マディーン | #1★2003.12/21(日)17:15 |
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第12話 ユウキの記憶 「昨日レースで優勝した少年だが…。」 「ああ、ユウキとか言う少年ですね。あれがどういたしましたか?エメ ラルド様。」 「排除せよ。掃射機で、だ。娘も含めてな。」 「しかしなぜ少年少女たかが2人にそのような勢力を…。」 「異議があるのか?」 数分後、エメラルドに口答えした男は射殺された。 「ここ、思い出の館って所なの。」 ユウナとユウキは銀色の建物の手前で止まっていた。 「ここ抜け出せないと、先行けないの。他の道あるけど…君の記 憶、分かるかもしれないと思ってね。」 「じゃ、いってみよっか。」 「中迷路だけど、いざってときは方角魔法使うから。安心して☆」 2人はついに館へと突入。 「ここにはね、思い出の水晶があるの。それを見れば…自分の 過去がわかるんだよ。」 「へえ〜。」 2人は更に奥へと進んだ。 「思い出の水晶までは、私は道が分かるよ。行った事あるから。」 ユウナはユウキの手を引いてぐいぐいと進んで行く。 そして…辿りついた。 「これが…水晶?」 ユウキが覗きこむ。 水晶の中には…怒りに満ちた目つきで自分を睨みつける、自分がいた…。 「!?」 『全てを消してやる…!!』 水晶の向こうの自分は、日本語で話していた。 『束にならなければ…何も出来ないくせに…!』 「なっ…。」 『力と権力すらあれば…なんだってできる…人類の全てを消し てやるー!!』 水晶の中の自分の周りには、今ユウキが連れているポケモン達の他に、も っと強そうなポケモン達がいた。 そのポケモン達が、一気に必殺技を放つ。 「うわぁっ!?」 バリィィィン!水晶が砕けた。 水晶の欠片がユウキに振りかかる。 そのままユウキは…倒れてしまった。 「ユウキ!」 ユウナが揺するが反応が無い。 自分の記憶が、探していた記憶が受け入れられなかったのだ…! |
マディーン | #2★2003.12/12(金)21:58 |
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第13話 エメラルドの襲撃 ドォォォン!爆発音が響き渡り、思い出の館で爆発が起こった。 「バリア!」 しかしユウナはバリアを張り、防御。 「ユウキ!目を覚まして!!」 しかし、ユウキは全く目を覚まさない。 「やっぱりショックだったんだ…。」 ユウナは崩壊が終ったのを確認するとバリアを解除してユウキに手をあ てた。 鼓動が伝わってくる。温かさが伝わってくる。 それでも勇気は目を覚ます気配は無い。 「目を開けてよ!」 ユウナは涙を流した。 もしかしてユウナはユウキの事が…。 ぞくっ。 何かの気配を感じて、ユウナは顔を上げた。 目の前にはロケットランチャーを構えた男が。 しかしユウナはそんな武器は知らない。 この世界にはもともと存在しないものだ。 「掃射機で始末するつもりだったが…目標が分からないモンだから な、こっちに切り替えた。」 「どういうこと!?」 「その男を渡せ。エメラルド様の命令で私はそいつを殺さねばならない。」 「駄目!ユウキは…ユウキは……!!」 「オマエも殺させてもらっていいのか?」 「駄目!ルシャ!火炎放射ハイパワー!」 「シャーモッ!」 ゴオッ!ルシャは出てくるなりいきなり火炎放射を放つ。 しかし男はやすやすと交わす。 そして銃口をユウナに向け、引金を引いた…その時! 「はあっ!」 バキィ!トンファーの一撃を食らった。 ユウキは既にもう起きていた。 「ユウキ、大丈夫だった?ごめんね、私があんなとこに…」 「黙れ。」 ユウキは謝ってくるユウナに冷たく言った。 「え…?」 ユウナがユウキの目を覗きこむ。 目は赤色だった。 「コールド!」 バチィッ!氷が飛んでくる。 しかしユウキはトンファーで弾いた。 『戦争を楽しむ者よ!消え去れっ!』 ドガガッ!ユウキは男に向かってマッハ5で襲いかかりトンファーで殴 り更に蹴りを3発いれ最後に踵落としを食らわせた。 「ぐうっ…なぜ…エメラルド様と同じ言葉…を…すみません…エメ ラルド様…任務…果たせま…せん…でした…。」 男は倒れた。 「ううっ…。」 ユウキもその後に肩膝をついた。 「大丈夫?」 「うん…。」 「ユウキ、元気無いね…エメラルドに狙われてるから?」 「エメラルドって奴、僕と同じ言葉話すんだよね…この世界、支配 しようとしてるんだよね…僕は…ここにいていいのかな…?」 「いて…ほしいよ…いてくれなきゃ…やだよ…。」 ユウナは目が熱くなるのを感じた。 |
