ぴくの〜ほかんこ

物語

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[864] もしも願いがかなうなら

七誌 #1☆2006.04/03(月)19:17
もしも願いがかなうなら(1話)

ミサキ「ねーねー梨紅!もし梨紅の願いがかなうなら何がぃぃ?」

こいつはミサキ。俺の幼馴染。

梨紅「1日だけポケモンになりたい。」

ミサキ「なんで?」

梨紅「風の考えてることが知りたいから。」

風というのは、俺のポチエナで、俺のパートナー。

ミサキ「なるほど!梨紅は風に噛まれてばっかいるから理由が知りたいんだね!」

梨紅「…。」

俺はミサキをにらみつけた。ミサキはあわてて

ミサキ「ごめんっ私かえるね;;」

…と、かえっていった。


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七誌 #2★2006.04/04(火)12:43
もしもねがいがかなうなら(2話)

母「梨紅!いいかげん起きなさい!学校に休みますって言うよ!?」

朝、母の怒鳴り声とともに目を覚ます。

梨紅「わかった、わかったてば」

学校は好きなほうだ。イヤな授業の時はゲーセンに直行するが。

ドタドタと階段を下りる朝飯などいらない。俺はカバンを背負い、風をつれて学校へ走った。

「ドタドタドタドタドタ」

走る。走る。走る。…あ、ダンボール箱だ、なんか動いてる。

梨紅「…?」

なかにはエネコが入っていた。捨てられているようだ。

思わずヤバイくらい笑顔になってエネコをなでていると。突然思い出した。

梨紅「学校、学校…!」

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七誌 #3★2006.04/08(土)16:38
もしも願いがかなうなら(3話)

担任「遅いぞ!梨紅!」

ったく朝からギャアギャアどなるんじゃねぇよ…。

梨紅「せんせ〜質問で〜す」

担任「何だ?」

梨紅「何で遅刻したらいけないんですか?憲法第何条ですかぁ?」

どっと笑い声がおこった。担任は顔を真っ赤にして俺を怒鳴りつけた。

担任「いいから席につけ!」

…。と、そんな感じで授業終了。俺の学校では、ポケモンを連れてきても何も言われない。だいたいバトルさせる授業だってある。

上田「オラァ梨紅ぅ!勝負しろやぁぁ!」

上田。このクラスで一番の不良。以上。

上田「説明が短けぇんだょ!」

梨紅「あーはいはい。わかりましたょ」

俺はモンスターボールをだした。もちろん風ではない。つーか出したら
噛まれる。

梨紅「いけーバグフーン。火炎放射〜」

気の抜けた掛け声とともに。俺のバグフーンが火をふいた。それが上田のバンギラスにあたる。」

上田&バンギラス「ぐぇ」

バンギラス「このやろ〜いつもいつも俺にあたりやがって!」

ぇ?いま、しゃべりましたねアナタ。え?え?え?

上田がバンギラスをつれてにげていった。

  弱っ

俺は自分のききまちがいだと思ってそのまま何も言わなかった。
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七誌 #4☆2006.04/08(土)10:23
もしも願いがかなうなら(4話)

放課後。下校しようとしていたら女子どもが「いっしょに帰ろ〜!」とちかよってくる。

なぜだ。なぜ俺に言う。

後ろにいたミサキからものすごい殺気を感じたが俺はきにしないことにした。

大雨のなか俺はずぶぬれになりながら歩く。どうせぬれているんだから走ってもおなじだろう。
そんなことを考えていると

上田「オラァ!梨紅ぅ!」

梨紅「げ」

上田「がーはっはっはー!この雨じゃお前のバグフーンもだせまい!」

あ、ヤバイ。しかたない。こうなったら…。

梨紅「いけっ風っ」

ヤバイヤバイヤバイ。噛まれる。

「ガブッ」

うおっ!?

梨紅「…あれ?」

上田「ででっ!」

おお神よ!奇跡的に風は上田に噛み付いていた。よし。ちょうどいい。
逃げよう。

俺はさっと風をもどし、脱兎のごとくかけだした。

上田「っちょ!梨紅!せこいぞこらぁぁ!!」

ケラケラケラケラケラw

…と、爆笑しながら家まで帰った。
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七誌 #5★2006.04/08(土)13:29
もしも願いがかなうなら(5話)

いつものとうり風を裏庭にだしてやる。

こいつは外にでないとストレスがたまるらしい。

もちろん裏庭は壁でしきってあるから噛まれたりはしない。

?「オイ!」

梨紅「へ?」

?「シカトこいてんじゃねぇ!」

梨紅「へ??」

誰だ?何?上田?それにしては声が…。

?「俺だ俺!」

え!?もしかして…風?

