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名前を入力してください 〜素敵な仲間〜
 
あなた は めを さました!

 重いまぶたを開けば、そこに少女の姿があった。
 すみれ色の瞳に、涙をいっぱいためて。
「ああ、王子!よかった……!」
 抱きつく少女の、柔らかな胸の感触。
 思わず、あなたは顔を赤らめる。
「俺、気を失っていたのか?」
「ええ、毒が回ってしまったのよ。でも、倒れる直前に敵を全部やっつけるなんて、さすがね」
「そりゃ、そうさ!俺はリーダーだからな」
 ほっとしたのか、少女が笑った。
 笑顔の美しい少女は、ムーンブルクの王女。
 彼女は水でぬらした布を、あなたの額に乗せ直した。
 立て膝をついた彼女のローブから、ほんの少しだけ白い腿が見えた。
 あなたは見まいと頑張るが、ついそこに目がいってしまう。
 あとわずかで下着まで見えそう、というところで、
「王子、えっち!」
 気付いた王女が頬をふくらます。
「ごっ、ごめん。わざとじゃないんだ!」
 慌ててあなたは、平身低頭あやまり続ける。
 そんなあなたに彼女は言った。
「ふふっ…許してあ・げ・る」

 そういえば、一人足りないような。
 あたりを見回すあなたの肩に、やさしく王女が毛布をかけ直してくれた。
「サマルトリアの王子なら、薬草を探しに行ったわ」
「あいつ一人で大丈夫かな」
 サマルトリアの王子は、弟のようなもの。
 体が弱いながらも、健気にあなたをサポートする。
 やがて、傷つきながらも薬草を抱えて、彼は帰ってきた。
「一応キアリーかけときましたが、気分はどうです?」
「俺はなんともないさ。それよりお前こそ、ケガしてるじゃないか」
「僕も王女もMP尽きちゃって…でも、薬草見つけましたから、これでみんな回復できますね」
(自分もケガしてるのに、キアリーかけてくれたんだ)
 あなたは目頭が熱くなった。
「ありがとな、みんな………」

 あなたの冒険の旅は、まだ始まったばかり。
 あなたのそばには、いつも素敵な仲間がいます。
 もちろん、可愛い王女様も、あなたの隣に――――。
( 完 )  2002/05/10
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某所FFDQ最萌で、初めて投下した支援物資。乙女モード全開でありますw
余りの恥ずかしさにタイトル無しで貼り逃げしてしまったところ
後日、支援サイト保管時に「素敵な仲間」という素晴らしいタイトルをつけて頂きました。
管理人の◆DOIIFWZQzoさん(当時◆DQIId.uMさん)に改めて御礼。