マディーン | #3★2003.12/13(土)16:25 |
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第14話 ユウキを連れてきた張本人 「大丈夫か?」 泣きじゃくるユウナに、ユウキは心配そうに聞いた。 「うん…御免、急に泣いちゃって。」 ユウナは涙を拭った。 「元気でた?」 「うん。自分が受けとめなきゃいけないって事、ユウナのおかげでやっ と分かったよ…。これからも宜しく。」 ユウキとユウナは頷き合った。 「行こう!」 2人は走り始めた――物語を続ける為に。 「何あれ?」 ユウキとユウナは途中で立ち止まった。 目の前には灰色の建物が。 「空の柱って言うの。異空間に繋がってるのよ。」 「凄いなぁ。」 「あそこを超えないと、先へ進めないの。」 2人は空の柱へと乗り込んだ。 「この模様は…。」 「レックウザの模様。」 「レックウザ?」 「私達は天空神って呼んでるわ。」 「天空の神様、か…。」 ユウキとユウナは更に階段を上った。 時々、強い光が刺す。 「何この光?」 「空の柱に溜まった魂。全ての魂はここへ行きつくの。」 「ふーん…。」 二人は広間へ来た。 「ユウキよ…よく来たな……。」 その広間にいたのは一人の水色の髪の女。 「貴方は…誰ですか?」 「私はリーザ・レヴァ。ユウキをこの世界に呼び出した張本人だ。」 「僕を…?」 「あの時は強引に呼び出してしまったな。本当に済まぬ。」 リーザの口元が笑った。 「私がオマエを呼び出したのも理由があるのだ。」 「え…?」 「この世界に「エメラルド」という者が責めてきた。その者の目的はポ ケモンの力を全て奪い、この世界を闇で支配する事。」 「で…。」 「エメラルドは自分の世界から「ヘイキ」という物を持ち出してきた。 しかもエメラルド自身闇の波動が強い。その波動を受けた者は狂ってし まう。そして逆の波動を持つ者は…この世界にはおらず、私はギガ を派遣し、逆の光の波動を持つ者…即ち、オマエを連れてきた訳だ。」 「というと、リーザ様は…フリーザーなのですね?」 「ユウナ。勘が良いな。」 「ギガとはスイクンの名。それを従えているのはフリーザーだけですから。」 リーザの姿が変わる。 青く輝く光を放つ…フリーザーだ。 「さあ、ユウキ、ユウナよ行くのだ。私は影から見守っておる。」 |
マディーン | #4☆2003.12/12(金)22:13 |
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第15話 真の救世主 「リーザ。あのような弱き人間にエメラルドが倒せると思っておるのか?」 赤い髪の女が、リーザに言った。 その女の名前はファイ・フローズ。 ファイヤーの人型の姿だ。 「ええ。私は少なくともそう思っている。だからギガを派遣した。」 「フッ…馬鹿げたモノを。私達から見たら虫けらに等しき人間に何 が出来る?」 「ファイ殿はそうお思いでしょうが、私の考えは違う。人間たちは1人 1人が弱くても友情と言うものを持っている。友情と言うものに匹敵す るものは無い。」 「何を言う。異世界、ましてや現実世界の人間とは醜き者。エメラルド もその出身。オマエが呼び出した少年もその出身。その少年はきっと考 えを改め、私達を襲うに違いないと思うがな。」 「ファイ様。私はそうとは思いませぬ。」 ゴオッ…風が吹いたかと思うと、スイクンのギガ・セルが現われた。 「ギガ、何か理由があるとでも?」 「ありますとも。私が見に行ったとき、あの少年は『星が綺麗だ』とい う考えを持っておりました。あの荒れた世界では、そんな考えを持つ者 は殆ど無い。しかし、あの少年はそのような考えを持っており、純粋な 心を持っていた。人間としての誇りを持っていた。そのような者が、つ られると思いますか?」 ギガは笑う。 「…オマエが呼び出した者が、本当に救世主に相応しいのか私が試 そう。」 「ファイ殿!?」 |
