裁判~エピローグ
GM
小さな部屋の窓を見れば、いつの間にか灰はやんでいて
GM
先日二人で見た星々が広がっていた。
開廷
GM
ヘレンは両方の疵が抉れているため〈発狂〉状態となります。
続いて、仕込の宣言をどうぞ。
エレオス
とうみつを入手します
[ エレオス ] とうみつ : 1 → 2
GM
使用すべき小道具はないので、行動順を決定しましょう。
エレオス
1d6 (1D6) > 2
エレオス
どうなる…?
ヘレン
わかりきってるんだよなあ
ヘレン
1D6+3  (1D6+3) > 6[6]+3 > 9
ヘレン
無駄に早い
エレオス
速い
GM
分かり切った上で強くでましたね
GM
ヘレン→エレオスの行動順。
1ラウンド目
GM
カード補充、順番にどうぞ。
ヘレン
*c2,h3,d4,s6,s8
エレオス
*c3,d2,s5,d8,sJ
1ラウンド目 ヘレン
ヘレン
s8 通打を使用
GM
割り込みはなさそうなので、そのまま判定をどうぞ
ヘレン
2d6+1=>7 通打判定+万能 (2D6+1>=7) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗
GM
失敗。
ヘレン
警告灯のように赤く光る瞳が、貴方へ視線を向けている。
1ラウンド目 エレオス
エレオス
その瞳に見つめられて、息を呑み込んだ。
エレオス
こんなヘレンは、見たことがない。
エレオス
*パス
1ラウンド目 カード破棄
エレオス
*c3,d2,d8 破棄
ヘレン
*c2,h3 破棄
2ラウンド目
ヘレン
*d4,s6,s9,sQ,dA
エレオス
*c4,c6,s5,sJ,hK
2ラウンド目 ヘレン
ヘレン
まずはs9通打使用
GM
割り込みますか?
エレオス
*hK遊撃 それに対してc6精確
ヘレン
ではそれに対してd4回避 s6精確
GM
ではまず回避の判定からいきましょう
ヘレン
1d6 精確 (1D6) > 6
ヘレン
2d6+3+1+1+6=>7 回避 (2D6+3+1+1+6>=7) > 8[4,4]+3+1+1+6 > 19 > 成功
GM
遊撃の判定を19以上でどうぞ。
エレオス
1d6 (1D6) > 5
エレオス
2d6+2+5>=19 【猟奇】判定 (2D6+2+5>=19) > 3[1,2]+2+5 > 10 > 失敗
エレオス
っぶね
GM
花輪が散らされていたら大変なことでした。
では、失敗ということでそのまま通打の判定を。
ヘレン
2d6+1=>7 通打 (2D6+1>=7) > 8[4,4]+1 > 9 > 成功
GM
成功。ダメージをどうぞ
ヘレン
1d6 ダメージ (1D6) > 3
[ エレオス ] HP : 20 → 17
ヘレン
「どうしたんだい、エル。」
ヘレン
「様子がおかしいよ。疲れているんじゃないか?」
エレオス
「オ…レ…は……」
エレオス
「違う…。気付いたんだ…ようやく…。
……オレは、ヘレンに間違ったことをしようとしてた…」
エレオス
そう、口にしながら。
様子の変わったように見えるヘレンに手を伸ばして。
エレオス
「……ヘレン…言うことを聞かなくてごめん…。おかしくなってて、ごめん……」
エレオス
「…もう一度、これからの生活について一緒に考えよう…。今度は、ヘレンの言うことを聞くから…」
2ラウンド目 エレオス
エレオス
遠慮がちにヘレンの肩に手を触れて、掴む。
行かないで、というように。
エレオス
今の眼差しは、嫌だ。
エレオス
自分がそうさせた。
エレオス
*パス
2ラウンド目 カード破棄
エレオス
*c4破棄
ヘレン
*sQ破棄
3ラウンド目
エレオス
*h5,s5,hJ,sJ,dK
ヘレン
*d6,h7,dJ,sA,dA
