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マディーン | #1☆2003.11/30(日)16:49 |
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第1話 ポケモン 今日は…7月15日は獅子座流星群が流れる日…。 星が好きな中学2年14歳のユウキはそれをとても楽しみにしていた。 「楽しみだなあ、流星群。」 学校が終っても、彼はまっすぐ家には帰らない。 家には暴力親父が居る。 学校には、いじめてくる奴がいる。 まあ、ユウキは空手初段の階級を持っていたので、反撃だけに使ってい たが。 もともと、彼は誰かを傷つけるのは好きではない。 だから、学校に行くのも、帰るのもユウキは嫌だった。 何時も公園で夜空を眺めて、父親が寝静まる11時頃に帰る。 今、この「ニホン」という国は荒れていた。 その中でも、ユウキが住む「トウキョウ」という都市は荒れていた。 夜でもゴロツキがいっぱいいるし、警察なんてごく少数だ。 昔は賑やかで楽しい街だったらしいが、今は…裏の世界に住む者 だけが楽しみを見出しているだけだ。 「きをつけー!さよーなら。」 「さよーならー。」 帰りの挨拶が終って、立ち止まりを食らう前に、ユウキはさっさと鞄 を背負って教室を出ていった。 「流星群は…確か10時ごろだったな。」 ユウキは微笑を浮かべると、何時もぶらついている公園のほうへ行った。 「…そろそろ10時だな。」 腕時計を見て、ユウキは空を見上げた。 その時、一瞬星が流れた。 そしてなだれを打つように、凄いスピードで沢山の星が流れ始めた。 待ちに待った獅子座流星群だ。 「…綺麗だなあ…。」 暫く眺めていると、1つの星が星の群れから外れた。 「どういうことだろう…?」 外れた星は、恐ろしいスピードでこっちへ向かってきた。 よく見れば、恐ろしいスピードでこっちに向かってくるものは星では無い。 見た事も無い生き物だった。 ユウキは恐ろしくなって駆け出した。 しかし、生き物は落ちると、凄いスピードで風のように走ってユウキを 押さえつけた。 「ぐうっ…。」 余りにも強い力に押さえつけられて、ユウキは動けなかった。 そしてそのまま頭を殴られ気絶。 生き物はユウキを背に乗せると、光の輪を築いて消え去った。 そのユウキを連れさらった生き物は…「ポケモン」と言う生き物だった…。 |
マディーン | #2☆2003.11/30(日)18:24 |
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第2話 パートナーポケモン (だい…じょう・・ぶです・・?) (シャ…モ…モ…?) 「はあっ!?」 ユウキは目を覚ました。 「大丈夫?」 「シャモモ?」 ワカシャモと女の子が、顔を覗き込んでいた。 「あ、うん。」 「君名前なんて言うの?」 「僕はユウキ。君は…。」 「私はユウナ。宜しくね。この子はワカシャモのルシャ。」 「ワカシャモ…?ああ、ポケモンか。」 「君、空から降ってきたけどどこから来たの?」 「空から?…えっと…。」 不思議と、ユウキの記憶はリセットされていた。 自分の名前以外は。 「…覚えてない…。」 「記憶喪失なんだ…君、ポケモン欲しい?」 「欲しいって…?」 「パートナーが欲しいかってこと。今、4匹のポケモンがなかなかパ ートナー見つからなくて困ってるの。」 「欲しがる人、居ないの?」 「いるけど…皆相性が合わないんだ。君なら合うかもしれないよ?」 「……うん!」 ユウナのワカシャモを見ているうちにポケモンと言う存在が可愛く思え てきたのだ。 ユウナはユウキを村に案内した。 「長老様!」 ユウナ、ユウキは長老の家にいた。 「おお、ユウナか。どうした?」 「パートナーを求めてる人、見つけました!」 「そうか。君の名前は…。」 「ユウキって言います。どうぞ宜しく。」 「じゃあ、4匹のポケモンと対面してみなさい。」 ボボボボンッ!ボールから一気にポケモンが出た。 オニドリル、オーダイル、イーブイ、サンドパンだ。 暫くして…。 「ブイブイ!」 相性がかなりよかったようだ。 「相性がいいとは…近頃の若者にしては珍しいな。」 「そうですか?」 「最近の若者はポケモンを道具としか思っておらぬ。それに比べ、お主 はいい心の持ち主じゃな。ユウナ以外に始めて見たわい。」 「大切にしますよ、ポケモンを仲間として。」 |