マディーン | #5☆2003.12/12(金)22:50 |
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第16話 ファイVSユウキ 「空の柱を超えたら…次はサファイアキングダムだよ。」 「サファイアキングダム?」 「海の王国。」 「じゃあ、僕達が住んでいるはどこの国の領域?」 「ううん、私達の所はどこにも支配されてないの。隠れ里って訳でもな いけど。」 「ふーん…。」 そんな事を言いながら話していると、1人の女が目の前に現われた。 「どなたですか?」 「私はユウキに話がある。ユウナ、どきなさい。」 「ファイ…様ですね。」 ユウナは呟いた。 「ファイ様?」 「炎の神ファイヤーよ。怒りの象徴って言われてるの。」 「へえー。」 ユウナはどいた。 「ユウキよ、オマエがリーザの選んだ真の救世主だというのなら、その 実力を見せなさい。」 「え!?」 「貴方にはそれとも無理…?」 「やって…見せる!」 「根性だけはあるようね。」 ファイはくすっと笑うと炎の鳥の姿に転身。 「ギャアア!」 「あれが…ファイヤー……いこう!ディオ!」 「ギャースッ!」 ユウキはディオを繰り出した。 「シャーッ!」 ゴオッ!物凄い炎が飛んでくる。 「氷柱!」 しかし、ディオは氷柱を一瞬で作り出して防御。 強烈な炎は氷柱を一撃で溶かした。 「少しはやるようね……。」 更に強烈な炎が飛んでくる。 「波乗りだ!」 「ギャ―スッ!」 ゴオッ!大波LVの波が起きる。 波はファイヤーを丸呑みし、流れる。 ユウキはその波を創り出したボードでやり過ごしていた。 「こ…これだけやってもまだ倒れない…!?」 そう、ファイヤーは、まだたっていた。 呼吸が荒いが。 「それが…貴方達の…本当の力なの?…見損なったわ、リ ーザは間違えたのかしら…?」 「え…?」 「はああっ!」 カアッ!ファイヤーの体が激しく輝く。 その姿はまさに不死鳥だった! 「うぎゃーっ!?」 ファイヤーから放たれた赤い光はユウキとディオに直撃! 「大丈夫…?ディオ…。」 ユウキが反射的にディオをかばったおかげでディオはユウキほどダメージを食らっていないが、それでも火傷は残った。 「見せようよ…僕達の本当の力を!」 「ギャスッ!」 ゴオッ…ユウキとディオを、青い光が包み始めた。 ポケモンとトレーナーの絆によって創り出される必殺技が完成しようと している。 それは一般的に「神をも超えた力」と呼ばれている。 「ウォータ・テンプテーション!」 「ギャアッ!」 ドドドドド!太い水柱が多数出現し、ファイヤーに全て直撃する。 ファイヤーは全て交わそうとするが、水柱は全て知っているかのように ファイヤーを狙い違わずぶつかってくる。 流石のファイヤーも倒れてしまった。 「大丈夫…?」 ファイヤーはヨロヨロと起きあがると人型へ。 「リーザが貴方を選んだのは正しい選択だったようね…認めるわ、 貴方を救世主として。」 ファイはにっこり微笑むと背中の翼を広げて、青い空の向こうへ消えて いった…。 |
マディーン | #6★2003.12/14(日)11:35 |