3ラウンド目 ヘレン
ヘレン
dJ 悪戯をエレオスに使用 不調は封印
ヘレン
1d6 3以上で自分にも (1D6) > 2
[ エレオス ] 封印(3R目) : 0 → 1
GM
ヘレン側の封印はなし。
ヘレン
h7 通打でいきましょう
GM
そのまま判定をどうぞ。
ヘレン
2d6+1=>7 通打! (2D6+1>=7) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
ヘレン
1d6 ダメージ (1D6) > 4
[ エレオス ] HP : 17 → 13
ヘレン
「充分話し合ったじゃないか。」
ヘレン
「だから方針を決めたんだよ。」
ヘレン
掴んだ肩からは、じりじりと焼けつくような熱が放たれる。
ヘレン
互いの声とは違う、何かが歌う再生音。
ヘレン
『……この歌は、俺が――人間で言う子供時代に――教えてもらったものなんだ……』
ヘレン
『……デイジー・ベル。”2人乗りの自電車”なんてタイトルもあって……』
ヘレン
『……なんだか、俺達の二人旅に、ぴったりじゃないか?……』
ヘレン
そう言いながら歌っていたね。
3ラウンド目 エレオス
エレオス
*dK(封印中) 応急 封印を解除
[ エレオス ] 封印(3R目) : 1 → 0
エレオス
*hJ 刹那
GM
割り込みはできません。判定をどうぞ。
エレオス
2d6+2>=7 【猟奇】判定 (2D6+2>=7) > 6[4,2]+2 > 8 > 成功
GM
成功。発狂と看破の分をのせてダメージをどうぞ。
エレオス
1d6+1+2 (1D6+1+2) > 6[6]+1+2 > 9
GM
9点、軽減要素はないですね。
[ ヘレン ] HP : 14 → 5
エレオス
「……ッ…!」
エレオス
掴んだ手に、焼け付きそうな熱が伝わる。
エレオス
自分が心に異常をきたして異能を暴走させていたように、ヘレンもまた…暴走しようとしているのだと思った。
エレオス
「それでも……!それでも、もう一度話し合おう…!さっきまでのオレはおかしかったから、あれは…あれじゃダメなんだ…!」
エレオス
手が焦げ付こうと。焼き切れようと。
掴んだ肩を離さずにヘレンの目を見て縋る。
3ラウンド目 カード破棄
ヘレン
*そのままで
エレオス
*h5 破棄
4ラウンド目
エレオス
*s5,h10,sJ,dQ,cA
ヘレン
*d6,c10,cQ,sA,dA
4ラウンド目 ヘレン
ヘレン
*sA 救済を自身に使用
ヘレン
1d6 回復量 (1D6) > 6
[ ヘレン ] HP : 5 → 11
ヘレン
行動はパスで
ヘレン
「力込めすぎだよ、エル。」
ヘレン
「そんな強く握らなくたって、私はここにいるだろう。」
ヘレン
「やっぱり…少し休んだ方がいい。一旦落ち着いた方がいいよ。」
ヘレン
ここは”安全”なんだから
4ラウンド目 エレオス
エレオス
「…っ…ごめん」
エレオス
指摘をされて、入れすぎていた力を手から抜く。
エレオス
「……」
エレオス
「…うん、そうだね。落ち着いて、話をするよ」
エレオス
ヘレンが、おかしくなったオレに対してずっとしてくれていたように。
エレオス
”ヘレン”はまだここに居る。
そう信じて、自分も同じことをしよう。
エレオス
*パス
4ラウンド目 カード破棄
エレオス
*h10,dQ,cA 破棄
ヘレン
*cQ 破棄
5ラウンド目
ヘレン
*d5,d6,c10,dA,joker
エレオス
*s5,d10,h8,sJ,sK
5ラウンド目 ヘレン
ヘレン
とうみつを使用します
[ ヘレン ] とうみつ : 1 → 0
[ ヘレン ] HP : 11 → 17
ヘレン
そしてc10 通打を使用
GM
割り込みはありますか?
