ユーノ | #1☆2005.07/04(月)18:20 |
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プロローグ 少女の名は未矩。 カントー地方では名の知れた、トレーナーだ。 ある日に未矩は興味を持って、うっそうとした怪しげな森に入った。 昼時だったのでまだ光は所々に差し込んでいるが、 夜となれば…大変なことになる。 迷いに迷って現れたのは、一つの丸くて少し小さな光。 それに向かって速く歩き始めた。 まるで何かを求めるかのように。光との距離の差が近いとあることに気づいた。 未矩より背の高い女性というべきか、少女というべきか。 光が彼女から放たれていることにも驚きをもったが、一番に驚いたのは 髪は束ねてあり、黄金色で腰まである。白いドレスを身にまとっている。 その姿こそが不思議さと神秘さに包まれているように感じる。 その人は不思議なことに手のひらから、球状のほのかな光を出していた。 相手も気づいて、光からそっとこちらを向く。そして静かに言う。 「何をしに来た?」まるで男の口調だ。 「私はここに興味を持って来ただけよ。あなた。いつからか知らないけど、なぜここにいるの?」 先ほどよりは動揺しなかったので、未矩は強気で言ってみた。 「お前みたいな人を求めたかったからだよ」 その言葉に疑問が浮かんできた。お前みたいな人とは一体――? 「…分かってないみたいだね。目をしっかり閉じてくれたら、その答えは教えてやるよ!」 いきなり皮肉そうな笑いを見せた。 あんなに静かそうな人が変わった、と心に思いながらぎゅっと目を閉じた。 もう私はやられるんだと半分思う気持ちでいながら。 見えるのは真っ白な視界。 あの持っていた、光を一面に広げたんだと未矩は推測した。 |
ユーノ | #2☆2005.07/09(土)11:57 |
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第一章 フィビリティー王国 目を覚ました。それは朝に起きるかのようにゆっくりと覚ました。 寝たまま、立ってる!こんなこと私にはできないのに。 広がる世界は今まで見たこともない、世界。ここは郊外といった所か。森や木がない。草は所々しか生えていない。 あるなら、家と店。家と店はぼちぼちある。 こんな世界、カントーには存在しない。 様々な地方の話はたっぷりと聞いてきたが、こんなところを聞いた覚えはない。 とにかく、どこに連れて来られたんだろうか。 疑うこともなく、ぼーっと立ち尽くすだけ。 あれ?未矩の目に飛び込んできたのは…伝説のドラゴン一匹、レックウザ。 何も恐れるものがないかのように、気持ちよく空を泳いでいる。 普段、全く見ることのないポケモンがいる…。 ありえない考えが未矩の脳裏を横切った。 ―――私って、別の世界に来ちゃったの? 「おっ、お目覚めだね?もう一生、起きないかと思ったよ」 声の主のほうに振り向いた。あのどちらか不明の中途半端な女だ。 「ねえ、ここはどこなの!あなた、誰?」わけのわからないまま、とりあえず質問で攻める。 「おいら?スピネル。ここはフィビリティー王国。オイラの故郷だよ」 自分のことも男らしい。女らしさは格好だけだ。 「なるほど。なんで私をここに?」まだ質問する気である。 「手伝ってもらいたいから。それでお前みたいな強いトレーナーを探していた。見つからないところでね」 「それってどういうこと?」未矩は真剣な顔で相手を見つめる。 「全く…。質問好きだなぁ。まあこんな格好で素人トレーナーに見つかったら、バトルして、向こうがが負けるのがオチだしな。それに警察に見つかったら、面倒でなおかつ時間が無駄になる。それで見つからないところで探していたっけわけ」 未矩の中の疑問が解決したようだ。 「そうなの。で私は何をすればいいのかしら?」 「バトル」 「何ですって?」思わず、高い声に変化する。 「バトルをやらないと、話にならないだろう?」 「うー。でもそのうち、わかるんじゃない?」 と未矩はバトルを避ようとする。バトルは好きなほうではないのだ。 「これからのためだ。もうお前はこの仕事を果たすまでは元々の世界には返れないぞ」 これは脅しだ、と思った未矩は思い切ってでかい質問を口にした。 「じゃあ、あなたの仕事は何よ?」 「依頼屋。ここじゃ、唯一の組織の撲滅の依頼屋だ。この世界には悪いのがいくつもあるんだ」 未矩は心臓がなぜかぶるっと震え上がった。 |