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第17話 サファイア・王宮12騎士団 「ここが海の王国か〜。」 「海の神様が祭られてるの。」 「ユウナ詳しいね。」 「…昔お父さんが世界一周して帰ってきてね、話してくれたから。 もういないけど…。」 「…ごめん。」 「いいよ。お父さん、カッシュって名前なの。」 「ふーん。」 二人が歩いていると、ギャロップに乗った一人の騎士が2人を呼びとめた。 「そこの者。」 「何ですか?」 「私はサファイアキングダム王宮12騎士団団長・アストラと申す。そ この者よ、オマエはあのエメラルドの部下を倒したものか?」 「あ、ええ…なんで分かったんです?」 「この世界では珍しい黒髪をしているからな。」 この世界ではユウキのように黒い髪は珍しい。 青などもっと明るい色だ。 ちなみにユウナの髪は茶色だ。 「そしてそこの少女。」 「はい。」 「オマエは全国的にも珍しい『癒しの術士』だと聞いたが。」 「はい。」 「是非、王宮12騎士団に協力していただきたいのだが。」 「急に言われても…。」 「とりあえず城で話し合おう。」 2人は城へ。 「で、何の目的で…。」 「私達はエメラルドを倒すための勢力…を集めている。君達にも仲 間になってもらいたいのだ。」 「いい?ユウキ。」 「僕は別に…。」 「ところで、君達の名前を聞いていなかったな。」 「僕はユウキです。」 「私はユウナ。」 「ユウナ…あの世界を支配しようとした悪魔をはらったカッシュ様 の娘の!?」 「はい。」 「ところで、話を戻すが協力してくれるか?」 「はい!」 |
マディーン | #7★2003.12/18(木)22:46 |
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第18話 闘い 「…これがエメラルドのアジトの全体図だ。それぞれの扉にモンス ターが隠れている。それらを倒さねばアジトの仲間以外の者は入れない のだ。」 「なるほど。」 「更にアジト全体にエメラルドの闇なる波動が渡っている。まともに波 動を食らったら大変な事になる。だからこの”護りの篭手”を装備して いけ。」 「はい。」 二人は護りの篭手をはめた。 護りの篭手には闇の波動を弾く力がある。 「ポケモンは大丈夫でしょうか?」 「ポケモンは神秘の力を持つ生命体。大丈夫だ。」 「良かった。」 「ではゆくぞ!」 「はいっ!」 「この道暗いね…。」 ユウナとユウキはランタンで周りを照らした。 2人は今、秘密の抜け道・通称闇へのゲートからアジトへ向かっている。 「そこを止まれ!」 暗がりから1人の男が現われた。 2人は速攻ランタンを消す。 ガツーン! ユウキが何かをぶつけた。 暗がりで男のうめき声が響く。 ユウナがランタンをつけると、男は死んでいた。 「ユウキ、凄いね…。」 「勘だよ、勘。」 2人は更に奥へと進んだ。 |
マディーン | #8★2003.12/13(土)17:16 |
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第19話 離れ離れに… 「地下はとりあえず抜けたわ。1階に着たみたいね。」 ユウナが扉を開けようとした…その時! 「いやあーっ!!」 「ギャすギャすっ!」 一匹の黒いウインディが飛びかかってきた。 「シャモモ!」 しかしルシャが勝手に出てきて黒いウインディを2度蹴りで倒した。 「敵の勢力も強くなってきたみたいね…きゃあっ!?」 ユウナが突然消えた。 「どういうこと!?」 ガコンッ!ユウキの下の床板が外れ、彼はまっさかサマに落ちた。 「ぎゃーっ!!」 「ここどこだ?」 ユウキは目を覚ました。 護りの篭手は無事ついている。 「ここは…クリスタルホール?」 ユウキは周りの部屋の形を地図と照らし合わせた。 「らしいな。どうやってでよう。」 クリスタルホールは出る方法が無い。 「フフフ…。」 突然、誰かの笑い声が響いた。 「誰だ!?」 「私の名はイア。大陸に名を轟かせた剣士だ。」 「エメラルドの手下か…僕に何の用だ!」 「オマエを殺す為に来た。」 「誰が死ぬものか!」 「それはどうかな?」 イアは剣を構えて飛びかかってきた。 「はあっ!」 シュイン!ユウキの手に2本の「サイ」という武器が現われる。 この武器は空手専用の武器で、刀のように先がとがっているのが特徴だ。 ガッキィィン!剣と剣が唸りを上げてぶつかり合う。 「負けるものか!」 ユウキは剣を弾き返した。 「ほおっ!」 第2派が来る。 今度は炎を縫っていた。