エレオス
*sK 遊撃
GM
これに対し割り込みはありますか?
ヘレン
しません
GM
では、判定を。
エレオス
2d6+2>=7 【猟奇】判定 (2D6+2>=7) > 4[1,3]+2 > 6 > 失敗
エレオス
逆転は……しない
GM
では、通打の判定をどうぞ
ヘレン
2d6+1=>7 通打 (2D6+1>=7) > 8[2,6]+1 > 9 > 成功
GM
ダメージをどうぞ
ヘレン
1d6 ダメージ (1D6) > 2
[ エレオス ] HP : 13 → 11
エレオス
*d10 愛毒
GM
割り込みはありますか?
ヘレン
ありません
GM
では判定をどうぞ
エレオス
2d6+2>=7 【愛】判定 (2D6+2>=7) > 7[4,3]+2 > 9 > 成功
GM
2ラウンドの猛毒が入ります。
[ ヘレン ] 猛毒/5R目 : 0 → 2
ヘレン
「そう…そうだ。君には頑張ってもらっているから……心配なんだ。」
ヘレン
「もう日も沈んでいる。君のしたい話をしてあげよう。」
ヘレン
君の為の”安全”だ。
5ラウンド目 エレオス
[ ヘレン ] HP : 17 → 15
エレオス
「オレは」
エレオス
「”ヘレン”が話したい話を聞きたいよ」
エレオス
*パス
5ラウンド目 カード破棄
エレオス
*h8 破棄
ヘレン
*破棄無し
6ラウンド目
エレオス
*d7,s5,h9,d9,sJ
ヘレン
*d5,d6,cJ,dA,joker
6ラウンド目 ヘレン
ヘレン
エレオスにcJ悪戯 不調は猛毒
[ エレオス ] 猛毒/6R : 0 → 1
GM
自分の分を振る必要はないですね
ヘレン
ですね
ヘレン
パスしましょう
ヘレン
鳥籠の中には子守歌が響いている。
[ ヘレン ] HP : 15 → 13
GM
疵ついた歌が響き、何かが少しずつ削れていく。
それは肉体か、あるいは心か。
6ラウンド目 エレオス
エレオス
鳥籠に響く子守唄を聴いて。
エレオス
”ヘレン”が、そのまま二度と覚めない眠りについてしまうんじゃないかと思って。
エレオス
何度も聴かせて貰ったその歌に、酷く身震いした。
エレオス
*パス
6ラウンド目 カード破棄
ヘレン
*破棄なしで
[ エレオス ] HP : 11 → 8
エレオス
*d7,h9,d9 破棄
7ラウンド目
ヘレン
*s3,d5,d6,dA,joker
エレオス
*s2,s7,s5,sJ,hQ
7ラウンド目 ヘレン
GM
ヘレンの猛毒は解除。
ヘレン
……パスで
7ラウンド目 エレオス
エレオス
*パス
7ラウンド目 カード破棄
エレオス
*hQ 破棄
ヘレン
*s3破棄
8ラウンド目
GM
サドンデスを適用します。
このラウンド終了時、双方のHPが0になります。
双方とも昏倒した場合は、膠着時の処理に従って勝者を決めます。
エレオス
*d3,s2,s7,s5,sJ
ヘレン
*d5,d6,cK,dA,joker
8ラウンド目 ヘレン
ヘレン
cK 霊感を使用 d9を拾います
GM
ヘレンは切り札『地割』を獲得します。
ヘレン
jokerで悪戯使用します 不調は封印
[ エレオス ] 封印/8R目 : 0 → 1
ヘレン
やっぱ衰弱にします
[ エレオス ] 衰弱/8R目 : 0 → 1
GM
このように。
GM
ダイスをふってくださいな
ヘレン
1D6 3以上で自身も衰弱 (1D6) > 2
GM
自身は衰弱にはならず。
ヘレン
d9 通打使用 d5精確も使用 (1D9) > 5
ヘレン
なんか振ってるし
GM
この1D9は見ずに判定をどうぞ
ヘレン
1d6 精確 (1D6) > 6
ヘレン
2d6+1+6=>7 通打+精確 (2D6+1+6>=7) > 12[6,6]+1+6 > 19 > 成功
GM
スペシャル回復をお先にどうぞ
ヘレン
1d6 スペシャル回復 (1D6) > 4
[ ヘレン ] HP : 13 → 17
GM
続いてダメージをどうぞ
ヘレン
1d6 ダメージ (1D6) > 6
GM
え~っと 衰弱が入っているので……
[ エレオス ] HP : 8 → 0
GM
エレオスは判決。
エレオス
エレオス
……マジで??