俺はじーっと風をみる。

「…。」

?「このヤロッきいてんのか!?」

梨紅「風?」

風「みてわかんねぇのかょ?」

梨紅「しゃ、しゃべった〜!!」

風「いけねぇのかょ!」

梨紅「なんで!?なんで?なんで?(笑)」

なぜか面白い。

風「おまえが自分でそうしたんだろ!」

梨紅「はぁ?」

風「おまえ、学校のいきし、エネコなでてただろ?」

梨紅「あ、うん。」

風「あいつは、あいてが望んでいることをかなえてくれるんだょ」

梨紅「へ〜」

風「だがあいつの力は弱い。だからそれに近いことをしてくれるんだ」

梨紅「へ〜」

風「お前はへぇ●タンか!」

ぉぉ〜すげえすげえwこいつおもろいw

梨紅「じゃ、単刀直入にきくけど」

風「あ?」

梨紅「何故俺を噛む」

風「…おまえが俺の弟を捨てたからだ。」
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七誌 #6☆2006.04/08(土)13:54
もしも願いがかなうなら(6話)

梨紅「は?」

風「けっ。もう忘れたのかよ。そりゃ他人のことだからな」

梨紅「ぁぁ?なんなんだよおまえの弟って?」

風「…お前が俺をひろったとき、いっしょにポチエナがもう一匹いただろう?それが俺の弟だ」

梨紅「…それじゃぁ…!」

風「そうだ!あの日お前が川へなげすてたのが俺の弟だ!!」

梨紅「…」
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七誌 #7★2006.04/09(日)19:30
もしも願いがかなうなら(第7話)

今から5年まえのこと。俺が8歳だったころ。

ミサキ「梨紅〜っ今日は川に魚とりに行くんでしょ〜?」

ミサキの声で俺は目覚める。

梨紅「あ、悪ぃいま行く…。」

ミサキ「おそい!」

俺とミサキは近所の川に魚をとりにいった。

ミサキ「あれ…?」

梨紅「どした?」

そこには1つのダンボール箱があった。うごいている。

俺があけようとすると

「やめときなよ〜」

と、ミサキに止められたが俺はおかまいなし。

梨紅「…」

ミサキ「ねー何がはいってた?」

そこには、2匹のポチエナがいた。

1匹はそこそこ育っていたが、もう1匹はまだほんの赤ん坊だ。

ミサキ「かわいー!」

梨紅「かわいいのはいいが、コレどうすんの?」

ミサキ「どうするって?」

梨紅「こいつらだよ。このまま捨てといていいのか?」

ミサキ「でも…うちポケモンいっぱいいるし…そうだ梨紅が飼ってよ!」

梨紅「はぁ?」

ミサキは俺にたのみまくった。

梨紅「…分かったよ」
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七誌 #8☆2006.04/08(土)14:35
もしも願いがかなうなら(8話)

母「梨紅?それはなぁに〜?」

梨紅「ポチエナ」

母「それ、どこからもってきたの?てゆーかどこで拾ったの?」

梨紅「川で。ミサキが飼えないから俺にって…」

母「で、梨紅はそれをどうしたいの?」

梨紅「飼いたい」

母「いいでしょう」

梨紅「…!」

母「ただし、その大きい方だけ」

梨紅「はぁい」

あーあ。のこっちゃた。どうしよう。

俺は友人で電話をかけまくった。貰い手はいなかった。

梨紅「しかたがない…。」

俺は昼間行った川へとはしった。

梨紅「悪いな。お前はだめだとよ」

大きい方のポチエナが俺をみている。

そしてフイっとどこかへいってしまった。

「…。」

俺がポチエナを地面に下ろしたそのとき突風がふいた。

梨紅「…!!」

ポチエナがとばされた。そして川おちた。
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七誌 #9☆2006.04/08(土)16:03
もしも願いがかなうなら(9話)

大きいポチエナが帰ってきた。口には木の実をくわえている。

溺れている弟をみつけても、コイツはたすけようとはしなかった。

きっと自分が行っても無駄だとおもったのだろう。

弟を見つめていたポチエナが顔をあげた。

俺をにらみつけている。

きっと俺がアイツを突き落としたと思っているのだろう。

違うとしても俺はポチエナをたすけなかった。

梨紅「…。」

いまからでも…とおもってポチエナをすくいあげた。

手遅れだった。

俺は穴をほって、そこにポチエナを埋めてやった。

俺は大きい方のポチエナをモンスターボールへ入れた。

風と名づけた。

あの突風の日を忘れないように。
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七誌 #10★2006.04/08(土)16:42
もしも願いがかなうなら(10話)

梨紅「なんだ…おまえらやっぱ兄弟だったのかよ」

風「…。」

梨紅「いや、本当、悪かった…。」

風は俺を一度にらみつけて俺の前から姿をけした。

…なんだ。アイツ壁こえれるんじゃん。

何でいままでにげなかったんだよ。

俺は風をさがす気にはなれなかった。

そのとき、後ろから声がした。

「梨紅…?」

ミサキだった。

梨紅「…何。」

ミサキ「何って…。風にげちゃったじゃない!」

梨紅「いいんだ。…いいんだよ。」

ミサキ「梨紅?」

梨紅「悪い今日は帰ってくれ。」

そういって俺は部屋にこもった。
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七誌 #11☆2006.04/08(土)19:00
もしも願いがかなうなら(11話)

梨紅「…。」

考えたってなんにもならないことは分かっている。

悔やんだってなんにもならないことは分かっている。

いま俺がするべきことはタダ一つ。

   風をさがすこと

頭で分かっていながらも俺は実行に移せない。

窓から外をのぞくと、庭でミサキが立っているのが見える。

俺はいままでミサキにたよりすぎた。

今度もそうしようか?