が、ユウキはジャンプで交わした。 「小癪な!」 こんな闘いが何時間も続いた。両者1歩も引かない様子だ。 まだ若く体力の低いユウキとベテランの剣士でまだ体力のあるイア。 勝負はイアにあると見えた。 「最後だ!」 ユウキの動きが鈍った所を狙って、イアは剣を振り下ろしてきた。 が…。 「引っ掛かったな!」 「!?」 ユウキはサイを消して一気にジャンプ。相手の剣の上に乗ると更に飛び 上がって、猛烈な回し蹴りを空中で3発食らわせ、最後にロケット踵落 としを食らわせた。 「ぐうっ…。」 イアは倒れた。 「はあ、はあ…とりあえず助かったけど…どうやってここから 抜け出そう?」 ユウキはイアを調べてみた。 イアは気絶しているだけだ。 「このリングには空間を操る力があるんだ!…だから来れたのか。」 ユウキはイアが右腕につけていた空間を操る力を持つリングを奪うと、 それを使ってクリスタルホールから脱出した。 |
マディーン | #9☆2003.12/13(土)17:04 |
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第20話 再会 「うわあ…ここどこだろう…。」 ユウナは1人で廊下を歩いていた。 冷たい音が響く。 その時。 「きゃっ!」 ユウナは飛びのいた。 壁からは何かの切っ先が出ている。 そして壁が崩れた。 「ふーっ。やっと見つけた。」 ユウキが出てきた。 「ユウキのばかぁっ!驚かせないでよッ!」 「ごめんごめん。とりあえず会えて良かったね。」 「うん。」 2人は歩き始めた。 途中…。 「そこをまて!」 「誰?」 「私は大陸に名を轟かせた騎士・ウィザーだ。」 「また敵か…。」 その時、エンテイが現われた。 「私はバルメ・クロウ。ユウキ達よ、急げ。私がこの者を始末する!」 「有難う!」 ファイが従えるエンテイ・バルメに騎士ウィザーを任せて、彼等は更に 進んだ。 「ユウキ!ここは…。」 ユウキとユウナは立ち止まった。 そこはエメラルド・ホールへ通じる扉。 その向こうに、2人の倒すべき敵がいる…。 |
マディーン | #10☆2003.12/13(土)17:13 |
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第21話 エメラルドとの闘い 「エメラルド!僕達は遂に来たぞ!」 ザッ!ユウキとユウナは踏み出した。 「ふふ…遂に来たか。リーザが呼び出した者よ…。」 「…。」 「まあよい。私の敵はお前等二人しかいない。後は全て始末した。」 ユウナは口を覆った。 12騎士団全員が、エメラルドの配下の手にかけられたのだ…!! 「だが…神が…。」 「無駄だ。」 「!!」 エメラルドが退いた。 そこには…倒れたリーザが。 只、眠っているように見えたが、リーザは死んでいた。 殺されたのだ…! 同じように、ファイも血を流して倒れていた。 その目は、まだ生きているようだった…。 「リーザ様…ファイ様…この仇は、必ず!」 ユウナは拳を握り締める。 「さあ…やろうじゃないか!最終決戦を!」 「勝てるか?私に。」 ゴオッ!床から涌き出るように、デンリュウ、ハガネール、オーダイル が現われた。 「ユウナはポケモンの指揮を!僕はエメラルドと闘う!」 「分かった!」 ユウキはユウナにボールを全て渡した。 エメラルドの形が変わる。 その姿は”悪魔”だった。 ユウナサイド… 「ディオは波乗り、サンは地震。フレッシュはドリルクチバシ、アジェ ストはハイドロポンプ。ルシャはハイパワーで火炎放射、キングは聖な る炎!」 ゴオッ!攻撃が全てぶつかる。 しかし、敵のポケモン達はけろりとしていた。 「もしかして…このポケモン達はLV100!?」 ユウキサイド… ユウキは光を縫ったサイでひたすらエメラルドを攻撃していた。 時折、エメラルドはどす黒い球を打ってくる。 しかし、ユウキは全て弾いていた。 「つ…強すぎる…。」 |
マディーン | #11★2003.12/14(日)11:40 |