マディーン | #3☆2003.12/02(火)22:22 |
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第3話 のどかな暮らし ユウキはすっかりシエナ村に住みついた。 村の人々は巨大な木造の建物…「フィス」と呼ばれる、5階建ての 建物に、部屋を貰って全員住んでいた。 ユウキもその一室を貰った。ユウナの隣の一室だ。 もともと、フィスは何軒も建っているのであまっている部屋はかなりあ ったからだ。 「ディオキシス、アジェスト、フレッシュ、サン!ごはんだよ〜!」 ユウキは外でボール遊びをしているポケモン達を呼んだ。 ディオキシスがオーダイル、アジェストがイーブイ、フレッシュがオニ ドリル、サンがサンドパンだ。 「ぎゃーすっ!」 「ぶいぶいっ!!」 「慌てるなって。慌てなくても皆の分あるから。」 夢中で飛びついてくるポケモン達をなだめて、ユウキは笑いながら言った。 数十分後…。 「あー、食った食った!」 「ぶぶいっ!」 「サン…。」 皆ぺろりと平らげてしまった。 ユウキはその後はディオキシス達と会話していた。 「明日は朝ご飯何がいい〜?」 「ぶぶいっ!(はんばーぐとかいうやつ!)」 「…さっき食べたじゃん…。」 ユウキはこの世界の食べ物をほとんど知らないのでもとの世界にいたと きによく作っていた料理を食べていた。 忘れても、何時も作っていたものはやり方が体に染みつく。 その時。 「ユウキ!」 「あ、ユウナ。なんかあった?」 「何か美味しそうな匂いしたから…。」 「ああ、ハンバーグか。」 「何それ?」 「僕が多分前に居た世界にあった料理。多分何時も作ってたんだろうね、 やり方が体に染み付いてた。よかったら食べる?」 「うん。」 残っていた1番でかいハンバーグをユウキはユウナに渡した。 「おいしい〜vv!どうやって作るの?」 「これはねー…。」 ユウキは喜ぶユウナにレシピを書いた紙を渡した。 「へえ〜、案外簡単だね。」 「うん。生地作って焼けばいいだけだし。」 「アリガトウね。私も今度作るよ!」 |
マディーン | #4★2003.12/06(土)22:15 |
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第4話 闘技大会への道・前編!そりガーディ! 「ユウキ!ルネの闘技場行かない?」 ディオキシス達と遊んでいたユウキに、ユウナは話しかけた。 「闘技場行って何するの?」 「今日ね、ルネっていう街の闘技場で闘技大会があるの!見に行こうよ。」 「ポケモンの?」 「そう!私達も参加していいのよ?村代表がいないから。」 「する?」 「しようよ。この世界じゃね、ポケモンバトルはトレーナーとポケモン の絆を確かめる物だって言われてるの。でも…最近は、村じゃポケ モンを道具だって思ってる人ばかりで…全然勝てなくて…私達 が勝てば、ポケモンっていうのどういう存在かがわかってもらえるかも!」 「ぎゃーすっ!」 ディオキシスが出よう、とでも言うようにユウキの肩を叩いた。 「そっかぁ…。」 「ユウキは、ポケモンの事、大切に考えてるじゃない?私達が一緒にな れば…勝利はとれるよ!」 「うん…出るよ!」 「じゃあ、ガーディのそり乗り場行こう!」 「おーっ!」 2人はガーディのそりを借りにいった。 「ガーディってそり犬の役してるんだ〜。」 「そうなの。そりの操り方、分かる?」 「大丈夫よ。私が先導するから、ね?命令すればいいし。」 「うん。」 ユウキはそりに乗った。 ガーディ達は荒荒しく息を上げる。 「先いくよー!」 ユウナはそりについている紐を軽く引いた。 7頭のガーディ達は走り出す。 「あ…ユウナの後をついていって!」 「ガウッ!」 ユウキのそりも、勢いよく走り出した。 「いくぞ…!」 |
