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乱蘭 | #1☆2005.09/10(土)14:59 |
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元々前の作品だけで終わらせる予定だったけど なんかまだちゃんと終わってないし、けっこう愛着あるんで 星からシリーズ第二弾「星が煌くから 〜神の知らぬ真実〜」を始めます。 キャラがかなり多いので最初に登場人物紹介です。 久野 彩(くの あや) 中一の♀。 気が強くて竹を割ったような性格。 短期なのが玉にキズ。いまだに140代の身長がコンプレックス。 主にポケモン専門の大手企業の頂点に立つ久野カンパニーの後とり候補。 とある事の代価で「偽りの日々」を六年間友達と過ごした。 跡継ぎの事で家出し、今は新居橋家に居候中。 生徒会会長。 新居橋 雄(にいばし ゆう) 中一の♂。 お調子者だが面倒見がよく、感情の表現がどこか不器用。 だれとでも親しげにできて、趣味はバスケットボール。 主に人間専門の大手企業の頂点に立つ新橋カンパニーの長男。 両親を幼い時に交通事故で亡くした。 生徒会副会長。 大口 詩織(おおくち しおり) 彩の親友で、良き理解者。 明るい性格が長所と短所。 何故か親衛隊を従えている。 生徒会秘書。 聖羅 貴(せいら たかし) 生徒会メンバーの中で一番気楽な性格。 ひょうひょうとしていて、ちょっと(いや、かなり)馬鹿。 実は幼いころに両親に捨てられ、孤児院で育ったという意外な一面も。 生徒会情報係 七梅雨 泰(ななつゆ ゆたか) 彩と負けない位小さい。 男とは見えない可愛らしい容貌と、童顔、加えてチビで 女の子間違えられることもしばし。 いつもニコニコしていて詩織といいコンビ。 だけど常に笑っているのは、昔あった出来事を忘れたい一心で…だとか・・ 生徒会企画係 室柁 真(むろだ まこと) 無口で背がかなり高い。 たまに口を開いた時は彩の背の小ささをからかう。妙な薬ばっかり作っている(らしい) 両親が医者で、自分も小さいころは医者にあこがれていたが あることをきっかけに両親に反抗的になった。 生徒会秘書。 柊山 和貴(ひいらぎやま かずたか) 背は高めで趣味がバレーボール。 貴とボケ突っ込みの漫才みたいな会話をする。 一見、貴とキャラがかぶっているように見えるが、和貴のほうがかなり頭がいい。 母親は犯罪を犯し、今は父親と姉の二人。 生徒会企画係。 今回の登場人物紹介・・実はまだ続きがあるんですよ。 で、生徒会の奴等だけのが今回で、次は取り巻きの人たちです。 今度の話は親と子の関係を中心にストーリーを進めたいと思ってます。 |
乱蘭 | #2☆2005.09/13(火)10:31 |
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新居橋 香苗(にいばし かなえ) 雄の姉。 陽気で、今は18歳で新橋カンパニーの若社長を務めている。 恋人募集中。 新居橋 雄太(にいばし ゆうた) 雄の弟。 香苗や雄とは違い、内気でひっそりと姉を支えるタイプ。 現在小学五年生。 新稲 楓子(にいな かえでこ) なにかと雄に付きまとう、雄のクラスメート。 彩を敵視しているが、その正体は…? 土谷 海堵(つちや かいと) 彩にちょっかいばかり出しているお調子者。 和貴といいコンビ。 柔道・空手・剣道をマスターしているすごい人?だけど彩にいつも殺されかけられる。 ブラック・サン(黒い太陽の姫) 銀の髪をした記憶の城の姫。 姿を変えて、未確認ポケモン『ファール』になれる。 ホワイト・サン(白い太陽の姫) 金の髪をした記憶の城の姫。 姿を変えて、未確認ポケモン『リーフェ』になれる。 久野 八重子(くの やえこ) 彩の母。 彩によく似た性格で、外見もそっくり。 雄の両親と、自分の夫が乗っていた車が事故に巻き込まれた事を、なにかと悔やんでいる。 …とまぁこんな感じです。 新キャラが六人出てきます。 一見関係なさそうな海堵は、今後のシリーズに関わってますが 今回の話ではあえてサブキャラです。 で、中一なのに生徒会の彩たちですが、この学校は中学から生徒会制度があり 高校は義務教育ではないんですけど、学費は国が補助しています。 何故一年なのに生徒会かというと… この学校は今までの記録と、審査員を参考にしてどれくらいポケモンに愛情があるかなどの いわゆる『なつき度』で決めてるわけでして…。はい・・。 では、次から本編スタートです。(パソキンなので不規定に更新します) |
乱蘭 | #3☆2005.09/13(火)16:54 |