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第22話 流星の少年ユウキ 「ルシャ!頑張って!」 カアッ!ユウナは癒しの光をルシャに放った。 ルシャは元気を取り戻して闘い始めた。 ポケモン達に指揮するユウナの負担も大きい。 ポケモン達の回復に、MPを沢山使っているのだ…。 「うわあっ!?」 ドオオン!ユウキに黒い球がぶつかった。 ユウキは気絶。 そこへ、黒い髪の男が歩いてきた。 セナかには金色の羽が。 「われ等のユウキが光を取り戻すまで、私が相手をしよう!」 そのものはサンダーの…ライト・ウイングだった。 ユウキは、夢を見ていた。 人々の悲鳴が聞こえる… あれは…戦艦? リーザが言っていたな、エメラルドはヘイキを持ち出したって… 僕にエメラルドを倒す力なんてあるんだろうか… 僕は罪を犯したエメラルドと同じ出身…同じ種族だ… こんな僕が…なれるの?救世主に… あ…何も見えなくなってきた…僕、エメラルドと同じ罪かぶせ られて地獄へ行くんだろうな… あの光は…僕を…天国に導こうってのか? …いや…あれは、希望の光…!? 「はあっ!?」 ユウキは目を覚ました。 「大丈夫?」 ユウナがそばにいた。 敵のポケモンは全て倒したらしい。 「うん…絶望に呼ばれる夢見てたよ…今なら…何だってできる!」 ユウキの体信じられないほど強く輝き始めた。 サイを握る手に力がこもる。 「皆…いくよっ!」 ディオ達は一気に必殺技をユウキに撃った。 ユウキはその必殺技を光に変化させた。 「消え去れっ!エメラルド!」 ドオオン!光がぶつかる。 「な…何故私が…やられ…る…。」 エメラルドは黒い煙になっていく。 その時、地面が揺れ始めた。 「地震!?」 「フフ…少年よ、万が一私がやられたときにオマエも葬り去るよう に術をかけたのだ…!」 「ええ!?」 次の瞬間、エメラルドは消え去った。 「ユウナ殿!行きましょう!」 ライトがユウナの手を引く。 「ユウキが!」 「ユウナは逃げろ!僕は…君を巻き込むわけにはいかないんだ!」 ユウキは巨大バリアを張っていた。 「でも…。」 「このバリアは手を離した途端解除されてしまう。ユウナ、君は生きる べきだ、僕はもうこの世界には必要無い!」 「そんな事無いよ!」 「ユウナ殿。彼はもう与えられた事を果たしました。もうこの世界には 不必要です。」 「ユウキっ!」 「ユウナ…いけっ!」 「分かった…後で、生きて会おうねっ!」 ユウナとライトはアジトを出た。 「そんな保証…無いな…バリア解除。」 ユウキは弱弱しく笑うと、バリアから手を離した。 …数秒後、建物は崩壊。 外に出た時は夜だった。 「ユウキは…。」 「建物から生気を感じない。…やはり、死んだのだろう…。」 「そんなっ…。」 ≪ユウナ…僕は…僕はここだよ…≫ その時、ふと聞き覚えのある声がユウナの耳に響いた。 「ユウキ…生きてるの?」 声の方向がした空を見上げる。 そこには…今まで無かった、青い星が美しく輝いていた。 「青い星…純粋な心を表す色だよね、青って…。」 ≪ユウナ…今まで、ありがと…う……。≫ 青い星は降下を始めた。その後を追うように沢山の星が流れる。 ユウキがあの日見た、獅子座流星群だった…。 「ユウキは…星になったんだよね。」 サアッ…波の音が響く。 ユウナは海にいた。 ユウナの目の前には「流星の少年ユウキ、この海に眠る」と刻まれた石が あった。 次の日、人々は喜びアジトを撤去したが…ユウキの遺体は見つから なかった。 だが、あの日青い星は海におちた。 だから…ユウキは、きっとこのサファイアの海で眠っているのだろう。 この闘いで、ヘイキと戦った沢山の人々が命を落とした。 ユウナの生きる世界・ティニア連合軍では50000の若い命が、エメラ ルドが率いたエメラルド軍では35000の命が、何の喜びも無しに散 っていった…。 主人を失ったディオ、サン、フレッシュ、アジェストは、あの闘いを最 後にユウナの目の前から姿を消したと言う…。 ≪流星の少年ユウキEND≫ |
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