ユーノ | #3★2005.08/25(木)05:13 |
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第二章 突然のこと 撲滅屋と聞いて、驚きを隠せなかった。 「…こ、怖くないの?そんなことやってて」 「全く。何だよ。嫌だとか、怖いとか?」 変な目で未矩を見つめる。きっと怖がりやだとでも思っているのだろう。 「んーっ、どっちもよ。だって一人でやっているんでしょ?」 「いや。2人。今はこれから行く、組織とは違った組織を倒しに言っている。緊急の連絡がない限り、助けには行かないことになっているんだよ」 もうすごい勇気があるなあその人も、とそれだけしか思っていなかった。 それに相当、ポケモンが強いんだろうなー…。 「ねえ、それであたしと戦うの?」 「どうしようかな。面倒だから、やーめた!」 いきなりのきっぱりと言われた言葉にまた驚く。 なので思わず、突っ込んでしまう。 「えぇ!?あなたやる気満々だったじゃない!それがどうしてぇー?」 言い方がおかしいと言い終わったあとに感じたが、もういまさら直すのも遅い。 「いやぁ、そのうちわかるだろう!見たいに思ってさー。ここで言っておくけどな。ここの組織たちはお前の今までに戦ったトレーナーなんかよりはけっこう強いぞ。それに…」 まだ何かあるの?強いって言われても、どのくらいかわからないわ。 「もしかしたら命の危険もあるかもな」 思わず一歩うしろに下がった。いくらなんでも自分の命が消えることは…。 まだまだこれから色々と学ばなければいけないのに。 家にも帰りたいし。 ポケモンと一緒にずっといたいし。 それが全て消滅されてしまう。この世界に人の尊い命を奪う人がいるもんか! と思っていたが、ここでは通用しないようだ。 「余裕ね、あなた…」 「あったりまえだろ!そんなこと口にしているなら、この世界が征服されてもいいのか? それはヤダね。だって、何もかも思い通りにできないし、奴隷になるのは面倒だしなー」 「理由は自分のためなの?」 少し考えるとぽんと手をたたいた。 「それもそうだな!考えてみると!この世界と人々のためでもないしな。んじゃ、そろそろ行くか!」 「え、どこに?」 未矩の方を向くとナイス!と言われた感じのスマイルになって 「ヒュードロ山!空を飛んでいくんだ!」 「うわぇ〜!?そんな山に基地があるの? …あたしは高所恐怖症なのよー!!」 その声は町全体に広まったらしい。 これからとんでもないことが起きそうだと確信した。 |
ユーノ | #4☆2005.09/10(土)18:50 |
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第三章 行く前に 本当にこの人といて大丈夫なのかな、あたし。自分自身の命が絶えたらどうするのよ…。 もう何もできないじゃない…。 と危険を感じつつも自分にツッコミを入れる。 そんな未矩を相手は見ても、何も言わない。 …命がどうでも良いと思っているのか、違う事を考えているのか。 それはわからないが、とにかく余裕そうな顔をしているのには間違いない。 森になんて来なきゃ良かったわよ――。 「どうした?さっきから変な顔して」 「う、うん。なんでもないよ。で行くんでしょ?」 もうこれは仕方がないと思い、自ら誘った。 「おう、もっちろん!お前って…空を飛ぶやつ持ってる?」 「あるにはあるけど」 「あいまいな返事だなー。あるならあるって言ってくれよ」 その言葉に未矩はあきれたように話す。 というより元からスピネルにはあきれてしまっているのだが。 「これは癖なの!もう、しょうがないじゃん」 「今は生姜なんてないぞ?」 他人からボケられてますます嫌だと感じるようになり、思わず 「あたしがもっと言葉を勉強するべきね」と言った。 「行くか、ヒュードロ山へ!ゴー!愛しのレックウザちゃん♪」 モンスターボールからではなく、頭上に現れたのは…。 確かに普通の伝説のポケモンレックウザ。しかし違うのは ピンクのリボンをつけているところだった。 何これ!?おかしいんじゃないの、このグリーンドラゴン! あんた、メス?トレーナーもどうかしてるけど。っていうか、 トレーナーがおかしいのよっ。どうにかしてほしいわ…。 大丈夫なのか、心配よー。 未矩はある意味では最低なトレーナーとしばらくの間、一緒にいることになる。 |
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