GM
どうもマジらしいです
ヘレン
マジだよ
エレオス
ふざけるなよ………
エレオス
う~~~~~~ん……振ります!
エレオス
2d6+2+1-0 (2D6+2+1-0) > 4[3,1]+2+1-0 > 7
エレオス
っぶね
GM
ランダム判定ですね
エレオス
*免罪符を使用します
[ エレオス ] 免罪符 : 1 → 0
GM
では、エレオスは無罪に。
GM
無罪ではない
[ エレオス ] HP : 0 → 1
エレオス
無罪でもいいんですよ
GM
HP1回復。
[ エレオス ] 前科 : 0 → 1
ヘレン
♪You'll take the "lead" in each "trip" we take,Then if I don't do well…

”君がいつでも先導するのさ、僕らの行く旅は。そこで僕が何か失敗をするなら……”
ヘレン
♪I will permit you to use the brake,My beautiful Daisy Bell!

”君がブレーキをかけてもいいよ、僕の美しいデイジー・ベル!”
ヘレン
歌が流れるたびに、何かが削れていく感覚がある。
思考が少しずつ止められていく。
ヘレン
音が一瞬止まった。
ヘレン
「……エル。」
ヘレン
「こわいよ。」
8ラウンド目 エレオス
エレオス
途切れた一瞬の。
その声を聞いて。
エレオス
身震いをした体に力を入れて。
エレオス
「…ヘレン。大丈夫」
エレオス
「オレが居る」
エレオス
視線を外さずに、警告色に輝く瞳を恐れずに見つめた。
エレオス
今ので理解った。
エレオス
ヘレンはここに居る。
エレオス
*d3 応急 衰弱を解除
[ エレオス ] 衰弱/8R目 : 1 → 0
エレオス
そう思えば、冷えた体に熱が沸きたってきた。
エレオス
*とうみつを使用  その後パス
8ラウンド目終了
GM
……そうして、ノイズ混じりの歌が
GM
閉じ込めた。閉じ込められた。壊した。壊された。
あなたがたの行動に判決を言い渡す。
[ エレオス ] とうみつ : 2 → 1
[ エレオス ] HP : 1 → 7
[ ヘレン ] HP : 17 → 0
[ エレオス ] HP : 7 → 0
ヘレン
判決 いきましょう
ヘレン
2D6+2 判決 (2D6+2) > 9[6,3]+2 > 11
GM
HP1。
[ ヘレン ] HP : 0 → 1
[ ヘレン ] 前科 : 0 → 1
[ ヘレン ] 前科 : 0 → 1
エレオス
2d6+2+1-1 (2D6+2+1-1) > 4[2,2]+2+1-1 > 6
GM
ランダム判定です
エレオス
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
エレオス
2d6+2>=7 【愛】判定 (2D6+2>=7) > 9[3,6]+2 > 11 > 成功
GM
成功。HP1で立ち上がります。
[ エレオス ] HP : 0 → 1
[ エレオス ] 前科 : 1 → 2
ヘレン
*破棄なし
エレオス
*破棄なし
9ラウンド目
ヘレン
*h2,h4,d6,c8,dA
エレオス
*s2,s7,s5,c9,sJ
9ラウンド目 ヘレン
ヘレン
切り札 地割を使用します
GM
HP3点減少ですね 対象と使う回数の指定をどうぞ
ヘレン
一旦止めて dA救済使ってもいいですか?
