schole〜スコレー〜
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エピローグ

 後日談として語る必要がある。
 チュンを負かしてからあっという間に一ヶ月が過ぎた。
 あんな馬鹿げた妄想をぶちまけたが、正直あれただの夢。できるわけがない。ノリで言ってみただけだ。
 つっても、三分の二ぐらいは本気で目指しているが。まだまだ達成は先の話。何十年かかるんだろうな。一ヶ月かけ
てようやく隣町の研究所を支配下に置いたところだ。
 しかし、今はそれより先に、警戒すべき対象がいる。
 意外な事にそれはこいつ。タマである。
『な、何の事じゃ? ぴゅ、ぴゅーるるー』
 できてねえぞ口笛。
 ネタはあがってんだタマ。
 ここ数日なんか体がだるいと思ったら、お前夜な夜なコロとデートしてるだろ!!
『………………ぽ』
 ぽ、じゃねえ! 口で言うな!! ちょっと可愛いけど! 何勝手に人の体使ってんの!? 大分前にそれ止めろって
言ったじゃん!!
『そうは言うが千秋よ。これぐらいの特権わしにもあって良いのではないか?』
 せめて俺の許可取ってからにしろよ!? そんだったらあれだぜ!? お前の体使っていろいろヤらせてもらう
ぜ!? お前の仲間の中で目付けてる奴はすでに何人もいるんだ!! ククク、最初はどいつからにしようかなあ。い
や、同時に二人、三人を相手にするのも良いなぁ?
『ふ、ふふふふふ、千秋よ。すでにわしはその脅しには屈しんぞ』
 な、何!? ま、まさかタマ。お前すでにコロに奪われてんのか!?
『違うわ! 実はな千秋。わしの体を主が操れるのならば、その逆はどうかと思うてな?』
 ん? 逆? て事は、何だ。
『わしが主の体を操る。という事じゃよ。検証を重ねた結果、先日ついに主の体をわしが使う事に成功した』
 な、なんだと!? お前………!
『勘づいたようじゃな千秋。それが可能じゃと言う事は、コロの方も朝野今太の体を使用できるという事じゃぞ?』
 て、てめえ…………。
『ふふふ。すでに、主がわしの貞操を握っておるのと同様に、わしも主の貞操を握っておるのじゃ。観念せい』
  は、はは。だったらお前に奪われないように精神をいつでもしっかり保っとくまでの話だ!
『寝ている間までは無理じゃろう。大体、今までどうやって夜間に主の体を奪っておったと思うとる。寝ぼけて精神の弱
っておる主を言葉巧みに誘導しわしを装着させたに決まっておるじゃろう』
  ま、マジか……………こ、このむっつり野郎!!
『し、失敬な! オープンな主よりマシじゃろう!?』
 否定はしないのかタマ。成長したな………。
『主のせいでな』
 口が減らないなタマ…………!
 お前も俺専用ロリっ子集団の一員ではあるが、だからって容赦はしねえ。
 日本を制覇するにしても世界を制覇するにしても、まずは体の支配権を得られなきゃ意味はないんだ。
 …………しかし、タマがこんなに強敵になるとはな。
 タマ。いつからお前そんなにコロラブだったんだよ。
『か、か、かなり前からじゃが?』
 のろけは良いよもう。
  この分じゃ、そのうち性欲ゲージが俺を越えてしまいそうだな……。
『それはないじゃろ』
 即答かよ。
 あ、そういやかなり今更な話なんだけどさ。お前の本名なんていうの? タマが本名じゃないよな? 確か下の名前は
玉枝だったか?
『藤原玉枝じゃよ。ちなみに三百飛んで九歳』
 おばあちゃんじゃん! めんどくさいから三百取れよ!!
  ま、しかしこれで俺ズタマプロフィールが完成だ。
 名前、藤原玉枝。略称タマ。年齢九歳。俺の所有物兼友人兼敵。口調は古くさいが中身は子供。頭も悪い。大事な所
で抜けてる。コロにラブ。&コロからラブ。そんで所有属性は、ロリ(ここ重要)、おかっぱ、着物、年寄り口調、ツンデ
レ。ドジっ子。その他もろもろ。
 こうして並べるとお前けっこうハイスペックだなタマ。
『勝手に認定せんで良い………』
  そうぼやくタマをよそに、俺は絶対にこいつを出し抜きロリショタ軍団といちゃいちゃしようと決意したのだった。
『わしにとっても主は所有物兼友人兼敵じゃ。そう簡単にはいかんぞ』
 ふははははー! まぁゆっくり闘ってこうじゃねえか。どうせお前とは一生付き合ってくんだ。ずっと仲良くしっぱなしっ
てのもつまらないさ。
『………………それもそうじゃな』
 どちらからともなく、俺とタマは心の中で笑い合った。 



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