大丈夫か!?」 グラン「心配ない。大丈夫だ…」 グロード「完治していないんだ。無理するなよ」 グラン「おい、フィーユ!起きろ!」 グランはフィーユを抱き起こし、呼びかけた。 グロード「オレは縄を解く!」 その間にもグランは呼びかけるが、なかなか目が覚めない。 グロード「頬を引っぱたいてみろよ。多分起きるぜ」 グラン「…きっと起きた瞬間にやられる…痛っ!」 グランが足を抑えた直後、 フィーユ「う…う〜ん…」 グロード「あ、起きた」 グラン「早っ!」 フィーユ「ちょっと前から起きてたんだけどさ…それはそうと、グラン?何処か痛むの?」 グラン「完治してないのに…無理して走ったり、飛び降りたりしたからな…足痛めたみたいなんだ。まったく、怪我は嫌だよ」 フィーユ「まったく…無茶な事するわね…」 グロード「でも、そこが好きなんだろ?」 フィーユ「う〜ん…そう…かもね」 グラン「とりあえず、先を急ごう」 その頃… ホムラ「貴様ら。あの小娘が逃げ出すという事はないだろうな?」 マグマ団員「ハッ!眠らせておきました」 ホムラ「俺達の邪魔をするとは…愚かなガキどもだ…」 マグマ団員「そもそも、この病院を占拠した目的は何なのですか?ホムラ様」 ホムラ「最近の調査で分かったことなのだが、カントー地方から離れた所にある島に、不思議な力を持つというポケモンがいるらしいのだ」 マグマ団員「それと、この病院と何の関係が?」 ホムラ「この病院の医者の中に、そのポケモンの事を詳しく知っている者がいるとの情報があるのだ」 マグマ団員「なるほど…」 ホムラ「そいつから情報を聞き出したら、カントーのクチバへ向かう。いいな」 マグマ団員「ハッ!」 果たして、ホムラの言う「不思議な力を持つポケモン」とは!? 第三十一話終わり 第三十二話に続く… |
リクト | #32☆2004.02/14(土)15:53 |
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第三十二話 マグマ団再び…病院を守れ! 後編 グラン「天井裏からメインシステムルームに向かう。行くぜ」 フィーユ「ちょっと待って!」 グラン「あー?」 フィーユは少し不安そうに言う。 フィーユ「実は、私が眠らされた時、天井からマグマ団が降りてきたのよ。向こうが張り込んでいる可能性だって十分あるわ」 グロード「じゃどうしろって言うんだよ!?」 フィーユ「どうしましょ」 グラン「『どうしましょ』じゃないだろがよ…」 グランは呆れた口調で言った。そしてその直後、 グラン「あ、そうだ。ボクのフーディンのテレポートでメインシステムルームの前まで行けばいいんだ」 フィーユ「グッドアイディア!それでいきましょ!」 グロード「フィーユはサーナイトがいるから心配ないな」 フィーユ「はい?どゆこと?」 グロード「ラルトス系統はテレポート覚えられるハズだ」 フィーユ「おあいにくさま。私のサーナイトはテレポート覚えていないのよ」 グラン「ボクのフーディンなら、3人位どうって事ないよ」 グランがいつの間にボールから出したのか、フーディンを指差して言う。 グラン「じゃ、フーディン。頼むぜ」 フーディンは頷き、テレポートの準備に入った。 グラン「2人共、ボクの肩に手を乗せてくれ」 グロードとフィーユがグランの肩に手を乗せる。 グラン「よし!フーディン!『テレポート』だっ!」 次の瞬間、倉庫には誰もいなくなった。 フィーユ「さっすが!」 グロード「グラン、やっぱりお前は凄いぜ。ポケモンもお前の事信じているみたいだしな」 グラン「ケリが付いたら、バトルの続きやろうぜ」 グロード「約束、忘れるんじゃねえぞ!」 フィーユ「とにかく、突入するわよ」 グラン「オイ!お前ら!」 ホムラ「貴様、やはり現れたか」 グロード「大人しくココを出て行けよな」 ホムラ「な…なぜあの小娘がここにいる!?」 フィーユ「小娘じゃなくて、私の名前はフィーユ!しっかりしてよ」 ホムラ「フン。2度も我々に捕まったくせに偉そうに」 フィーユ「何ですって!?」 グラン「うわー、怖…」 グロード「スゲー剣幕だな…」 フィーユ「グラン!グロード君!あなた達も何かいったらどうなの?」 グラン「あ、ああ(何言えばいいんだよ、オイ)」 ホムラ「まあいい。既にこの場所での我々の目的は果たされた。引き上げるぞ。カガリ」 カガリ「オッケー!」 グラン「逃がすか!」 カガリ「行け!コータス!」 グラン「やるなら相手になるぜ!」 しかし、コータスは戦おうとせず、背中から白い煙を噴出した。 辺りはたちまち白い煙に包まれていく。 グラン「くそっ…どこだ!…げほっ!」 グロード「まずいぞ!このままじゃ…がはっ!」 フィーユ「だ…誰か、窓を開けて…けほっ!」 グロード「がはっ!…あった!窓だ」 グロードは窓の鍵を外し、全開に開けた。 しばらくして、視界も戻ってきた。 グラン「くそっ…逃げられたか…」 その時、部屋の隅から見覚えのある人間が現れた。 グラン「先生!」 それは主治医だった。 主治医「た…助かった…」 フィーユ「何か…あったんですか?」 主治医「ああ…あるポケモンの情報を教えろと…言われた」 グラン「それで…どうなったんですか?」 主治医「だいぶ痛めつけられてしまった。そして、ついに教えてしまった…」 グロード「それで…あいつらは?」 グロードが聞いた。 主治医「カントー地方の…クチバシティへと向かった。そこから島に向かうつもりだろう…」 グラン「島?」 主治医「そうだ。カントー地方から少し離れた所にある島だ。そこには、不思議な力を持つポケモンが眠っているらしいんだ」 グラン「て事は…マグマ団は今度はその力を狙って…」 グロード「また海を干上がらせようと考えてるってワケか!」 フィーユ「そんな事させない!…絶対に」 マグマ団の騒ぎがひと段落した後、グランは病室に戻った。 クロト警視「ご苦労だったな。マグマ団は?」 グラン「ゴメン…逃げられた…」 クロト警視「そうか…」 フィーユ「ごめんなさい…でも…」 クロト警視「何だい?」 フィーユ「マグマ団は、カントーのクチバシティって所に行ったらしいんです」 グロード「オレはあいつらを追います」 クロト警視「グランは…どうするんだ」 グラン「ボクは…」 グロード「行くんだろ?…カントーに!」 フィーユ「グラン!いこっ!」 グロードとフィーユは笑顔でグランを見つめる。 グラン「…そうだな。行こう!クチバに!」 クロト警視「私はホウエンに残る。何かあったら連絡を入れてくれ」 新たなる旅立ちの日取りを1週間後に決めたグラン達は準備に取り掛かった。 さあ、次の冒険の舞台はカントー地方! 果たしてどんな冒険が待っているのか!? そしてマグマ団の行方は!? 第三十二話終わり 第三十三話に続く… ホウエン地方編 完 |
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