GM
いいですよ
ヘレン
対象はエレオスさん
GM
回復量をどうぞ
ヘレン
1d6 回復量 (1D6) > 1
[ エレオス ] HP : 1 → 2
ヘレン
あたらめて地割 双方に2回
GM
では、順番も決めていただきましょう
サドンデスとは違って順番があります
ヘレン
ヘレン→エレオスで
[ ヘレン ] HP : 1 → 0
GM
ヘレンは判決。
ヘレン
2d6+2-1 判決 (2D6+2-1) > 7[6,1]+2-1 > 8
GM
ランダム判定ですね
ヘレン
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ヘレン
2d6+3+1=>7 (2D6+3+1>=7) > 6[3,3]+3+1 > 10 > 成功
[ ヘレン ] HP : 0 → 1
[ ヘレン ] 前科 : 1 → 2
GM
成功。HP1、前科+1。
GM
そして……
[ エレオス ] HP : 2 → 0
GM
エレオスも判決。
エレオス
2d6+2+1-2 (2D6+2+1-2) > 7[2,5]+2+1-2 > 8
GM
ランダム判定。
エレオス
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
エレオス
2d6+2>=7 【猟奇】判定 (2D6+2>=7) > 7[4,3]+2 > 9 > 成功
[ エレオス ] HP : 0 → 1
[ エレオス ] 前科 : 2 → 3
GM
成功です。HP1、前科+1。
GM
二回目の地割。
[ ヘレン ] HP : 1 → 0
GM
ヘレンはHP0、判決です。
ヘレン
いきましょう
ヘレン
2d6+2-2 判決 (2D6+2-2) > 5[4,1]+2-2 > 5
GM
〈昏倒〉。
GM
亡者化判定をどうぞ。
ヘレン
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ヘレン
2d6+1=>7 亡者化判定 (2D6+1>=7) > 10[4,6]+1 > 11 > 成功
GM
亡者化判定の結果、亡者化はせず。
ヘレン
……
ヘレン
動きの中に存在する動き。
変化を伴って変化をもたらすこと。
ヘレン
「ここは安全だよ。エル。」
ヘレン
歌に、声が乗せられる。
君がいるから。君の為に、私がいるから。
ヘレン
「君が好きだから、一緒にいたいのさ。」
そう思う己が、歌と共に失われていく。
ヘレン
「君と……」
ヘレン
それは、わずかに残る”ヘレン”の抵抗だったのか。
あるいは、狂気の中で失われた思考によって、その動きを止めただけなのか。
ヘレン
狂気の中にて、お前の目指す星はどこか。
旅を導く”セントエルモの灯火”はどこか。
ヘレン
「……僕は自転車に乗って君の傍にいるよ、そうじゃなければ悲しいだろう……」
ヘレン
「デイジー…デイジー……」
ヘレン
音は次第にノイズ交じりになり、弱まっていく
エレオス
弱まっていく音を繋ぎ止めるように、肩を掴んだ手を、背に回して。
…ヘレンと同じ歌を、口ずさむ。
エレオス
Daisy, Daisy
Give me your answer, do!
I'm half crazy
All for the love of you!
エレオス
「ヘレン…オレは…足りなくて、いつも…いつもオレばかり助けられて…!」
エレオス
「今だって…ずっと、こんなになるまで…こんなになってまで、助けて貰って…!」
エレオス
It won't be a stylish marriage,
I can't afford a carriage,
But you'll look sweet on the seat
Of a bicycle built for two!