マディーン | #5☆2003.12/06(土)22:13 |
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第5話 闘技大会への道・盗賊!・ユウキの爆弾発言!後編!! 「だいぶなれたな。」 ザウウ!ガーディの引くそりを操りながらユウキは笑った。 「きゃあ!?」 その時、目の前に一台のギャロップ3頭が引く馬車が現われた。 「うわ!?」 ユウキとユウナは手綱を引いてガーディ達を急停止させた。 「おい、手前等持ってるポケモン全て渡せ。」 馬車から1人の男が降りてきて言った。 「嫌だ。」 あっさり拒否するユウキ。」 「なら、そのガーディ達を…。」 「駄目。」 「なら力ずくで奪うだけだ!皆、行け!」 ぞーろぞろと馬車から盗賊達が降りてきた。 手に手にモンスターボールを持っている。 「いけ!マグカルゴ!」 「げえっ!」 ボボボボボンッ!マグカルゴ×30が出てきた。 「ユウナ、僕が片付ける!サン、ハイパワーで地震!」 「サンッ!」 ドォォォン…滅茶苦茶強い地震。 しかもユウキとユウナには効果が無いと言う、器用な揺れの起こし方だ。 「マグッ!?」 マグマッグ達は一気に全員戦闘不能。 サン、強いなあ…。 「戻れ、サン。後は僕が…。」 「きゃあっ」 「おいにーちゃん、それ以上手ぇだしたらこの娘の命は無いぜ!」 男が何時の間にかユウナを羽交い締めにしてナイフを首に当てていた。 「…。」 「ポケモンを全て渡せば解放してやる。ガーディも含めてな。」 シュン!その時ユウキの両手にトンファー(空手の武器)が現われた。 「俺の女だ!手ェ出すんじゃねええええええ!!」 バキィィィィ!ユウキはマッハ3(速っ)で5人いた男のうち3人に 強烈な回し蹴りを3連発叩き込み更に0.1秒で移動し1人に強烈な トンファーの一撃を食らわせ近くにいた最後に一人に猛烈な肱撃ちを食 らわせた!! しかもユウナはユウキの攻撃に巻き込まれず無傷と言う恐ろしい状態だ。 「ぐうっ…。」 「もうやるんじゃない。」 ユウキはそのまま座り込んでしまった。 「大丈夫?」 解放されたユウナ座り込んだユウキに問うた。 「うん…僕なんかやった?」 「うん。凄かったよ、男達ぼこぼこにしてた。ところでその武器何?」 「へ?」 ユウキはトンファーを見た。 「これトンファーって言うんだけど…なんであるんだ?」 「さっきの事…覚えてないの!?」 「全然。」 「君は確かそのトンファーとか言うのを出して男達をぼこぼこにしたの。」 「はあっ!?」 「君には何か力があるって感じてたけどわかったよ。何かを創り出す力、 なんだね…。」 「そ、そう?僕、二重人格なのかなあ…?」 「さあ。でも、さっきの言葉、嬉しかったよ。」 「へ?」 ユウキは自分の言った事を全然覚えていない。 ユウナが嬉しそうに笑っている理由が、彼にはわからなかった。 |
マディーン | #6★2003.12/06(土)22:51 |