いや…それはイケナイ。

これは俺の問題だ。

ミサキには関係ない。

そうだ。俺がやらないでだれがやる。

さあ、風を探しに行こう。
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七誌 #12★2006.04/09(日)19:17
もしも願いがかなうなら(12話)

俺はミサキに見つからないようにそっと裏口からでた。

チャリンコに跨り、走り出した。

俺は学校やら公園やらといろいろさがしまわった。

梨紅「…いない」

俺はあせった。

今までまさか風が俺をうらんでいるなどとかんがえたこともなかった。

だがあきらめてはいけない。

そうだ。もしかしたらあの川に…。

俺は風を拾った、そしてその弟を捨てた場所へ急いだ。
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七誌 #13☆2006.04/09(日)19:38
もしも願いがかなうなら(13話)

…いない。

梨紅「風〜!?」

返事はない。

俺は待った。風が答えてくれるのを。

返事は無い。

俺があきらめかけたそのとき、突風がふいた。

俺はもしやと思い川へ飛び込んだ。

…いた!

水のなかで気を失っている。

俺は風をだきかかえて陸にあがった。

呼吸がない。

もうだめかと思ったそのとき、ミサキがやってきた。

ミサキ「梨紅!」

梨紅「ミサキ…?」

ミサキ「もしやと思ってきてみたの!」

俺はうろたえながらミサキに風を見せる。

梨紅「風が…風が…。」

ミサキははっとして風に心臓マッサージをし始めた。

梨紅「ミサキ…。」
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七誌 #14☆2006.04/10(月)12:37
もしも願いがかなうなら(14話)

ミサキは心臓マッサージをつづける。

風は動かない。

もうだめかと思ったそのとき、風が息を吹き返した。

ミサキ「やった!」

風はヨロヨロと立ち上がり俺を見た。

梨紅「バカかよおまえ…。泳げねえくせして」

風「うるせぇ」

梨紅「…。」

ミサキ「梨紅…。」

梨紅「?なんだよ」

ミサキ「ううん…なんでもない」

梨紅「は?」

俺とミサキがそんな話をしてるとき、不意に風が歩き出した。

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七誌 #15★2006.07/22(土)16:34
もしも願いがかなうなら(15話)

梨紅「風?」

風は俺の言葉には耳もかさず森の方へ歩いていく。

…そうか。納得した。

風はあの森から来たんだ。

来たところへ帰っていくのはあたりまえのことだ。

風はいままで小さな裏庭で退屈な日々を送っていた。

きっと自由になりたかったんだろう。

だが俺に弟のことを言うため今まで我慢していたんだ。

俺と言葉が通じた今日、風が森に帰ってもおかしくない。

黙り込んでいる俺にミサキが話し掛ける。

ミサキ「梨紅…いいの?」

梨紅「…。」

ミサキ「風…いっちゃうよ?」

梨紅「…。」

俺はミサキの言うことには耳をかさず、歩き出した。

ミサキ「梨紅っ!」

そうだ。風は家に帰ったんだ。

さぁ、俺も家に帰ろう。
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七誌 #16☆2006.07/22(土)16:36
もしも願いがかなうなら(16話)

あれから5年俺は18になった。

最近では、もう風のことを考える時間も少なくなり

俺の記憶から風は消されかけていた。

朝。

俺はあいかわらず朝飯をぬき、高校へと走る。

奇跡的に俺はかなりハイレベルらしい高校の受験を受け、合格した。

ミサキは違う普通の高校に通っている。

いまでは会うことすら少ない。

遅刻ぎりぎりで俺は教室に駆け込む。

「遅い!」

学級委員に怒鳴られながら俺は笑ってこたえる。

梨紅「学級委員さん?なんで遅刻ってしてはいけないんです?」

学級委員「は…?あたりまえのことでしょ!」

梨紅「だって法律で決まってないじゃんw」

あたり一面爆笑の渦。

さすが俺。

「はやく…席につきなさいっ!!」

怒鳴られながら席につく。

始業のチャイムが鳴る。

一時間目は数学。担当の教師がきょうだんにつく。

「え〜教科書112ページをひらいてぇ〜」

俺はあのように学校ではふざけまくっている。

もちろん勉強などするわけがない。

が…何故か授業についていける。

受験のときも勉強などしていなかった。

母に聞かれると「とっくに終わった」

などと嘘をついてきた。

もしや俺は…。

天才ってやつなのか!?

俺はそんな馬鹿なことを考えながら授業に望んだ。
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[864]

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ぴくの〜ほかんこ