エレオス
「それをまだ、返せてないんだ。
返したいのに、返そうと、頑張ったけど…それは間違いで…」
エレオス
「オレも、ヘレンが好きだ…!だから、安全じゃなくたって、なんだって。
それよりも……”ヘレン”に居て欲しいんだ、オレは!」
エレオス
「言うことを聞かないでくれていい…!
一方的なのは嫌だ…!
オレは、”ヘレンと全部が一緒”が良いんだ…!」
エレオス
When the road's dark, we can both despise
P'licemen and "lamps" as well;
There are "bright lights" in the dazzling eyes
Of beautiful Daisy Bell!
エレオス
「…もし道が暗くとも、僕ら二人とも
おまわりさんや「ランプ」なんかいらないさ」 
エレオス
「…きらめく瞳のなかに「照明」があるのさ
美しいデイジー・ベルの…」 
エレオス
「…そうだ。オレにはヘレンが居たから。
それだけで良かった」 
エレオス
語りかけながら、強く抱きしめて。
エレオス
「ヘレンがオレの明かりで。星で……」
エレオス
「……オレは、それをただ消えないようにした」
エレオス
「…でも、違うんだ」
エレオス
「オレが、オレもヘレンを照らせるようになりたい」
エレオス
デイジーベル。ともに歩むための”2人”の歌。
エレオス
一人きりが歌ったって、それは寂しい歌だ。
エレオス
「一緒に歌おう…!オレはヘレンに言うことを聞いてもらうより、星の話をしてもらうより……」
エレオス
「”一緒”に全部がしたいんだ…!!!」
エレオス
そう叫んで。抱きしめたまま、瞳を見据えて。
じっと、その奥に居る”ヘレン”へと語りかける。
ヘレン
体が抱き留められる。歌が紡がれる。
ヘレン
止まりゆくそれが、貴方の言葉を認識する。
フィードバック、まだ思考は止まらない。
ヘレン
「……ー……」
貴方の歌に合わせて、唇が動いた。
もしかすれば、それは心と呼ばれるものなのか。
ヘレン
その瞳が貴方を捉えた。
それは太陽のような明るさではないかもしれない。
ヘレン
けれど、旅に確かに寄り添う、星のような。
光がそこにある。導き、引き戻してくれる。
ヘレン
「……エル……」
その名前を呼んだ。
ヘレン
「……そこに、いるのかい。」
共に旅をしてきた彼に。
エレオス
「ヘレン…!!!!」
エレオス
名を呼ばれて。
抱きしめていた体を離して、その目を見る。
エレオス
「居るよ…!オレはここに居る…!!!」
ヘレン
それを聞いて。
思考が止まっていく恐怖が、自我が失われていく恐怖が、消えていくような気がした。
ヘレン
「そうか……」
ヘレン
「……嬉しいな」
ヘレン
「……じゃあ、そうだなあ……」
ヘレン
「……次に、目が覚めた時には……」
ヘレン
「エル……2人で一緒に、行こう……」
ヘレン
眠りとは、意識を手放すこと。
思考を止めること、永遠の無意識であること。
ヘレン
一度シャットダウン<昏倒>が起これば、一人で目覚めることはできない。
それが永遠のものであれば、死とそう変わらない。
ヘレン
けれど、そう。
彼がいるならば、もう一度目覚めさせてくれると。
2人で共に進むのなら。
ヘレン
多くを分かち合えることができると。
ヘレン
本当の”安堵”と共に、眠りに落ちた。
GM
――閉廷。
エピローグ
GM
灰は止み、辺り一面見慣れた荒野。
GM
翌朝、君たちは急いで廃墟を発った。
これまでの一幕が必要な休息だったとしても、責務までのカウントダウンは刻一刻と迫っている。
エレオス
「……迷惑をかけて…ごめん」
エレオス
