ぴくの〜ほかんこ

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[733] 最果ての旅

ユーノ #1☆2005.07/04(月)18:20
プロローグ
少女の名は未矩。
カントー地方では名の知れた、トレーナーだ。
ある日に未矩は興味を持って、うっそうとした怪しげな森に入った。
昼時だったのでまだ光は所々に差し込んでいるが、
夜となれば…大変なことになる。
迷いに迷って現れたのは、一つの丸くて少し小さな光。
それに向かって速く歩き始めた。
まるで何かを求めるかのように。光との距離の差が近いとあることに気づいた。
未矩より背の高い女性というべきか、少女というべきか。
光が彼女から放たれていることにも驚きをもったが、一番に驚いたのは
髪は束ねてあり、黄金色で腰まである。白いドレスを身にまとっている。
その姿こそが不思議さと神秘さに包まれているように感じる。
その人は不思議なことに手のひらから、球状のほのかな光を出していた。
相手も気づいて、光からそっとこちらを向く。そして静かに言う。
「何をしに来た?」まるで男の口調だ。
「私はここに興味を持って来ただけよ。あなた。いつからか知らないけど、なぜここにいるの?」
先ほどよりは動揺しなかったので、未矩は強気で言ってみた。
「お前みたいな人を求めたかったからだよ」
その言葉に疑問が浮かんできた。お前みたいな人とは一体――?
「…分かってないみたいだね。目をしっかり閉じてくれたら、その答えは教えてやるよ!」
いきなり皮肉そうな笑いを見せた。
あんなに静かそうな人が変わった、と心に思いながらぎゅっと目を閉じた。
もう私はやられるんだと半分思う気持ちでいながら。
見えるのは真っ白な視界。
あの持っていた、光を一面に広げたんだと未矩は推測した。
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ユーノ #2☆2005.07/09(土)11:57
第一章  フィビリティー王国


目を覚ました。それは朝に起きるかのようにゆっくりと覚ました。
寝たまま、立ってる!こんなこと私にはできないのに。
広がる世界は今まで見たこともない、世界。ここは郊外といった所か。森や木がない。草は所々しか生えていない。
あるなら、家と店。家と店はぼちぼちある。
こんな世界、カントーには存在しない。
様々な地方の話はたっぷりと聞いてきたが、こんなところを聞いた覚えはない。
とにかく、どこに連れて来られたんだろうか。
疑うこともなく、ぼーっと立ち尽くすだけ。
あれ?未矩の目に飛び込んできたのは…伝説のドラゴン一匹、レックウザ。
何も恐れるものがないかのように、気持ちよく空を泳いでいる。
普段、全く見ることのないポケモンがいる…。
ありえない考えが未矩の脳裏を横切った。

―――私って、別の世界に来ちゃったの?
「おっ、お目覚めだね?もう一生、起きないかと思ったよ」
声の主のほうに振り向いた。あのどちらか不明の中途半端な女だ。
「ねえ、ここはどこなの!あなた、誰?」わけのわからないまま、とりあえず質問で攻める。
「おいら?スピネル。ここはフィビリティー王国。オイラの故郷だよ」
自分のことも男らしい。女らしさは格好だけだ。
「なるほど。なんで私をここに?」まだ質問する気である。
「手伝ってもらいたいから。それでお前みたいな強いトレーナーを探していた。見つからないところでね」
「それってどういうこと?」未矩は真剣な顔で相手を見つめる。
「全く…。質問好きだなぁ。まあこんな格好で素人トレーナーに見つかったら、バトルして、向こうがが負けるのがオチだしな。それに警察に見つかったら、面倒でなおかつ時間が無駄になる。それで見つからないところで探していたっけわけ」
未矩の中の疑問が解決したようだ。
「そうなの。で私は何をすればいいのかしら?」
「バトル」
「何ですって?」思わず、高い声に変化する。
「バトルをやらないと、話にならないだろう?」
「うー。でもそのうち、わかるんじゃない?」
と未矩はバトルを避ようとする。バトルは好きなほうではないのだ。
「これからのためだ。もうお前はこの仕事を果たすまでは元々の世界には返れないぞ」
これは脅しだ、と思った未矩は思い切ってでかい質問を口にした。
「じゃあ、あなたの仕事は何よ?」
「依頼屋。ここじゃ、唯一の組織の撲滅の依頼屋だ。この世界には悪いのがいくつもあるんだ」
未矩は心臓がなぜかぶるっと震え上がった。
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ユーノ #3★2005.08/25(木)05:13
第二章  突然のこと