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第6話 闘技大会!! 「はあ〜、やっとルネについたね!」 「それにしても都会だなあ…。」 ユウキとユウナはルネの街にいた。 建物がいっぱい立ち並んでいる大都会だ。 「とりあえず、ガーディ預けなきゃね。」 「うん。」 2人はガーディそり乗り場にガーディとそりを繋ぐと、闘技大会への 申し込みへ。 「二名様ですね。」 「ユウキです。」 「ユウナです。」 「ユウナ様、ユウキ様。今日の午後3時に大会は始まります。2時半ま でにはロビーに来てください。」 「はい。」 とりあえずチケットを受け取り、二人はまだ時間があったのでバトルで もすることにした。一対一だ。 「じゃ、バトルでもしよっか。ルシャ!」 「シャモモ!」 「サン!レッツゴー!」 「サンッ!」 「ルシャ、2度蹴り。」 「シャーモッ!」 ルシャの2度蹴りが入るが…? 「サン、ルシャが近づいたら砂嵐だ!」 「サンッ!」 ゴオオ!ルシャは砂嵐に巻き込まれた。 「ルシャ!?」 「へへ。誘い込み作戦。サン、砂嵐の中心にスピードスター!」 「サン!」 ヒュヒュヒュン…サンのツメから星が無数の飛ぶ。 それらは砂嵐の中心に入り、全てルシャにヒット。 しかも砂嵐の勢いでかなり威力が上がっている。 「シャモォ…。」 「もういいよ、サン。」 サンは砂嵐を止めた。 ルシャが落ちてくる。 サンはルシャを受けとめた。 「ユウキ、頭いいね。」 「へへ。今のは名づけてストームスター、ってところかな?そり操りな がら考えてたんだ。技の特性を見極めてね。」 |
マディーン | #7☆2003.12/07(日)12:25 |
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第7話 闘技大会・始まり! ユウキとユウナは会場にいた。 その他諸々選手が集まっている。 「今回の闘技大会、レースだって。たくさんの障害物があるアイシズ・ ロードを進むんだって。」 「障害物って例えば何なの?」 「えっと…自然の地形…を利用したものがたくさんあるみたい。」 「へえー。なら、川とかトゲかな?」 「トゲ?」 「アイシズロードって地面に所々トゲが生えてる場所があるのよ。」 「へえー。」 そんな事を話していると…? 「では、くじを引いてください。」 「私ひいてくるね。」 順番を決めるくじをユウナは引きに行った。 ちなみに、今ユウキの周りには大荷物がいっぱいある。 食料、水、ポケモンを回復するための道具などさまざまだ。 暫くして… 「ユウキ、私達3番だって!」 「結構速いね。」 ユウキは前回の話で判明した力でそりを創りながら言った レースで使う乗り物はそりに限られているのだ。 「30分ごとに選手は出発するの。私はキングに引かせるよ。」 「うん。」 「それにしても…ポケモンバトルかと思ったけど、今年はレースだ なんて思っても無かったな。」 「へえー。」 そして…出発する時が来た…。 「いっけえっ!」 ザウッ!ユウナのそりをウインディのキングが、ユウキのそりを尾オニ ドリルのフレッシュが低空飛行で引き始めた。 雪が舞い飛ぶ。 「この先、いろいろあるだろうけど2人で頑張ろうね、ユウキ!」 |
マディーン | #8★2003.12/07(日)16:56 |
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第8話 氷の主 「フレッシュ、無理しないようにな!」 シュウウン!フレッシュはスピードを更に早めた。 今、ユウキとユウナが進む道はブリザードが吹き荒れていると言う事で 2人はゴーグルをつけていた。 「ユウキ、フレッシュ交代した方がいいよ。氷に弱いでしょ。」 「うん。でも交代するポケモンが…」 「はい、水の石!」 ユウキにユウナは水の石を投げ渡した。 「水の石?」 「進化の石よ。それをアジェストに使って。」 「うん。」 ユウキは一旦そりを止めてアジェストに進化の石を使った。 すると…。 「シャワシャワ!」 シャワーズに進化。 これで体力もぐんっと増えた。 「フレッシュ、交代するよ。」 ユウキはフレッシュとアジェストを交代。 体力が高いアジェストはぐんぐん飛ばして行った。 30分進んだ所で、ユウナがユウキに叫んだ。 「ユウキ、危ない!」 「え?」 ゴオッ!突然目の前に、氷柱が現われた。 