一夜明けて。
廃墟を出てからも、ずっとこんな調子で。
申し訳無さそうにするその姿は悪さをした大型犬のよう。
エレオス
「…これから、どこに向かおうか…?」
エレオス
気持ちの上ではずっと謝り続けたいくらいだけれど、今はそれをする時間の余裕もない。
謝りながら、荒野を歩きながら。
今後の行き先を相談する。
ヘレン
「何度目だい?エル……口を動かすより先に足を動かした方がいいんじゃないか?」
ヘレン
「ここらはあまり来ない場所だからなあ……地図でもあればいいんだけどね。」
冗談っぽく返して。急げ急げと早足に。
ヘレン
残り日数を指折り数えて。
知り合いと戦いたくないのなら、どこか別のところへ向かわなければいけない。
GM
そうしてあたりを見回しながら歩いていたら。
デスフラミンゴ
前方、大岩の近くに見知った亡者がいた。
GM
確か、『あの時』戦った救世主がてなづけていたものだ。
エレオス
「あれは……」
エレオス
小声で。亡者には悟られないように、ヘレンに視線を向ける。
デスフラミンゴ
亡者ミミズをついばんでいる。
ヘレン
「……ん……」同じように、亡者の存在に気づき。
ヘレン
警戒してその様子を見る。
暴れることは珍しい生態…とは聞いていたけれど。
デスフラミンゴ
様子を見ていれば、やがて口をもごもごさせたまま首をあげて、
デスフラミンゴ
鋭い目が救世主らをとらえる。
デスフラミンゴ
……が、いかにもわけがわかりません、といったようなふうに首を傾げて。
デスフラミンゴ
駆けて、それから空を飛んでいった。
GM
亡者が生前の本能をなぞるなら、おそらくは故郷、庭園の方角へ。
ヘレン
「……飼い主がいなくなった……か。」
ヘレン
こちらへ興味もなく、羽ばたいていく亡者の姿を見て。
エレオス
「……仲間の居るところに、行ったのかな」
エレオス
飛び立つ姿を目で追って。そう、ポツリと。
ヘレン
「かもしれないね。亡者にも家はあるんだろう。」
意思なき亡者にも仲間はいるのだろうか。
あるのならば、やはり生前の本能のままに。
ヘレン
「ま、急ぎ道だ。無駄に体力を使わず済んだんじゃないかな。」
ヘレン
「あいにく、俺達の帰る場所は定まってないからなあ。」
そう、隣にいる仲間へと。
エレオス
「…うん、そうだね」
エレオス
”灰に塗れた歪んだ居場所”はもう後にして、今から進むのは先の分からない荒野の道。
エレオス
「…でも、ヘレンと”一緒”ならどこへだって行けるし…そこがオレの”居場所”だ」
エレオス
自分のせいで歪んでしまったヘレンが今、ヘレンとして隣を歩いてくれる。
その幸せを噛み締めながら、微笑んで。
エレオス
「…行こう。
オレはヘレンと、まだまだ一緒に居たいんだ」
エレオス
飛び去っていくフラミンゴの姿を見送って。
手を差し伸べて再び荒野の道を行く。
エレオス
その旅路の果てがどうなるか、”鳥籠”を出た今では定かではないけれど。
エレオス
それでも、ヘレンと”一緒”ならば。
何が待ち受けていても歩いていけると思った。
ヘレン
この行先がどうなるか、定かではない。
例えつらく困難な出来事があろうと、目の前には道が広がっている。
ヘレン
それはきっと、自由であること。
ヘレン
「俺もだよ、エル。」
差し伸べられた手を取って、歩む。
ヘレン
2人、手と手を取り合って。同じ道を。
同じ歌を口ずさみながら。
ヘレン
♪"Ped'ling" away down the road of life,
I and my Daisy Bell!

”人生という道を「ペダル」を漕ぎながら
僕と、僕のデイジー・ベルで!”
GM
GM
Dead or AliCe
GM
『鳥籠』終幕。