撲滅屋と聞いて、驚きを隠せなかった。
「…こ、怖くないの?そんなことやってて」
「全く。何だよ。嫌だとか、怖いとか?」
変な目で未矩を見つめる。きっと怖がりやだとでも思っているのだろう。
「んーっ、どっちもよ。だって一人でやっているんでしょ?」
「いや。2人。今はこれから行く、組織とは違った組織を倒しに言っている。緊急の連絡がない限り、助けには行かないことになっているんだよ」
もうすごい勇気があるなあその人も、とそれだけしか思っていなかった。
それに相当、ポケモンが強いんだろうなー…。
「ねえ、それであたしと戦うの?」
「どうしようかな。面倒だから、やーめた!」
いきなりのきっぱりと言われた言葉にまた驚く。
なので思わず、突っ込んでしまう。
「えぇ!?あなたやる気満々だったじゃない!それがどうしてぇー?」
言い方がおかしいと言い終わったあとに感じたが、もういまさら直すのも遅い。
「いやぁ、そのうちわかるだろう!見たいに思ってさー。ここで言っておくけどな。ここの組織たちはお前の今までに戦ったトレーナーなんかよりはけっこう強いぞ。それに…」
まだ何かあるの?強いって言われても、どのくらいかわからないわ。
「もしかしたら命の危険もあるかもな」
思わず一歩うしろに下がった。いくらなんでも自分の命が消えることは…。
まだまだこれから色々と学ばなければいけないのに。
家にも帰りたいし。
ポケモンと一緒にずっといたいし。
それが全て消滅されてしまう。この世界に人の尊い命を奪う人がいるもんか!
と思っていたが、ここでは通用しないようだ。
「余裕ね、あなた…」
「あったりまえだろ!そんなこと口にしているなら、この世界が征服されてもいいのか?
それはヤダね。だって、何もかも思い通りにできないし、奴隷になるのは面倒だしなー」
「理由は自分のためなの?」
少し考えるとぽんと手をたたいた。
「それもそうだな!考えてみると!この世界と人々のためでもないしな。んじゃ、そろそろ行くか!」
「え、どこに?」
未矩の方を向くとナイス!と言われた感じのスマイルになって
「ヒュードロ山!空を飛んでいくんだ!」
「うわぇ〜!?そんな山に基地があるの?
…あたしは高所恐怖症なのよー!!」
その声は町全体に広まったらしい。
これからとんでもないことが起きそうだと確信した。
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ユーノ #4☆2005.09/10(土)18:50
第三章  行く前に


本当にこの人といて大丈夫なのかな、あたし。自分自身の命が絶えたらどうするのよ…。
もう何もできないじゃない…。
と危険を感じつつも自分にツッコミを入れる。
そんな未矩を相手は見ても、何も言わない。
…命がどうでも良いと思っているのか、違う事を考えているのか。
それはわからないが、とにかく余裕そうな顔をしているのには間違いない。
森になんて来なきゃ良かったわよ――。
「どうした?さっきから変な顔して」
「う、うん。なんでもないよ。で行くんでしょ?」
もうこれは仕方がないと思い、自ら誘った。
「おう、もっちろん!お前って…空を飛ぶやつ持ってる?」
「あるにはあるけど」
「あいまいな返事だなー。あるならあるって言ってくれよ」
その言葉に未矩はあきれたように話す。
というより元からスピネルにはあきれてしまっているのだが。
「これは癖なの!もう、しょうがないじゃん」
「今は生姜なんてないぞ?」
他人からボケられてますます嫌だと感じるようになり、思わず
「あたしがもっと言葉を勉強するべきね」と言った。
「行くか、ヒュードロ山へ!ゴー!愛しのレックウザちゃん♪」
モンスターボールからではなく、頭上に現れたのは…。
確かに普通の伝説のポケモンレックウザ。しかし違うのは
ピンクのリボンをつけているところだった。
何これ!?おかしいんじゃないの、このグリーンドラゴン!
あんた、メス?トレーナーもどうかしてるけど。っていうか、
トレーナーがおかしいのよっ。どうにかしてほしいわ…。
大丈夫なのか、心配よー。

未矩はある意味では最低なトレーナーとしばらくの間、一緒にいることになる。
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[733]

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