あなたの夢おてつだい だけ します
■-22 何もかもの続きに
僕は此処にいる。
誰が何て言ったって、楽しんで此処にいる。
此処にいるのは僕だけじゃない。だから騒がしい事だってある。
その人は別に救い主なんてものじゃない。
家族でもない、恋人でもない、友達でもない。
お互いを退屈させない誰かだ。
それでいいんじゃないかな。それがいいんじゃないかな。
手持ちモップで本棚の掃除をする。汚れたら僕のところに来てくれるから見回りはしないでいいけど、偶に行列になるから大変だ。
列の最後の本棚が綺麗になったところで、側でずっと作業中だったフィオリに呼ばれた。
「ベンヴィ、そろそろ再開するぞ」
「じゃあ対策終わったんだね。丁度掃除も終わったよ」
フィオリは満足そうに頷く。
「では良い頃合いだな。いくぞ」
「うん」
フィオリが光のボタンを押すと、早速呼び鈴が鳴った。下にある光の床に誰かがいる。
「いきなりだね」
「そのようだな。頼むぞ」
「任せてよ」
光の帯が空間に飛び降りた僕を乗せて伸びていく。
いつも通り、全然違う人の夢の手伝いだけをする。その夢が叶うかどうかはその人次第だ。
さて、今回の誰かは、どんな夢を持ってるんだろう。
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