その向こうに、ラプラスがいる。 アジェストは前足を突っ張って止まった。 「ここの主よ!」 「マジ!?」 第2派の氷柱を2人は二手に分かれて交わした。 「どうも優しく通してはくれないみたい…キング、火炎放射。」 「ギャアア!!」 ゴオオ!キングは火炎放射を放った。 しかし、氷タイプのラプラスとは言えど、余り効いていないようだ。 「待って。」 ポケモンを繰り出そうとしたユウキを、ユウナが止めた。 「え?」 「その前に…。」 ユウナは自分達の周りに魔法陣を書いた。 「地震を起こすんでしょ?私達が巻き込まれたらヤバイしね。」 「かんがいいな。サン、地震頼んだ。」 「サンッ!」 ゴオオ!強い地震が起きる。 ラプラスはもだえ苦しんだ。 「危ない!」 ユウナは後ろから来た4番の選手を止めた。 「ここの主のラプラスよ、運悪く出てきたわ。」 「俺も戦うぜ!行け、ヌオー!地震!!」 「レックウザ、破壊光線!」 4番の選手の二人も、ポケモンをそれぞれ繰り出して命令を下した。 全ての攻撃がぶつかる。 「ラ…プ…。」 ラプラスは倒れた。 「さ、気絶している今のうちに行こう。直ぐに目を覚ますわ。」 「じゃ、俺らはこっちの道を。」 「私達はこっちを通るわ。」 彼等は、左右にあった道で別れた。 ユウナとユウキは、右へ進んだ…。 |
マディーン | #9☆2003.12/07(日)17:10 |
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第9話 氷柱破壊 レースが始まって何日かたった。 「ふー。つかれますな、流石にレースは。」 ユウキとユウナはテントを建てて休んでいた。 もうちょっと飛ばしたい所だが、ブリザードが少し強くなってゴーグル をつけていても周りが微かにしか見えなくなったのだ。 「アジェスト、大丈夫か?」 「シャワ。」 アジェストはユウキに撫でられて嬉しそうに鳴き声を上げた。 ポケモン達もテントで食事をしている。 「ブーティーズ、まだあるよね?」 ブーティーズとはそりを引くポケモンに履かせる足袋のようなもので、 足が氷などで傷つかないために履かせるものだ。 「まだあるまだある。」 「あ、ブリザードが弱まってきたよ。」 ユウナはテントを開けた。 「あ、ホンとだ。よし、行こう。アジェスト飛ばせるか?」 「シャワッ!」 「キングも大丈夫だよね?」 「ガルル。」 「じゃあ、行こう。」 テントを片付けて、二人はアジェストとキングをそりにつないだ。 「いけーっ!」 ゴオオ!アジェストとキングは最初から凄い勢いで走り始めた。 「ちょっと待って!スピード落として!」 ユウナが命令を下す。 「ユウキも!」 「アジェスト、スピードダウン!」 「シャワッ。」 ユウキもスピードを落とす。 「ここから先はトゲが…!」 「アジェスト、トゲに気をつけてくれ。」 「シャワ。」 ザザザ…アジェストとキングはスピードを落とした。 目の前に直ぐ氷の柱が現われる。 「うわーっ!?」 「頑張って、キング!」 「あーもー、こうなったらディオ!フレッシュに乗って、氷柱が近づい て来たらアイアンテールで破壊してくれ!」 「ぎゃーすっ!」 ディオキシスはフレッシュに乗ってアイアンテールを連発しつつ、前方 の氷を破壊していった。 「ポケモンとトレーナーの絆を試す、だろ?」 氷はテンポ良く破壊されて行く。 「なら、ルシャも2度蹴りで!」 「シャーモッ!」 ルシャもドカバキと2度蹴りで上手く雪の上を滑りつつ破壊して行く。 「よっしゃ!」 |
マディーン | #10☆2003.12/08(月)22:46 |