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黒い雲。 風になびいて光が差した。 蒼い空。 淡く、優しく、美しく。 飛び立つこと。 飛び立てること。 飛ぶこと。 知らぬ小鳥。 羽ばたく鳥を見つめながら。 故郷思い儚く散った。 夢。 追いかれるほど遠くへと・・ 第一章「故郷の風」 第一話「黒い雲」 やっと終えた書類を横目で見ながら、ふかふかのブースターの体に寄りかかる。 「眠い・・」 「寝る子は育つっていうけどお前は育ってねーな」 ゴンッ。 という鈍い音が響いた。 「いってぇぇええぇぇ!じゃねぇか! 何すんだ!」 「うっさい。 自業自得。弱肉強食。 カフェオレ買って来い」 「なに命令しんてだよ! 買って来いよ!自分で!」 二人とも大量の文字を長時間見ていたおかげでかなり壊れています。 「今のは真が悪いよ。 ちっちゃくたって生きていけるし」 微妙に切れ気味の泰。 「彩、帰るぞ…って、寝てるし」 ドアを開けて入ってきたのは雄。 そしてドアのまん前でブースターに寄りかかって寝てる彩を発見。 「しゃーないな。置いて行くか」 「おいてかないでぇぇ」 何故かおきてる。 「じゃあ起きろ」 「やだ」 「起きろ」 「却下」 「起きろ」 「無理」 「起きろ」 「駄目」 「おきろぉぉおおぉぉおお!」 「ひぃぃいい!」 「…で、こうなるわけか」 「だって雄の声おっきいからびっくりして腰抜けちゃったし」 「・・ったく、そん位でこし抜かすなよ」 雄の背中に私は乗ってる。 腰が抜けてしまってて、そとでお姉さんが待ってて、しかもポケモンを今日は持ってきていなかったからだ。 玄関を抜けると、校門のほうに赤い車が止まっている。 今日はあいにく天気が悪い。 今にも雨の降りそうな黒い雲が空にかかっている。 私はこの時、雄のお姉さんが奇妙な伝言を持っていることを知らない… 続く |
乱蘭 | #4★2005.09/25(日)11:19 |
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第二話「人影の無い屋敷」 「すいません。書類が終わらなくて」 「いいのいいの。この前大きな仕事やり終えたばかりだから今暇なのよ」 香苗さんは、とてもいい人だと思う。 家出をして、突然訪ねてきた私を快く出迎えてくれて、家にも連絡をしなかった。 そして、こういったのだ。 『私は自分で正しいと思うことしかしない。 だからもし、何かあったときは私の責任だからね』・・と。 「そういえば、今日の昼ごろに彩ちゃん宛で電話がかかってきたんだけど…。 なんかすごく思いつめたような女の人の声だったよ」 「…」 ふと、母親の顔が脳裏をよぎったが、そんなわけないと心の中で強く否定した。 「…姉貴。 俺、ちょっと用事があるからここで降りるから。」 車が信号によって停止したときに、そう言うと雄は突然ドアを開けて走り去った。 「兄貴…?」 「なんなんだろうねぇ…?」 「…」 すると、信号が青になり、車は走り出した。 「…あ。 ドア開いてる…」 私は雄が出て行ったドアを閉めた。 その刹那、冷たい風が車に入ってきた。 …もう…秋も終わりに近い… 「一年…か…」 小さすぎる独り言は私にしか聞こえない。 「はぁ…はぁっ!」 走ってきた道を一度振り返り、立ち止まった。 「一度だけつれてこられた割には、ちゃんと覚えてるじゃねぇか…」 『久野』と書かれたプレートの下にあるベルを鳴らす。 「…はい…」 屋敷には人影が無かった。 小さいときに一度だけ来た時、屋敷中に忙しそうに働く人が見えたのに… 「…突然お邪魔してすみません。 久野 八重子さん・・ですよね? あの、新居橋です。 …そう、クラスメートの…」 続く |
乱蘭 | #5☆2005.09/30(金)19:17 |
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第三話「孤独感」 玄関を通ると階段が正面に見えた。 廊下の両側に並ぶ扉も、高い天井も、何もかも変わっていなかった。 唯一変わっていることは…人影が無いこと… 前を歩くその人以外に、人が居る気配が無い。 広い敷地に立てられた三階建ての屋敷。 前はたくさんの人たちがここを職場としていた。 しかしその面影も残らない。 ただ静かな時間が過ぎる。 「上へへ、あがってください…」 後ろを向いたままただ歩くその人の背中はどこか寂しげだった。 歩く音だけが広い屋敷にただ響く。 長い階段の先には、日当たりのよいガラス張りの部屋があった。 その真ん中に、白い小さなテーブルがあった。 …ここは、前来た時に、広間だった場所。 姉とまだ小さい弟と、まだ生きていた両親。 