IndexMainNovelSky Shiduki フォントサイズ変更   L M D S
◇◆ Ti voglio bene ◇◆
 Lei seppe Matsuki di essere favorito.
 Mi ancora piace, Lei.
 Creda e possibile divenire certamente la Sua piena luna della durata e .......
 Certamente in caso di essere per molto tempo insieme della durata.


 冬空には上似合いな、淡い空色の長いマフラーをなびかせて、 歩道のない夜の県道を、慣れない自転車で必死に突っ走る。
 素直になれない私。いつも心からありがとうって思っているのに、 それを口に出すことが、恥ずかしくて、躊躇われて……
 でもね? 今日は素直になるって決めたの。

 自転車のカゴを眺め見ては、にやける顔を隠す様にマフラーを鼻まで覆い上げる。
 カゴの中で小さく踊る小さな紙袋。
 早くあなたに会いたい。あなたに会って、これを渡して、そして言うんだ。


 はためく空色のマフラーと、向こうからやってくる大型車。
 何事もなくその脇をすり抜けたとき、誰かがマフラーを引っ張った。
 突然の出来事と息苦しさに思考回路は追いつかず、ただただ首を掻き毟り、転がりながら振り返れば、大きなタイヤが私を手招きし、 そこで私の記憶は途絶え、長く深い眠りに落ちた。

 武頼(ぶらい)? ごめん。 また言えそうにないや――
NEXT →
IndexMainNovelSky Shiduki
photo by ©ivory