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第10話 ラストスパート! 「頑張って!」 ユウナの励ましを聞いて、キングはふーっと唸り声を上げた。 「アジェスト!一旦止まってくれ!」 「シャワ。」 ザッシャァァァ!アジェストが前足を突っ張る。 ユウキもブレーキを踏んでスピードを落とした。 「どうしたの?」 ユウナも手綱を引っ張ってそりを止めた。 「ほら。」 ユウキが周りを指す。 周りでホワイトアウトが起こっていた。 ホワイトアウトとは太陽の光が雪に乱反射して周りが白く見える現象だ。 下手に動くと流れる氷河の上に迷い込んでしまう事もある。 「困ったね…これ以上進んだら迷いそうだし、だからと言って早く 進まないと凄く強いブリザードが近づいてきてるし…。」 「なんで分かるの?」 「天気を感じる力があるからね。」 「テント立てる?」 「ううん。このまま待つ。ホワイトアウトは1、2時間で晴れる事もあるわ。」 「そう?」 ユウキとユウナはそりを走らせるのを止めて暫く休む事に。 そこへ…。 「君たち、この先危ないよ!」 ユウナが叫んだ。 一台のそりが駆け抜けて来たのだ。 出場bP0のソラだ。 「この位進まないとな!優勝は取れないぜ!進め、ハク!」 「リューッ!」 ハクと呼ばれハクリューは一段とスピードを上げた。 「ホワイトアウトで迷って死ぬ事もあるのに…。」 ホワイトアウトの白い光の中へ消えて行くソラの姿を見送りながらユウ キはぽつりと言った。 1時間後…。 「晴れた!」 ホワイトアウトは見事晴れた。 アジェストとキングも走る気まんまんだ。 「よし、頑張ってくれ!」 「シャワッ!」 「ガルル!」 2匹は凄いスピードで飛ばし始めた。 晴れたおかげで氷の割れ目に落ちる心配も無い。 途中…。 「うわーっ!?」 誰かの悲鳴が聞こえた。 「ソラ!?」 2人は悲鳴の方向へとそりの方向を変えた。 そこには…。 「た、助けてくれぇっ!」 氷の上に、ソラがいる。 「ほら、だから言ったでしょ?」 ユウナが呆れ顔で言う。 「わ、分かったから。」 「ディオ、フレッシュ。行ってくれ。」 「ぎゃーすっ!」 「ぎゃぎゃーす!」 2匹は、ソラのそりと無事にコースに戻した。 「サンキュッ!」 「じゃ、僕等はこれでー!」 ボールにポケモンを戻すと、ユウキとユウナは突然ぶっ飛ばし始めた。 「うわー!抜かされるー!!」 ソラも慌ててそりを走らせる。 そしてついにゴールまで100メートルというところまで来た! 「ラスパだ!」 アジェストが一段と飛ばす。 ソラも飛ばすが、風で飛んできた氷の破片でハクがひっくり返った。 そして…ユウキとユウナは優勝した。 |
マディーン | #11★2003.12/27(土)18:10 |
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第11話 旅立ち 「私ね、旅出ようと思うんだ。」 ルネの街の宿で、ユウナは唐突に言い出した。 「へ?」 「ユウキと、ポケモンとずーっと一緒にいて、世界を周りたいの。」 「ふーん…。」 「ユウキはどう思う?」 「僕もさぁ…思い出せない事、旅で思い出せるといいなって思うな ぁ…そりゃぁ怖いけど…自分の事は知っておきたいしね。」 「じゃ、一緒行く?」 ユウナがユウキの顔を覗き込んだ。 ユウキいきなり赤面。 「どーしたのっ、私じゃ嫌なの?」 「いやそういうわけじゃなくって…。」 「じゃあなんなの?」 「えっと…。」 「もういいよ。一緒行きたいかどーか言って。」 「行きたい。」 「んじゃ行こうよ!」 「でも、ガーディたちどうするの?」 「大丈夫。ギルドに送ってもらったから。」 ギルドとは人の依頼を受けて仕事をする、いわゆる何でも屋のようなも のだ。 「ギルド?いくらかかった?」 「3G。賞金、いっぱいあるから余裕あるし大丈夫よ。」 「早速行くの?」 「そう。」 2人は荷物を纏めると、さっさかと宿を出た。 行動が早いなあ…。 「レッツゴー!僕たちの冒険!」 「さあ、始めよう!私とユウキの物語!」 |
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