彩や利耶と、その両親がこの部屋に居た時間の画像が無言で頭の中で流れる。 「すわってください…」 振り向いたその人は彩にとてもよく似た人物。 …久野 八重子。 彩の実の母親だ。 「まず…どこから話せばいいのかしら…」 −−−私の育った環境はとても貧乏だった。 飲んでばかりの母親と、働いてばかりの父親。 母親は私を幾度も殴った。 顔の形が変わるほどに。 どうして殴るのかも、どうして飲んでばかりいるのかも、私はいまだに分からない。 父親は朝から夜遅くまで働いて、それでもぎりぎり生活できる程度しか稼ぐことができなかった。 ある日、母親は家を出ていたわ。 そして次の日、川で死体が見つかった…。 自殺だった…。 置手紙は、『こんな母親でごめんね』として記されていなかったけど、私はそのろくでなしの母親の死を、ただなくことでしか受け入れなれなかった。それでも母親だから… その後、私は高校を卒業して、この久野カンパニーに勤め始めて初めて夫とであった。 私はまだ下っ端だったけど、夫はそんなの関係が無いといったわ。 その後、結婚をして、あなたの両親であり、夫の親友である人たちとであって二人を産んだ。 そして事故に遭い、親友とともにその人生にピリオドを付けた。 二人を育てていくうちに、私が病気だということに…もう命が長くないということに気づいてしまった私は、急ぎすぎて・・取り返しのつかないことをしてしまった。 彩を傷つけてしまった。 そして利耶を殺してしまった。 二人の子供をいっぺんに失った孤独感…。 それが体を支配していくと共に私は病に侵されていった。 そして彩が自分から戻ってきてくれればいいと思って、彩の昔からの願いを叶えるために…使用人をやめされて、自分ひとりでこの屋敷の中…生きていくことにしたわ・・ つづく |
乱蘭 | #6☆2005.10/04(火)17:30 |
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第4話「偽りは過ぎた未来」 俺がそいつに初めてあったのは、入学式の前の日の学校だった。 この学校では珍しい中学からの編入生。 前の日に説明会があるため学校に来たものの場所が分からなかったりする。 後から知ったことだが、新一年が生徒会になったときは編入生と共に説明会に出なければならないらしい。 「なにやってんのよ」 広い校舎を右往左往して途方にくれていた俺の前に仁王立ちで立ちはだかった女神…いや悪魔は呆れたような顔をしてそんなことを言った。 その女神のような悪魔は少し茶色いセミロングの黒髪を黒いTシャツに垂らしていた。 腰にあてている手には制服のブレーザーがかけられている。 黒髪とTシャツで白い肌が強調されている。 Tシャツは彼女の細さを強調していた。 「あんた、土谷海斗ね? さっさと来なさい!」 「え・・おり・・?」 腕を引っ張られて先を進む彼女のあとをついていく。 『特別棟』というプレートのついた校舎の階段を三回ほどのぼる。 ついた先は『生徒会執行部会議室』というプレートのついた教室だった。 中へ入ると赤い絨毯がまず目に付いた。端から端が長い机に眼鏡をかけたどっからみても脱力系の教師と、何人かの生徒が座っていた。 「ほら、さっさと座って。」 強く背中を押され、よろけた先は机の角。 ノー!絶体絶命の大ピンチ。俺は腹をぶつけ、ついでに押された部分の背中が痛む。 「さっきから言おう言おうと思ってたんだけど…。これが初対面の人間に対しての態度かよ!」 「初対面な訳無いじゃない」 「そーだね。六年前まで同じ校舎に居たんだし」 声の主を見ると、男か女か微妙な顔つきの背の低いやつだ。 なんか無害スマイルを発しているが邪気の塊みたいなその顔は見覚えのある顔だ。 「おま…!まさか幼稚園が一緒だった七梅雨泰!?」 「正解〜。ピンポンピンポーン!」 「じゃあお前は…」 「久野彩。 この学校の生徒会長になりました。ちなみにクラスも一緒です」 「ぎゃぁぁああぁぁ! 性格が変わりすぎ!六年間の間にいったい何が…?!」 「うるさーい」 次は腹にパンチを入れられてノックダウン。 「ぐげご…」 「いろいろあったんだよ」 「そのへんはまぁいつか話してやろう」 「お前らは黙ってろ」 背の高いのと真ん中ぐらいのげらげら笑ってるのに回し蹴り。 ホント…何があったんだろう… 「このことかしら…。ホワイトの言っていた『偽りの未来になかった過去』…」 「偽りは所詮偽りだ。 もしかしたら俺たちはもう何度も偽りの時間を歩んでいるのかもしれないな」 「…どうかしらね」 つづく |
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